女神世界の新生世代   作:Feldelt

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第三章 緑の女神と悪魔の片割れ
第20話 リーンボックス


第3分校に戻ってきた僕らを待っていたのは当然ながら茜さんなのだが、

直感的に僕は、いつもと様子が違う気がした。

 

「あかねぇ、ただいま。」

「...あぁ、おかえり白ちゃん、みんな。」

 

やっぱり少し様子がおかしい。

茜さんが僕らにわかるほどに様子がおかしいことはめったにない。

というか初めてだ...聞いてみるか...

 

『どうしたんですか、茜さん。』

「でしょ?黒君。」

 

読まれてた...さっすが茜さん...

いやはや、やっぱり僕では届かないのかな...

 

「実際あったんだよねー、面倒事。ちょっち

リーンボックスに行かなきゃなんなくて。」

「リーンボックス、ですか...」

「いや行くのはいいんだけどね、そして安全なんだけど、

身の危険を感じるんだよ...」

「やだなぁ茜ー安全なのに危険っておかしいじゃん!どうしちゃったの?」

「うーん、説明しにくいからなぁ...一緒に行けばわかると思うよ。」

 

ということは...次の目的地はリーンボックスになるのか。

 

「ともあれ、今は帰ってきたんだし、ゆっくり休みなよ。

明日1日だけしかないんだけどね。」

 

というわけで、今日明日はゆっくりできそうだった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

翌日、いつものように白を起こし、茜さんのいる部屋に向かうはずだったのだが、

 

「まさか、白と茜さんがこんなにべったりくっついて、

その上ここまでぐっすり寝てるなんて...」

 

これは起こしちゃいけない気がした。

 

「茜ー、白ちゃーん、朝だよー!」

「ネプテューヌさん!?あなたも基本朝起きない

ですよね!?それと起こしちゃ不味いですって!」

 

白の逆鱗に触れるのは確定として、茜さんがどんな

反応するか...正直怖かった。

実際に茜さんがもぞもぞと動いて、のそりのそりと

起き上がったとき、白をそうした時のように酷い目に

逢わされるのだろうと覚悟していたんだけど...

 

「ふみゅぅ...起こさないでって言っといたのに...」

瞬間、どんな目に逢わされるのかを想像して身構えた。

けど、次に茜さんが紡ぐ言葉は、到底予想できなかった。

 

()()()だって、朝起きないくせに...」

「え...?」

 

茜さんは、僕を見てそう言った。

寝ぼけ眼でも、しっかりとした声で。

 

「茜、寝ぼけてるの?」

「ねぷちゃん...んー...」

 

伸びとあくびをして目に涙を浮かべている茜さんだったが、

"えー君"と、英雄凍月影の名を出した時、その目は寝ぼけ眼ではなく

ただの一人の女の子としての目だった。

そんな感傷を抱く7歳児なんて、僕くらいだろうね。

 

「ふぁぁぁ...おはよ、お兄ちゃん...」

「っと、おはよ、白。」

「みゅ...あれ?黒君だった?あはは、ごめんね。」

 

そんな感傷を抱いた時、白が起きてこの話は流れた。

もしかしたら、僕と英雄凍月影は似ているのかもしれない。

流石にそんなことは聞けないから、胸の奥にしまって1日しかない

寸暇を楽しむことにした。久々にクラスメイトにも会えるからね。

 

 

----------

 

 

「次は、リーンボックスか...」

 

イオサンド某所で二人組が会話をしている。

片方は仮面の男、審判の悪魔。

もう片方はその仲間の九形光。

この二人の会話なぞ、物騒極まりないのが世の常だろう。

 

「あの少年の一行もきっとそうするだろうね。ことごとく被るなぁ...」

「まぁよいだろう光。邪魔するならば叩くのみだ。私は先に向かっている。」

「...それはいいけど...リーンボックスでその姿は目立つよ。なんせ温暖だし。」

「...コートは無理か...むぅ、いささか困ったな。」

「いいよ、私が行くよ。君はあの妹達の様子でも見るといい。しばらく会って

 ないのだろう?なんせここは土壌にアンチクリスタルが散らばっているからね。」

「開拓者のデータの解析結果か...通りで女神が定着しないわけだ。

 ...確かに私は彼女達に会うことにするよ。」

 

そこで二人は別れた。

 

----------

 

 

1日の特訓と荷造りの後、僕たちは茜さんと共にリーンボックスに着いた。

 

「さ、行こうか。」

『おー!』

 

 




次回、「第21話 緑の女神と紅白少女」

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