女神世界の新生世代   作:Feldelt

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第22話 罠と毒

教会から離れ、リーンボックス観光に出ようとした矢先に少し面倒な

ことに巻き込まれた。いや、もはや世界そのものが面倒になっていた。

 

「へぇ、モンスターで馬車が出せない、か...」

「どーする?茜。」

「どーするもこーするも...まぁ黒君白ちゃんのために狩りにいくよー。」

「あかねぇ、ここでも訓練なんだ...」

「事態はひっぱくしてるんだよー。あ、えー君ぽいこと言っちゃった。

えっとね、急がなきゃいけないのさ。」

 

モンスター狩りか...シアンさんの剣との二刀流に慣れちゃったから

今の一本の剣をうまく使える自信がない。うん、武器屋に行きたいな。

 

「茜さん、その前に...武器屋に寄ってくれませんか?」

「いーよー。」

 

武器屋、7歳児が行くようなところじゃないか。

けど、僕らは行ってそこで剣を品定めしていた。

 

「お客さん、あんた達一体何者なんだい?子連れで武器屋に寄るなんざ、

ただ者のやることじゃねぇですざ。」

「私の子じゃないんだけどね。この子達は、生まれつき悪魔と戦う宿命なのさ。」

「それは...いくらなんでも酷じゃねぇですかい?」

「そだね...私も背負ってる。結局、変わらなかったんだよね、

師匠が世界を変えようとしても、それをえー君が護ろうとしても、

それを悪魔が壊そうとしてもね。」

「は、はぁ...」

 

茜さんと店長らしき人物が会話しているが、僕にはそれが聞こえない。

片手で扱える軽めの剣...これかな...

 

「水晶刀身の刀...凄い使いやすい...」

「決まったみたいだね。...そうか、やっぱり君はそれを選ぶか。」

「茜さん?」

「こっちの話。じゃ、買って行くよ。」

「はい。」

 

二刀流に武器を新調して、僕たちはモンスター狩りに向かった。

向かった先は交易路っぽい道。腕が鳴るね。

 

「ざっと見ても150...やっだねぇ、ほんと。」

「あかねぇは見てるだけのくせに...」

「白ちゃんそれ言う?まぁね。私が出ちゃうと簡単に100は減るよ?

伊達に天界救世を戦ってきたわけじゃないんだし。」

「茜...恐ろしい子!」

 

ネプテューヌさんも実はそうなんだよなぁ...とは言えなかった。

そういえばノワールさんにネプテューヌさんの正体を教えてもらった

(正確には気づいた)けど、まだ教えてなかった...

 

「まぁいいや。行きます!」

 

モンスター狩りの始まり始まりってね。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

一通り狩り終えた。いやはや、結構動けたんじゃないかな。

あれほどいたモンスターも今はまばらになっている。

人の通りに近かったから結構いいことしたんじゃないかな。

 

「あのー、今いいですか?」

「はい?って、貴女は確か教会ですれ違った人...」

 

フードと眼鏡といういかにも怪しい風貌だったからか、

僕たちは無意識に構えていた。

 

「あぅ、そう構えないでください、私は審判の悪魔を追う

ジャーナリスト、瀬木 光です。」

「ふーん、ジャーナリストかぁ...じゃあ聞きたい事は山ほどありそうだね。

けど...残念かな。もうそろそろ暗くなってきたし、私達は宿に行かないと。」

「そうですか。では、お近づきの記しにこれを。つまらないものですが。」

「おー!なんかいろいろ入ってる!」

「ネプテューヌさん、早速ですか...まぁ、ありがとうございます。」

「では、またどこかで。」

 

悪い人ではなかった。というのが第二印象になったけど、

印象というものは覆されるものであって、決して固定なんてされない。

ネプテューヌさんがもらった紙袋、その中にはモンスターを生み出す装置があった。

そんなものを僕たちは見たことはなくても経験したことはある。

 

「アヴニールの倉庫のときと同じか...!」

「とりあえず、出てきたのを片すとするよ!」

 

茜さんが装置を破壊してからの行動は早かった。

わき出たモンスターはとるに足らないものだけど、僕は思う。

 

「罠だね...白、さっきの人はどこ?」

「見えないね...逃げたんだと思うよ。」

「...とりあえず教会行くよ。これは報告しないとだから。」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「なんと、そのようなものが存在するとは...」

 

教会についてからの茜さんの行動も早かった。

早々に職員のお爺さんに事実を告げて、対応を練らせるとことか...

本当に思うよ、何者なんだろう、茜さん...

 

「ふむ...それでは対策を練りましょう。あぁ、茜さんと言いましたかな、

貴女には少し別件がありますので少しお待ちください。」

「なるほどわかりました。ねぷちゃん、黒君達をお願い。」

「あ、私トイレ...」

 

白が離れていく。迷わないかなぁ、まぁ大丈夫か。

そして僕とネプテューヌさんは教会を出た。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

あかねぇとあのお爺さんが会話してるなか、私はトイレから出て

お兄ちゃんと合流しようと思ったんだけど...困ったことにさっき

あかねぇがいたところすらわからなくなってしまった。

そう、迷ってしまったのだ。

 

「あうぅ...どこだろここ...いや教会だけど...うーん...」

 

更に困ったことに人がいない。というか、

 

「お兄ちゃん...怖いよ...」

 

私はお兄ちゃんがいないと人見知りがひどくなるのだ。

お兄ちゃんが私を毒舌と言うけれど、きっとそれは違う。

人見知りでおびえているのの裏返しが正しい。

 

「うぅ...怖いよ...」

 

とはいえここから出ないといけない。

しかたないけど私は近くにあった扉を開けて、中に入った。

 

「だ、誰かいます、か...?」

 

いつでも変身できるように身構えてはいる。

けど、それは必要なかった。

 

「およ...女の子の、声...?」

 

奥にいたのは綺麗な女の人だったからだ。

 

 

----------

 

 

私は教会職員のお爺ちゃんに呼び止められて話を聞くと、こう言うことだった。

モンスターを生み出すのは悪魔信仰者。ねぷちゃんもそれだから抹殺してほしいと

毒薬を渡された。うーん、だったら自分でやりなよ。

 

「これを握らせた意図はわかった...きっと自分でやんないのは国民を心配させない

 ため...じゃあ敢えて聞くけど、私がこれをここで捨てたら?」

「その時は軍隊をもってしても、排除するだけじゃ。いかに天界救世を戦い抜いた

 猛者といえど、勝ち目はありませんぞ。《深紅の閃光》殿。」

 

私の二つ名...そう呼ばれるのは何年振りだろうか。

けど、そんなのを知っているのはそうそういない。

 

「調べたね...じゃあ受け取っておくよ。けど...天界救世の英雄、凍月 影を知らないから

 そんなこと言えるんだよ。えー君がここにいたら、二人で軍なんか潰せたのに。」

 

「いかに英雄と言えども、死人の強さなど恐るるに足りんわい。」

 

正直、カチンと来た。けど、ここで怒ったら向こうの思うつぼ。

私はふーんとだけ言い残して、外に出たのだった。




次回、第23話「白とベール」

はい、ベールイベントです。
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