ザ・ウォーキング・デッド in Japan 作:永遠の二番煎じ
ゾンビが支配する世界になって一年ぐらいだろうか。
緑のテントを中心に農園を造り、さらにまた農園の外側を堀でゾンビの侵入を防いでいる。
円を描くように農園の外側を掘った、渡る時だけ木材を橋として堀の上に置く。
青井和成と生田優香は二人だけで安全なところに身を置いて再び生活していた。
「もう人を一か月見てない。」
「そうだね、大丈夫?」
「このまま二人で平穏に暮らそう。」
野菜を見ながら会話した。
鍬を持って農園の端に行く。
和成は農園の周囲の堀に落ちているゾンビに口笛でおびき寄せる。
ゾンビが寄ってくると頭めがけて鍬を振り下ろす。
溝を掘りたての時は毎日5体くらいハマっていたが、最近では二日に一体堀にはまっているかいないかだ。
処理した死体を農園の外で焼いた後、大型のテントに戻り、
「優香、俺たちが最後の人類かもな。」
「ふふ、ロマンチックね、最後のアダムとイブってこと?」
「ああ、まさに現代のノアの大洪水ってやつだな。」
今日獲れたてのトマトとキュウリがお皿に、そして缶詰が収納型のテーブル台に置いてある。
缶詰をスイス製ナイフで開ける和成。
向かいに優香が座る。
「使ったら貸して。」
「オッケー。」
ゾンビや盗賊からの危機管理から忘れていたが、かつての日常を思い出す。
サラリーマン時代の入行許可証のチェック、揺れる電車やバスにテレビゲーム、まるで夢だったかのようだ。
今の生活に慣れ現実が今だと受け入れた自分はこの世界に負けたのかと時々考えさせられる。
「和成、缶詰無くなりそうだから近々久々に町行ってみる?」
「そうだな・・・」
「何か不満?」
「いや、優香が心配でさ。」
「え?今更~。てか私も戦えるし大丈夫よ。」
二人は笑いながら、
「確かに、安全地帯に居た時は優香の方が強かったもんな。」
「今は和成が守ってくれてるから楽してるけど、いざとなれば援護するわよ。」
翌日堀の外で和成と優香は調達について話している。
「本当に一人で大丈夫か?」
「うん、和成は農園をしっかり守って。」
「そっちこそ。」
と言って和成は拳銃を渡す。
優香は拒否して、
「まだ、持ってたんだ。」
扱え慣れていない銃器はすべて二人で処分したが、和成は念のため拳銃を隠し持っていた。
「確かにあの時俺達には争いは向いてないと決めて放棄した・・・だが町に行くとしたら別だ。」
優香は和成の隠し事に驚き、無視して軽トラで調達に出かけた。
峡谷を走って県道に入る。
ゾンビはほとんど見なかった。
町に入ると二十歳くらいの女の子がゾンビをナイフで殺していた。
ナイフを持って援護に行こうとした時、弓矢を向けてきた。
「待って、ナイフを捨てるから。」
優香はゆっくりナイフを地面に置く。
置いた途端に弓使いの女は倒れた。
目を開けると、
「緑の天井?」
目を覚まして持つナイフが近くにない。
「大丈夫か?」
「青井さん・・・」
「そうだ、話したいことや聞きたいことは山ほどあるが今は寝ておくんだ。」
「・・・」
テントを出ると優香が、
「知り合い?」
「ああ、いや知り合いだったと過去形にしたほうが正しいかもな。」