チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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気持ち短い。
質は……悪いと思う。


マジもんらしい

一瞬にして戦場のような状態になった森の中。

その中に一人と一匹、そして傷つき倒れている二匹がいた。

 

勿論それは俺とピカチュウ、そしてロコンとガーディ。

 

この二匹の内、どちらか一匹に会うため森の中に入ってきた身としては、望んでいた状況である。

 

とにかくもかくにも、傷ついたままで目をさましてくれない事には話しにならない。

傷ついている理由は不明。それでも、そんな彼等の傷ついた身体を癒していく。

そういえばピカチュウもこんな風に癒していたな、とちょっと追想。

 

最近になり、疲労を感じなくなったトキワの能力により、手を光らせ待つ事数分。

粗方目立った傷は無くなり、呼吸も整ってくる。

……後は二匹、このロコンとガーディの目を覚ますのを待つばかりとなった。

 

目を覚ますまでの間、俺はポケットからモンスターボールを二つ取り出し、空中お手玉をする。

これが中々超能力の訓練に良いと知ったのは結構最近。

 

同時に違う事をするので頭の運動には丁度いい。

 

『で、どうするんだ? 確かどっちかを捕まえようとか言ってた気がするが』

 

ピカチュウがなにやら手を動かして、電気発生させながら聞いてくる。

うーん、どうしようか。

最初はボールの消費一つで済ませようと思ってたんだけども。

なーんかこの二匹訳ありみたいだし。

 

『……どっちも捕まえれば良いと思うんだが』

 

何言ってんだよ。

ボール一個2000円するんだ。

ほのおタイプ二匹も要らないんだけど。

 

『それもそれでなんか嫌だぞご主人。……捕まえられる身にもなってみろ』

 

まぁそうだけど…。

でもやっぱり四千円消費するのなんかヤダ。

 

『……ケチくさ』

 

うっさいな。

こちとらまだ七歳にもなってないんだぞ。

小遣いも雀の涙だし。

大体こうやってモンスターボール三つもくれたお父さんが太っ腹なだけだって。

 

『なんだ、それ。……ほら、目、覚ましたぞ』

 

「……うん?」

 

宙でクルクル廻してたモンスターボールを両手に戻して、二匹のほうを見る。

ぽけーっとした表情でこちらを見ていた。

なんとも愛嬌のある顔だ。

 

「おーい」

 

『は!』

『……貴方ですか?』

 

ロコンの方が脈絡も無く聞いてくる。

怪我の事だろうか。

 

「うん、怪我治したのは俺」

 

『『……』』

 

どうしよう。目、見開いて固まったんだけど。

 

「おーい」

 

『……なんで判るんだ?』

『た、偶々だって事も…』

 

「心外な。聞こえてるっての」

 

『『嘘……』』

 

声をそろえて目を丸くする二匹。

こいつら、驚くの大好きか。

 

『ま、初めはそうなるよな。私もそうだった』

『そうなんですか?』

『……ビックリした』

 

なんかピカチュウがフォローしてくれてる。

あぁ、そういえば初めの頃当たり前のように、俺以外に話しかけてなんかショック受けてたな。

……なるほど、一つ謎が解けた気分。

 

まぁ、そんな事は置いといて。

 

「えっと……なんで倒れてたわけ?」

『……』

『その、私達……駆け落ちしまして』

 

とんでもない言葉を聞いた気がする。

 

「なぁ、ピカチュウ。俺耳おかしくなったかな…」

『……安心しろ、私も聞こえた』

 

なんと幻聴ではなかったらしい。

 

『……』

『……』

 

そして目の前には照れる二匹。

あぁ、こいつは……

 

「『な、なんだってー!』」

 

……マジもんらしい。

 

-------------------------

 

「……さて、どうする? 二匹とも捕まえる事は出来るけど……」

 

目の前の二匹に問いかける。

着いてくるか、着いてこないか。

 

どの道ついてこなかったとしても、彼等に居場所はもうない。

彼等の事情とはこんなものだった。

 

 

――ロコンと、ガーディ。

彼等はキュウコン、ウインディそれぞれの集落のトップの娘と息子で、二匹は幼馴染らしい。

いずれ親の後を継いで、トップに立つべき二匹なんだとか。

キュウコンの所は女尊男卑の社会構成で、ウインディの所は逆に男尊女卑。

 

しばしばその社会形態の違いから、群れ同士で小競り合いが起こっており、そんな中この二匹は偶々群れの中から抜け出した時出会い、お互いに興味を持ったらしい。

 

……そしてそんな関係が続いて数年。

 

ついに二匹がトップの座を継ぐ事が決定した。

それはこのままではお互いにいがみ合うような関係になる事を意味しており、今までのようにコッソリあって逢引するような関係には、戻れなくなるということだった。

 

二匹はその前に駆け落ちし、何処か遠くで静かに暮らそうとそれぞれが群れから離れた。

 

……で、そんな上手い話上手く行くはずも無く、駆け落ちする事はそれぞれの群れにばれて、追われる。

そして攻撃を受けながらも、ギリギリで逃げ切った二匹はあそこで倒れていた。

 

 

――と言う事なんだけど。

 

 

お前等、すっごいドラマチックな事になっていないか、と。

そう、まるでロミオとジュリエットのような。

 

何処にこんな現実みたいなドラマがあるんだよッ!

 

……違った。ドラマのような現実だ。

…………うん、まぁそんな些細な事はこの際どうでもいいさ。

 

それよりも、今、この二匹には行く当てもない。

 

再び俺は彼等に問いかける。

 

安全な環境を手に自由を捨てるか。

過酷な生活の中、自由を得るか。

 

『……それじゃ…』

 

帰ってきた返事は――。

 

 




日刊一位……ぇ。

十二時間後、ランキングから消失……うん。

まぁ、一抹の夢だったという事もですが、それもこれも偏に呼んでくださった人達のおかげです。
読んでくださって有難うございます。

感想、これから随時返信していきます。
それでは。

誤字修正
ウェンディ→ウィンディ

よくあr……ない?

誤字修正
ウェンディ✕
ウィンディ✕
ウインディ○

よくあ(ry
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