気が付いたら文字量いつもの二倍だった。
分けるべきかととも考えたがこのままで。
ちょこっと誤字修正。
古代の幻のポケモン――現在見つかっているポケモン全てに姿を変えられるミュウをモンスターボールで捕まえるという荒業を成し遂げた俺は、化石の復元を見ていたカツラさんとお爺ちゃんを、ミュウが暴れていた部屋に呼び寄せた。
事が事なので、せめてこの二人には話しておこうと思ったからだ。
さっきまでのポケモンがミュウだという事を。
恐らく隠していても何時かバレるだろうから。
ミュウだと言う事を話すと、二人は腕を組んで唸る。
カツラさんがオーキド博士に目配せして何かを確認した後、唸るように言った。
「……坊主」
「うん? 何ですかカツラさん」
「…………ミュウの事を知っているなら、知っているとは思うが……ミュウツーについての事だ」
「ミュウツー…」
反芻してゾクリとする。
確か……アニメとかではロケット団に作られたとかなんとか。
ついでと言っては何だけど、ゲノセクトはミュウツーに対抗するためにプラズマ団に作られたとかってネットで憶測が飛んでた気がする。
他にもゲームの中では、グレンジムにフジ老人と肩を並べて笑っているカツラさんの写真があって、そのフジ老人がミュウツーを作り出したとか。
それにポケモン屋敷の日記や最果ての孤島……それらの文章はフジ老人が書いたとか。
そんな思わせぶりな表現が多かったゲームの中だった内容。
「そう、ミュウツー。人類最大の禁忌……人工的に作り上げる強く従順なポケモンの開発。……内容詳細は省くが、この地方にいる強い個体に良い所に変化させ、その姿を定着させた姿がヤツだった」
「そして元になったポケモン。……それがそのミュウという種から生まれた実験体μ-Two。ヤツは逃げ出し、今はポケモン協会に管理されているハナダの洞窟奥深くで眠っているという話じゃ」
「その開発の援助を行ったのがロケット団……」
「……そんな事まで知っておるのか。我が孫ながら何処でそんな知識を拾ってくるのか…」
「あ、いや。なんとなくそんな気がしただけです……」
はぁ、と溜め息を吐いている辺りからすると信じられていない。
ついテンション上がって前世での考察を言ってしまったのは失敗だった。
〈……気持ち良い、トウカ〉
人がシリアスやっている時に膝の上で俺に撫でられてご満悦な様子のミュウ。
コイツが言語を解せる程度には知能が高いという事も既に話した。
「……なぁミュウよ」
〈なに?〉
ミュウが念話で聞き返す。
お爺ちゃんは何か済まなそうに言いよどんでいた。
「……ワシ等人間はお前達の子供に酷い事をしてしまった。今この場にいない奴の代わりに言わせてくれ。済まなかった」
「……俺からも済まなかった」
それでも意を決したようにおじいちゃんは頭を下げる。
それにはカツラさんも続いた。
〈ねぇ、なんで謝ってるの?〉
俺の顔を見上げてミュウは至極不思議そうだ。
まぁ、無理も無い。
倫理観念の諸々が今と昔とでは違うようだし。
ポケモンの世界と人間の世界とじゃ摂理が違うし。
目の前の二人の気持ちは分からないでもない。
ただ、少々謝るのは間違いだ。
「お爺ちゃん……いや、オーキド博士。貴方はミュウツーの開発に携わっていたんですか?」
「……いや違う。ワシは知っているだけじゃ。カツラは途中で抜けてワシの友人が最後までやっていた」
「カツラさん?」
「俺はミュウがジュニアを産んだ所まで関わっていた。……実質最後まで進めたのはフジの奴だ」
「開発時のミュウは?」
「ワシの友人……フジが何処か人の手の入らない所へ逃がしたと聞いた」
話の途中、気になっていた事も含め聞く。
年長の彼等は苦い顔をしながらも言った。
「……なら人間と同じでこのミュウに二人が謝るのはお門違い。やはり開発に携わった人間が、実験の時のミュウに謝らないとダメなんじゃないですか。博士、カツラさん」
「お前さん…」
「……確かにその通りだ。ミュウ、混乱させて悪かったな」
おじいちゃんは目を見開いて驚いて、カツラさんは得心したように言った。
説教をしたみたいだったが、知ってもらいたかった。
確かにポケモンと人間は価値観も考え方も違う。
でも人間とポケモンは対等な関係じゃないといけない。
対等じゃない関係を築いているのならば、自分勝手なトレーナーや悪用しようとする人間達が出てくる。
逆も然りで人を襲うポケモンも出てこない可能性も無くは無い。
だから同じ種のポケモンだとはいえ、謝って勝手に自分が許されたと勘違いするのは、それは人が悪い事をした本人に直接謝らず、別の人に謝って許され、解決したと思うのと一緒だ。
お爺ちゃんの場合は誰かを代弁して謝っていることだし。
それは当人同士で解決しなきゃいけない事だ。
……まぁ、勝手な持論ではあるけども。
〈うーん?〉
ミュウは何事かよく分かって無いらしい。
その頭を軽く撫でてやると、擽ったそうに目を瞑る。
そろそろ本題に入ろうか。
「それで……僕はミュウと一緒にいてもいいですか?」
「……確かにお前さんならわしらのように間違えないじゃろう…」
「間違えませんよ。なんでこいつに悪逆非道な行いができますか」
だがそんなマネ出来る訳が無いだろう……こんなに可愛いのに。
この後、ボールにミュウを戻して化石の復元マシンの所へいった。
どうやら今度はオムナイトの化石でやったらしく、ちゃんとオムナイトが復元された。
酷く疲れたが、今日はこれで用事は終わりらしい。
「さて坊主。最後にどうだ? 俺とポケモンバトルやってみるか?」
「おぉ、それはいい。やって来い、トウカ!」
「……は?」
帰り際に放たれた禿の言葉によって、俺の初ポケモンバトルが決定した。
微妙に疲れてるんで帰りたいです、お爺様。
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あれよあれよと言う間に運ばれた先はグレンジム。
俺は火事場泥棒とか言うトレーナーが出てきた事で記憶に残っている此処。
正直、ゲームをやっていた時は泥棒が何故此処にいるのか訳が分からなかった。
まぁ、他愛の無い事は置いといて。
グレンジム、バトルフィールド。
目の前には真夏の太陽を想起させる禿げ頭の持ち主、カツラが腕を組んで立っている。
ルールは三対三のシングルバトル。
一応勝てばバッジが貰えるらしい。
ただ、トレーナーカードが発行されてもう一度此処に訪れる必要があると言われたが。
「ではこれより、ポケモンバトルを開始する! ……両者前へ!」
審判に言われて前へ出る。
ゲームとは違う現実感。
嫌々連れて来られたものの、どうにも自分は興奮しているらしい。
「緊張しているのか? 体が震えているぞ!」
「……え?」
自分の手を見れば震えていた。
違う。コレは興奮のせいだ。
「武者震いです!」
「そうか!なら お互い死力を尽くそうではないか! ……行け、ギャロップ!」
出てきたのは白い痩躯に紅い炎の鬣。
なるほど、グレンのジムに相応しい。
「なら自分は……行け! ガーディ!」
『了解、主』
出てくる炎の子犬。
眠い所を起こして悪いが、俺にとっての初バトル。
それなりに頑張ってもらいたい。
「ガーディとは……中々に趣味が良いな、坊主!」
「えぇ、出来れば早く進化させたいですけど」
「……さすが小さいながらも研究者。進化する事を知っているのか…」
「甘く見ないで下さいよー?」
そして審判の声によりバトルが始まる。
――じゃあ見せてくれ。ピカチュウとの修行の成果を。
『じゃあやるよ…!』
ガーディの特性は「せいぎのこころ」。つまり夢特性。
しかしそんな事は知らないと言わんばかりに口に溜める炎の塊。
赤から青。青から白。
そして白球となった炎をそのまま飲み込み体を震わす。
「……ッ! なんだ、それは!」
目の前には青白い炎を纏うガーディの姿。
それはもうカツラさんも驚くわけで。……実際自分も驚いているんだが。
『あれは一応「もらいび」の特性を修練で再現した……炎技が1.5倍だぞ?』
流石ピカチュウ仕上げ。
せいぎのこころ持ちがもらいびも兼ねるとか。
伊達に電気タイプの三大無効化特性を自力で習得するだけの事はある。
ホントどんな訓練したらこうなるのか。
『おい主! 試合中に考え事するな!』
……あ、悪い。
さて、どうするか。
「……フハハハ! 面白いなピカチュウと言い、坊主のポケモン達は!」
「ま、自分でも驚いているんですが……じゃ、頼むぞガーディ」
『了解! ……火炎車ァ!』
ガーディは走り、ギャロップの方へと突っ込んでいく。
そして跳びはね、身体を回転させながらギャロップに攻撃する。
ギャロップはよける事もせず、そのままダメージを受けた。
……かのように見えた。
「……何時から俺のギャロップが逃げ足だと錯覚していた?」
「ははは。……流石ジムリーダー、もらいびですか」
その証拠に攻撃を受けたギャロップは、ガーディと同じような炎を纏っている。
「あぁ、そうとも。あの時のピカチュウを見た所油断はならんようだからな。……バッジ七個集めた相手用のパーティで行かせて貰う事にした!」
この大人、大人げ無いぞ…。
「さいで。……他の技だガーディ!」
『高速移動……』
ガーディは加速し、一気にギャロップの方へ迫る。
『……からのインファイト!』
その様はまさに弾丸のよう。
ガーディはギャロップの腹に潜り込みラッシュをかける。
「ふみつけだギャロップ!」
「っ! 離れろガーディ!」
『あ、やば…!』
しかし時既に遅し。
ガーディはもろにふみつけを喰らう。
『うぐ…!』
『あぁ! ガーディ!』
ギャロップが離れるとそこには目をまわしたガーディが。
ロコンがボールの中でカタカタと言っている。
「ガーディ戦闘不能!」
そして審判から判定が下る。
はぁ…。
ガーディだけでもいけるかと思ったんだが……まぁ、仕方ない。
「戻れガーディ。……ピカチュウ」
ガーディを戻してピカチュウをだす。
『少々本気を出してもいいだろうか』
……はい、任せます。
『分かった。でんきだま二個分、一気に行くぞ』
なんだかピカチュウさんご立腹のようだった。
せいでんきがさっきの四倍になる。
最近自分にリミッターを掛けれるようになったらしく、でんきだまの力を制限して引き出せるようになったらしい。
といっても「使ってない」、「一個」、「二個」の違いらしいが。
「……真打登場か坊主?」
「まぁ、そんなところです。ピカチュウ……電磁砲」
『了解――レールガン』
ピカチュウは周囲に存在する鉄分を集めて一センチ程度の鉄球を手元に作る。
周囲に反発する磁界を形成し、それを尻尾で打ち出す。
それは音速を超え、ギャロップの身体に直撃した。
そして吹っ飛ぶギャロップ。
火傷の痕は流石炎タイプのポケモンなのか無かったが、ギャロップは泡を噴いていた。
「……な、なにが起こった!?」
「何って……ギャロップ倒しました」
「はっ!? ぎゃ、ギャロップ戦闘不能!」
審判が宣言する。
一瞬だった。
自分でもこれほどまでとは思わなかった……けど凄いな。
「これは…………油断してられんな! 行け、リザードン!」
ギャロップがボールに消えて、変わりに出てくるのは赤い竜。
これもまたグレンジムには相応しい。
「タイプ相性滅茶苦茶悪いですよ? ……ピカチュウ、」
「……攻撃ばかりされても困るのでな、地震だリザードン!」
「げっ!ピカチュウ! 電磁浮遊!」
『了解ッ!』
合わせるようにピカチュウは地面から浮く。
ちょっと遅れていたら諸にくらっていた
……というかトレーナーも揺れてるんですが。
「地震を避けるのか。知らない技を本当によく使うな! お前のピカチュウは!」
「褒めても何も出ないですっ……て凄い、揺れる……っ!」
なんで平気なんだ、あのおっさん。
少しして揺れも収まった。
……それじゃ、いきますか。
「ピカチュウ電光石火!」
バチリと電気が一鳴りし、今度はさっきのレールガンの要領ですっ飛んで行く。
そしてリザードンの身体に体当たり。
カツラの後ろの壁にリザードンは叩き付けられ、そのまま戦闘不能。
あれ? 俺の知ってる電光石火と違う。
何か電気纏ってでんきタイプの技みたくなってる……。
「坊主、どうなっているお前のピカチュウ! オレのリザードンが一撃だと!」
「いや、俺はなんとも……」
「そうか……そうかッ! 本当に世界は広いッ! そのピカチュウのように強いポケモンには出会った事がない!」
「そうですか。……ならコイツを倒して下さい! 貴方の持つ全力で!」
『おいご主人。ご主人はどっちの味方だ』
いいじゃん。
ノリだノリ。
それっぽいこと言いたくなるお年頃なんだって。
『自覚して言ってるのが性質がわるいけどな』
……うっせぃ。
「ハッハハ……了解だ、坊主……いやトウカよ! ラストだ、行けキュウコン!」
最後のキュウコンが出る。
気温が少し上がったような気がするが…。
「タマムシの近くで捕まえたキュウコン! コイツは特別性だぞッ!」
『やはりか……奴は恐らくウチのロコンの身内だ。気を付けろ!』
『なっ……お母さん!?』
なんかロコンからヤバイ事聞いたんだけども。……とりあえず今は無視しよう。
「日照りの炎1.5倍か。ま、なる様にしかならんね。ピカチュウ電磁波!」
『了解!』
不規則に電磁波は飛ぶ。
キュウコンはソレを見て避けようとするが当る。
そして相手の動きが緩慢になった。
「ちっ……キュウコン、だいもんじ!」
「避けて十万ボルト!」
「くっ…!」
キュウコンは若干痺れを見せながらも、だいもんじは繰り出される。
が、それはピカチュウが避けれない速度ではなく、迫るだいもんじをかわして十万ボルトを放つ。
だいもんじを放った姿で硬直しているキュウコンに直撃してそのまま倒れた。
そのままキュウコンは地に伏し、起き上がる事は無かった。
「……はぁ。俺の負けだな。……中々楽しかったぞ! トウカ!」
「キュウコン戦闘不能! 勝者、トウカ!」
そして審判が宣言し、試合が終わる。
「ありがとうございました……」
ふぅ……疲れたぁ…。
ホント、色々……と……。
「トウカ?!」
くらっと来てその場に倒れこむ。
何事か心配するような誰かの声を聞きながら、俺の視界は暗くなっていった。
ガーディは犠牲になったのだェ……。
なんだか適当設定多い今回、何故かバトルいれちゃった。
SEKKYOUもいれちゃうし。
そのせいでいつも二倍、45キロバイトと言う結果に。
初バトルこんな感じになったけど……
改善案があったらよろしくお願いします。
……ちなみにピカチュウは仕様です。
ちょっぴり修正しました