チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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くれるらしい

ダイゴさんとの勝負も終え、俺はデボン本社に戻っていた。

なんでもダイゴさんが俺に何かくれるんだとか。

ありがたいけど、ちょっと気が引けてしまう。

 

「いいんですか?」

「構わないよ。敗者が勝者に賞金を与えるのは当たり前の事だからね」

「いやいや。勝つも負けるもないじゃないですか。引き分けだったんだし」

「じゃあ僕からのプレゼントだと思ってくれ。……あった。これこれ」

ガサゴソとダイゴさんが引き出しから出したのは炎の灯った赤い石。

「炎の石…?」

にしては大きい。

丁度一回りくらい。

それに炎が二つあるように見える。

「……そう、炎の石。実はこれ二つなんだ」

そういってダイゴさんは石をずらす。

見事に真ん中で二つに割れてる。

 

「元々一つの石だったんだよ。ちょっと採掘の時に落として割れてしまって。本来なら使いものにならないんだけど……綺麗に割れたからとっておいたんだ。そしたらどうやらまた使えるようになってたみたいで。……売りに出すのは勿体無いし、かといって僕が使う事も無い。だから君に上げようと思って」

「え、でもコレクションの一つなんじゃ……」

 

石マニアの彼が渡してくれるなんて何があったんだ?

 

「あぁ、確かに炎の石に戻る前まではコレクションだったけど。……僕、用途のある石は売りに出す主義なんだよ」

「そうなんですか…」

 

ビックリだ。

そんな事実があったなんて。

 

「ただどうにも、この石は何処かで別々に売るのは勿体無いと思って。……だってこの石、まるで恋人のようじゃないか」

「恋人……」

「そう。合わせると一つ。だけどこの(ひと)とぴったり合うのはこの(ひと)だけ。……なんだか運命の相手みたいな感じでね」

「……そうですね、確かにそんな気がします」

 

腰のボール二つが揺れている。

照れてるな、こいつ等。

 

にしてもロマンチストな人だ。

すげーよ。恥ずかしげも無くこんな事言えるなんて。

きっとこういう所が女の人にも凄くモテるんだ。

流石は未来のチャンピオン、伊達じゃない。

 

「……で、トウカ君なら有効活用してくれると思って。はい」

「あ、はい。でもホントに……?」

「いいんだよ。所有者の僕が言ってるんだから。……君の二匹の炎タイプのポケモン。どうやらそういう関係のようだし」

 

初対面なのにバレてるし。

ボールがさっき以上に揺れてる。

……イラッと来るイラッと。

 

「……貰っておきます。使うかどうかは本人達に聞きますけど」

「うん、そうしてくれ。じゃあ僕の用事はコレで終わりだ。……他にトウカ君は何かあるかい?」

 

今日はもう特に何もないから帰ればいいけど…………あ、そうだ。

 

「ちょっと聞きたい事が。――って何処で会えますかね?」

「あー、この時期は……うーん……」

ダイゴさんは壁の地図に近づき、場所を示す。

「多分此処。でもどうしてこんな事を?」

「いや、ちょっと好きになっちゃいまして。捕まえたいなって思ったんですけど」

「なるほど。あんまり知られて無いしね、彼等の生息地……あ、それなら卵を上げた方が早い」

うんうん、と得心した様子で頷くダイゴさん。

「うん、僕の家に行こう。なに、トクサネだからエアームドで飛べばすぐさ」

「え」

 

-------------------------

 

エアームドは飛んだ。

空気を裂いて、俺とダイゴさんを乗せて。

速さはいくつだったんだろう。

200㎞/hは出てた気がする。

スポーツカー並みに飛ぶ速度が速いとなると振り落とされても不思議じゃない。

空を飛ぶでトレーナーが乗る時は空気避けみたいなモノでも張っているんだろうか?

実に不思議だ。

それにしても種族値と図鑑の説明が矛盾しているような気がする。

ホント不思議だ。

 

道すがら一人暮らしをして居る理由を聞いた。

親のすねを齧るにも遠ければそんな事は出来ない、とオヤジさんに言われたらしくトクサネに小さい家を一つ買ってもらったのだとか。

いや、家を一つプレゼントっていうのも凄い話だけど。

……で、一人暮らしを始めてそこそこ年数が経った今は、カナズミを中心に石の収集家(ストーン・ゲッター)としてやっているらしい。

他には、カナズミのポケモンスクールでバトルの指導をしているんだとか。

 

そんな話を聞いているとトクサネの彼の自宅へ。

一人暮らしには大きかった、と感想を述べておく。

 

そして卵を受け取り、頭が地面にくっ付くくらい礼を言って、テレポートで帰った。

ホントに彼には頭が上がらない。

今度シンオウの方で進化の石が見つけて送ってあげよう。

帰る頃にはすでに日も西に傾いていた。

 

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翌日。

拠点の研究室。

後ろで研究員がいそいそと動いている中で、お爺ちゃんに昨日の出来事を報告しつつ、トキワの能力を使いながら卵を暖めていた。

ゲームでは歩いたら孵っていたが実際はどうなのやらといった所だ。

にしても卵とは……ある意味ラッキーだった。

孵す者の能力が確かめれるわけだし。

なんせカントーじゃ卵に縁が無かったからなぁ……

「……あ、そうだ」

「む? どうしたトウカ」

「えっと、確かこの地方ってオダマキ博士がいたよね?」

「おー、そうだの。トレーナーとしてもやっていけるような活動力の持ち主と聞いておるぞ」

「挨拶行ったほうがいいかな?」

「まぁの。好きにするといいんじゃないかの? 知り合いになっていて損は無いじゃろうし」

コネとカネは多い方が得じゃしの、と笑うお爺。

確かにそうだけど、駄洒落としたら寒い。

「……あははは」

だけど適当に笑っておかないと拗ねるので適当に笑う。

難儀なもんだ。

「ははは……じゃ、伝える事も伝えたし切るよ?」

「おぉ、元気でな! じゃあの~」

「またねー」

プープーと電話が切れたのを確認して受話器を置いた。

 

卵をボールに戻し、それから一日拠点に篭った。

成果は、ハブネークの毒の種類。

やることもなく、仕方が無いのでその日は寝た。

 




出来が凄く悪い。
どんな風に書いてたっけ。

それでは。
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