チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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ダメダメらしい

「聞いてな! マサキのヤツ、ウチになんて言うたと思う!?」

「……なんていったんですか?」

「『わい、ポケモンしか愛せんねん……』やて! あんのアホタレ! 預かりシステムが全国ネットで繋がったら、今度は融合マシンなんてモンに手ェだすって!」

「はぁ……」

 

ヨスガシティ。

閑静な都市街で人とポケモンの交流が深い街。

ダンサーでコーディネーターと、自由気ままな人がジムリーダーであるこの街。

ポケモンセンターの隣。そこにミズキ――シンオウのポケモン預かりシステムを管理する予定の人物が住んでいる。

 

そこへお邪魔させてもらっているわけだが……何故か愚痴を聞かされる嵌めに。

マサキのヤツ、マサキのヤツと言っているので、……まぁこの人も恋する乙女なのだろう。

あのポケオタなのはどうかと思うが。

 

「……♪」

「……にしても、ご機嫌ですね」

「そう?」

 

鼻歌を奏でながら俺を抱き座るシロナさん、いや変態。

この後シロナさん宅へ行く予定なので、彼女がついて来ていた。

……ちなみに研究員はナナカマド博士の所でお世話して貰う事になっている。

変態達と暫く離れれると思ったらこの始末だ。

 

にしてもシロナさん、遠慮が無い。

 

……お願いだから膝の上に俺を乗っけるのはやめて欲しい。

 

ナツメちゃーんッ!

 

「ええなぁ……シロナさん。好きな人がそこにおって……うーん、まぁガキンチョとはいっても中々イケメンやし」

「ま、まぁ……」

 

照れたような声が上からする。

チクショウ、俺は近くにいないってのに!

 

「……ショタコンの変態め」

「っ!」

「おおう。……辛口なのが玉に瑕みたいやけど」

 

顔色は分からないが、彼女の体温がちょっと上がってる。

恥ずかしいのか興奮してるのか。

変態の考える事は分からないからまぁいいけど。

 

「はぁ……あんた等のイチャイチャしてるのみてたらイラッと」

「イチャイチャしてない!」

「……」

 

訂正したら体の拘束弱まった。

華奢なくせにあの方法が使えるから力が強いのでつらかった。

隙を見て腕の中から逃げる。

……目に見えて落ち込んでる……。

 

「そ、そうか……まぁ態々有りがとう。今から忙しくなるから、はよ帰りぃ」

「はぁ……はい。じゃ、ミズキさんも頑張って下さい」

「おう!」

 

そう言ってパソコンに向かうミズキさんを見て、家を出る。

凹んでる変態なシロナさんは暫く元に戻らなかった。

 

 

復活したシロナさんと共に、俺はメタングに。シロナさんはガブリアスに乗ってヨスガシティを後にした。

 

-------------------------

 

メタングに乗ってシロナさん宅へ向かっていると、シロナさんが乗るガブリアスの挑発に『その喧嘩買った!』と、ピカチュウとミュウの二匹が激昂し、再度俺の乗るメタングがレールガンの弾丸にされた今は昔。

 

 

家に入るのを頑なに渋るシロナさんと俺の前には一つの扉があった。

……噂に聞く、片付いていないシロナさん家の玄関扉だ。

着いてから「あ、まずい」みたいな顔をしていたので恐らく酷い状態なのだろう。

 

本人は玄関に張り付いて動こうとしない。

 

「どいて下さいシロナさん。入れないです」

「だからちょっと待ってて頂戴! ……ちょっと片付けてくるから!」

 

こんな風にである。

……こちとら一大事だと言うのに。

 

「いや、その……催してるんですが」

「あ……いや、でも駄目よ! えっとその…………ちなみに?」

「恥ずかしながら時間の掛かるほう」

「くぅ……でもその顔は絶対嘘ついてるでしょ! 棒読みだし!」

「いや、やばくて無表情で棒読みになってるだけです……くっ」

「わ、わざとらしい…!」

 

……まぁ、実際その通り嘘なわけだけど。

 

「あー! もーれーるー」

「わ、わ、わ! えっと、分かったから! いっぷ「三十秒」!? 三十秒で片付けてくるから!」

バタン、と軽快な音を立てて家の中に入ったシロナさん。

急いでこけたのか、中から悲鳴が聞こえたりした。……大丈夫か?

 

暫く、というか三十秒を軽く過ぎてもバタバタと慌しい音がしてた。

まぁ、三十秒って言って了承してくれたからさっさと入ってしまおう。

お邪魔します、と声を上げて中に入る。

 

また誰かがこけた音がした。

 

そして靴を脱ぎ、上がろうとした所で見つける。

 

……なんだ、コレ。

 

摘みあげるのは黒い布地のもの。

端にはヒラヒラと……。

 

……。

 

思い当たるソレは、ホウエンの拠点に住んでいた時は洗濯物担当だったため、割と見慣れてはいる。

 

見なかった事にした。

 

『……ご主人』

『……マスター』

 

な、なんですか。

 

『……一回死んではどうだ?』

『いや、寧ろもう死んでください』

 

一つがバチッと静電気を帯び、もう一つが熱を帯びる。

「あぁ今日は奴らを出した時が大変だ」と冷や汗だらだらと流しながら、綺麗に畳んで廊下の隅に置いた。

 

シロナさんにトイレの場所を聞いてちょっと篭った。

あ、足の震えがとまらねえ…!

 

-------------------------

 

紙紙紙紙紙紙紙紙。

 

部屋中にレポート用紙、資料が散乱しており、足の踏み場が無い。

元凶たる人物は気まずそうに何処か他所を視線をずらしている。

 

いや、マサキの家ほどじゃなかったけど……

 

「……汚い」

「うっ……」

 

書斎と思わしきその部屋は整理整頓が出来ているとはお世辞にも言えなかった。

 

「……どうすんですか、これ」

「いやほら、私は現地に行くタイプというか……ねー」

「おい、こっち見ろ」

「……っ!」

 

頬を染めるな。

 

「……はぁ。考えまとめるのに紙を使うのは分かる。……でもさ、これはあんまりじゃ御座いませんか?」

「お、おっしゃるとおりで……。だから今日はテンガン山に」

「行く? アホかアンタはっ! ……今日は片付けと資料のまとめ。一歩も外に出しませんからね!」

「……うわぁーん!」

 

そこから二時間。

 

「――ッッ!?」

「あー。ピカチュウ、でんじは! 早急に!」

 

一面の植物繊維の海を整理していたら黒き這い寄る混沌が出てきたり。

 

「あぁ! そ、それ!」

「……洗い場に持って行けよ…!」

 

紙をどけたら出てきた、三角形だとか胸当てだとかを投げつけて。

 

色々と精神に来るのを堪え、終わった二時間後。

見えなかった床は見えるようになった。

……部屋の一角を除いて。

 

「どんだけシロナさんは溜めてらっしゃるんでしょうか…!?」

「ひぃ! いらい! いらい!」

 

頬を引っ張り、鬱憤をぶつける。

床から、書斎にある机までの高さがある紙で出来た塔が五つ。

 

「はぁ……」

「うー……痛かったぁ」

 

これからすることになる、途方も無い資料整理の地獄を思い溜め息が出た。

……ナツメちゃんに会いたい。

 




シロナさんマジダメナさん(色々な意味で

感想欄でのシロナさんの人気に嫉妬。
な、ナツメちゃんだって可愛いんだぞ!ばーかばーか!
……ふぅ。失礼しました。

ポケモン要素が一つも無いのがこの小説。
そろそろ注意書きをあらすじに書かないといけないようだ。
ただし、ハーレムタグは意地でも付け無い。
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