チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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遅れました。


創造主らしい

大掃除から一日通して完了させた資料整理。

一通りレポート用紙に目を通した後、まとめてみればおよそ一冊本が出来るくらいだった。

紙の海から出てきた洗濯物等や、色々と家事を片付けていたシロナさん曰く、その様子に神速を見た……とかなんとか。

 

四年の間、論文を書いたりしていた俺に死角は無かった。

そこそこ『努力』していたせいだと思うけど。

 

『流石って言ったら良いかしら』

『キメ顔で何言ってるんですか、変態(シロナ)さん』

『……なんか嫌な呼ばれ方された気がする』

『気のせい』

 

そんな雑談を交わしつつ日は暮れた。

 

俺はと言うと、まだシロナさん宅にいた。

動いてお腹が空いて食事をご馳走になって。

汗をかいたからお風呂を借りて。

 

まぁ、それはまだ良いとしよう。

 

ただし、もう遅いという事で泊まる……コレは駄目だ。

そう、ポケモンセンターに行きたかった俺は泊まる事になっていた。

 

「ベッドが一つしか無いように見えるんですが」

「……き、気のせいじゃない?」

「布団もないですよね」

「…………そう、ね」

「ショタコンの変態。恥じを知れ」

「はうっ!」

 

まったくもってけしからんチャンピオンだ。

年端も行かないこんな少年を(かどわ)かそうとするなんて。

 

「はぁ……。毛布貸してくれます? リビングのソファーで寝ますんで」

「……はい」

 

明日、ちゃんと「お話し」をしないといけないみたいだ。

流石に淑女と言うだけあって、シロナさんは夜中に這いよって来なかった。

 

 

翌日。

屋外で何時もの瞑想に、波導の修行を加えた内容をちょこちょことやる。

ゲンさんお墨付きだけあって、やってみたら本当に波導弾が撃てるようになっていた。

撃った波導弾はポケモンの技同様、狙った所に必ず当てれるようで中々便利だ。操気弾のようななかんじだ。

 

「おはよう。……やっぱり師匠が認めるだけあって凄いのね」

 

作った波導弾を宙に浮かせてフラフラと動かしているとシロナさんが声をかけてきた。

寝起きらしく、まだ髪が乱れている。

その彼女の姿を確認して波導弾を霧散させた。

 

「お早うございます。……シロナさんは呼吸法でしたっけ?」

「そう。だからトウカ君が羨ましいのよねぇ……」

「……シロナさん」

「ん、なに?」

「お願いですから年端の行かない少年を誑かすのはやめて下さい。昨日の同衾を狙ったような事含め……わかってます?」

「……ごめんなさい」

 

割と素直だ。別人じゃ無いよな?

 

「女の人なんですからもうちょっと自分を大切にしなさい。いいですか?」

「……はい」

「美人だって事、分かってるんだか分かってないんだか……」

「び、美人……」

 

シロナさんは頬を染めてモジモジと……あーやっちった。

 

「えっと、シロナさん?」

「トウカ君が美人て……きゃーっ!」

「言葉の綾でしたね、抱きついてくんな! この変態!」

「あふんっ!」

 

腹に衝撃を受けたようにして、シロナさんは俺を抱え込んだまま膝から崩れる。

必然的に押し倒されるようになって。

 

「……どけろー!」

「はっ…! わわわ!」

 

お前はどこのハーレム系主人公だ、と切実にシロナさんに言いたかった。

……俺は違うからな。

 

-------------------------

 

「いやぁ……あははは……」

 

シロナさんの呆然とした姿に俺は曖昧に笑った。

 

一騒動あった後の朝食。そしてその後。

シロナさんの本来の研究形態であるフィールドワークとして、シンオウの象徴であるテンガン山に足を運んでいた。

俺としてはシロナさんの研究の『先』を知っているわけで、どうしても申し訳ない気持ちだ。

ただすこーしだけ自重を忘れてしまって、シンオウの伝説の居る場所に行ったら……どうなるか。

 

『ご主人。自重をしろ、自重を』

 

ホントその通りですピカチュウ様。

いや、でも貴女も原因の一つなんですが……

 

『さて、そんな事は知らんな』

〈ひゅー♪〉

 

……さいですか。

下手人の二名が白を切ったので後で「話す」として。

今現在立っているのは『やりのはしら』という場所。

シンオウの伝説が一堂に会するその場所はやはり何かしらあるようで。

……というかあった。

 

『「人の子らよ。何故に此処へ来た……」』

 

シロナさんにも分かる言葉で。

『特性』で無いプレッシャーを携えて天上天下唯我独尊の如く、やりのはしら上空から降りてきたポケモン。

シロナさんが失禁してないか心配である。

 

「……ディアルガでもない、パルキアでも……ギラティナじゃないし。……このポケモンは?」

 

……当人は俯きボソボソと考察中。

流石のシンオウチャンピオン。

マイペースぶりに呆れを通り越して驚きを覚える。

……俺は膝が笑ってるぜ。

 

『「どうしたのだ、答えぬのか」』

 

グルグルと頭を回している俺や、違う意味で頭を回転させているシロナさんを気にも留めずな様子で話しかけてくるポケモン……なのか分からない『アルセウス』。

 

……ちくしょう、どうしてこうなった。

 

-------------------------

 

『「……つまりそなた等は世界の始まりについて調べている、とな」』

「そうです。アナタがこの世界を作った『始まりのポケモン』ということはディアルガとパルキア。裏から平衡を守るギラティナはアナタが生み出したのですか?」

 

創造主たるアルセウスが降りてきたのは正規の方法以外でやりのはしらに俺達が来たため、気になったからだとか。

神話に残る偉業を知る身としては正直身体が持ちそうになかった。

 

『「そうなるだろうな。その『始まりのポケモン』というのが(わたし)ならばそうなのだろう」』

「そうですか……少しお話聞かせて貰っても良いですか」

「『……まあよいか。まず(わたし)はある三匹を生み出すために――』」

 

現在アルセウスが膝を折って座り、その前に正座してシロナさんと俺が座る。

 

>>シロナさん、アルセウスと座談なう。

 

吃驚だよ! 仰天だよっ!

シロナさん! 貴女の胆の座り具合にはホトホト驚かされるわッ!

 

「……は、ははは」

『「どうしたトウカ。そなたには色々聞きたい事があるのだが……狂乱して貰っては困るぞ」』

 

そう言ってアルセウスがニヤリと笑った気がした。

転生した事とか分かってるんだろうなぁ……。

 

『分かっている』

「……返事しないで下さい」

「急にどうしたの?」

 

絶対ニヤニヤ笑ってるよ、この創造者。

波導弾喰らわせてやろうか、このノーマルタイプ。

 

『おおこわいこわい』

 

……やだ、この創造主様なんだかノリが軽い。

あの三竜もこんなんだろうか。

……なんだかやだな。

一応敬意を持って接してたのに。

 

『流石の(わたし)も傷つくわー』

 

こいつ…!

 

「と、トウカ君!? なんで波導弾出してるの!?」

「HA☆NA☆SE! あのノーマルタイプに灸を据えてやるんじゃー!」

「なんでタイプ知ってるのよ! というかデカイでかい!」

「うがー!」

『「どうしたのだ、トウカよ。(わたし)喧嘩(バトル)するのか」』

 

ちくしょうアルセウスめ!

こいよアルセウス! プレートなんか捨てて掛かってこい!




※CV:三○さん
我と書いて私と読む。

……お久しぶりで、約一ヶ月ぶりです。
一ヶ月何をしていたかは聞かんといてください。……申し訳御座いませぬ。
これから休みに書き溜めをしていこうと思っておりますが、どうにも多忙な時期でして。
やはり遅くなるやも……。
あらかじめ謝罪をしておきます。

それでは。
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