チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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なんだか変な感じ。


いとこらしい

ずんずんと一人で勝手に森の中を進んでいた俺も悪いよ?

だってトキワの森で迷うことになろうだなんて思わなかったし。

 

……はぁ。

 

取り敢えずどうしよう。

ま、少し頭が痛くなるのを我慢すれば、お父さんのいる方向超能力で判らないことはないし、ちょっと一人で探検してみようか。

 

近くに獣道を見つけたのでそこに行ってみる。まぁ、獣道を通ったからといってポケモンの住処にたどり着くとも限らないし、可能性も低いだろうけど。

でもやってみないと何事も分からないってことは多い。

 

ちょっと進んだ所で横たわれてる黄色い何かを見つけた。

もしやと思い近づいてみると案の定彼奴だった。俺が此処に探しにきていた黄色いネズミ――目の前にいる怪我をして倒れたピカチュウだった。

 

とにかく怪我をしたままなのは見ていても気分が悪いので、初めて使う事になるトキワの能力を使う。

手を彼(彼女?)に翳し、神様のくれた本に書いてあったとおりに癒そうと意識する。すると手が淡い光を帯びて、その光がピカチュウの体に移っていく。

 

確かにコレは疲れる。

イエロー、ワタルっていうこの能力の持ち主は何回も回復できるって話だったから、相当凄い人たちだったのだろう。

 

しばらく体を襲う倦怠感に耐えつつピカチュウの傷を治していると、ピカチュウの息が安定してきた。

もう大丈夫だろうと思い、止めると視界がかすみ眠気に襲われ、そこで意識が途絶えた。

 

目が覚めると少し薄暗く、結構時間が経っていたようだった。

ピカチュウは、と気になり目をやると今丁度起きようとしていた所だった。『ピカァ……』と欠伸をしながら目をこする姿は愛くるしい。なるほどポケモンの中でも人気出るわけだ。

 

つい手をピカチュウの頭の上にやり撫でてしまう。ピカチュウは少し後ずさり警戒したが、すぐ目を細め甘んじて撫でられていた。

 

「……なぁ、ピカチュウ。どうしてあんなに怪我してたんだ?」

「ピカァ……(群れから追い出されて……)」

 

……聞いたつもりは無かったのだけど返事されたようだった。

あ、そういえばポケモンの意思を読んだりするのもトキワの能力のひとつだっけ。

 

「なんで?」

「(わからない……でも電気の溜まった黄色い玉飲み込んだら追い出された)」

「でんきだまか…?」

「……?」

確かピカチュウに持たせると攻撃・特攻が2倍だったはず。それが攻撃面だけ二倍のステータス。……だから仲間と認識されなくなったか、危険分子とされて群れから追い出されたか。どちらにしろ、でんきだまを吐き出せなくなって能力値がおかしい事になったのか。

「もう戻れないのか?」

「(多分)」

「……、一緒に来る? ボールに入って少し狭い思いして貰わないといけないけど」

「(……お願いする)」

同意もとれたのでポケットから小さくしていたボールを取り出してこつりと彼(推定)の頭に当てる。

彼は吸い込まれてボールはゲームのように動かず、そのままカチリといった。

 

「ピカチュウ、ゲットだぜ……なーんて」

 

ちょっとむなしくなった。

それから超能力つかって、頭を痛くしながらお父さんの所へ戻った。

何処行ってたんだ! と怒られたけど、ピカチュウ捕まえたといったら呆れられて、頭撫でられた。

 

面目次第もございません…。

 

 

後でお父さんのピジョットのレベルと特性を訊いたら、『するどいめ』――自分よりレベルの低いポケモンが出てきにくくなる――のLv.60だった。

道理でポケモン一匹出てこない訳ですねー……ちくせう。

 

 

ピカチュウを捕まえたその後、その日はマサラタウンへ戻り、オーキドの爺ちゃんの家に御泊まりする事になった。

その家に住んでる従兄弟になるグリーン、そのお姉さん、ナナミさんと遊んだ。

ナナミさんからはピカチュウの毛づくろいをしてもらい、自分でする時はどうすれば良いかコツを教えて貰ってその日は寝た。

 

翌日。

「楽しかったぜ、また来いよ!」

「またね、トウカくん」

「またねグリーン。ナナミ姉さん」

やんちゃ坊主な同い年のグリーンに、四つ上のこの歳からお姉さん風なナナミさんに手を振って別れを告げ、お父さんの出したピジョットに乗ってマサラタウンを後にする。

 

それにしても努力すれば多才になれる能力の片鱗を見たな。

コツを教えて貰っただけで、ナナミさん並の毛づくろいが出来るようになったんだから色々と喧嘩売ってる。

現にナナミさんはお姉さんのイメージに合わないほど、情けない顔になっていた。隣で笑っていたグリーンには後々、御当人から拳骨を貰っていた。

 

それにしてもナツメちゃん、元気にして居るだろうか?

超能力が少しはちゃんと扱えるようになってないと俺が会いに行けない。2、3年位したら俺も超能力がナツメちゃんくらい使えるようになってると思うけど。

 

……まだ会えないなー。

 

緩やかに飛ぶピジョットの上でそんな他愛も無い事を考えていた。

 

-------------------------

 

自分の部屋でスプーンを目の前にし、曲がれと念じる。

「むむむ…!」

『ご主人、なにやってる?』

 

――くにゃ。

 

見事にスプーンは曲がる。

念動力も最近メキメキと上達してマスターしてきた。心のプロテクト? とでも言うのか判らない読心防御も出来てきた……と思う。

そろそろ超能力もテレポートとかの段階に入るべきだろうか。

流石にまだ意図的な未来予知とかは出来ない。偶に正夢とかデジャヴみたいな現象は起こるけど。

 

『おぉー…!』

ぱちぱち、と小さい手を叩いているのは我が家のでんきねずみ。ちなみにメス。

男勝りなその口調をどうにかしろといっても聞く耳を持たない。まぁ、個性を無理強いしようとは思わないんだけど。それなりに苦労してたみたいだし。

 

……でもモテないぞー。

 

『ふんっ、余計なお世話だ。あんな排他的な連中にモテてもいい事なんて一つも無い…。現状、満足しているし』

 

とかいって無自覚にツンデレているが、初めの頃はよほどショックだったらしく、今でも偶に鬱になってる時がある。

まぁ、こんな鬱な状態俺は嫌いなわけで。

「嬉しい事言ってくれるなぁ~このー」

『や、やめろバカ!』

頭を撫でてやると、照れた様子で手を振りどけようとするが、それも既にふにゃっと口がニヤけてちょっと危ない方に見える。

『誰が危ないだ、誰が! お前のせいだろうがー!』

「うわっ、あぶな! 電気ショック飛ばしてくんな! 死ぬだろうが!」

『一回死ねェエエ!』

ピカチュウは今度は腕に電気を纏い殴りかかってくる。

雷パンチモドキを避けながら、俺は明日――ポケモンスクールの入学式について考えていた。

 

新生五歳の四月。明日、入学します!




超能力万能説。

7/29 設定修正。
   ピカチュウの種族値が二倍~→ピカチュウのステータスが二倍~

情報有り難うございました。
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