序章が長いのでまだ盛り上がるところは書いてありませんが楽しんでいただけたら幸いです。
『待てぇぇぇぇ!』
青い空が綺麗な晴れ模様。清々しい天気の下登校していた私、
校門を通り過ぎ、声のする方を見てみると、剣道着を着た女子数名が3人の男子を追いかけている。女子の方はあまり面識はないが、男3人の方はよく知っている。
ここ、私立駒王学園で【変態三人組】としてよく知られる私のクラスメイト兼友人達だ。
【エロ坊主】、【セクハラパパラッチ】、丸刈りスポーツ少年、松田。
【エロメガネ】、【スリーサイズスカウター】、メガネロリコン、元浜。
そして我らが主人公、【変態三人組筆頭】、【変態生物イッセー】、未来の【乳龍帝】……現代の赤龍帝、私の幼馴染、
さてさて、様子を見る限りではいつも通り覗きにでも行って見つかった、といった感じか。まったく、しょうがないなぁ。
ため息を吐きながら、私は3人の進行上に割り込む位置に移動して対面するように仁王立ちをする。
「げっ!?」
「どうし……げぇっ久遠!?」
「クソッ!このタイミングでクゥかよっ!?」
と、最初に気がついた松田が苦い表情を浮かべながら驚き、それにつられて二人も私を見て苦い顔をする。
「はーい、三人とも止まりなさーい!警告だよー!」
「俺たちはまだ……死にたくない!」
「強行突破するしかねぇ!ついでにラッキースケベも狙ってやる!」
「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!」
警告するけどまぁ聞くわけないか。投降してもお仕置きが待ってるからねぇ……
しかたない、と私は常備している特性ハリセンを取り出し、両手に1つずつ持つ。
「警告したからねー。実力行使するよー!」
一応、と接近する三人に声をかけてから、宣言通り実力行使に出る。
「よっ」
「「っぺぁっ!?」」
両腕を鞭のようにしならせてハリセンを振るい、中央と右にいた松田元浜の顔面に思いっきり打ち付ける。パァン!と空気の弾ける音と一緒に、二人の変な悲鳴が聞こえた。
「松田ぁ!元浜ぁ!」
ズザァ!とハリセンのダメージで仰向けに素っ転び倒れる二人を見てイッセーは叫ぶけど、二人の犠牲は無駄にしないとばかりにイッセーは私の横を通り過ぎる。
が、私は逃走を許さない。
「はい行かせないよっと」
「ヘブァッ!?」
振り向きざまに右のハリセンを振り下ろしてイッセーの頭に叩きつけ、反対のハリセンを首元に叩きつける。
流石に吹き飛ぶようなことはないが、思いっきり引っ叩かれた痛みにイッセーは首と頭を押さえて蹲るのだった。
さて、さっき叩いた二人は……と確認してみると、打たれた顔面を押さえて悶えている。
よし、三人とも逃走不能っと。
「さて、三人とも、並んで正座!」
「「「……はい」」」
私の言葉に三人ともノロノロと私の前に横並びになって正座する。もちろん、一度捕まったらもう逃げられないのがわかっているので、三人とも再度逃走しようとは考えていない。
「すいませ〜ん!!」
「はいはいっと、剣道部さんですか?すみませんねバカ三人が……こっちでキツく言っておきますから、できればそれで許してあげてくれませんか?」
「あー、まぁ、白縫さんがそう言うなら……」
「申し訳ないです」
「いえ、いつも三人の捕獲ありがとう。そしたら、着替えもあるし、更衣室に戻るね。お仕置き、お願いします」
「任されました!」
ちょうどよく剣道部の方がやってきたので私に任せてもらうよう説得する。一応バカ三人の世話役で通っているからかすんなりと納得してもらったので、私は三人に向き直ってお仕置きを開始する。
「さて、三人とも取り敢えず現行犯でハリセン1発ね」
「あたっ!?」「いてっ!?」「いたっ!?」
パンッ!パンッ!パンッ!と一人1回ずつハリセンで頭を叩いていくと、三人はぐぬぬぬと頭を押さえて唸る。
なにがぐぬぬだ。
「まったく、いつもいってるでしょ?覗きはダメだって。男の子だし高校生だからそういうのに興味があるっていうのはわかってるけど、もうちょっと自重しよう?」
「だが断る!」
「そこに桃源郷がある限り!」
「俺たちは覗きをやめることはないっ!」
「○玉蹴り潰すよ?」
『すいませんでしたっ!勘弁してくださいっ!』
私の言葉に三人はすぐさま土下座して謝罪する。まったく、最初っから言わなきゃいいのにね。
「はぁ……別にね?エッチな本読んだりするのは構わないし、覗きもバレなきゃ誰にも迷惑かからないからやることを止めたりはしないよ?でもね、それを見た、気づいた女の子たちは不快に思うでしょ?だから、しばらくは自重すること。エッチな本の交換までは止めないけどそれを教室で読んでたりしたら没収して燃やしちゃうからね?」
「ぐぬぬ……」
「くそぅ……くそぅ……!」
「……まぁ、見つかったら即没収じゃないだけマシ、かぁ……」
「ちなみに、また覗きで騒がれたら……蹴り潰しちゃうからね?」
『イエスマム!』
まったく、どうしてこう性欲に全力投球しちゃってるのかなぁこの三人は。
三人とも素材は悪くないんだから、セクハラしないで努力すればそれなりにモテるのになぁ……
なんというか、残念な人たちである。
「とりあえず、1ヶ月は大人しくしてること!1ヶ月経ったら、女の子に被害が出なければエッチな本読もうが覗きしようが構わないけど、リスクリターンはちゃんと考えて行動しなさいね?」
『……はい』
まぁ構わない、とは言ったものの私が気づいたらそれとなく止めるか注意はするつもりだ。さすがに我関せずは良心が痛むしね。
よく他の女子に三人と仲がいいけどこーいう行動について嫌とか思わないの?と聞かれるが……まぁ何も思わないわけではない。よくもまぁやるものだと呆れたり、女の子に嫌われるし現在進行形で気持ち悪いって思われちゃってるんだよなぁと残念に思ったりはしているのだ。それでも友人をやめることはないのだけど。
嫌悪感に関しては、そこまで持ってない。少々過剰なきらいはあるけど、年頃の男の子としてはそういうものに興味があるのは仕方ないし、なんというか、子供が馬鹿なことをやっていて呆れつつも許してしまう。とまぁそんな気持ちになってしまうのだ。暴力に訴えてるわけじゃないしね。そんな考えになってしまうのも、たぶん私が自分に関して頓着しないことが理由の大半を占めているような気がする。……それに私は犯罪に対して文句を言える立場じゃないのだ。
とは言ったものの、犯罪は犯罪だし一応私に被害が出るようなら容赦なくお仕置きしている。行動自体は止めはしないけど、私に手を出すというリスクを負っているのだ。捕まればお仕置きなのは当然であろう。実際、松田と元浜に手を出されそうになった時があってその時にお仕置きとしてちょっとしたものを行ったことがある。それ以降は二人共私に何もしなくなったから、効果は十分だったのだろう。ちなみに一回やってからちょっとマズイ方法を使ったなと思ったので、以降はハリセンを使用した軽いものにしている。それでも全力で叩くから相当痛いらしいけど。
「わかったならよろしい。さ、ちゃっちゃと立って教室いきましょう」
「う〜い」「あいよー」「はいよ」
とりあえず、説教終わり、と立ち上がらせて一緒に教室へ向かう。ここら辺の立ち直りの早さはすごいなぁって思ってたり。
それにしてもなぁ……
「まったく、松田と元浜ならともかく、イッセーになら裸くらいいくらでも見せるのになぁ……」
『てめぇイッセーこの野郎っ!!』
「ぬおっ!?馬鹿やめろっ!クゥはそういうのじゃないって毎回言ってんだろっ!」
……あ、また声に出ちゃってたか……ごめんねイッセー?
+++
side:イッセー
「おーいイッセー、俺らこの後ゲーセン行くつもりだけど一緒にどうだー?」
「おっ、いいな。今日は大人しくするつもりだしそっち行くかー」
授業が終わって放課後、そんな調子で松田が声をかける。
普段であればお宝本の品評会なんかも開催するんだけど、今日はクゥから説教を食らってるため自粛している。クゥに説教を食らったら少しの間は大人しくなにもしない、これが俺らの不文律となっている。
一回クゥの忠告無視してやらかした時はマジで怖い目にあったからなぁ……一回説教されたらクゥが俺らのやんちゃを多少見逃してもらえるまで大人しくしてないと……二人もクゥのアレがトラウマになったのか同じように大人しくしている。
まぁ、本人は1ヶ月とは言ってたけど、1週間もすればこそこそ見つからないようにやるのは見逃してもらえるだろう。それまでの辛抱だ。
「およ?イッセー達はこれからゲーセンかい?」
と、そんなことを考えているとクゥが俺たちの所にやってきた。
白縫 久遠
俺、兵藤 一誠の幼馴染。
性格は自由気ままで懐の深い。大抵のことは笑って許す、あるいは注意するだけで済ましてくれる。ただし、怒った時は恐ろしい。特に、逆鱗に触れた奴はタダでは済まない。
身長は平均より少し低いくらい。とは言っても学園のマスコット的存在である
学内では、可愛らしい系統の顔のつくりや肩まで伸ばした透き通るような白髪、まるで雪のような……とは言い過ぎかもしれないが、そう表現しても遜色ないと思われてる白い肌から、【雪の妖精】なんて呼び名が通っていたり。
余談だけど、俺の呼ぶクゥ、あるいはクゥちゃんという愛称があるが、これを使っているのは俺と、クゥではないもう一人の幼馴染くらいである。
「まぁな。久遠も一緒に来るか?桐生も呼んでいいぞ?」
折角なら人数が多い方がいい、と元浜がクゥ達を誘う。なんだかんだでクゥ経由で知り合った桐生も仲のいい女友達であり、よく一緒に遊んだりする。
この5人が、よく集まるグループといったところだろう。
「あー、ごめんね。今日はちょっとやりたいことがあるからまっすぐ帰るんだ。藍華ちゃんもなんか買い物行かないとって言ってたから無理だと思う。まぁ野郎3人で楽しんできなさいな」
「そかー、わかった」
「っと、そうそう。3人とも明後日の午後って暇?」
「明後日って言うと日曜か?特に予定はないな」
「部活をやってるわけでもなし、なぁんもねぇな」
「同じく。なんかあんのか?」
「私明後日定期検査で隣町の病院に行くんだけどさ、毎度のごとく午前に終わるから藍華ちゃん誘って午後はそっちで遊んでこようかと思ってるんだ。3人もよければ一緒にどうかと思ってね」
「あー、そう言えばもうそんな時期だっけな……」
クゥの話を聞いて松田と元浜もそう言えばと言った顔になっていた。
今でこそ俺たち3人をハリセンで全力で引っ叩いて悲鳴をあげさせたりしているものの、とある病気が原因で学校を休むことがしばしばあった。
小学校を卒業する前には今のような元気な姿を見せるようになったけど、まだ完治はしてない……と言うより、そもそも完治できない病気らしく、今でも治療を行ってもらった隣町の病院で定期的に検査をして貰ってるらしい。
そして、折角隣町に来たのだからそのまま帰るのも勿体無いと、誰かを誘って遊んでから帰るのがいつもの流れである。
「まぁそんなわけで、どうかな?」
「俺はいいぞ。毎度のことだし予定もないからな」
「俺も行くぞ。前回の屈辱を晴らしてやる……!」
「よろしいならば血粧嘴だ」
「やめてください死んでしまいます」
「俺も行けるな。隣町の本屋も折角だし見に行かないか?」
「そだねー、そっちも行こっか」
ん、そしたら3人は行くってことで。じゃあ私は帰るね。とクゥはピシッ!と手を立てて挨拶をしてから帰って行った。
「うし、じゃあ俺たちは遊びに行きますか」
「まずはリベンジに備えて練習だな!」
「自分、残悔拳いいっすか?」
「お前はなんであんなの当てられんだよ……」
そんな会話をしながら、俺たちは荷物をまとめ、遊びに行くのだった。
+++
俺はまだ気がついていなかった。
「クゥ……?」
自分の周囲にある非日常に。
「逃げ、て……イッセー……」
自分がどれだけ平和な世界にいたかということに。
「すまないが、少年……未来のために、一度死んでくれ」
自分が、どれだけ無力だったのかということに。
「あああ……ア"アアアァ!」
俺が非日常の世界に踏み入れるまで、あと少し。
「さようなら、良い夢を」
何も知らないまま、俺は日常を過ごす。
sideout
いかがでしたか?
えー、松田と元浜両名に対する久遠のちょっとしたお仕置きは石抱きのようななにかだったそうな。
とりあえず、今回は一誠と久遠のちょっとした紹介で終了です。
次回は原作冒頭部分となります。
気が向きましたら感想を書いていただけると嬉しいです。
誤字脱字報告、アドバイスなどもございましたらお気軽にどうぞ。
次回も読んでいただけたら幸いです。
それでは。