幸せになる番(ごちうさ×Charlotte)   作:森永文太郎

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前回も言った通り、今回は少しRewriteのネタバレ的な内容を含みます。
まだRewriteをプレイしていない、またはアニメを見ていないという方でネタバレが嫌な方はそちらを先に見ていただくのをお勧めします。


第13話、超能力者について語ろう

今なんていった?

超人?超能力者のことか?

いや、なんだっていい。とにかく誤魔化さなければ。

 

「な、なんのことだ?あれはその……僕の催眠術だ。前にマヤから聞いただろ。催眠術であいつらをおかしくしてやったのさ」

 

「そうか、だけど私はさっきの現象がお前のせいだとは言ってないんだけどな」

 

「……!」

 

しまった、墓穴を掘った!?

リゼは依然として厳しい視線を有宇に向ける。

だが超能力のことを話すわけにはいかない。

超能力者であることが知られていいはずがないのだから。

有宇が沈黙を決め込むと、リゼがハァと息を吐き表情を和らげる。

 

「心配しなくてもいい。私は能力者に関しては理解がある人間だ」

 

「なに!?」

 

超能力を知っている?

どういうことだ?

するとパトカーやら救急車やらのサイレンの音が聞こえてくる。

 

「おっと、面倒なことになるとあれだし、とりあえず場所を変えるか。行こう有宇」

 

「あっ、おい!」

 

そしてリゼは有宇の手を取り走り出し、有宇もリゼに引っ張られながら走ってその場を離れた。

 

 

 

 

 

しばらく走って、現場から距離を取ると、近くのベンチに座る。

 

「ここまでくれば大丈夫かな」

 

「なぁ、逃げた方がまずいんじゃないか。一応参考人なわけだし……」

 

「大丈夫、後で親父になんとかしてもらうから」

 

なんとかって……いくら金持ちでも普通そんな事できねぇだろ。

 

「……それはさっきの話と関係あることか?」

 

有宇がそう言うと、リゼの顔が再び神妙な顔つきになる。

 

「私の親父は……表向きは軍人だが、いや本当に軍人ではあるけど、ただの軍人じゃない」

 

「……能力者ってことか」

 

「そうだ」

 

リゼははっきりとそう返す。

だがさらにリゼは驚きの事実を話す。

 

「親父は……能力者の組織──守護者(ガーディアン)の海外軍事派兵部門の元特殊部隊隊長で、今はガーディアンジャパンで指揮をとっている実質的な最高責任者だ」

 

「ガーディアン?待て、お前の親父が超能力者だという話ではないのか?他にも超能力者がいるのか?」

 

何が何だかわからなかった。

話が思ったよりもぶっとんでいたため頭が混乱した。

 

「そうだな、まずはガーディアンについて話そうか」

 

そしてリゼは語りだす。

 

「ガーディアンは超能力者達をスカウトし、表沙汰にできない問題などを秘密裏に解決する世界的に活動している組織だ」

 

「世界中に!?そんな組織があるなんて聞いたことないぞ」

 

「秘密裏って言ったろ。表向きには民間軍事会社とか色々な名目で通っているからな。最も、やってることはそんなに変わらないけどな」

 

「なら必要ないんじゃないか?超能力軍隊なんて」

 

「いや、超人でしか解決できない問題だってたくさんあるからな。寧ろ必要不可欠だ」

 

「例えば?」

 

「同じ超能力者でも全員がガーディアンに属しているわけじゃない。問題を起こす輩もいるってことだ。そういった連中をなんとかできるのはガーディアンしかいない」

 

成る程、目には目を、超人には超人をってことか。

さらにリゼはこんなことも付け足す。

 

「それに軍事事業だけじゃない。ガーディアンは世界経済への影響力もある。ガーディアンなしに世界は成り立たないだろう」

 

「世界経済まで握ってるのかよ…」

 

もう話がでかくなりすぎて何が何だか…。

まぁけど要するに……。

 

「要はお前の親父はそこの日本支部のトップで、だから娘のお前も超能力のことを知ってるということか」

 

「そうだ、信じられないか?」

 

「いや……」

 

確かに信じ難い話ではあるが、作り話にしては出来すぎている。

それにリゼの態度はこちらを謀るようなものではないし、マジなんだろう。

だが……。

 

「三つ聞きたいことがある」

 

「何だ?」

 

「まず一つ、お前は能力者か」

 

まず疑うべきはこれだろ。

父親が超能力者なんだし、そんな重要そうなことを知ってるぐらいだ。

それにこいつの運動神経、能力者でない筈がない。

 

「違う。私は能力者じゃない」

 

「そうか、やっぱり……え、違うのか?」

 

「そんな不思議なことか?別に能力は遺伝しないぞ?」

 

「いや、それはそうなのかもしれないけど……」

 

いやいやいや、話の流れ的に能力者なのかと思ったぞ!

ていうか逆にこの流れで能力者じゃないっておかしいだろ!

 

「そうだ!あの身体能力はどう説明する!あれは常人じゃ無理だろ!」

 

「いや、あれぐらい普通に鍛えたらできるだろ。ともかく私に関しては普通の女子高生だから信じろ」

 

「普通の女子高生が数人相手に立ち回れるか!」

 

なんてこった、あの強さで常人なのかよ……。

 

「それに、私が超人だったらあいつらなんかまとめて皆殺しできるだろうしな」

 

本当にやりそうで怖えよ……。

 

「それで、二つ目はなんだ?」

 

「えっと、ガーディアン超能力者の集まりなんだろ。ならなんでお前の親父は僕を後継者にしようとした。僕が能力者であることは知らないはずなのに何故普通の人間を後継者にしようとしたんだ」

 

そう、普通の軍隊ってことなら鍛えりゃなんとかなるかもしれないが、僕のこのクソ能力でも余裕で不良どもを圧倒できたんだ。

能力者と一般人じゃ比べ物にならないぐらいの力の差があるはずだ。

能力者組織のボスの後継者に一般人がなれるはずがない。

なのになぜ一般人の(正確には一般人と認識している)僕をスカウトしようとしたんだ。

 

「簡単な話だ。有宇、お前が超能力者じゃないかと親父はお前をマークしていたからだ」

 

「何!?」

 

マークしてただと!?

いつから?

するとリゼはさっきまで普通に僕の問に対して答えていたのに急に困ったような表情を見せる。

 

「どうした?」

 

「えーとだな、これチノには絶対言うなよ」

 

「?」

 

チノ?

なんで今チノが話に出てくるんだ。

取り敢えず話が進まないので軽く頷く。

 

「実はな……ラビットハウスには盗聴器が仕掛けられていてだな……それで親父はマヤの話を聞いてお前が超能力者じゃないかってマークをつけたみたいだ。強引にお前を捕まえたのも本当に超能力者か見極めるためだったみたいだ」

 

「成る程……って盗聴器だと!?勝手にそんな……お前、それ犯罪だろ!?」

 

あの店にそんなもん仕掛けられてたのかよ!

プライバシーのへったくれもないじゃないか!

 

「落ち着け。まぁ私もどうかと思うが仕方ないんだ。それにちゃんとした理由もあるんだよ」

 

「理由?」

 

盗聴を正当化できる理由ってなんだよ。

 

「私の親父とチノのお父さん──タカヒロさんはかつて戦友だったんだ」

 

「戦友……」

 

そういやリゼの親父もマスターのことをタカヒロと呼び捨てにしていたっけ。

あれってそういうことだったのか。

いや待て、てことはつまり……!

 

「マスターも能力者なのか!?」

 

「そうだ、タカヒロさんも元ガーディアンの戦闘員だ。しかも元々親父の役職はタカヒロさんがなる筈だったんだ」

 

「マジかよ……」

 

しかもリゼの親父ってさっき最高責任者とかどうとか言ってたよな。

てことはリゼの親父以上の手練ってことじゃないか!

いや、更に言えばあの豪邸に住んでいたのはリゼの親父じゃなくてマスターだった可能性もあるってことだろ!?

なんてこった!

 

「いや、でもそれが盗聴と何の関係があるんだよ?」

 

「……タカヒロさんはある時、ガーディアンを突然辞めると言ったんだ。だけどガーディアンの掟でガーディアンを辞める際には記憶除去の手術を受けなくちゃいけない」

 

「記憶除去だと!?」

 

「ガーディアンの秘密は絶対厳守だ。外部に万が一でも漏れたら大変だからな。でもまぁ手術と言っても今は記憶を簡単に消せる能力を持つ若い新人が入ったとかで今はやってないみたいだけどな。昔の話だ」

 

いや、そんなことはどうでもいい。

じゃあマスターは……。

 

「マスターは昔のことは覚えてないのか?」

 

「安心しろ、うちの親父が当時のガーディアンジャパンの実質的に最高責任者だった江坂宗源という男に掛け合ってなんとか記憶除去は免れたらしい」

 

「そうか……」

 

少し安心した。

流石に基本他人に情を持たない有宇でも、流石に自分が世話になってる人間が不憫な思いをするのは感じが悪い。

 

「その代わり、交換条件として親父はタカヒロさんの監視役を任された。その過程でラビットハウスには今も盗聴器が埋め込まれているんだ」

 

そういうことだったのか……。

正に人に歴史ありだな。

まさかマスターにそんな過去があったなんて……。

 

「でも何でマスターはガーディアンを辞めたんだ?ボロい喫茶店のマスターなんかやるよりそっちの方が儲かるだろうに」

 

僕なら確かに命かける仕事なんかやってられないが、超能力者集団の最強にまで登りつめたマスターが何故やめたのだろう?

 

「さぁな……ただガーディアンは一応正義の味方ってことにはなってるが、綺麗なことばかりやってるわけじゃないからな。どんなに実力があってもそれで辞めていく人はいるから、タカヒロさんもそうだったのかもな」

 

綺麗なことばかりやってるわけじゃない……ね。

まぁそんだけでかい組織なら裏があったっておかしくないもんな。

僕らには到底理解できない理由がきっとあったんだろうな。

 

「それで有宇、三つ目は?」

 

「ん?あぁ、三つ目は……これから僕はどうなる」

 

これが一番重要だ。

僕は超人だということがバレてしまったわけで、しかもさっきの話だとガーディアンは能力者をスカウトしていると言っていた。

しかもリゼの親父は後継者を探していたし、僕もガーディアンに入れられるのだろうか?

それだけはなんとしてでも避けたいところだ。

 

「安心しろ、これまで通り生活してくれていい。それにさっき言ったスカウトだって別に強制じゃないしな。それに私から見てもお前はガーディアンには向いてないし、友達を戦場に送るなんてマネはしないさ」

 

「そうか……」

 

それを聞いてホッと安堵する。

もしガーディアンに強制的に入隊させるなんて言おうものなら、今すぐにでもこの街を出て逃亡を図るところだった。

だがリゼは更にこう言う。

 

「ただ有宇、親父にバレたらその時はそうじゃないかもしれない」

 

「どういうことだ、スカウトも別に強制じゃないんだろう?」

 

「さっきのタカヒロさんの話もそうだけど、ガーディアンは秘密に関しては絶対厳守の組織だ。入隊を断ることはできるけど、能力者だと知られた以上記憶除去か、数年に渡る監視付きになることは免れられない」

 

「……マジかよ」

 

「それだけ能力者は放置することはできない存在なんだ。もしかしたら自分たちの敵になるかもしれないしな」

 

僕普通にカンニングとかに使ってたけど、結構ヤバかったんじゃないか!?

 

「まぁ能力を使わず、それを仄めかすようなことを言わなきゃバレないはずだ。安心しろ」

 

「あぁ……」

 

しかしそんなこと言われてもすぐに安心できねぇよ……。

別にもうこんなクソ能力使おうとは思わないけど、今回みたいな万が一があるからな……。

しかも、もうこいつの親父にマークされてるわけで、それでバレたらって思うとそうやすやすと安心できるかよ。

 

「それより有宇、今度は私の質問にも答えろ」

 

「あ、あぁ」

 

正直三つとは言ったけど、まだ他にも聞きたいことがあったのだが。

まぁそれはまた今度でいいか。

 

「改めて、お前は能力者か?」

「……そうだ」

 

今度はちゃんとそう答えた。

 

「そうか、因みに能力は?」

 

「なに、他人に五秒間だけ乗り移れるってだけのクソ能力だ。大した能力じゃない」

 

そう言うとリゼはその場で考え込むような仕草をみせる。

 

「何だよ」

 

「いや、普通超能力は三つに分かれる。狩猟系、伐採系、汚染系の三つにな」

 

「何だそれ?」

 

「大体イメージ通りだと思うが狩猟系は狩猟技術──つまり飛び道具に関系する能力のことだ。銃器がある現代だとある意味一番強いともいえる。うちの親父なんかもこのタイプだ。そして伐採系は切断技術に秀でている能力だ。狩猟系が遠距離なら伐採系は近接戦闘のプロフェッショナルだ。ただ銃器がある現代だとそれ程活躍の場はないかもな。最後が汚染系、これは体の体液を操る能力だ。体内で物質を生成したり、色々とトリッキーな能力が多い。でだ、お前が今言った能力はそのどれにも当てはまらないから変だと思ってさ」

 

成る程、超能力者にも分類分けがあるのか。

 

「けど嘘は言ってないぞ。なんなら今ここてお前に乗り移ってやってもいいぞ」

 

「別にいいけど、私に乗り移ったら証明できなくないか?」

 

「ん?そうだな。じゃあ乗り移って……服でも脱いでやるか?」

 

「やったら殺すぞ」

 

「……すいませんでした」

 

冗談だっていうのに本気にするなよ……。

そしてリゼはあることに気がつく。

 

「そういえばこの前、お前がここに来る前の事を話した時、カンニングの方法は企業秘密だとか言ってたけど、もしかして……」

 

気づいてしまったか……。

有宇は半ば逆ギレするように答える。

 

「あぁそうだ、この能力でカンニングしまくったんだよ!それで頭のいいやつに乗り移りまくって良い点取ってたんだ!悪いか!」

 

「いや、別にもう今更だけど……セコいことに能力使うなお前……」

 

「ほっとけ!」

 

「にしてもそれじゃあ学校の成績は保てても受験じゃ通用しなくないか?受験会場なんてみんな知らない人だろうし」

 

「はっ、僕を甘く見るな!皆が勉強している間、僕は行けるだけのありとあらゆる有名塾に潜入して頭のいい学生の情報を仕入れ、彼らがどこの高校を受けるかまで徹底的に調べてから挑んでやった」

 

「その時間を勉強に回せよ!」

 

「?なぜ僕がそんなことしなきゃならん」

 

「受験生だからだろ……ハァ……」

 

有宇のクズっぷりに手に頭を当て、若干うんざりするリゼであった。

するとその時、リゼが何かに気づいたのか有宇にこんなことを聞く。

 

「有宇、お前さっき私の身体能力を見て能力者だと判断したんだよな」

 

「そりゃまぁな、普通あんだけ戦えるやつなんかいないだろ」

 

「お前、身体能力はどれほどだ?」

 

「平均並だ。別に悪くはないと思うが、かといって特別いいわけでもない」

 

するとまたリゼはその場で考え込んだ。

 

「なんだ、何がおかしい?」

 

「いや……普通能力者は狩猟系だろうが伐採系だろうが汚染系だろうが、どんな能力でも必ず身体能力は常人の10倍はあるはずだ」

 

「え、そうなのか!?」

 

するとリゼは近くにあった蓋付きのゴミ箱を持ってきて、蓋の上に腕を置いた。

 

「有宇、試しに腕相撲をしよう。本気でかかってこい」

 

「え?あ、あぁ……」

 

リゼにそう言われ有宇も腕を置いてリゼの右手を握る。

 

「それじゃあレディーゴー!」

 

ドンッ!

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!」

 

一瞬で敗北した。

腕が……腕が……。

 

「有宇……お前本当に弱いな……」

 

「お前が強すぎるんだよ!」

 

本当にこいつ強えよ。

これで超人じゃないって、こいつのいう超人てどんだけ強えんだよ。

あぁ、腕が痛い……。

 

「しかしこれだと有宇に能力があるのが説明つかないな……。ガーディアンの知らないタイプの能力者がいるということなのか?」

 

「知らねぇよ!僕はこの力でカンニングしまくっただけで他にはなんにもないからな……もういいだろ」

 

「あ、あぁそうだな悪い。もう大分遅くなっちゃったし帰るか」

 

「あぁ、それじゃあまたな」

 

そう言って有宇はリゼに背を向けラビットハウスに向けて帰ろうとすると、リゼが後ろから声をかける。

 

「有宇!」

 

「ん、まだなんかあるのか?」

 

「その……さっきはありがとう。助けに来てくれて嬉しかった」

 

「……あぁ」

 

それを聞くと有宇はまたラビットハウスに向けて歩みを進める。

この時有宇の顔もリゼの顔も真っ赤だったことはお互い知りもしなかった。

 

 

 

 

 

「ほら有宇くん早く!」

 

「おい、ちゃんと前向いて走れ」

 

「そうですよココアさん。前向いてないと転んじゃいますよ」

 

「まぁココアらしいけどな」

 

昨日ココアとチノにゲームセンターのことを話したら行きたいと言いだしたので、今日はココアとチノを含めた四人でやって来た(因みにシャロと千夜はバイト)。

本来ならこいつら午後は店のバイトなのだが、マスターが午前から引き続き入ってくれたおかげでここに来れたのだ。

マスター……今日は僕も休みをもらってるから午前中からずっと一人で働き詰めとか……なんか申し訳なくなってくるな。

そしてこいつらはそんなことも気にせずにはしゃいでいた。

 

「にしても昨日有宇くん帰りが遅いから心配したよ。それに昨日はなんか悪い人たちが暴れてたみたいだし、何かあったんじゃないかと思ったよ」

 

「あぁ……悪いな」

 

「現場はかなりひどかったようですね。バイクの事故や乱闘騒ぎがあったみたいですけど、何故か皆さん口々に呪いだと言ってたそうです」

 

ギグッ!×2

 

「え、呪い?どういうことなの?」

 

「マヤさんの話によると、不良の人達の体が勝手に動いて仲間割れをしだしたり、とても強い女ファイターが襲ってきて幽霊のように消え去ったりしたとか」

 

ギクギクッ!×2

 

「えーなんか怖いね〜って有宇くんリゼちゃんどうしたの?」

 

「「いや…何でも…」」

 

間違いなく僕達のことだよな……。

体が勝手に動いたのは僕の能力、女ファイターの幽霊はリゼだろう。

幽霊云々のところは多分リゼの親父が、現場にリゼがいた事実を揉み消したためにそうなったのだろう。

 

「それよりも有宇くんとリゼちゃん昨日デートしてたんだってね。お姉ちゃんビックリだよ。いつの間にそんな仲になってたの?あ、二人が結婚したら私リゼちゃんのお姉ちゃんになっちゃうね」

 

「落ち着けって、別にそんなんじゃなくてだな……」

 

と言いかけたところでリゼの顔が少し赤くなっていたのに気づく。

そして有宇も昨日のことを思い出し、顔が少し赤くなる。

 

「お二人とも顔が赤いですよ」

 

とチノが指摘する。

ココアは「おやおやおや〜」と言いながらニヤニヤしている。

 

「そ、それよりそこの路地を入ってすぐだ。ほら行くぞ」

 

「話をそらされました」

 

「もう、テレ屋さんなんだから〜」

 

と二人に茶化されながら狭い路地を歩いていく。

今日は昨日と違い人の姿がいくらか見えた。

まぁ流石にずっと人がいないわけじゃないだらうけど……と歩いていくと驚きの光景が見えた。

 

「あれ?なぁリゼここって」

 

「ん?あっ……」

 

昨日ゲーセンの近くにあった日本式の潰れて廃屋になっていたボロアパートがなくなっていた。

代わりにそこには新しいこの街の景観に沿った西洋風の木組みのアパートが建っていた。

 

「どうなってる……?昨日の今日で建て直し?まさか……」

 

そして更に一同は先に進んでいったのだが、なんと昨日のゲームセンターがどこにも見当たらなかった。

 

「ゲームセンターなんてないよ?有宇くんリゼちゃん」

 

「確かにどこにもそれらしい建物はありませんね」

 

「確かにこの辺にあった筈なんだが……」

 

「なぁ有宇……あそこって全然人の気配なかったよな……もしかして」

 

「縁起でもない事言うなよ!んなわけ無いだろ!」

 

「でも店の中に店員一人すらいなかったっておかしくないか?」

 

「それは……」

 

「「……」」

 

二人は怖くなってその先は言わなかった。

あそこは本当に異世界だったのか、それとも僕らが見た幻なのか。

だがしかし、リゼの家には今もあのゲーセンで取った人形があり、僕らは確かにあのゲームセンターに足を踏み入れたのだけは確かな事実だ。




この「幸せになる番」というお話では、ごちうさ原作と違い、リゼ父達は自分たちがガーディアンという組織に属している事は秘匿し、表向きには自衛隊(タカヒロさんの場合はだった)として過ごしているというこの話オリジナルの設定になります。
ラビットハウスに盗聴器があるという設定は、ごちうさ原作の、ラビットハウスが雑誌に載る話から持ってきました。
一応これに合わせてRewriteのタグを付けるので、そこのところご了承ください。
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