幸せになる番(ごちうさ×Charlotte)   作:森永文太郎

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第22話、ラビットハウスをプロデュース(後編)

「歌って踊るってどういうことだ有宇!」

 

「そうです!どうして私達がそんなことをしなきゃいけないんですか!?」

 

リゼとチノが有宇に詰め寄る。

無理もない。いきなり歌って踊ってくれなんて言われたらそうなるだろう。

だがこっちにもちゃんと理由はある。

 

「なに、簡単な話だ。さっきも話に出てきた『ちゃっきーさん』と話をしていたときに、うちのイメージソングを作ってくれると向こうが提案をしてくれてな。しかもタダでだ。まぁその代わりちゃんと作曲者として名前を乗せて欲しいとのことだが、それでやってもらえるなら安いというものだ」

 

「それでPVか」

 

「そうだ」

 

「でもそれならその曲を流して、後は店内の映像でも流しておけばいいじゃないか!」

 

「逆に聞くが、お前はそんな普通な動画をわざわざ見ようと思うのか?」

 

「それは……」

 

リゼは言葉を詰まらせる。

確かに悪いところもない、けどかといっていいところもない。そんな普通の動画をわざわざ開いて見ようとは思えなかったからだ。

 

「ないだろ。普通にやっても誰も見やしないのだ。そこでお前達だ」

 

「私達?」

 

三人が頭に疑問符を浮かべる。

 

「そうだ、お前達三人とも……まぁチノは多少外見が幼いが、三人ともビジュアルはかなりいいと思う。この僕が言うんだから間違いない」

 

そう言うとチノとリゼは若干顔を赤らめる。

ココアは頬に手を当て、デヘヘと気持ち悪い声を上げながらニンマリしている。

 

「もう有宇くん、お上手なんだから〜」

 

「まぁ、頭がおかしいのが若干名いるが」

 

「え?それ私のことじゃないよね?」

 

「でだ」

 

「無視!?」

 

「お前達が歌って踊る姿は人目を引くだろう。僕がイケメンだから女性客が近寄ってくるように、美少女というだけで価値があるようなもんだからな。この際お前達の歌の旨さは関係ない。お前達が映ることに意味があるんだ。動画内容の評価がどうなるかまではわからんが、とにかく目を引ければそれでいい」

 

そう言い終わると、チノは取り敢えず納得した様子だ。

本当はまだ言いたいことはあるんだろうけど、有宇を論破できるだけの意見を持ち合わせてはいないといった感じだろうか。

だがリゼはまだ納得いかない様子だ。

 

「なんだ、まだ何かあるのかリゼ」

 

「いや、私達が……その、可愛いかどうかはあれにして、私達にやらせる意味があることはわかった。でもそれだったらお前がやればいいじゃないか。お前だって顔だけはいいんだし、お前も出ればいいじゃないか」

 

確かにその意見は一理ある。

有宇も顔立ちは整っており、おそらく道行く人に聞けば、ほぼ全員がイケメンだと答えるであろうビジュアルである。

実際チラシ配りの際はこのビジュアルに釣られた女子がかなりいた。

今もたまに有宇に会いたいがためにやって来る。

だがどうしても有宇には出てはならない事情があったのだ。

 

「リゼ、お前僕がここに来た理由を忘れたのか」

 

「お前がここに来た理由……あ」

 

リゼは、それを聞いてすぐに理解した。

 

「僕は陽野森学園でカンニング事件を起こしたせいで、街にいられなくなってここに来た。……まぁ、おじさんとの喧嘩が一番の理由ではあるが。ともかく、この街でなら知り合いはいなくても、ネットに流す以上、そいつらの目にとまる可能性がある」

 

「でも有宇くん、そんな気にすることでも……」

 

「確かに、そいつらが遠く離れた場所にあるうちのカフェのPVなんざ見る可能性は低いだろう。だが仮にそいつらに僕がここで働いてることがバレれば宣伝どころか店の評判を落とすことになるだろう。そう、カンニング魔が働く店ってな。いや、こんな個人経営の店なんかがそんな風評被害を受けたら、客数を減らすどころか店が潰れることになるだろうな」

 

実例として、個人経営の店で働いていたアルバイトのバカが、グチッターに話題性欲しさに店で馬鹿やった写真を乗せて炎上し、店はその風評被害で潰れた………なんてのも実際の事件として起きている。

この実例は今回の話とは多少違えど、個人経営の店にとって風評被害がどれほどやばいかという点では通じるものがある。

一度の炎上が店を潰す。

だから有宇はネットに顔出しは出来ないのだ。

 

「だからこれまでだって女性客に一緒に写真を撮って欲しいというのも断ってきたし、僕の名前をネットに上げたりはしないよう言ってきた。僕だって利用できるものは利用したいが、そういうわけだから出来ない」

 

それを聞くと、リゼも流石に自分達だけ不公平だなんて言えなかった。

自業自得とはいえ、有宇がPVに映ることで本来目指していた結果と真逆の結果になってしまったら本末転倒だからだ。

しかしそれでもリゼとチノは浮かない顔をしていた。

二人とも人前に出るのはあまり好きではないからであろう。

こればかりは自分にはどうしょうもないと有宇が思っていると、リゼとチノにココアが言う。

 

「まぁまぁ二人とも。そんな顔しないでやってみようよ。折角の機会なんだし」

 

「お前はいいかもしれないが……」

 

「はい、ココアさんはそういうの好きそうですもんね……」

 

「まぁまぁ。確かに恥ずかしいかもだし、緊張もするかもだけど、これもいい経験だよ。失敗したらしたらでそれも経験だし、滅多にできないことなんだから挑戦してみようよ!それに、もしかしたらお客さんも増えるかもだし、やってみない手はないよ!」

 

「「ココア(さん)……」」

 

するとリゼとチノのこわばった表情が柔らかくなっていく。

 

「そうだな、やる前からああだこうだ言ってるのはカッコ悪いよな」

 

「そうですね、お店を盛り上げるためなのに、マスターの娘である私が文句を言っちゃだめですよね」

 

そう言って二人は納得し始めた。

不思議なものだ……ココアが言うと皆納得してしまうのだから。

こいつは決して理屈じみたことを言っているわけではない。

それでもこいつには人の心を動かす何かがある。

僕もこいつに心動かされたからここにいるわけだしな……。

 

「それで有宇くん、いつPV撮るの?」

 

「ん、あぁ今週の土日だ」

 

「こん……えぇ!もうそんな時間ないじゃん!?」

 

「土曜日にお嬢様学校で踊りの練習と歌の練習。日曜に店を閉めて、店で本番撮影。その後お嬢様学校で歌の収録だ」

 

「結構本格的だね!」

 

「待て、うちの学校でやるのか!?」

 

「話はつけてある。前々から向こうとも相談してたしな」

 

「相談ていつの間に!?」

 

するとチノがあることに気づく。

 

「もしかしてこの前の尾行の時に会ってたリゼさんの学校の人って……」

 

それを聞いて共に尾行していたココアとリゼも気づく。

 

「そうだ、この前はその為の打ち合わせをしていたんだ。うちで客として来てたときに色々話してて、それで確か部活がダンス部と聞いてたから、それを思い出してあの日実際に会って相談してみたんだ。向こうはすっかり僕の虜だったから快くOKしてくれたよ。ついでにレコーディング部なる部活と声楽部も紹介してもらって学校の収録場も借りる事と歌の指導を受ける事ができた」

 

(((さらっと虜にしたとか言った!?)))

 

要は誑し込んだお嬢様学校の女生徒で人脈を広げ、それを利用して色々手を回したということだ。

収録場なんてのは普通に借りたらそれなりに金が掛かるが、お嬢様学校の部活の一貫としてやるので値段はタダだ。

但し動画投稿の際はちゃっきーさん同様、自分達のことも概要に載せて欲しいとの事だ。

……あとダンス部の部長にはデートの約束も取り付けられた。

 

「ていうかレコーディング部なんて部活がうちにあったとは……」

 

「どんな部活なのかな?」

 

「それでお兄さん、それまではどうすればいいでしょうか」

 

「さっき渡した歌詞カードを覚えておいてくれ。それとちゃっきーさんが作った曲のデータと、向こうのダンス部が踊った見本のCDも渡しておくから、ダンスも出来るだけ覚えておくように。なに、3分程度の動画だ。頑張ってくれ」

 

そう言うと曲のデータとかが入ったUSBをリゼに渡す。

 

「そういうことで各自土日に備えてくれ。では解散!……じゃ、僕は夕飯の準備に戻るから」

 

そう言うと有宇は部屋を出て2階へと降りていった。

 

「まさか踊らされるとはな……」

 

「でも私、今から楽しみだよ〜。どんなダンス踊るんだろ〜」

 

「ココアさんはマイペースでいいですね……。でもこれもお店を盛り上げるため、皆さん頑張りましょう」

 

「「おー!!」」

 

三人は土日に向け、既に気合十分だった。

 

 

 

 

 

有宇がPVを撮ると言ってからあっという間に数日が過ぎ、本番前日の土曜日、この日はお嬢様学校で本番前のダンスの練習&確認と歌の練習だ。

お嬢様学校に着くと、早速有宇が密会していたダンス部女子が門で出迎えてくれた。

 

「あ、有宇く〜ん!うちの学校へようこそ!リゼ先輩とお友達の皆さんもようこそいらしてくれました」

 

「穂乃果さん、休みの日なのにわざわざゴメンね。今日はよろしく頼むよ」

 

「もーそんなこと気にしなくていいよ。私、有宇くんの為なら何でもやっちゃうんだから♪」

 

有宇とダンス部の会話を眺めていた三人はなんとも言えない気持ちになった。

 

「恋は盲目なんていうけど……な……」

 

「ダンス部の部長さん、有宇くんにぞっこんだね……」

 

「お兄さん……恐るべしですね……」

 

三人が有宇と部長を冷めた目で見ていると、二人の会話が終わったようだ。

 

「おい、突っ立ってないで行くぞ」

 

ココア達に対してはいつもどおりの様子である。

だが特にダンス部部長の様子に変化はない。

リゼの言うとおり恋は盲目ということなのか、それとも有宇の魅力するテクニックがすごいのか……。

三人は取り敢えず前を行く二人に付いていった。

 

 

 

 

 

一同は校舎の先にある管理棟と体育館の間にある庭にやって来た。

体育館はバスケ部などの運動部が使っているため、人数も少ないしここでやることにした。

一度三人で踊って貰ったのだが、初めて合わせる割に結構出来ていた。

 

「それなりに出来てるな。まぁ、まだテンポとかは若干合ってないが」

 

ココアが笑顔で答える。

 

「えへへ〜三人でお店で練習してたもんね〜」

 

「仕事しろ」

 

確かに暇な時間を使ってやってたんだろうけど、そんなドタドタ踊ったりしたりしたら埃が立つだろ……。

まぁ、これなら思ったより早く終わりそうだな。

それからダンス部部員の指導が入ったりして、確実に上達していった。

ただチノの表情が少し固かった。

他二人は特に問題なかった。

ココアはあの性格だし、リゼは演劇部の助っ人とかで慣れているからだろう。

 

「チノちゃん、表情固いよ」

 

「はい!」

 

「チノちゃん、もうちょっと笑顔……」

 

「はい!」

 

部長が指導するが、チノのむっつり顔は中々治らなかった。だけど本人は真剣だ。

それに緊張しているのだろう。

無理もない、さっきから道行く生徒がこちらをじっと見ているのだから。

他校の生徒がいること、そして何より女子校に男子がいることが珍しかったのだろう。

だがそれでも練習していくうちにチノの表情も柔らかくなっていった。

踊りは三人で元々練習していたこともあって、すぐに息ぴったり揃うようになった。

踊りに関してはチノも、メグの家でバレエをやったことがあるとかで踊りの方に関しては特に問題もなかった。

そして昼に差しかかろうとする時間になって、取り敢えずダンスの練習は終わった。

 

「よし、それじゃあダンスはここまで。明日は私いないけど、その調子で皆さん頑張ってください」

 

ダンス部部長がそう言うと、三人はくたっとなり、その場で座りこんだ。

 

「疲れた……」

 

「はい……笑顔って意識してつくるの難しいです……」

 

「でもチノちゃん……ちゃんと出来てたよ……」

 

疲れた三人の側で有宇がダンス部部長にお礼を言う。

 

「穂乃果さん、今日は本当にありがとうございました」

 

「いいのいいの、そうそう有宇くん、約束なんだけど……」

 

「一緒に出かける約束でしたよね。いつにしましょうか?」

 

「それが……レコーディング部と声楽部に約束がバレちゃってね。自分たちも手伝うのに抜けがけするな!……って。私としては二人っきりが良かったんだけど、みんなでお出かけでもいいかな?」

 

「え!?えっと……はい、大丈夫です」

 

「良かった、じゃあ日取りはLI○Eで送るね」

 

マジかよ……好きでもない女とデートってだけでも面倒くさいのに、そんな大勢で出かけるとか……。

まぁその分二人きりでいるよりかは下手に距離が縮まることもなくなるし、別にいいか……。

気を取り直して有宇は座っている三人に言う。

 

「それじゃあ昼休憩終わったら歌の練習だ。一時には音楽室行けるようにしとけ。取り敢えず解散」

 

「「「は〜い……」」」

 

 

 

 

 

休憩中、有宇はうちから持ってきたパンを庭のテラスで食べていた。

他三人は学食に食べに行ったようだ。

有宇も一緒に行こうと誘われたのだが、沢山の女子生徒で混雑している中で、男子が一人いるのは目立つと思って遠慮した。

しかしここにいてもあまり大差はなかった。

さっきから道行く女子の視線が僕に釘付けである。

おそらく女子校というだけでなく、お嬢様という立場上あまり同年代の異性と接したことがないからだろう。

だからリゼみたいな男らしい女子が人気になるのだろうし。

しかしさっきからジロジロ見られて本当に居心地が悪い。

 

「……移動するか」

 

席から立ち上がるとその場を離れた。

しかし移動するにしても、どこも女子生徒がうろついていて、テラスとあまり大差がない。

すると女子生徒が声をかけてくる。

 

「あのー」

 

声の主を見ると、髪を両サイドに結んだ体操服姿の女子だった。

勿論面識はない。

何やら細長い筒のような物を持っているが一体……。

 

「はい、何でしょう?」

 

「君、リゼの店で働いてるイケメン君でしょ〜?」

 

「えっと……まぁ、イケメンではないですが、一応そうです」

 

どうやらリゼの知り合いのようだ。

しかし一応猫被ったままでいるか……。

 

「やっぱり。聞いたとおりだね〜」

 

「あの……因みに僕のこと、どういう風に聞いてますか?」

 

「えっと……表裏が激しくて、偉そうでナルシストだって聞いてるよ。あ、あと金にがめついとも」

 

あの野郎、普通に言いふらしてんじゃねぇよ。

このお返しはいずれたっぷりと返してやる……。

 

「でさ、イケメン君」

 

「乙坂有宇です」

 

「そう、じゃあ乙坂くん。今食べるとこ探してるんでしょ?ならうちの部室においでよ。今なら他の部員もいないしさ」

 

その誘いはありがたいが、しかし何が狙いだ?

僕と仲良くなりたいとかか……?いや、リゼから素の僕のことを聞いているならそれはないか。

まぁ、なんにせよ今は他に食べる場所もないし、素直にお言葉に甘えさせてもらおうか。

 

「それじゃあ……よろしくお願いします」

 

そして女子生徒の後を着いていくと、部室棟までやってくる。

部室棟というと、色んな部活の狭苦しい小さな部室が固まってるイメージだが、ここはお嬢様学校というだけあって、部室棟とは思えないほど中は綺麗だった。

そしてその中の一室に案内された。

 

「さぁ着いたよ。ここがうちの部の部室だよ」

 

中に入ってまず目にとまったのがトーテムポールだ。

何故部室にこんなものがあるんだと思ったが他にもまだある。

マンモスの牙みたいな置物に鹿の剥製、それにアステカの仮面みたいなやつも置いてある。

他にも洋風の一室には似合わないものが色々置いてあった。

 

「えっと……ここってもしかして民族研究会とかですか?」

 

「ううん、吹き矢部だよ」

 

「吹き矢部?」

 

部屋の奥の方をよく見てみると、確かにダーツの的みたいのが壁に掛けられている。

そうか、さっきから持ってる謎の筒のような物は吹き矢の筒だったのか。

 

「椅子とかはないけど、適当に座って座って」

 

そう言われて、トーテムポールとかが置いてあるところに敷いてある藁葺のシートの上に座った。

二人きりで少し気まずいが、あそこで注目を集めながら食べるよりかはマシだろう。

 

「ありがとうございます。えっと……」

 

「あ、自己紹介まだだったね。私ここの吹き矢部の部長です。リゼとは昔馴染みなんだ〜」

 

リゼと昔馴染みか……。

もしかしてガーディアンにも関係があったりするのだろうか。

いや、まさかな……。

 

「それで乙坂くんはリゼとはどんな関係だったり?」

 

「別に普通のバイト仲間ですよ。大した関係では……」

 

「え〜でもこの前リゼがかっこいい男の子と一緒にデートしてたっていう噂があるんだけどな〜」

 

おそらくパン祭りの後、一緒に出かけたことを言ってるのだろうか。

リゼも学園内じゃ人気者だし、そのリゼに彼氏疑惑が出れば噂になるのも無理はないか……。

にしても誰かに見られてたとは……。

 

「ほら〜お姉さんに正直に話してみなさい。本当のところどうなの?」

 

「本当に何もありませんよ。向こうも特に意識とかしてないでしょうし」

 

「え〜結構脈ありだと思ったんだけどな〜。まぁいいや、そういうことにしてあげる」

 

取り敢えず追求を免れたようだ。

さっさとパン食べてこの部屋から出ていこう。

 

「そうそう、あともう一つ聞きたかったんだけどさ」

 

「なんですか?」

 

まだ何かあるのか?

いい加減変な追求は止めて欲し……。

 

「リゼと出かけた日にさ。なんか起きなかった?」

 

それを聞いて体がビクッとする。

その質問って不良達に絡まれたことを言ってるのだろうか?

いや、まさかな……。

 

「いえ、特に何も……」

 

そう答えると、吹き矢部部長はニコッと笑みを浮かべた。

 

「そーか。なんか変なこと聞いてゴメンね。あの日なんか物騒なことが起きててさ。それで巻き込まれたりしてなかっか心配だったんだよね。そーかそーか、何もなかったなら良かったよ」

 

明らかに何か知ってるといった雰囲気だ……。

だが下手なことを尋ねて能力者であることがバレて何かあったらヤバイしな……。

リゼと友利も、二人の話に違いこそあれど、能力を隠せというのはどちらも言ってたし、慎重に行動しよう。

というわけでパンをさっさと口に放り込んで、立ち上がる。

 

「食べ終わったので、もう失礼しますね」

 

下手なこと話してしまう前に出ていった方がいい。

まだあと一個パンがカバンの中に入っているのだが、ここでこの人と話を続けるのはヤバイ気がする。

 

「あー待って待って。まだ時間あるでしょ?吹き矢やってこーよ」

 

「えっと、でも……」

 

「部室に入れてあげたんだし、それぐらいいいでしょ?」

 

そう言われると流石に何も言い返せない。

借りを作ったままにしておくのは、有宇としても気分が良くなかった。

 

「わかりました。じゃあ一回だけ……」

 

そうして部長から筒を受け取り、軽く筒の持ち方とかを指導されると、的の前に立つ。

 

「中央の黒い点と白い円は7点、赤は5点、その外側の白は3点、黒は1点だよ。1ラウンドで五回出来るから、五回どーぞ」

 

そして五回やってみた。

結果は無残なものだった。

一回だけ外側の白いところに刺さったが、他は的にたどり着く前に落ちてしまった。

 

「肺活量ないね〜君」

 

心ない素直な感想が有宇の胸を貫く。

地味に傷つく……。

 

「どれ、私に貸してみなさい」

 

そう言うと、有宇に代わって的の前に立ち、吹き矢を吹く。

結果は部長を名乗るだけあって大したものだった。

三本が中央の白い円に刺さり、残り二本が赤い部分に刺さった。

 

「すごいですね……」

 

「私なんてまだまだだよ。シャロちゃんなんか五本全部黒い点に当てられるしね」

 

「シャロが?」

 

「うん、前にリゼと部室に来たとき君みたいにやってもらったんだけど、本当にすごいよ〜!うちにエースとして入ってもらいたいぐらいの腕前だよ」

 

あいつにそんな特技があったとは……。

あいつらが学校で何してるかとか全然知らないから、そういう話が聞けるのはなんか新鮮だ。

 

「それじゃあ付き合わせちゃって悪かったね。でも今度来るときはもっと上達してから挑戦してきてね」

 

「別に挑みたくて挑んだわけじゃないですけど……まぁ、それじゃあ」

 

そうして吹き矢部の部室を出て、新たに昼飯を食べれる場所を探しに行った。

それにしても、結局あの人は何だったのだろうか……。

 

 

 

 

 

そして昼休憩が終わり、有宇達は音楽室へ向かった。

そこで声楽部の部長が待っていた。

 

「あ、乙坂さん。こんにちは……あの、覚えてますか?」

 

「千沙都さんだよね。前に友達と一緒にうちに来てたよね」

 

「お、覚えててくれたんですね……嬉しい」

 

音楽部部長も前に店に来た人間だったようだ。

そして再びココア達は冷たい視線を話し合う二人に向ける。

 

「お兄さん……本当にモテますね……」

 

「うちの学校の奴らがみんな有宇に誑かされていく……」

 

「ちゃんと名前まで覚えてるんだもんね……抜かりないね有宇くん」

 

いつか女を誑かし過ぎて、誰かしらに刺されるのではないかと三人は心配になった。

それから歌の練習が始まった。

三人とも練習してきたのか、こちらも特に問題はなかった。

というか三人ともかなり歌は上手かった。

特にチノが中でも秀でていた。

ダンスの時は笑顔に苦戦していたが、歌に関しては幼さを若干残した声ではあるものの、耳に透き通るように入るきれいな歌声だった。

引っ込み思案なチノのことだからてっきり上手くないものかと思っていたが、意外な才能である。

 

「チノ、上手いじゃないか。驚いだぞ」

 

「そう……でしょうか?」

 

「はい、チノさんお上手でしたよ」

 

声楽部の部長もチノの才能を評価した。

ココアとリゼもチノに駆け寄る。

 

「チノちゃ〜ん、すっごい上手だったね」

 

「やるじゃないかチノ」

 

「えっと……あの……」

 

皆に急に褒められて、たじろぐチノに有宇が言う。

 

「チノ、こういうのは素直に受け止めておけ。みんなお前を素直に評価してるのだからな。注目を集めるのは緊張するかもしれないけど、そう悪いもんでもないだろ?」

 

有宇にそう言われると、踊ってたときよりも自然に微笑む。

 

「はい、そうですね」

 

歌の方も特に問題なく、無事この日の練習を終えた。

後は明日の本番に備えるのみである。

お嬢様学校からの帰り道、各々が口々に言う。

 

「明日いよいよ撮るんだよね」

 

「あぁ、緊張するな」

 

「はい、でも今はちょっとだけ楽しみです」

 

「おぉ、チノちゃんからそんな言葉が出るなんて……!」

 

「どういう心境の変化だ、チノ」

 

「べ、別に大したことじゃないです。ただその……今日踊ったり歌ったりしてみて、飛び込んでみると見えてくる世界もあるんだなって思ったんです」

 

チノはチノなりに今日の経験で何か見えたのだろうか。

なんにしても、満足出来たのならそれはそれでよかった。

するとココアが言う。

 

「なんにしても有宇くんに感謝だね」

 

「は?僕?」

 

「うん、だって有宇くんがやろうって言わなかったらこんな事やらなかったと思うし、ありがとね有宇くん」

 

しかしそう言われて素直に喜ぶ有宇ではない。

 

「まだ礼を言うには早いぞ。明日撮るPVの反応を見てからにしろ」

 

「はぁ〜い、もう、有宇くんは固いんだから」

 

有宇には素直にココア達の賛辞を受け止める気にはまだなれなかったのだ。

その理由は……まぁ、PVを公開したらわかるだろう……。

喜ぶ三人を後目に、まだ何かを危惧している有宇であった。

 

 

 

 

 

日曜日、この日遂にPVの撮影をするのだが、朝からラビットハウスの前に数台の車がやって来ていた

その音を聞きつけ、ココアとチノが下に降りてくる。

 

「これは何事!?」

 

店の前に停まる車を見てココアが驚きの声を上げる。

 

「おーココア、チノも来たか。制服に着替えておけ、制服で撮るから」

 

「あ、うん……て、そうじゃなくてこの車はなんなの有宇くん!?」

 

「そうです。この車は一体……」

 

「撮影機材の搬入だ」

 

「撮影機材って……なんかテレビでも撮るみたいだけど……」

 

車から降ろされているでかいカメラは確かにテレビでも撮るような感じである。

 

「それにこれ……すごいお金かかるんじゃ……」

 

「それに関しては問題ない」

 

撮影費用を心配するチノに問題ないと言ったのは、車から下りてきたリゼだった。

 

「リゼさん!?これは一体……」

 

「有宇の奴……親父に協力を仰いでいたみたいで。それでこの車とかも親父が用意させたみたいだ」

 

「リゼさんのお父さん……?」

 

そう言われて運転手をよく見ると、前にリゼの家で見たグラサンの黒服である。

そして有宇がリゼの説明に補足する形で説明する。

 

「ビデオカメラで撮ろうと思ったんだが折角だしな。たまたまバータイムにうちに来てたリゼの親父に娘の晴れ姿を撮ると言ったら喜んで協力してくれたよ。世の中持つべきは財力のある人間との人脈だ」

 

「「「うわぁ……」」」

 

相変わらず金にがめつい男だと思った三人であった。

するとココアがあることに気づく。

 

「あ!撮影で思い出したけど有宇くん、私達の衣装とかないの?」

 

「衣装?」

 

「うん、だって折角撮るんだから可愛い格好したいじゃない?だから衣装とかないのかなーって」

 

「衣装はいつもの制服のつもりだが」

 

そう言うと、ココアが苦い顔をする。

 

「え〜折角ならいつもと違うのがいいな〜」

 

「今回は店の宣伝だから制服のままでいく。それに、お前らの制服って前々からピンクに紫に青色にって、十分カラフルで派手だし別にいいだろ」

 

「はぁ〜い……」

 

仕方ないと言わんばかりの様子ではあるが、一応納得したようだ。

そして三人が着替えたところで撮影開始。

最初何回かミスってやり直したが、なんとか撮影も無事終わった。

それからお嬢様学校に再び赴き、レコーディング部の収録場で曲を収録した。

それをパソコンでの編集を経てPVは完成され、動画は無事ホームページにUPされた。

 

 

 

 

 

動画をアップした翌日、PVの再生回数をいつものメンバーで確認してみると、1016回再生だった。

そして有宇がこっそり上げていた店のコーヒーとかを映したごく普通のPVの方も103再生で、手間をかけた割にそこまでの成果は出なかった。

 

「そんないかないもんだね〜」

 

「まぁ、こんなもんじゃないか?」

 

「でも、あんなに頑張ったのに残念ですね」

 

正直有宇はこうなることを予想はしていた。

それなりに手間はかけたかもしれないが、所詮素人の作った動画だ。

撮影自体はリゼの親父の撮影班がやったので綺麗に仕上がったが、ダンスだってプロじゃなくて部活の高校生が考えたものだし、踊るこいつらもプロなんかじゃない。

それを抜きにしても、わざわざ喫茶店のCMなんかを見ようと検索する人間は少ないだろう。

だから再生数が物凄い伸びるなんてことは端から期待していなかった。

そしてリゼが有宇に聞く。

 

「なぁ有宇、結局これって意味あったのか?」

 

「なければやらんさ」

 

「けど……」

 

「……今の所1016再生されてるわけだが、その内この辺に住んでる人間はほんの僅かだろう。北海道とかでこの動画を見ても、わざわざそんな遥々ここまで来ようなんて輩はいないだろうからな」

 

「それって……」

 

「つまり?」

 

「どういうことでしょうか?」

 

三人が口々に尋ねる。

有宇は話を続ける。

 

「つまり、今回の動画を見て実際に店に来る数は本当にごく僅かだということだ。動画を再生したこの街近郊に住んでいる人間だって、本当にわざわざ店に足を運ぶとも限らないし、今の再生数で実際に店に来るのはせいぜい一人か二人だろう」

 

「「「えぇ!?」」」

 

三人は驚愕した。

そりゃそうだ、あんなに客足を伸ばす策があるとでも言うように自分達に言ったのに、今更集客には大して繋がらないなどと言われたら驚くのも無理はない。

そして三人は有宇に詰め寄る。

 

「だったらなんで私達にこんな事をさせたんだ!」

 

「そうです!お客さん増えるか持って思ったから恥ずかったけどやったんですよ!」

 

「有宇くん、どういうことなの?」

 

三人がいきり立った様子で有宇に聞く。

 

「当然、一人でも多くの客を呼ぶためだ!実際今のうちの店の状況を考えたら客足を途絶えさせないこと、それが最優先だ。それにはまず、この店に一人でも多く足を運んでもらうしかない」

 

そうはっきりと三人に言った。

少しでも客足を伸ばせるなら何でもやる。

それが有宇の考えだった。

勿論経費などがかかり過ぎるようであればやるつもりはなかったが、今回は色々なところから協力を得ることができたから、ほとんどお金をかけずにやれるからやろうと思ったのだ。

そしてそれを聞くと三人も有宇を責める気にはなれず、寧ろ有宇の意見に納得したようだった。

 

「確かにそうだな。今は一人でも多くのお客さんに来てもらわないとな」

 

「はい、私達が浅はかでしたね……」

 

「一人でもお客さんを増やすため……そっか、私達一気にお客さんが増えることしか考えてなかったから、そんなこと全然考えてなかったよ」

 

各々が自己反省を述べていく。

別に責めたつもりではなかったのだが……。

 

「とにかく、すぐに客を増やそうたってそうはいかない。これからも地道に客を増やしていくぞ。いいな」

 

そう言うと三人ともビシッと敬礼のポーズをして顔を引き締めた。

 

「「「サーイエッサー!」」」

 

何故軍人風?

まぁ、やる気になってくれたのならそれでかまわない。

そうだ、もう漫然と過ごしていくのはやめにしたのだ。

ここにいる間くらいは、この店を盛り上げてやろうじゃないか。

密かに柄にもなく、闘志を燃やす有宇であった。

 

 

 

 

 

だがそれから数日後、有宇がお嬢様学校の女子達と約束通りデートに行った日のことだった。

女子たちに散々振り回されて疲れ果てて店に帰ってくると、満席とはいかないが、店にはかなりの人数の客が来ていた。

 

「あ、有宇くんお帰り」

 

「ココア、これは一体……?」

 

「なんかよくわからないけど、今日はお客さんいっぱいだよ〜」

 

どういうことだ。

何故急にこんな……それになんかいつもと店の雰囲気が……。

するとその時、周りから鋭い視線を感じた。

視線を感じて周りの客を見てみると、さっきから感じる謎の違和感の正体に気づいた。

そう、全員男性客なのだ。

この店の客層は、年寄りを除けば大体女性客が多いのだが、今は圧倒的に男性客が多い。

鋭い視線を向けられたのも、おそらくココアと親しげに話したからであろう。

 

「ひゃっ!」

 

すると突然変な声が上がった。

なんだと思い声のする方を見てみると、声を上げたのは接客中のリゼだったようだ。

 

「貴様ぁ!」

 

ポケットからいつもの銃を出し、客に突きつける。

 

「バカ、やめろ!」

 

リゼを取り押さえる。

だがリゼは興奮した様子で、中々銃を下げてはくれない。

 

「落ち着け、何があった」

 

「離せ!今……この男が私のお尻を……」

 

あぁ、触られたのか……仕方ない。

触った客に、リゼに代わり謝罪する。

 

「大変失礼致しましたお客様。しかしうちはそういった店ではございませんので、従業員に触れるなどといった行為はご遠慮くださいませ」

 

しかしリゼの尻に触れた小太りの眼鏡の客の怒りは収まらない。

 

「お尻ぐらいいいじゃないか!なのにこんな乱暴なことされるなんて!お詫びとしてもっとすごいことしてもらうんだな」

 

そうだそうだと一緒の席に座っている眼鏡の男たちが喚く。

有宇も流石に頭にきた。

 

「ですがお客様、うちは普通の喫茶店ですので、そういった行為をされますと、こちらも対処せざるを得なくなります。あまりこういう事は言いたくないのですが、こういった行為が続くようでしたら警察を呼ばなくてはならなくなりますので、うちもできればそれは避けたいのですが……」

 

「け、警察!?」

 

警察という言葉を出すと、男たちは一気に態度を変えた。

こういう輩には警察を呼ぶというのが一番だ。

所詮は相手は店員だからと思ってるから調子に乗るわけで、警察が来ると聞いたら態度も改めざるを得ないだろう。

そして周りの客からも非難の視線が集まり、眼鏡の男たちは居心地悪くし会計を払って出て行った。

それからも勝手にココア達の写真を撮るやつが現れたりと、店は大変だった。

客の全員がそういう客ではなかったが、やはり客が増えると一人や二人は厄介な客が出てくるものである。

今後はこういった対策も取らないとな……。

 

 

 

 

 

そして店を閉めた後、例のPV動画を確認する。

見るとPVの再生数がいつの間にか10万再生に届いていた。

まさかと思い以前ネットで知り合った『ちゃっきーさん』のブログを見ると、この動画について書かれていた。

それ自体は普通に〈お嬢様学校とラビットハウスとの合作PV!見てね!〉と紹介されていたが、調べてみるとこの『ちゃっきーさん』、実は結構ネットでは大物だったらしい。

ネットの何でも屋を自称して、自分の名前を広めるために無償であちこちでネット関係の手助けをしてまわってるようだ。

そしてブログに紹介されたのが昨日だったようで、それで今になって注目されだしたようだ。

要は『ちゃっきーさん』によって注目する人間が増え、こいつらのビジュアルに釘付けになった男性客が増えたということだ。

元々この辺は女子校が多く、お嬢様学校もあることからネットでは美女が多いことで有名で、それも今回の男性客増加に繋がったようだ。

 

「再生数が増えたのはいいけど、まさかこんなことになるとは……」

 

「写真いきなり撮られた時はビックリしました……」

 

「有宇くん、なんとかならない?」

 

客が増えたことは本来喜ばしいことだが、ココア達は流石に参ってしまってるようだ。

ココアですらこの様子なんだから相当苦痛だったのだろう。

女子校で普段男のああいった視線で見られることに慣れてないだろうしな……。

だが正直有宇としては、問題も増えたが客が増えたことに内心歓喜していた。

だからつい金に目がくらみ、こんな事を言ってしまう。

 

「そうだな……。なら規制するぐらいなら端から認めてしまえばいいんじゃないか」

 

「というと?」

 

「金を取る。写真一枚五百円とか。下手に抑圧するより商売にしてしまった方が稼げるしwinwinだ」

 

「でもそれ根本の解決にはならな……」

 

「あぁ、そうだ……この辺メイド喫茶とかそういう店なかったもんな。この路線で売り出すのもいいかもしれん。これなら売れるんじゃないか。このままこいつらを看板娘に据えて……いや、寧ろもっと歌の動画を出してネットアイドルにすれば……そしてネットアイドルが接客してくれる喫茶店になれば……」

 

「有宇くん……?」

 

「いける!これは絶対儲かるぞ!ということでお前ら、早速動画撮影第二弾を……!」

 

ドンッ!

 

その時、有宇の左頬のすぐ側を思いっきりココアの手が横切り、後ろの壁に思いっきり手を突きつけた。

俗にいう壁ドンというやつだ。

まさかこんな形でされるとは……。

 

「えっと……ココア?」

「なんとかしてくれるよね?」

 

「いや、でもこれはチャンス……」

 

「な・ん・と・か・し・て・く・れ・る・よ・ね」

 

顔を一気に近づける。

顔は笑っているけど笑ってないというか、絶対これキレてる。

普段のココアからは感じられない程の凄まじい気迫があった。

後ろの二人に助けて欲しいと視線を送るが、二人とも知らん顔だ。

もはやココアに意見することはできなかった。

 

「………はい」

 

ココアに迫られ、結局苦労して作ったPVは削除する形を取った。

更に今後の対策として店内にもお触り禁止と店員の無断撮影禁止の貼り紙を貼らされた。

まぁ動画自体は転載されてまだネットには残ってたりするので、しばらくは男性客が絶えなかったのだが、それはまた別のお話。

結果的に今回のPV作戦は、半分成功し、半分失敗に終わる形となった。




今回のお話は甘城ブリリアントパークのパロディです。
元々今回の幸せになる番で有宇を書くに当たって、原作第一話の時のようなゲスで強気な有宇くんが書きたかったので、その参考にしたのがCharlotteのドラマCDに出てくるゲス坂くんと、中の人も一緒で有宇と頭の良さ以外色々と似ている甘ブリの可児江くんでした。
甘ブリを知らない方は知っておくと、更に楽しめるようになってると思います。
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