□月○日
アンジュ達が行方不明になってから一週間が経った。
俺達はあのままアルゼナルに滞在しているが、アンジュ達の事は未だに発見できていない。
捜索は行っているがうまく行っていないのが実情だ。
で、俺の話だがここ数日、ゲシュペンストの改良活動に精を出していた。
あの時、チトセを助けれなかったのは俺の腕という点もあるが、機体性能もガーディム相手だと当たり負けしてしまっている。
この点もどうにかしなければならないようだ。
そういう訳でイアンさんやウリバタケさん達と一緒に修理を兼ねて作業をしているのだが、やはり劇的な強化は無理という結論に至ってしまった。
これは俺のゲシュペンスト・タイプSに問題があったのだ。
ゲシュペンストシリーズは非常に高性能な機体で扱いやすい機体。つまりある種、完成された機体、という訳である。
つまり無駄がないのだ。特にタイプSなんて本当に余裕がない。20メートル級の人型兵器にスーパーロボットのパワーを押し込んだ弊害である。
これがタイプRならば余裕があったんだろうが……。
ルリ艦長やメイも加わって色々と見てくれたんだけどなぁ。
そういう訳で強化案はブラッシュアップを中心とした新装備案で落ち着いた。
旋風寺財閥も協力してくれると、舞人も約束してくれたので前々から考えていた装備案のデータやら適当に引いた図面を見てもらう事に。
まぁ、酷評の嵐でしたが!技術的に無理なもんもあったからしょうがないっちゃしょうがないが。やっぱり別アニメやゲーム、漫画のトンデモ武器は無理だったか。
しかし幾つか実現可能な装備はあったので、大至急作ってくれるとの事。ありがたや。
機体本体の方も手を加えている。
待ってろよ、チトセ。必ず助けるからな。
□月△日
最近はテロリスト達の動きもなく平和と思っていたのだがどうにも違うようだ。
始祖連合国の動きがきな臭いとの情報が入ってきたのだ。
どうやら兵力を整えているとの事。
もしかしてももしかしなくても、奴等の目標は……。
□月▽日
予想通りだが始祖連合国の標的はここアルゼナルだったようだ。
奴等の攻撃部隊が出撃したと、マネキン准将から連絡が入ったのだ。
それはつまり奴の計画が動き出したという事になる。
俺達は自衛、そして協力者を守る為に残って迎撃の準備を進めている状態だ。
ソレスタルビーイングやグラハム少佐とコーラサワー大尉の機体は強化されている。物資だって色々と入ってきて補給も万全だ。
で、ゲシュペンストの方は改良が終了。今までより出力が向上したし、装甲などの部分も強化されている。
更に超突貫で製作された新装備こと鉄血メイス先輩が旋風寺重工から届けられた。
確かに一番作りが簡単なので最初に作るとは言っていたがまさか本当に出来るとは。感謝するしかない。
他装備も完成したら届けてくれるとの事。
ならこんな所で負ける訳にはいかない。
□月□日
宇宙世紀世界なう。色々あってこちらへと飛ばされてしまった。
あの日、始祖連合国が襲来してきた。
圧倒的な数が目立ったが、それ以上にDG同盟や火星の後継者などのテロリスト達の機体、更に宇宙世紀世界のMSまで出してくるとは驚くしかない。
確かに火星の後継者を支援していたようだから、機体を持っていて当然か。宇宙世紀の機体はどうせ奴がかっぱらってきたんだろう。
しかも奴等のターゲットはアルゼナル、というよりは俺達独立部隊そのもののようだ。
ボンコラ皇帝が色々と喚いていたが、適当に追い払われていたのが笑えてくる。しかもアンジュがいない事を知ると後ろに引いてくし。
で、作戦としては撤退だ。
アルゼナルは対ドラゴン用の基地だが、さすがに大国の部隊に襲われれば守りきるのは不可能に近い。
残念だが現状では枷になってしまう為、捨てるしかないのだ。
そういう事で撤退が完了するまで敵を迎撃していたのだが、その途中でアンジュ達が転移で帰還。タスク、ヴィヴィアンに加えて竜姫ことサラマンディーネ達も助太刀しにきてくれた。
が、それに応えるようにラグナメイルに乗った奴ことエンブリヲが襲来。ジル司令官曰く神様である。本人は調律者が好みらしいが。
わざわざ前線にやってきた今が討つチャンスではあるが、確か今のままじゃ倒しきるのは無理だった気がした。後で書くが実際倒せなかった。
迫り来る敵機を破壊して、包囲網を崩壊させたのまでは良かったのだが、すっかり忘れていたボンクラ皇帝が自ら乗り出してきてアルゼナルに攻撃を仕掛けてきやがった。
俺がたまたま近くにいたから、奴の旗艦であるガルダ級に急接近。鉄血メイスで攻撃を仕掛けた。これのおかげで多少、攻撃先が俺に移ってくれたが、それでも被害は甚大。
ボンクラ皇帝の勝ち誇ったような声を聞いてアンジュもぶち切れてガルダ級のエンジンを破壊。もはや逃げられない状況にしたのだが、そこにやってきたのは先程撃退したエンブリヲである。
奴の攻撃でガルダ級は一瞬で崩壊。ボンクラ皇帝も海の藻屑へと変わり果ててしまった。ついでに言うと俺にもちょっと当たりそうだったぞ!
加えてエルシャ、クリスの二人が撃墜。サリアも暴走しそうだったのでアンジュが追い払ってたけど。
しかしラグナメイルが追加で六機やってくるとは。火星の二の舞になりそうだったのだが、アンジュとサラマンディーネの二人が対抗。なんとか敵の攻撃を相殺する事に成功していた。
だけどその影響か次元が歪み、飛ばされてしまったという訳だ。
急いで戻りたい所だったが、始祖連合国との戦闘でダメージを負ってしまった以上、すぐには戻れない。
そこで状況確認の為、ヤマトやロンド・ベルと合流する事になった。
あちらも予想通り色々あったようだ。
……ソウジさんとナインにチトセの事を伝えないとな。
□月☆日
日本の第3新東京市にてヤマト達と無事に合流。補給はNERVが用意してくれるようだ。間違いなく善意じゃなくて対使徒戦に向けてだろうなぁ。
合流して最初に情報交換をしたのだが、色々と衝撃な話であった。
カリーニン少佐がアマルガムに通じていた事やら千鳥が拉致されてしまった事、ガミラスの状況に加えてメルダ少尉がこっちに合流した事など。
真ゲッターがパワーアップしたりEVA弐号機が合流した事、ついでに黒いユニコーンの事とかはまぁ、よくある事だろう。
そういえばバナージはまだオードリーの正体を知らないようだった……と見せかけて何かしら気づいているか知っているようだった。話さないという事ならしょうがない。知らん振りで通そう。
しかしカミーユさんがジンネンマンと行動を共にしていたとか一体何があったんだろうか?
で、俺は俺でソウジさんやナイン達にチトセがガーディムに拉致された事を伝えた。どうやらソウジさん達もガーディムに襲われたようだ。
しかもグーリーがいるとは。どういう手であの火星で生き残ったんだろうか?しかも負けた事を忘れてるっぽいし。まさか『二人目』とかそういう事じゃないよなぁ……?
□月★日
そうか……そうだったのか……ゲッター線とは……ドラグニウムとは……!
と虚無りそうな事を書いてみたが、まさかこの二つが結びつくとは思ってなかった。まさかドラグニウム=ゲッター線とか誰が予想できるんだよ……。
宇宙世紀世界のゲッター汚染もドラゴンが浄化をしてくれたおかげらしい。彼女達と歩み寄りも出来たし万歳である。
問題はエンブリヲか。確かその気になれば色々な所に現れるらしいから注意しないとな。
で、そこに問題襲来。
そう使徒である。しかも宇宙からの襲撃である。
□月◇日
第八の使徒は宇宙からやってくる訳だが、問題はその巨大さ。そしてそれを全て覆えるATフィールドにある。
当初は宇宙に上がって迎撃とも考えたのだが、下手に倒せないとなると何処に落ちるのか分からない状態になり、甚大な被害が出るという事で却下。上手くいかないもんだ。
結局、地上でEVA三機による受け止める作戦になった訳である。
まぁ、原作と違ってヤマトを中心とした艦隊が砲撃を加えて落下速度減少させて受け止めやすくなった訳だ。しかも計算によれば成功率は50%。当初の成功率の50万倍である。
で、準備していたのだが本当の問題がやってきた。
DG同盟がまさかの襲撃を仕掛けてきたのだ。
仕掛けてきた、というよりはエンブリヲによって西暦世界より連れてこられ、仕方なくと言った感じか。世界が滅ぶかもしれないっていう状況なんだけどなぁ!
しかしあっちとしても元の世界に帰る為に死に物狂いで攻撃を仕掛けてきやがる。
正直な話、かなり厳しい戦いになってしまった。
だけどその流れを変えたのは舞人であった。
援軍としてボソンジャンプで飛んできたガインがやってきたのだ。ウリバタケさんが色々な技術を使って次元トンネルを開通させたようだ。すげーな、おい。
そしてグレートダッシュである。グレートマイトガインになった訳だ。燃える展開である。
鉄也さんも駆けつけて、ドラゴン達と一緒に使徒の足止めをしてくれる。うーん、やっぱり燃える展開だわ。
エースのジョーは舞人により撃退された為、敵の士気も下がったおかげでその後は楽な展開だった。適当な所で撤退した連中も多いみたいだしな。
ほっとくのもあれだが、今は使徒優先という事で放置である。
DG同盟を撃退して、使徒という所でヤマトが謎のアンドロイドのせいでエンジントラブル発生。ヤマトの武器が使えなくなってしまった。
ヤマト以外の戦艦や機体じゃさすがにあの質量の敵を押し返すのはきつい。
EVAだけに頼るしかないかと思ったが我等が勇者グレートマイトガインがその大出力で迎撃する事になったが、エネルギー不足が判明したけどエースのジョーがフォローしてくれたおかげで助かった。
俺達もないよりはマシぐらいの気持ちで迎撃。落下速度が大幅に低下した所でEVA三機の受け止めが成功。無事に使徒を殲滅する事が出来た。
鉄也さんは何も言わないまま去っていったけど、完全に敵になったという訳ではないようだ。
……いつか戻ってきてくれるといいな。
□月=日
使徒戦滅は達成できたが、新たな問題としてヤマトのエンジン不調が出てきてしまった。
工作員であった敵アンドロイドだが、なんでもチトセを攫った連中に似ているらしい。となると、これはガミラスではなくガーディム?
証拠も確証もないからなんとも言えないがやはり警戒が必要だろう。
で、俺達はというと敵を迎撃したりするものの、大きな動きは出来ていない。ヤマト修理の為に色々な人達に支援を受けている所だ。
俺も俺でヴェルト達と機体改良の話をしたり、ソウジさん達と訓練を続けている。
次、ガーディムが、チトセが現れたら取り戻す為に。
さぁ、明日も頑張ろう。
「まぁ、こんなものか」
メンテナンスを終えた機体を見上げるイアン。
そこには新品同様に整備されたゲシュペンスト・タイプSが佇んでいる。
つい先程まで、彼等によってしっかりと機体調整を行われていたのだ。
「ああ。だがショウの奴が満足行く形には出来なかったな」
一緒に整備を行っていたウリバタケがそれに答える。
そう、彼等は機体の状態に満足いっていないのだ。
「確かに機体自体は完璧だ。けどガーディムのあの指揮官機と殴りあうには不安が残る所だな」
会話に加わったのがアストナージ。
そしてアストナージの言葉こそが彼等が満足いっていない原因でもある。
データで見たチトセを攫い洗脳して、現在彼女を指揮しているらしい女が乗った機体。
完璧とは言えないが解析したデータから指揮官機でありながら非常に性能が高い事が判明している。
そしてそれと真っ向勝負できる程、ゲシュペンスト・タイプSは高い性能を有している訳ではない。
モビルスーツサイズでスーパーロボットのような戦い方を出来る機体ではあるが、ある種のどっちつかずの機体と言っていい。
他パーソナルトルーパーよりも機動力は低い、マジンガーZなどと比べたらパワーもないのだ。
ヴェルトの話によれば、このタイプSはショウが乗る機体と後継機にあたるMKⅡのみであり、量産タイプとして設計された機体はタイプRをベースにしているとか。
「俺達も色々と手を加えたが、やっぱ根本的な改善にはならねーな……」
「エネルギー伝導率の効率化や、パーツを変更して性能向上を狙ったが、ここまでだな」
「それ以上にショウの成長もある。昔のアムロ大尉じゃないが機体がパイロットに追いついていない所があるぞ」
彼を指導しているアムロから最近のショウの成長は目覚しいものがあると話していた覚えがある。
実際、出撃後の機体状況を見ると関節を筆頭に損耗率が激しい事が見て取れた。
もはやタイプSではショウの動きについていけてないのは明白であった。
「しっかしショウは本当に一般人だったのかね?」
「本人はそう言ってたが?」
ウリバタケの言葉にそう答える。
ヤマトに、というかニコラ・ヴィルヘルム研究所に来るまではただの大学生だったという。
しかしもしそうだったとしたら。
「凄まじい成長振りだな。才能って奴かね……?」
「本人のやる気もあるだろうな。シミュレーションでの訓練は勿論だがフィジカル面の訓練もやってるみたいだしな」
才能としか言い様ない部分も見えるが、それ以上にやる気と努力が見えるからこその成長だろうとイアンが答える。
最近だと刹那達などにも訓練をつけてもらっているとか。
それも全ては。
「攫われた彼女の為ってか。くー!泣けるねぇ!」
「大切な人を助ける為に頑張る。これ以上のない原動力だな」
そうだ。攫われ洗脳された千歳を助ける為。
その為にショウは力をつけているのだろう。
ならば自分達整備班は、その時がきたら最高の動きが出来るようにしっかりと整備を行うだけである。
「さて、そろそろ休憩は終わりにするか」
「ああ。まだ他にやる事があるしな」
「ナインちゃんの頼まれごともあるしな」
最近、ナインから依頼された事も残っている。
依頼内容は新型の開発。それも三機作られている。
一機は間違いなく彼のパートナーであるソウジの機体。
ならば他の二機は……。
「さ、行くか。俺達の戦いはこれからだ!」
「なんだかここで完結しそうな台詞だなぁ……」
次回……。