スパロボVで頑張る   作:白い人

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2ページ目 火と木の星で頑張る

 ●月▽日

 今日はちゃんと挨拶が出来てなかったヒュッケバインとグルンガストのパイロットである二人、ヴェルターブ・テックストさんとシャルロッテ・ヘイスティングに挨拶をする事にした。

 着ていた制服がスパロボFっぽいけど、Fに出てきた主人公達ではないようだ。

 研究所名の事もあるし、あくまで平行世界って事かな。

 挨拶した後、ゲシュペンストがある事に驚いてた。

 まぁ、俺が乗ってるのはタイプRで一番最初のパーソナルトルーパーだしなぁ。

 さて、これでヤマトに乗った4機の機体でチームを組む事になったが、色々大変である。一番大変なのはリーダーになったソウジさんだけどさ。

 どうにか訓練を乗り越え、ある程度チームとして纏まったが別の問題を発見してしまった。

 如月さんである。

 彼女だけ機体がないのである。羨ましそうにこっち見てたし。

 うーん、ゲシュペンスト・タイプSがあればよかったんだけどなぁ。

 試しに通信でどうにかならんか聞いてみるか。

 

 

 ●月▼日

 どうにかなった……だと……!?

 俺からの連絡を受けて、ゲシュペンスト・タイプSと予備パーツにあるだけの武器セットを送ってくれるという。マジかよ。

 虎の子の輸送シャトルが残っており、ブースターつけて飛ばしてくれるらしい。

 で、何処で受け取ればいいん?

 えっ、火星?

 

 

 ●月□日

 どうして火星かと思ったら、未完成であるヤマトを完成させるべく、火星の施設に残ったパーツを回収する為らしい。

 という事で、火星でヤマトが作業してる間に受け取ればいいとの事。ありがたや。

 沖田艦長達にも無事許可を貰えたし、やる事が出来たぞ。

 が、その前にヤマトのパーツ回収の任務を達成しないとこの旅が始まらないから頑張らないと。

 

 

 ●月■日

 まさかの木星帝国である。クロボンじゃねーか!

 基地に到着したのはいいけど、なんと木星帝国に襲われてしまった。

 どうやら二年前にクロボン本編が終わったらしい。ガミラスに襲撃されているのにも関わらず、木星帝国とも戦争とかやばすぎだろ。

 こっちは原作通り、海賊の皆さんが中心になって解決したらしい。

 で、肝心の襲撃だけど最初はヤマトを中心に敵と戦っていたのだが、途中で更なる増援が来てどうしたもんかという所になんと、二機のガンダムが駆けつけてくれたのだ!

 ドクロを掲げたガンダムに青い機体。

 クロスボーンガンダムX1改・改ことスカルハートとハリソン専用ガンダムF91である。

 トビアとロリソンキター!って内心思った俺は悪くない。

 その後、俺と総司さんヴェルト、ロッティ――愛称で呼んでいいって言われた――と共に出撃し彼等と共に敵を撃退したのである。

 いやぁ、生ガンダム見れて感動物である。

 

 

 ●月☆日

 昨日の続きであるが、トビア達は火星に避難していた人々を支援していたのだとか。

 その途中で木星帝国が襲来。ハリソン大尉と合流し力の限り戦っていたが、さすがに限界が見えてきたらしい。敵味方お互いにだ。

 火星にいる連中は先日の戦いで駆逐に成功したようだが、トビア達に残された戦力はガンダム二機だけだと言う。

 うーん、それでもあの数を相手に戦い抜けたのはトビアとハリソン大尉の実力だよなぁ。

 で、木星帝国の様子が知りたいが木星までの足がないという事で、後で合流したベルナデットを含めた三人がヤマトと共に来る事になった。

 ウモンの爺さんや、ハリソン大尉の部下達はこのまま火星の人々を支援しながら潜伏するのだという。

 木星までかもしれないが、戦力が加わって良かった。

 ヤマト用のパーツも無事に見つかり、組み込み作業が今行われている最中だ。

 そろそろ教授からゲシュペンストが届く頃だから回収しに行く事にしよう。

 

 

 ●月★日

 正座にて反省中。

 何事かと思われるかもしれないが、今回は俺が悪かったのだからしょうがない。

 古代さんからじっくり怒られたし、ソウジさんからも怒られた。チトセからも怒られた。

 名前で呼んでいいよ、やったー!とか喜んでる場合ではなくなった。

 いや、本当にごめんなさい。

 

 

 ●月◇日

 何をやらかしたか。

 なんと超高速移動してるシャトルに飛び乗ったのだ!

 EWでのヒイロの真似事である。

 なんでこんなアホな事をやる羽目になったかと言うと、シャトルがガミラスの攻撃を受けて制御不能になってしまったのだ。

 本当ならこっちのコントロールで止まれる予定だったのに、おのれガミラス!

 ガミラスを撃退しながら、ブレーキがぶっ壊れたシャトルを見送らざるをえない状況になったのだがここで俺がピコーンとひらめいたのだ!

 で、同乗していたチトセにゲシュペンスト・タイプRの操縦を任せて、超高速移動してるシャトルと速度をあわせて飛び移った訳である。アホス。

 それを見ていた全員が呆気に取られ、敵も動きが一瞬止まったのだから相当アホな事をやらかした訳である。

 ま、まぁ、おかげでゲシュペンスト・タイプSは無事に回収できたし、色々な備品も回収出来たから結果オーライで……駄目でした!

 

 

 ●月◆日

 そろそろ木星軌道に向けてワープするらしい。

 まぁ、ワープなんて使わないとイスカンダルに行ける気がしない。

 で、その準備中な訳だが俺とチトセ、ヴェルトの三人は届いたパーツをそれぞれの機体に取り付け作業をしていたのだ。

 ヴェルトのヒュッケバインなんて手持ち武器がなかったしちょうど良かったと言わざるをえない。

 で、色々と相談した結果だがヒュッケバインには追加武器としてメガ・ビームライフルを装備。

 チトセのタイプRには基本のプラズマカッターとニュートロンビームに加えて、取り回しが簡単なハイパー・ビームキャノンとスプリットミサイルを追加。

 俺のタイプSはパンチやキックは勿論、ブラスターキャノンとプラズマ・スライサーが使えるのでM950マシンガンとスラッシュ・リッパーを装備するだけで留めておいた。

 まぁ、タイプSはグルンガスト寄りな機体だしこれで十分である。

 そんな装備で大丈夫か?的な表情をされたのでシミュレーション訓練で見せ付けてやった。

 ふははは!タイプSは伊達ではないのだ!

 

 

 ●月※日

 遂に木星にワープした!

 まさに一瞬!恐ろしく速い移動、俺でなくとも見逃しちゃうね!

 で、早速木星帝国への偵察に出撃する事になったのだが、あんまり大勢で行くと目立つので、ここは木星帝国をよく知っているトビアと経験豊富なソウジさんが行く事になった。

 ハリソン大尉はヤマトに残って何かあった時に備える事になった。

 で、出てきたのはまさかのアムロ・レイのクローンことバイオ脳である。

 まさかのここでスカルハートの展開が来るとは予想外だった。

 俺達も遅れて援護に駆けつけるのだが、そこでもう一人新たな同行者が!

 銀色のクロスボーンガンダム!まさかの!X0で!キンケドゥさんである!

 予想外すぎるわ!パン屋はどうしたぁ!?

 あっ、クローンが入ったアマクサはトビアとキンケドゥさんのコンビネーションでボッコボコにされてた。さすがである。

 で、キンケドゥさんがどうして木星にいたかと言うと、木星帝国が再度軍事侵攻を開始したという事で、それを止める為にベラ・ロナさんと一緒にやってきたのだと言う。

 トビアも驚いてたX0はなんでも途中で拾ったとか。確かゴーストでも宇宙空間に漂ってたんだよなぁ、X0。

 そんな感じでヤマトと合流した訳だが木星帝国は今回の戦闘で壊滅、というか姿を消したらしい。

 今の地球に興味を失い、外宇宙に旅立って行ったとか。

 確かに彼等のメンタリティは地球人とは言い難い状態になってのもあって、新天地を求めたのかもしれない。

 納得できない部分はあるが、これで木星帝国との戦いは終わり。

 いやぁ、無事に終わってよかった……とは行かないんだよなぁ、これが。

 

 

 ●月♯日

 木星付近にガミラスの基地があるとの事。

 なんとオーストラリア大陸に匹敵する面積の浮遊大陸だと言う。正直な話、全然想像つかない。

 真田副長によれば地球をガミラスフォーミングする為に大陸ごと木星に移植したのだとか。ロッティも言っていたが悪趣味な連中である。

 今までは木星帝国の軍備があったからこそ、おいそれと攻撃を受けてなかった木星だが、彼等が旅立ってしまった為、攻撃を受ける可能性が非常に高くなってしまった。

 そして今の木星に防衛力は0!これは俺達が頑張るしかないよねとなり、攻撃を仕掛ける事に決定。

 戦術は沖田艦長が色々と考えているらしいが、俺達機動兵器部隊が前線を務め、ヤマトが後方から援護射撃をして戦線を押し上げるというものだ。

 一部の人が不安がっていたのは、ガミラスにMSでの戦闘が通用しなかった為とか。

 まぁ、ヴェルトが補足していたが今、ヤマトにある機体はどれも制式MSとは違いワンオフに近い機体であり、突出した戦闘力を持った機体ばかりである。

 言葉を借りれば一機で巡洋艦クラスの戦力らしい。

 現在、ヤマトが保有する戦力はMSであるクロスボーンガンダムX1とX0、F91。

 PTのゲシュペンスト・タイプSとタイプRにヒュッケバイン、スーパーロボットのグルンガストに加えて試作機のヴァングレイで合計8機。

 これだけあればなんとかなるに違いない。

 沖田艦長からも色々と期待をかけられているようだし、これは頑張らないとな。

 

 

 ●月=日

 大勝利である。

 前線の機動部隊が敵陣を切り崩し、後方の戦艦の大火力で仕留める戦術は見事に決まったと言っていいだろう。

 だが最後の一撃はヤマトの波動砲だろう。威力が高すぎて、一発試射したら浮遊大陸が跡形もなく吹っ飛んでしまった。こえーよ。

 あんなクソ高すぎる威力の武器を無邪気に喜んで使える気がしない。沖田艦長なら大丈夫だと思うんだけどなぁ。

 で、そんな中、ソウジさんのヴァングレイが突如新たな力を覚醒させていた。

 いや、正確に言うとヴァングレイに搭載されているOSが起動というか反応したらしい。しかも喋った。

 AIで女の子らしい。うん、何処をどうなったら女の子になるんですかねソウジさん?とか思ってたけどチトセも同意見らしい。なるほど女の子か。

 そういえば良い事と言えば正式にトビア、キンケドゥさん、ハリソン大尉の三人がイスカンダル行きに同行してくれる事になった。

 エースパイロット三人の合流は非常にありがたい所。

 なんせソウジさん以外、みんな実戦経験が足りなさすぎるしな!

 これだけの戦力があればイスカルンダルにも行けるに違いない。

 うーん、火星でも凄かったし、木星だって凄かったけど、明日から銀河の外へと旅立つのか。

 不安もあるが、期待とワクワクもしている。

 誰も足を踏み入れた事がない世界。

 俺達は遂にそこに旅立とうとしてるんだから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その光景を見た時、心臓が止まるかと思った。

 

『えっ、えええ!』

『な、なんだと……!?』

『ば、馬鹿なのかあいつは!?』

『ショ、ショウ君!?』

『非常識すぎる……』

 

 通信機からトビア、ハリソン大尉、ソウジ、ロッティ、ヴェルトの驚愕の声を聞きながら同感だと古代進は全力で頷いてしまった。

 事の発端は、地球からブースターつきのシャトルでゲシュペンストや予備のパーツに武器などが送られてくるという事で、ヤマトが作業をしてる間に回収する事になった事だ。

 しかしその矢先にガミラスが襲撃。狙われたのか不明ではあるが、シャトルが攻撃を受けてしまい制御不能になってしまった。

 先日、協力してくれたトビアとハリソン大尉のガンダムを入れても6機しかない状況でガミラスの攻撃を凌ぎつつシャトルを止めるのは不可能だと思った。

 だがその矢先に、ゲシュペンスト・タイプRのパイロットである高坂翔が一言。

 

「私にいい考えがある」

 

 と言って、同乗していた如月三尉に操縦を代わってもらい、超高速で飛んできたシャトルに並ぶと。

 飛び移ったのである。

 宇宙空間で、超高速移動をしているシャトルに生身一つで、である。

 あまりにも非常識かつ命知らずの行動である。

 遠目から見ていた自分達ですらこれである。

 目の前でそんな馬鹿げた行動を取られた如月三尉は。

 

『ねぇ!生きてる!無事なら返事して!』

 

 可哀想になるぐらい狼狽していた。

 どうやら何の相談もなく先ほどの行動を実行していたようだ。

 

『おう。無事にシャトルに到着。今、出るから待ってろよ』

 

 少しして高坂からの声が届くと同時にシャトルから黒いパーソナルトルーパーが飛び出してきた。

 ゲシュペンスト・タイプSである。

 大量のコンテナもシャトルから放り出されると同時に、制御を失ったシャトルは何処かへと飛び去ってしまった。

 あと少し遅れたら彼もまた何処かに飛ばされてしまっただろう。

 そういう意味では二重の命知らずと言っていい。

 残っていたガミラスを撃退し、帰還しながらふと考える。

 

(彼はどうしてあんな事ができるのだろうか?)

 

 高坂自身から聞いた話では、少し前まではただの一般人だったらしい。

 記憶の一部を失っているとは聞いたが、その立ち居振舞いは素人そのものだ。

 だがそんな彼があんな芸当を出来たのかと興味が出てきてしまった。

 天賦の才か、はたまた失った記憶に関係するのか。

 

「まぁ、それより今は彼に色々と言わなければな」

 

 説教である。


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