スパロボVで頑張る   作:白い人

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 ◎月☆日

 ようやく状況が落ちついたので日記を再開する。

 ガミラスを信じ、協力して次元の狭間から脱出計画は途中まで上手く行っていたのだ。

 正体不明の敵に襲われるまでは。

 白い機動兵器だったが、あれは一体なんだったのだろうか?ガミラスにも攻撃を仕掛けてきたからあいつらの機体ではないだろうし、俺の知ってる作品の奴にもない。

 うーん、分からん。

 まぁ、そっちの方は撃退できたのだが、エネルギー切れで移動できないヤマトを引っ張ってくれていたガミラスの艦は自分達だけで逃げてしまっていた。

 のだが、途中で戻ってきた。どうやら、あちらもあちらで何かあったようだ。

 最終的には無事に脱出成功。

 したんだけどなぁ。

 脱出した直後に、ガミラスの艦隊が出現。なんとこっちと協力したガミラスの艦ごと攻撃してきやがったのだ。

 おかげでガミラスの艦は撃沈。ヤマトもピンチに陥り、後ろからは正体不明の敵も襲撃してくるという大ピンチ状況になったのだが、突如として次元が揺れたのだ。

 多分、時空が不安定になったのだろう。

 衝撃が襲いかかった直後、俺の意識は吹っ飛んでしまった。

 で、気がついたらなんと青い海。

 何処か別の惑星かと思ったら、なんと地球でした。別世界の。マジかよ。

 

 

 ◎月★日

 昨日の続き。

 気がついたら海に浮かぶ無人島に漂流していた俺とゲシュペンストだったが、近くにゲシュペンスト・タイプRとヴァングレイを発見。

 チトセとソウジさんも一緒に巻き込まれたと思っていたのだが、コックピットに二人の姿はなかった。

 もう脱出してたのかと思ったが回りに俺以外の生命反応はなし。砂浜に足跡もないし、ここから出た様子は見られなかった。

 どうしたもんかと思ったが、ヴァングレイのOSであるシステム99と会話をする事に成功。

 どうやら彼女からしても、ソウジさんは突然、コックピットの中から消えたらしい。

 そうなるとさっきの転移で、二人だけ個別に飛ばされてしまったという事か。

 これからどうしようかと思ったが、システム99より二人の捜索をしたいと提案されたのでそれを承諾。一緒に探索する事になった。

 その前に機体のチェックをしたのだが、思ったより芳しくない。

 ゲシュペンスト・タイプSとタイプRは結構な損傷と消耗をしており、これから戦闘になると考えると正直不安が残る。

 ヴァングレイの方は弾薬の消耗はあるものの、損傷は殆どない。これはやっぱり腕の差だとと思う。

 修理と補給を優先したいけど、さすがにこの世界情勢が分からないとなぁ。

 え?今、調べてる?さすがですわ。

 

 

 ◎月◇日

 まさにカオス!

 この世界、混沌としてませんかね!?

 システム99の調べてくれた情報を纏めるとこれは酷い。

 数年前までザフトと戦争をしてたとか、アロウズが台頭してたとか、蜥蜴戦争とか、 ガイゾックが襲撃してきたとか、メガノイドがいるとかカオスすぎるわ!

 と最初見た時、衝撃を受けたけどスパロボ世界だと割りとあるよな、と納得する事にした。

 うーん、俺達というかヤマトの世界よりもスパロボやってますわ、ここ。というか始祖連合国とかミスルギ皇国って見えた気がするんですけど……。

 

 

 ◎月◆日

 情報を集め、機体の応急処置を済ませていたんだが、突然システム99より行きたい場所があるとの事。

 あまり遠くない工業地域だった事もあり、そちらへと移動する。

 うーん、こんな所に何の用があるんだろうか?

 待ってる間に色々と調べたのだが、ヤマトらしき情報がちょろっと入ったのだ。

 と言っても俺だけだと詳しく調べきれず、システム99待ちだが合流できる可能性が出てきただけでも良かった。

 

 

 ◎月※日

 美少女爆誕!

 システム99が美少女になりやがった!

 なんでも人と円滑にコミュニケーションをとる為に人型がいいだろうという事で、アンドロイドの体を作り上げたらしい。

 すげーな、おい。

 凄い凄いと褒めまくったら顔を赤くされた。

 こうして見ると本当に普通の女の子にしか見えないよなぁ。

 で、これからどうする?え、ヤマトは見つからないけどソウジさんとチトセが見つかった?

 システム99!行くしかあるまい!!

 

 

 ◎月#日

 私、メリー。今、警察の留置所にいるの。

 

 

 ◎月=日

 無事に警察から釈放されたので日記再開。そして長い!

 二人が監視カメラに写った場所ことヌーベルトキオシティにやってきていたのだが、ここにもやはりテロリストというものはいるもんである。

 不恰好の赤いロボが工場を襲っているではないか。

 近くに二人がいる上にシステム99が二人に会いに行っている状況、俺がなんとかするかと思ったが、その前になんと列車が!変形して!ロボットになった!

 マイトガイン!マイトガインじゃないか!ガオガイガーしかスパロボに出れないと思ってたぞ!

 彼等が颯爽と現れてテロリストと戦闘を開始したのだ。

 俺の出番はないかな、と思ったが敵援軍が出現。これは一機だと厳しいだろうと思い、俺もゲシュペンストで無理をして出ようかと思ったらシステム99より連絡があった。

 まさかのヴァングレイでの出撃要請である。

 え?そこはソウジさんじゃないの?と思ったがそんな事を言ってる場合ではないので、ヴァングレイに乗り換えて出撃する事に。

 ガイン達に何者だ?と聞かれたので思わず、貴様らに名乗る名前は無い!とか言いたくなったが、流れのお節介という事で通す事に。

 彼等と協力してテロリストを撃退したのはいいが、警察の厄介になる事に。

 まぁ、未登録の機体を振り回してたんだから仕方がないと言えば仕方がないのだ。

 とは言え、街を守ってくれた事は理解してくれたおかげか酷い事はされなかったし、カツ丼まで奢ってくれたのだ。あれって自腹で買うしかないんだよねぇ。

 で、警察に真相を話したかと言うと話してない。まぁ、別世界からやってきましたとか説明しても理解できないだろうし。

 俺も警察の人も本気で困り果てていると意外な所から援軍がやってきた。

 ソウジさんとチトセである。

 二人が一緒に連れてきたのは旋風寺コンツェルンの青木桂一郎さん。あのマイトガインの主役である旋風寺舞人の執事である。

 どうやら俺は旋風寺重工のテストパイロット扱いらしい。

 つまりこの世界に基盤を持つ身元引受人がやってきてくれた訳である。あー、助かった。

 で、無事に釈放された俺はヴァングレイをトレーラーに積み込んで旋風寺コンツェルンへと移動。

 その間に二人に話を聞くと、二人は揃って近くの海で倒れており、そこを親切な人に助けてもらったのだとか。

 そこで世話になりながら、世界の事を調べていた所を俺達がやってきて昨日の戦闘になったと言った所らしい。

 パイロットが俺だと気づいたのは謎の美少女から教えてもらったので、世話になった人を通じて旋風寺コンツェルンと接触して、釈放の手続きが取れたとの事。

 しかしソウジさんもチトセもシステム99の事は気づいてないっぽい。いやまぁ、OSが突然美少女になりましたってなっても気づかないよなぁ、普通。

 でも気づいて欲しかった。無言だがシステム99が不機嫌になってるし。だから二人には教えません。自力で気づいてください。

 旋風寺コンツェルンに到着した後は速攻で社長室に通され、社長こと旋風寺舞人とご対面となった。

 旋風寺社長もとい舞人からは助けてもらった礼をされた。

 こっちとしては二人を助けたかっただけだし、テロリストの好きにさせたくないっていう個人的な思惑があったから気にしなくていいと伝えたのだが、それでもと何度もお礼を言われた。

 うーん、ナイスガイである。

 事情を話すかどうかソウジさんとチトセは迷っているようだが、俺は話す事にした。

 メタ知識を持ってるのもあるが、こう直接対面しただけでも舞人は信用できる人物だと思うからだ。

 で、事情を早速話そうと思ったのだが再びテロリストが襲来。

 昨日の今日でか!

 よーし、ヴァングレイはソウジさんに任せて俺はゲシュペンストを取りに行こう!

 なんでここは任せますよソウジさん!

 

 

 ◎月@日

 困った。本当に困った。

 昨日のテロリストの襲撃は軽く捻ってやった。俺とシステム99、舞人、ガインの四人で、である。

 そう、ソウジさんは出撃しなかったのだ。

 これには俺も困惑。俺の知っているソウジさんなら出撃すると思っていたのだが、まさかの拒否である。

 事情を聞こうと思ったのだが、時間もなかった為、俺が再びヴァングレイで出撃した、という訳だ。その後、ゲシュペンスト二機はしっかり回収した。

 旋風寺コンツェルンの工場で修復作業を行ってくれるとの事。本当に助かるわ。

 で、だ。

 ソウジさんもそうだがチトセの様子もおかしい。

 どうしたもんかと、二人を助けてくれたタツさんという方に話しを聞いたのだが、どうやら数日前から二人とも何か思いつめた様子らしい。

 一体何がどうしたのだろうか……?

 これじゃあ折角勇者特急隊、特別隊員に任命されたのにテンションが上がらないではないか。後、システム99が拗ねたまんまだし。

 舞人達が協力してくれたヤマト捜索も暗礁に乗り上げたのも原因なんだろうか?

 何か元気付けられないだろうか……。

 

 

 ◎月?日

 何か元気付けようと思い、舞人と一緒に街へ買い物へ。

 色々と話をしたが、やっぱ十五歳に見えないなぁ。二十歳の俺なんかよりもずっと大人びてるよ、ほんと。

 で、プレゼントとしてソウジさんには美味い酒を。チトセには舞人推薦の花を贈る事にした。

 そのプレゼント選びの最中でなんか舞人が花の娘さんとイチャイチャし始めたけど俺は気にしない。多分、この娘、ことサリーちゃんってヒロインの子だよなぁ。どうぞ幸せになってください。

 花の方は派手な奴だとチトセのイメージにはあわないと思い、色々話した所、サリーちゃんに色々と選んでもらう事になった。しかもサリーちゃんが育ててくれた花である。ありがたや。

 といい気分だったのはここまで。

 その直後に襲われたのだ。

 テロリスト、しかも質の悪い事で有名な火星の後継者である。しかも俺を御指名ときた。いや、俺はお前等に狙われる理由がないんだけど。別に火星生まれって訳でもないしな!

 舞人と共に適当に蹴散らせたのだが、その後に出てきた連中を見て一瞬で顔を青ざめるしかなかった。

 北辰六人衆である。

 俺でも分かる程の圧倒的な力。正直、俺と舞人では生身だと勝ち目はないだろう。しかもサリーちゃんまでいるのだ。

 敵わないと分かっていたが、同時にすぐには殺される事はないだろうと思い舞人とサリーちゃんを逃がせたのは本当に良かった。

 俺もその後、助けられたんだけどね。アキトに。

 だー!やっぱ劇場版かよ!

 北辰六人衆はアキトが撃退。

 しっかしあいつら、何の為に俺を狙ったんだ?助けてくれたアキトにも話したが俺は火星生まれではないのだが……。

 その後、火星の後継者達が襲撃。

 それに対抗すべくアキトがブラック・サレナで出撃。うーん、かっこいい。

 俺はどうしたもんかと思ったが、ヴァングレイとシステム99が駆けつけてくれた。

 ありがたやありがたや。

 で、適当にアキトと協力して火星の後継者達と戦闘をしていたのだが、ここに勇者特急隊に加えてナデシコBが駆けつけてくれたのだ。

 ナデシコきたわぁ!リョーコさんとサブロウタさんのエステバリスも援護に来てくれてこっちの戦力は一気に増加。

 六人衆はアキトが撃退していた模様。強いなぁ。

 

 

 ◎月<日

 火星の後継者が宣戦布告をしてきた。

 色々と黒い噂がある連中だし、正直ただのテロリストだしぶっ飛ばしておきたい所だ。

 そしてなんとこいつら、ヤマトを鹵獲しているようなのだ。

 分かったのはアキトからのデータに入っていた画像のおかげである。

 あの後、ヤマトに何があったのかは分からないが、俺が奴等と戦う理由がまた一つ増えた訳だ。

 で、これからの事なんだが勇者特急隊はナデシコ隊に協力。

 火星の後継者は勿論、今活動しているテロリスト達に対抗すべく仲間を集める事となった。

 さて、それはいいが俺としてはまずソウジさんとチトセの問題を片付けないとな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 システム99にとって高坂翔とは三人目の人間である。

 一人目は叢雲総司。二人目は如月千歳である。

 彼は非常によく喋り、よく笑った。

 そして総司と千歳と同じように、システム99をただの機械とは見ず、まるで人間のように接してきた人物でもある。

 

『助かったよ、システム99』

「いえ、間に合って良かったです」

 

 翔の脈拍やバイタルから異常事態に気づき、ヴァングレイを向かわせたのだが、どうやら大正解だったようだ。

 彼を今、失うのは彼女としても不本意である。

 特に本来のマスターと決めていた総司の様子がおかしい事から、その予備としていた翔の価値は非常に高まっていた。

 いや、しかし、それでも。

 

(ヴァングレイに乗せるのならば、叢雲総司……マスターの方が良かったと考えてしまったのは何故でしょうか……?)

 

 自分でも分からない思考。

 それを思いながらもFCSを起動させていく。

 すると翔がポツリと口を開いた。

 

『悪いな、乗せるならソウジさんの方が良かっただろう?』

「……え?」

『何、ソウジさんとはこの戦いが終わったらきっちり話すさ。勿論、チトセにもな』

 

 それはつまり総司に起こっている、なんらかの異常を解決してくれるという事だろうか。

 もしそれが実現し、再びヴァングレイのシートに彼が乗ってくれるのなら、それはありがたい事である。

 

『それにあれだ。そろそろお前の名前、ちゃんと決めてやらないとな』

「……!」

 

 名前。

 人に与えられる最初の祝福。

 それを自分にも与えてくれるというのか。

 

「私はシステム99です」

『俺は嫌だよ、お前をいつまでもシステム99なんて呼ぶの』

「……」

『俺と君と、ソウジさんとチトセの四人でちゃんと考えようぜ。君の名前を』

 

 それを聞いたシステム99はまた不思議な思考が生まれる。

 だが先ほどのようなストレスが生まれないものであった。

 それはきっと、人の感情で言うなら……。

 

『だからその為に今は力を貸してくれ。生き残る為に、そして二人を守る為に』

「……了解です。全力でサポートします」

『ああ、行こう!』

 

 嬉しいというものであるに違いない。


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