BLEACH〜ソードアート・オンライン〜   作:銀河 流星

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皆様、GWはいかがおすごしですか?
自分は、部活やバイトなどで充実してます笑
さて、あのアイドル並みの可愛さで人気のあのキャラの登場です!!


第8話「蘇れ、ピナ!~シリカの願い~」

一護が、アスナと離れてから既に数日が経過した。その間に攻略組は、12層を連続でクリアしたという噂が各層で流れていた。その中心的存在がまさに黒崎一護本人なのだ。その奇跡のような活躍と唐突的な彼の登場から周りから《希望の剣士》というあだ名が付いていた。

 

 

「さて、次の攻略に出発するか」

 

 

そう呟いて一護は、身体を起こすと夜にも関わらずフィールドへ向かった。彼が向かった先は、第62層森林のフィールド……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は同じ頃、森林のフィールドに居た小さなパティーが存在していた。そのメンバーの一人除いてみんな実力派プレイヤーで高レベルの人達ばかりだ。

そんな中に、シリカと言う小さなドラゴンを操る少女がいた。彼女達は、ついさっきまで中が良かった……。

そう、ほんのついさっきまで……。

 

 

「私、このパティー辞めます!!」

 

「そんな、シリカちゃーん!!」

 

 

パティーリーダーの男性が止めようとするも聞く耳を持たずにシリカは、1人で森の中へと消えていってしまった。理由は、モンスターからドロップした回復結晶の分配についてだった。その後、1人で歩いていたシリカに対して3体の虚が出現した。

 

 

「う、嘘!?」

 

 

慌てるシリカだったが、その隙に虚は、彼女の周りを囲み動けなくした後、彼女へ攻撃を開始した。

次第に削られるHP……。それをドラゴンのピナが回復させるがピナのHPも減りつつあった。

 

 

「に、逃げなきゃ……。」

 

 

既に逃げ腰であるシリカは、虚の攻撃によって持っていたナイフ型の短剣を地面に落としてしまった。

 

 

「しまった!」

 

 

そう言って再び短剣を拾おうとした所へ一体の虚の攻撃が迫る……。怖くなり目をつぶったシリカの耳には、骨が砕ける音が聞こえた。そっと瞼を開くとそこには、HPゲージが赤のピナの姿があった。

 

 

「ピナ!!」

 

 

慌ててシリカは、ポーチから結晶を取り出そうとしたが、既に切らしており中は、空っぽだった。

 

 

「そんな……。」

 

 

次の瞬間、虚はピナを攻撃してHPをゼロにしてしまった。ピナは、割れた結晶のように破片を残しながら消えていった。

 

 

「そんな……ピナ……」

 

 

目から溢れる涙……。シリカは、膝をつけながら絶望を味わっていた。そんな彼女へ虚達が迫り来る。

 

 

「誰か……誰か、助けて……」

 

 

戦う気力をなくしたシリカは、そう呟いたその時、虚の頭を通り越してシリカの前に現れた一人の少年の姿があった。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

そう、フィールドへ攻略に出ていた黒崎一護だった。シリカはうんと頷いて返事するとそれを見た一護は、ゆっくりと大刀を鞘から抜いて構えた。

 

 

「待っててくれ、すぐ終わらせる。」

 

 

そうシリカに言った一護は、地面を強く蹴り飛ばすと大きくジャンプして虚の仮面を真っ二つとした。

 

 

「す、凄い……」

 

 

後ろで見ていたシリカは、そうボソリを呟いた。そして、一護が参戦して30秒もせずに出現した虚は全滅した。

 

 

「大丈夫か?」

 

「あ、はい……でも……ピナが……」

 

 

そう言うとシリカは、子供のように泣き始めた。彼女の泣く姿を見た一護は、何となく自身の妹である黒崎遊子(くろさきゆず)やこっちの現実世界で出会った桐ヶ谷直葉に似ていた。そんな一護は、羽のようなものを見つけると気になりシリカに聞いた。

 

 

「それは?」

 

「えっと……ピナの心……って書いてあります。」

 

 

シリカは、そう言ってピナが心を抱きしめて何度も亡くなったピナに謝っていた。そんな彼女を黙って見ていた一護は、ヘルプ画面を開いて「使い魔蘇生方法」を探していた。

 

 

「……あった。そのアイテムを一旦ストレージにしまって街に戻ろうぜ。そのピナって奴を蘇生する方法を見つけたんだ。」

 

「本当ですか!」

 

「あぁ。俺、一護。君は?」

 

「私、シリカって言います!一護さん、ありがとうございます!!」

 

 

ピナが生き返る事ができると知ったシリカは、元気になり一旦街へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、一護とシリカは46層にある「思い出の丘」と呼ばれる場所へ向かっていた。その近くには、デートスポットとなっており周りにはカップルらしき男女ペアのプレイヤー達が沢山いた。それを見たシリカは、少し焦り気味になりながら髪を整えた。

 

 

「じゃあ、行くぜ?」

 

「あ、はい!」

 

 

そう言って彼らは歩み始めた。

歩き始めてからしばらく経つと、思い出の丘に着いた。そこで蘇生アイテムをゲットした二人は、丘を降り始めた頃、歩み出していた一護の足がピタリと止まった。

 

 

「底に居るのは分かってんだ、出てこいよ。」

 

 

そう言われて木陰から出てきたのは、先日シリカと仲違いした女性プレイヤーのロザリアだった。

 

 

「貴方、結構な索敵スキルの持ち主ね。」

 

「スキルなんて持ってねぇよ、大体の感覚で分かる。そもそも、俺はテメェに用があったんだ。オレンジギルドのリーダー、ロザリア!」

 

 

一護は、悪人を睨む目つきでロザリアを睨んだ。話についていけないシリカは、テンパりながら状況の把握に務めていた。そんな中、ロザリアはストレージからアイテムを具現化した。そのアイテムは、サッカーボール並の大きさをした球体だった。

 

 

「私を見つけた記念にいい物を見せてア・ゲ・ル。お前達、出番よ!!」

 

 

そう言ってロザリアは、球体を天に掲げると赤色に光り始めた。球体は、そのまま展開しながらロザリアの周りに数体の人間の形をした何かが形成された。

 

 

「テメェらは、一体何者なんだ?」

 

「コイツらは、少し特殊でね。プレイヤーの思考を殺人と忠誠心しか考えないようにを改造したのよ。」

 

「そんな事が出来るのかよ!?」

 

「出来るのよ、ある男のおかげでね。さぁ、あの男を殺しなさい!!」

 

 

そうロザリアが言うと出現した5人のプレイヤーは、それぞれ所持していた武器を握りしめて一護との間を詰めると思いっきりその身体を斬った。

 

 

「あいつら……殺る気なのか!?」

 

 

そう呟いた一護は、そいつらと距離を置いた。そこで、鞘にしまってある大刀の柄を握り鞘から取り出すと剣道のように構えた。

 

 

「一護さん!!」

 

「シリカ、お前は転移結晶を持って待っててくれ。」

 

「でも……」

 

 

一護は、戦闘へ参加しようとしたシリカに待機の指示を出した。すると、5人のプレイヤー達は一護との間を詰めた。

 

 

「行くぜッ!」

 

 

その合図と共に一護は、大きくジャンプして彼らの後ろへ回ると、物凄いスピードで彼らの武器を破壊して行った。

 

 

「す、凄い……。」

 

 

目の前の光景を見たシリカは、唖然とした。凶暴そうな人たちを一撃で戦闘不可能へと追い込んだ一護の剣技が凄まじく綺麗だったのだ。

 

 

「ほら、残りはアンタだけだ!」

 

「くっ……、私を傷つければアンタだってオレンジプレイヤーの仲間入りよ!」

 

 

そう言うロザリアに向かって一護は、瞬間移動……いや、瞬歩を使って目の前まで移動すると大刀をロザリアの喉付近へ近づけた。

 

 

「オレンジだろうが、レッドだろうが俺には関係ねぇ!俺はただ、死んでいった仲間のために懸命になるあの男との約束を守る為にならオレンジにだってやる!!」

 

 

一護は、そう言うとロザリアは地に膝をつけた。その後、一護はその男からもらった牢屋行きの回路結晶を使ってロザリア一行を牢屋へぶち込むと昨夜居た宿舎へ戻った。

 

 

「悪ぃ、シリカ……。ロザリアを誘き出すために使わしてもらった形になって……。」

 

「いえ、イイんです。でも、凄いじゃないですか!あの強さ攻略組にも中々居ませんよ。」

 

「そうか……、俺は攻略組だ。」

 

「え!?一護さん攻略組だったんですか?」

 

「あぁ、俺は必ず100層攻略してみんなを解放する!それまで……」

 

 

一護は、そう言ってシリカの両肩をしっかりと掴んだ。すると、真剣な眼差しで彼女の綺麗な瞳を見続けると、最後に彼女にこう告げた。

 

 

「それまで、ピナと2人で生き抜け!!」

 

 

こうして、一護とシリカの小さな冒険に幕を閉じた。二人はそれぞれ自分の道へと歩み始めたのであった。




《次回予告》
数日ぶりに顔を合わせた一護とアスナ。
そんな二人の前に立ちはだかる敵とは!?
そんな敵の狙いは……!?



第9話「狙われたアスナ」

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