サボり魔の死神は米花町にいる   作:銀色銀杏

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東方projectの彼岸の設定で改変した所があります、ご注意を!
あと今回は幻想郷sideです!


ケース1、閻魔と死神

 

 

 

最後の注意!

本作品は原作に無い設定及び人物が多数登場します、それでも良い方々のみお読みください。

 

言ったよ?わざわざ本文中に言ったからね?

 

 

 

 

 

 

薄暗いジメジメした場所、ここを訪れた者はまずこう思うだろう。そしてうっすらと立ち込める霧、さほど濃くはないものの、ある方向に向かっていくと濃くなっていく。

その方向には川がある、しかし岸までいった時点で霧が濃くなっており、その川幅はわからない。

 

 

さて、先程「薄暗い」としたがここには太陽や行灯などという灯りは一切無い。ならば何故完全な暗闇ではないのか、よく目を凝らしてみる。

見えてきたのは火、それも一つや二つではない。数々の火がほんのりと光っている、それらが寄り集まって暗闇を照らし薄暗くしているのだ。

ではその火はどうなっているのか、松明として刺さっている?それとも提灯の明かりが漏れているのか?答えは「否」だ。

それらの火は完全に浮かんでいる、そう「浮かんで」いるのだ。それもその火は赤くはなく、青い。まるで悲しみを訴えるかのように。

もしも此処に霊感が強い人物が居れば卒倒しただろう、なにせその後ろには様々な人の顔が視えるのだから。

耳を済ませば聴こえるくるのは童歌、それも恨みや辛みに哀しみと言った怨念が感じられる。それと共に、いやそれ以上に聞こえてくるのは―――

 

「ほら、並んで並んで!焦らないで、数人ずつだよ!」

 

と、明らかに場違いな活気のある声。しかもそれを出しているのは少女と言っても遜色ない年齢の女性、それも一人ではない、少なくとも一定間隔をおいて聞こえてくる。その少女達はその身の丈にそぐわない鎌を持っていた、ギラリと光る重い鎌を苦もなく操る彼女達はこう呼ばれる、「死神」と。

 

 

 

 

 

さて前置きが長くなったが此処は何処なのか?

――答えは彼岸、俗にあの世と呼ばれる場所……の手前にある「三途の川」。

 

そう、あの有名な死者の魂を死神が送る三途の川である。

 

そしてその川のかなり下流、と言ってもこの川には下流もなにも関係ないが。とにかくそこには運ぶべき者、つまり「魂」は見当たらない。

そこには一人の女がいた、ツインテールに纏められた髪と瞳はまるで血のような真紅。そして同姓が羨むスタイルと整った顔立ち、その女は仰向けに寝そべり足を組ながら呟く。

 

「……………暇だ。」

 

「あー!暇だぁ!!」

 

そう言いながら足をばたつかせる女、そんな筈はない。此処にいる以上彼女も死神であるはず、であるならば必然的に魂を送る仕事がある。しかしその女はどこ吹く風かと言わんばかりに暇だと連呼しながら足をばたつかせる、所轄「サボり」である。

 

そんな彼女に背後から忍びよる影―――

 

「こ~ま~ちぃ~………」

「 」

 

その影は彼女よりもかなり小さい、だが身体から発せられる覇気は尋常ではない。その少女、いや幼女は緑色の髪の毛を逆立てながら息を大きく吸い込み……

 

「何をやっているんですかぁぁぁぁ!!!!!」

 

とあらんかぎりに叫んだ。息を切らした彼女が前を向くと………

 

「四季様すんませぇぇぇんん………」

 

と言いながら小町と言われた女性が逃げて行く姿だった。その速度はまるで意図的に距離が操作されているかのように感じるほどの速度、それに対して四季と言われた少女はまた叫ぶ。

 

「戻ってきなさぁーい!でないと()()にしますよ!」

「――すんません、それだけはご勘弁を!!」

 

と言うと同時に瞬時に四季の元へと帰る小町、それはまるで二人の距離が一瞬で縮まったようだ。

と、暫く四季に謝罪をを告げていた小町だが、不意に四季から声を掛けられる。

 

「小町、話があります。」

「クビだけはご勘弁を!」

「違います!いいからさっさとくる!」

 

そのままさっさこ歩いていく四季、その後を行きながら小町は「ああ、めんどくさい…」と内心思うのであった。

 

 

 

 

 

 

さて、この小町という女は死神である。此処三途の川で死者の魂を送る仕事をしている、他の死神となんら変わりはない。

ただあえて言うならば回りより少しばかり死神歴が長いことぐらいか、そうなれば必然的にここの閻魔との付き合いも長くなるわけである。

さてその閻魔こそ目の前を歩く小町よりも小さい、見た目小学生のロr…ゲフンゲフン、少女である四季映姫・ヤマザナドゥである。

彼女は此処の閻魔をしている、此処の、というのは閻魔にも管轄があるのだ。彼女は此処「幻想郷」の閻魔である。元は十王という元祖閻魔の集団によってやりくりされていたのだが、このご時世の人口爆発により人手が足りずにある時閻魔を募集した。

その時に採用されたのがこの四季映姫、元は地蔵だったのだがまさか生まれてきた場所を間違えたのではないかと言うほどにこの仕事に適応する。

その仕事ぶりたるや交代した(因みに一つの管轄に付き閻魔は二人いる)休憩時間でも管轄を回って説法するという情熱っぷり、お陰かもう片方の閻魔からも此処の管轄の代表として頼まれる始末。

 

 

 

そしてその情熱的な閻魔様が個別に話があるというと大体察せる訳であり、たった今サボりの現場を見られた小町は冷や汗をかいていた。

と、二人はある建物の前にいた。ここまで小町の舟を使って三途の川を渡り、彼岸にきた。そしてこの荘厳な建物、これこそ死者が裁きを受ける場である地獄の裁判所である。

その中の一室、応接間に入る二人。四季の方は涼しい顔をしているが小町の方はと言うと……

 

(え……?そこまで!?)

 

そこまで、とは小町の純粋な驚きである。何故なら普段ならばこんな立派な部屋で説法などされず、四季の持っている悔悟棒で頭を叩かれてその場に正座、そこからお説法耐久レースのはじまり…という流れである。

故にこんな所で説法をされたことなどなく、頭に浮かぶのは――

 

(まさかサボり過ぎて愛想を尽かされたぁ!?いやけどそこまでじゃない……とも言い切れない、いやまだそうと決まった訳じゃないけどならなんでこんなところに)

 

一度深みにはまった思考は人であろうと死神であろうと抜けることは難しい、益々深くなっていく思考。

 

(うぇ~ん、まさかの左遷!?裁き何とかしてそれだけは阻止しなければ、絶対に!)

 

そうと決めたからには先手をとる!とタイミングを待つ小町、そして四季が振り向く。

 

「小町、話があ――」

「四季様っ!」

バンッ!

「こ、小町!?」

 

驚いて目を見開く四季、このチャンスを逃してなるものか!と小町は切り札を切る!

足を曲げ、肘を付き、頭を垂れる。これこそ日本に古くから伝わる謝罪の最終奥義、「土下座」!!

それに、謝罪の言葉を加えるっ!

 

「すいませんでしたっ!!」

「は、はぁ?」

「確かにアタイはサボってばかりで不真面目でした、しかしこれからは心を入れ換えるのでどうか!どうか!今回だけはご勘弁を~!」

「………」

 

勝ったぁ!計画通り……

そう何処かの死神の真似をしながらこれならばと言う確信を持っていた小町、対してかかったのは静かな声だった。

 

「……小町」

 

………………あれ?まさか死神だけど墓穴掘っちゃったの?

恐る恐る顔を上げる小町、そこには普段からは想像出来ないほどの優しい笑みを浮かべた四季映姫がいた。

 

「そこまで反省しているのですね、ならこの任を安心して任せられます。」

「四季様……!」

(よかった~乗り切った!)

 

思えばこの時に違和感に気づいて居れば小町は巻き込まれずに済んだかもしれない、だが目の前の危機を乗り越えた小町にそんな違和感など感じる暇もなかった。

 

 

 

 

それはさておき

 

改めて本題に入る二人だったのだが……

 

「はぁ?出張!?」

「はい」

 

四季からでた言葉は「暫く出張してこい」と言う物だった、しかしこの死者の魂の輪廻を管理するこの職業に管轄はあれど殆どの職員?が長大な寿命を持つために人員の入れ換えなど滅多におこらない。へたすれば始めてではないだろうか?

 

「それで、なんでですか?」

「順を追って説明します、まず閻魔に管轄があるのは知っていますよね?」

「ええ」

「実はある管轄の閻魔二人が余りの重労働に同時にノイローゼに成りまして……」

「うわぁ……」

 

思わず声をもらす小町、それもその筈閻魔は基本的に楽な、と言ってもそれなりにだが、職業である。雑用などは部下の死神がやってくれる、だがそれでも死者が多発する地域だと疲れる。それを防ぐために一管轄に二人の閻魔がいるのだ、それでもノイローゼになるとは一体何があったのだろう?

 

「なんか外界で大災害でもあったんですか?」

「いえ、そこは元から死者が異常に多いのです。だからこそ優秀な閻魔が配置されていたのですが…」

「なるほど、それでその療養中は各管轄から死神を派遣して死者の輪廻を廻して行こうと。」

「察しが良くて助かります、何しろ今の閻魔界は財政難が直ったと思ったら今度は人員不足に喘いでいるんですから。」

 

ここに来てようやく小町は乗せられたことに気付く、思えばあんな誤魔化しが四季に通じる訳がないのだ。だが事情を聞いた以上は断る訳にも行かない、取り敢えず話を聞いておこうと思った。

 

「それで、私はそこで船頭をすればいいんですかい?」

「いえ、小町には外界の警察組織に入って殺された怨霊の魂を三途の川まで誘導してほしいのです。」

「いいですけど、なんでわざわざ警察なんかに入る必要が?」

「その管轄は殺された人の魂が多く浮かんでいるのです、だからその魂に会いやすい警察に所属するのです。」

「私一人でやれますかねぇ?」

「それなら……入って」

「お、お邪魔しまーす」

「アンタは確か、あの亡霊姫の……」

 

そう言って入ってきたのは目を引く銀髪に緑の服装、腰には二本の刀を帯刀している。まだあどけなさを残したその顔は所在なさそうに目をそらしていた、彼女は「魂魄 妖夢」白玉楼の庭師(と言う名の料理人)である。

本来ならば主人の側に入るはずだが……

 

「幽々子様からお暇と依頼を承って来てみれば、今聞いた通りの事を言われて……」

「つまりこの二人で警察に入ってやれ、と?」

「そういうことです、明朝、博霊神社に八雲 紫を呼んであります。そこから向かってください。」

 

淡々と言う四季だが管轄の管理人である八雲を動かすとはよっぽど切羽詰まっているらしい、意外と事は思いようだ。

 

「因みに、どれくらいですか?」

「恐らく短くて一年、長くても三年でしょう。」

「さいですか」

 

いつもと違う職場、いつもと違う相棒。たまには悪くない、か。と思い、少ない荷物を纏める為に妖夢と共に準備に向かおうと思った時にふと気になって聞いた。

 

「そう言えば……何処に行くんですか?」

「東京都です、ただ…」

 

なるほど、日本の首都であり人口が多い東京なら確かに人手不足になりそうだ。納得して行きかけた小町だが四季が発した言葉にその歩みを止める。

 

「ただ?」

「ある地域だけ妙に殺人事件の件数が多いんです、まぁ少しそこを訪れる機会が多くなるだけ、と思いますが。」

「因みになんてとこですか?」

 

四季映姫は一呼吸置いた後、こう言った。

 

 

 

 

 

 

「米花町、と言う町です。」

 

 

 

 

 

 

 





投稿してしまった……もう後には引けない。
と言ってもナメクジ更新ですけど、次が有れば会いましょう!
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