イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~ 作:シャルルヤ·ハプティズム
今回は少し短いです。最近展開に困って······
まぁFGOやりすぎて書いてないのもあるんですけどね。うちのカルデアはキングハサンをお迎えしました。じぃじめっちゃ強え。
·······やっとキャメロット終わった。最後以外殆どエウリュアレゲーだった。男性特攻強し。聖杯使おうかな。
ギャスパーside
『クリフォト』との衝突があった翌日。
僕は黒歌さんと共に、お父様に連れられてカーミラの城に赴いていた。
ここに来たのは、テロの折にツェペシュの現当主と真祖がカーミラ側に避難しており、今後の吸血鬼達の方針の決定と共に、ヴァレリーの処遇について話し合うことになったからだ。
昨日は、暴走をお母様に解除してもらって一時的に眠らされて目覚めると黒歌さんの膝枕で目覚め、隣でヴァレリーが寝たフリをしていたのを一瞬だけ半目で確認した後、僕も黒いドラゴンもどきの討伐に出た。
僕が30体ほど狩る頃には事態は沈静化を始めており、間もなくしてドラゴンもどきが吸血鬼領内で確認出来なくなると、僕達は一旦その場で解散となり、カーミラ側が用意した宿泊施設で休息を取った。
一言も言っても言われてもないのに、黒歌さんと同じ部屋だったことは今更なので気にしない。僕にとってご褒美みたいなものだし。
僕達がカーミラの城に着くと、城の門にはエルメンヒルデ・カルンスタインが待っていた。
エルメンヒルデ「······お待ちしておりました。女王がお待ちであられます。ではこちらに」
城の門の巨大な扉が開くと、僕達はエルメンヒルデ・カルンスタインを先頭に歩いていく。玄関を抜け、更に歩くと一際大きな空間に出た。ツェペシュの城も似たような造りだったので、普段はカーミラはここにいるのだろう。
謁見の間には、真ん中に大きなラウンドテーブルが置いてあり、そこには中世風のドレスを纏った銀髪の女性、毛先だけ銀の金髪の初老の男性、肩ほどまで伸びた金髪の男性──こちらはどこかヴァレリーに似ている気がする──が右から卓を囲むように座っており、3つ椅子が空いていた。
エルメンヒルデ「女王、お連れ致しました」
エルメンヒルデは跪いて女性に話し掛けた。やはり、彼女が女王カーミラなのだろう。
カーミラ「分かりました。案内ご苦労様です。下がりなさい」
エルメンヒルデ「畏まりました。失礼します」
エルメンヒルデは立ち上がると一礼し、退室していった。
カーミラ「······3人ともよく来てくれました。そちらの2人とは初対面なので自己紹介を。私はカーミラ。存じているでしょうが、女王を任されています。こちらの2人はツェペシュの真祖と現当主です」
八幡「······ならこちらからも。知ってると思うが、比企谷八幡だ。こっちは息子のギャスパーと、眷属の黒歌」
お父様は僕と黒歌さんの肩に手を起きながら言った。
カーミラ「······では、そちらに掛けてください」
女王がそう言ったので、僕らも席に着いた。
ここではヴァレリーの処遇の前に、今後のツェペシュとカーミラ両方の領地の事後処理を議論することになった。これに関しては僕達はお門違いでありこれだけならここに来ることはないが、話に拠れば、両者で協力体制を敷いて出来る限り復興を早急に行うようだ。
だが事を焦れば、『
今回の一連の騒動で、お互いの陣営が一枚岩とは掛け離れたものだと嫌でも理解出来た筈だが······
議論は更に進み、ヴァレリーの処遇について、となった。
お父様は『堕天魔』として名が知れ渡っているだけに、お父様を批難する者も多い。只でさえ力を持つ集団に神滅具を渡していいのか、と特にツェペシュ側は思っているだろうか。
僕達は吸血鬼の内情に関することには出来る限り口を出さないように気を付けているが、それでもツェペシュ······特に現当主はお父様と僕には強い批難の目を向けている。真祖の方はあまりいい意見を持っているわけではないようだが、どちらかと言えば現当主に委ねていた。
カーミラ「······さて、ギャスパー・ヴラディは先の交渉の条件を要求なさい。私達は出来る限りその条件を呑むことを確約しましょう」
女王がそう言ったのを聞いて、僕は立ち上がる。
ギャスパー「······僕の要求は、ヴァレリー・ツェペシュの身柄と彼女の持つ『幽世の聖杯』を無期限で僕に預けること、です。よろしいですね?」
ツェペシュ側から来た2人の男に向かって言う。
ツェペシュ側は、僕の要求を呑まないほどの反論は出来ない。僕達がテロの被害を未然とはいかないまでもかなり小さく収めたからだ。
この点は、僕というよりお父様やお母様やお兄様の方に該当することだが、折角のチャンスを無駄にする気はない。ここで要求が通らなかったら、若干の強硬手段に出るだけだが。
カーミラ「私はもちろん賛成ですよ。そちらは?」
女王がツェペシュの2人に尋ねると、真祖の方は瞑目して言った。
「······仕方あるまい。『堕天魔』達がいなければ我らが領土は滅んでいたやもしれん。無下には出来まい」
どうやら、真祖の方は僕の要求を呑むらしい。
だが現当主の方はオロオロした様子で反論した。
「で、ですが真祖よ、彼らは異国······冥界の民ですぞ。仮にも王族の出の者を預けようなどとは」
現当主の方は僕の要求を呑むつもりはないらしい。テロリストに利用されたものでも手元に置きたいというのだろうか。それにしても、たかだか現当主が真祖に物申すのは如何なものか······
すると、真祖は目を開けてツェペシュの現当主に言った。
「諦めよ。異教の神の遺物一つとその持ち主で済むのであれば安いことよ」
「ですが······」
どんだけ渋るんだろうか現当主。
「此度の騒動は我らの失態と慢心の結果でもあろう。其方もあまりみっともない姿を晒すでない」
「わ······分かりました······」
ギャスパー「では、僕の要求を呑むということでよろしいのですね」
僕が言うと、ツェペシュの真祖と女王は頷いた。そこで話は終わったと思ったが、ツェペシュの真祖が僕に尋ねてきた。
「······一つよいか」
ギャスパー「? 何でしょうか」
「貴殿はヴラディ家の出身ではあるがその名を捨てたと耳にした。なれば、今の其方は何者だ?」
何者、か······あの時ツェペシュの城からヴァレリーの助けを経て脱出して、お父様とお母様に救われた僕はヴラディの名を捨てた。その名は名乗りたくない、というのが当然一番ではあるが······
僕が家族と同じ名前を名乗って、家族との繋がりを感じていたいというのも同じくらいあるのだ。
ギャスパー「······そうですね。ルシフェル、或いはツェペシです。僕に温もりをくれた両親から貰った名です」
その後、簡単な取り決めを交わして会議は終了となり、僕達はカーミラの城を後にした。
恥ずかしいこと言うな、と言いつつお父様が頭を撫でてくれて心が温かくなったのは、バレている気がしないでもないが僕の秘密だ。
そう言えば名前を捨てたと言うと、已むを得なかったとはいえあの人の現状もそれにかなり近いけど······一月ぶりに会いに行こうかな。
ギャスパーsideout