イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

118 / 157
第111話 溶け消えた氷

 

 

 

 

 

ギャスパーside

 

 

 

『サングィネム』の屋敷の一角。(たばね)さんが造った特殊な施設で僕と黒歌さんは剣を交えていた。いや、どちらも剣を持ってないからその言い方には語弊があった。

 

 

ギャスパー「······ふっ!!」

 

何もかもが鮮血の如き色の二又の槍──レプリカのブリューナクを彼女の胸目掛け突き出す。も、交差した彼女が持つ()()()()()()()()()()()()()2丁の拳銃が槍の穂先を逸らし、黒歌さんは体を反らして僕の一撃を避ける。

 

黒歌さんが持つのは、デザートイーグルの砲身を延長したようなものだが、それを苦もなく鈍器として扱ったり至近距離で撃つので一瞬の油断も許されない。

 

 

突きを避けられた僕は、ブリューナクを手放し、彼女が銃を交差したところに回し蹴りを入れ、床に落ちる前にブリューナクを拾うとすぐに距離を取る。

 

黒歌「あっぶな······」

 

ギャスパー「それこっちのセリフだけど······」

 

と言いつつも、黒歌さんは右手に持つ銃を撃つ。銃口から一条の紅い閃光が放たれる前に体を右に半歩下げて躱し、そのまま回転しつつ横投げで槍を投げる。と同時に黒歌さんが首を傾けたので、懐に潜り込もうかとしたその時······

 

ギャスパー、黒歌「「えっ···」」

 

入口のドアが開いた。

 

 

そして、金髪の男性が顔を覗かせた。

 

 

メリオダス「おっと」

 

金髪の男性───メリオダスさんは一瞬の後自分の眉間に突き刺さろうかというブリューナクを苦もなく掴んで止めた後、僕に言った。

 

メリオダス「おいおいギャスパー、入口に向かって槍投げすんなって前も束に言われたろ?」

 

ギャスパー「す、すいません······」

 

この施設は重体以上になる攻撃は当たる直前に自動でキャンセルされるのだが······この人にはそもそも必要ないらしい。

 

メリオダス「俺に謝る必要はねえけど······ギャスパー、お前にお客さんが来てるぞ?」

 

 

メリオダスさんの後ろから顔を覗かせた女性を見て、僕と黒歌さんは目を見開いた───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別室に移動し、メリオダスさんが僕を尋ねた女性に紅茶を出したところで、僕は尋ねた。

 

ギャスパー「お久しぶりです······でも、珍しいですね。いつもは僕の方から()()()会いに行くのに」

 

お兄様よりもだいぶ明るい銀髪の彼女に、会うのも最近はいくらか足が遠のいていた気がする。彼女は、そうだね、と表情を暗くさせて、彼女はケースに入った何かを取り出した······SDカード?

 

メリオダス「それ、どうしたんだ?」

 

彼女はSDカードを取り出したタブレットに挿して、何かのファイルを開くと、僕達3人に見せた。

 

「3日前、家に送られて来て·······」

 

タブレットに映っていたのは、ある男性の写真と経歴、今の職場······履歴書なのだろうが、送り主はどこでこんなもの······

 

···················

 

 

メリオダス「こいつは······」

 

黒歌「まさか、これ······」

 

 

ギャスパー「······そう言えば、あの人はどうしたんです? 一人でこっちも来させるようには思えませんけど」

 

自然と語彙が強くなっていた。

 

 

──落ち着け······ここで感情を解き放つな······

 

 

手に力が入ってタブレットを真っ二つに握り割りそうになるが、なんとかこらえた。

 

「······これを見て、飛び出してっちゃったの······それから帰ってこない」

 

ギャスパー「······!!」

 

途端、自分が冷静になっていくのを感じる。そうか、だからこの人一人で······

 

メリオダス「おいおいマジか。だとしたらまずいな······」

 

彼女───クレーリア・ベリアルは泣きそうになるのをこらえて僕に言う。

 

クレーリア「ほんとはこんなことギャーちゃんに頼むのは間違ってる。だけど、私は今はこんなだから······お願いギャーちゃん。あの人を······正臣(まさおみ)を止めて欲しいの。

 

あの人······死ぬ気かもしれない」

 

 

 

ギャスパーsideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小猫side

 

 

 

イリナ先輩のお父さんが重体だと聞いた翌日。

 

私達は、先生の協力もあり、事情を知っているかもしれない人に会いに行けることになった。

 

 

イッセー「······イリナ、その、これから会いに行く人は?」

 

イッセー先輩は、どう接していいか分からないながらも、イリナ先輩と出来るだけ話すようにしたらしい。その方が、まだイリナ先輩も気は紛れるだろう、と。

 

イリナ「う、うん。最初に話を聞きに行くのは、スミス・エインドさん。オートクレールをパパに運んでくれた人」

 

イリナ先輩の話によると、イリナ先輩のお父さん同様、元悪魔祓い(エクソシスト)であり、現在はプロテスタントの牧師をしているという。

 

元悪魔祓いの方に、私達悪魔がイリナ先輩に同行するのはどうかという意見もあったが、話を聞く限り三大勢力の和平には賛成しているようで、私達の同行は問題ないらしい。

 

 

 

 

 

イリナ「······ご存知かもしれませんが、紫藤イリナと申します。ご協力いただき感謝します」

私達は、イギリスまで転移魔法陣で飛び、そこの教会の離れのような施設に案内された。私達悪魔や、先生をはじめとする堕天使は、一部の信者からは未だに嫌われているらしい······

 

スミス「いいえ。昔から紫藤······ああ、トウジさんにはお世話になっていましてね。今回のことも······多少は協力出来ればよいのですが」

 

イリナ先輩を対面のソファに座らせる、黒髪の初老の男性。一目見ただけで、穏やかな人物だと分かる。このような人でも過去に悪魔祓いであった、というと複雑な気分ではあるが······

 

 

 

 

イリナ「······実は、父が意識不明に陥る直前に少しだけ話が出来たのです」

 

スミス「そうですか······」

 

スミスさんは伏せ目がちにこぼした。

 

イリナ「その時、うわ言のように、彼は私達に復讐するために舞い戻ってきたんだ、と言っていたのですが······何か心当たりがございますか?」

 

───復讐。私達には聞き慣れない、いっそ言葉を知っているだけで直接耳にするのは初めてかもしれない。

 

スミス「······復讐、ですか。私も悪魔祓いであったから、その関係者かもしれませんが······ああ、今は悪魔の方々を祓おうとは思ってはいませんよ? 和平は結ばれましたし、もう前線は退きましたから」

 

確かに、そう考えるのが普通なのだろうが······3種族間でも、確執があることは確かなようだ。

 

イリナ「いえ······父と私を襲ったのは間違いなく人間です。父は······彼のことを八重垣(やえがき)と呼びました」

 

イリナ先輩が八重垣と言った瞬間、スミスさんは目を見開き、動揺し始めた。

 

スミス「八重垣······!? まさか、そんな筈は······!! あいつは5年前死んだ筈だ!!」

 

声を荒らげ、髪を掻き毟り始める。その後、錯乱状態に陥ったスミスさんとは話が出来ず、面会は終了した───

 

 

 

小猫sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーグリット「······そう言えば、いつかに会った彼、今どうしているんでしょう。予定では、そろそろあれが届いた筈なんですけど」

 

 

 





特に隠す必要ないので補足設定


・黒歌が持っていた2丁拳銃について。

だいたいの方のお察しの通り、ブリューナクのレプリカ(その2)でございます。ほぼギャスパーが持ってるのと同じですが、ギャスパーの持ってるのに比べて出力を若干犠牲にする代わりに、こちらは変形機能をオミットしておりません。
この状態の見た目は、ギャスパーはデザートイーグルの砲身を延長したようなもの、と言いましたが、使い方はアリオスのGNビームライフル(詳しくは調べて下ちい)みたいなもんです。


ライフルは鈍器。\_(・ω・`)ココ重要!!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。