イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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週一更新が板についてしまっている······非常にまずい······そして眠い。



第112話 友達なら

 

 

 

 

八幡side

 

 

 

八幡「───というわけだ。束、クレーリアが持ってきたSDカード調べてくれ。ただ、システムトラップとかには気を付けろよ」

 

目の前のパソコンには、眷属の一人である篠ノ之(しののの)(たばね)の顔が映っている。さきほど持ち込まれた物を、束に調べるよう要請したのだ。

 

 

 

ギャスパーを訪ねた女性──クレーリア・ベリアルが持ち込んだSDカード。ギャスパーが、黒歌やメリオダスと一緒に閲覧した時は、ただ()()()()()()()()()()()()()10名の個人データが一部入っていただけのようだが、もしかしたら、それ以外のデータが隠されている可能性もある。

システムトラップだのウイルスだのが紛れているだろうが、まぁ束なら大丈夫だろう。

 

何せ、こいつは自分の神器(セイクリッド・ギア)を科学的に再現しようとして、独学でほぼ完成までいった挙句、動力に半永久機関を使おうとした奴だ。それを理由に狙われていたので、眷属入りした時に一旦凍結させたが。

 

束『りょうかーい。それとはーくん悪い報せだよ······()()()()に揺らぎが出た。死者が出たような大きなものじゃないけど、もう猶予はないよ』

 

その顔にいつものヘラヘラとした笑顔はない。

 

 

八幡「······分かった」

 

通信が切れる。と同時に、今は使い魔となっている我が家がペット、カマクラ(猫の姿)が膝に乗ってきたので頭を撫でておいた。

 

八幡「お前にも、働いてもらうかもな」

 

そう言うと、にゃ〜お、と一鳴きして、丸まって俺の膝の上で目を閉じた。分かった、ということだろう。なんだかんだ、クルルとより付き合いが長いので何を言っているのかは分かる。

 

人の姿にもなれる猫又とは言え、人化出来る時間が極端に短いカマクラにとって、猫形態の方がデフォルト。にしても、クルルがいれば基本俺の方に来ないこいつにしては珍しい。

 

八幡「そうか、そん時は頼むな」

 

カマクラを抱え、部屋を出る。

 

 

······さて、これからどう動こうかね。ギャスパーを関わらせないように出来なかった以上、ちゃちゃっと終わらせるしかないか。今回で奴らの本拠地を突き止めて、早期に叩くしかなくなったか······

 

 

 

八幡sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小猫side

 

 

 

イリナ「······はぁ」

 

イリナ先輩が溜息を吐く。そして、途中で抜けたアザゼル先生を除くオカ研皆も、同様の表情だった。

 

 

 

ギャー君を除く私達オカ研部員は、イリナ先輩のお父さん──紫藤(しどう) トウジさんが襲われた原因を探るため、イリナ先輩のお父さんの同僚の方々に話を聞いて回っていた。

 

 

 

今のところ、分かっているのは最近起きている教会関係者の連続殺人事件と今回の一件が関係あること。

 

 

そして······イリナ先輩のお父さんを襲った男が名乗った──『八重垣(やえがき) 正臣(まさおみ)』という人物は5年前に亡くなっていること。

 

はっきり言って、収穫は少ない。

 

 

3日かけてなんとか12人とアポイントメントを取り付け、話を聞きに行ったはいいものの、『八重垣』という名前を聞くと、困惑するかあいつは死んだ、と錯乱に陥るばかりで、肝心な情報はほとんど得られていない。

 

その八重垣という男が亡くなった当時の資料か、イリナ先輩のお父さんから話が聞ければ早いのだが······イリナ先輩のお父さんは未だ昏睡状態にあるし、イリナ先輩が申請したものの、当時の資料の閲覧申請が通るには時間がかかるとのこと。

 

 

 

イリナ「······すいません、シスター・グリゼルダ。ここまで手伝っていただいているのに······」

 

グリゼルダ「構いませんよ、戦士イリナ。私自身、この事件のきな臭さは感じていたところです。それに、『クリフォト』がどこで動いているか分からない以上、常に警戒を怠らぬようガブリエル様も仰られておりましたからね」

 

そう、今回の調査には、シスター・グリゼルダが手伝ってくれている。ミカエル様の『A(エース)』と、ガブリエル様の『Q(クイーン)』という、近くに女性転生天使のツートップがいるというのは、中々に凄いことなのだろう。イリナ先輩の普段を見ていると忘れがちになるが。

 

 

グリゼルダ「······そうそう。例の、当時の資料の閲覧申請なら明日までに通るでしょう」

 

イリナ「ほ、本当ですか!?」

 

その一言に一同が驚く。申請には時間がかかると聞いていたが······

 

グリゼルダ「知っての通り、ウリエル様の管轄であられる資料の閲覧は容易ではありませんが······どうやら、戦士イリナが動いていることを知った転生天使の一部が申し出たようですよ?」

 

そう、微笑みかけるシスター・グリゼルダと目を見開くイリナ先輩。

 

イリナ「!」

 

グリゼルダ「何か、分かるといいですね」

 

イリナ「はい!」

 

そうして、今日はここまでとなり、各々一旦解散することになった。イリナ先輩が少しでも休むように、というシスター・グリゼルダの発案だった。

 

 

 

この時、私達は見逃していた。

 

 

『復讐』。それが、なぜ()()()()を······

 

 

 

小猫sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャスパーside

 

 

 

あの後、念の為にクレーリアさんを屋敷の一室に泊まらせることになり、僕と黒歌さんは彼女に付き添うことになった。

 

 

ギャスパー「クレーリアさん、大丈夫ですか?」

 

いったい何が大丈夫なのか自分でもさっぱりだが、声を掛けずにいられなかった。

 

クレーリア「······うん。大丈夫」

 

彼女の部屋も、ほとんど使われないもののあるにはあるので、多少の荷物を取りに戻るだけで済む。屋敷に戻ってくるまではメリオダスさんも一緒にいたものの、あの人もやることがあるようなので、さきほど別れた。

 

ちなみに、この屋敷見た目も相当だが中もおかしいくらい大きく、中が居住区とそれ以外の区に分かれているくらいの大きさだ。今のところできる予定はないが、そのうち商業区とかできそう。

束さんが色々いじった結果そんなことになったらしいが、果たして何をしたらそうなるのか教えて欲しい······

 

 

黒歌「一応綺麗にはしてある······というか、束が作ったロボットが勝手に掃除するんだけど」

 

まだ両手で数えられるくらいしか使われていないクレーリアさんの部屋だが、黒歌さんが言うように束さんが気まぐれで作ったロボットが勝手に掃除しているので、ロボットの定期点検以外の日は掃除する必要があまりない。

 

 

クレーリア「······ごめんね2人とも。私に付き合わせて」

 

部屋に入ると、クレーリアさんは引いていたスーツケースをベッドの横に置き、南側の窓に背を向けるようにして置かれているソファに座ると、僕達に笑顔を向けた。

 

黒歌「気にすることでもないけど······」

 

黒歌さんが部屋を見渡す。

 

 

生活に必要な家具は全て揃っているものの、普段使わない上一人で使うには些か広すぎる部屋は、妙に生活感を感じない。

 

この屋敷は一人一部屋あっても、使われていない部屋が多い。お母様の部屋は一応あるだけでほぼ何もおいてない空き部屋だし、黒歌さんは基本僕の部屋にいる。逆に、クロウさんのように誰かに管理を任せている人もいるくらいだ。あの人ふらっといなくなることあるし。

 

 

屋敷に泊まることになったものの、クレーリアさん一人にさせるのはあまりいい予感がしない。具体的に言うと、いなくなった正臣さんを探しに行きそうだ。あの人がクレーリアさんに何も言わずにいなくなるなんてまず有り得ないから、関わらせたくない何かがあったんだと思う。

 

 

ギャスパー「······クレーリアさん、探しに行こうとしてません?」

 

クレーリア「······ギャーちゃんは何でそう思うの」

 

首を傾げてクレーリアさんは僕に尋ねる。僕の思い過ごしなら別にいいんだけど。

 

ギャスパー「何となくです。クレーリアさんって、何かあったら取り敢えず行動しようとするでしょ? 正臣さんが何も言わなかったのは、クレーリアさんに動いて欲しくない何かがあるんじゃないかな、と。想像ですけど」

 

そもそも、この人は()()()()()()()()()()()()()()()()。『クリフォト』の影響で情勢が不安定な今、この人も正臣さんも、本来なら一般社会に関わらない方が身のため、なんだと思う。

 

クレーリア「凄いね。私達のことそこまで分かるんだ」

 

彼女に特に驚いた様子はない。分かっていたような会話を続ける。

 

ギャスパー「僕に初めて友達だ、って言ってくれたのは2人なんですよ。多少は分かります」

 

あれは偶然、街の教会に入り込んだ時のことだっけ?

 

 

黒歌「ねね、私は?」

 

隣に座っていた黒歌さんがサムズアップしてくる。

 

ギャスパー「黒歌さんは恋人でしょ?」

 

黒歌「ギャスパーってば!!」

 

そう言いながらも大げさに抱き着いてくるこの人は可愛い恋人。

 

クレーリア「わお、見せつけるね。まぁ私も似たようなものかな」

 

クレーリアさんは苦笑いを浮かべる。ちょっとやりすぎたらしい。でも、普段のお父様とお母様を見たら、このくらいの光景には何も言わなくなるとは思うけど、口には出さなかった。

 

 

その後、他愛ない会話をして、食事は食堂に来てするよう言って、また来る約束をして僕達はクレーリアさんの部屋を出た。

 

 

 

 

クレーリアさんがその復讐心に気付かないことを祈って。

 

 

 

ギャスパーsideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

束「ほほ~ん? 八重垣が見たのはこれかな〜? つまんないの。ウイルスもはったりだったし~」

 

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