イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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いや〜更新が遅くてすいません。大筋はほぼ決まってるのに細かいことが決まらない近頃···


水着ジャンヌ宝具2に出来た。やったぜ。




第130話 ミッドナイト・サン⑦

 

束side

 

 

 

時間がない中、束さんと勝永はラードゥンの障壁に足止めを受けている。

 

ぐぬぬ······禁手(バランス・ブレイカー)を使えばラードゥンごとき軽く吹っ飛ばせるんだけど······それだと司令室まで吹っ飛ばしちゃうんだよねー·······

 

取り敢えず、束さんを閉じ込めた立方体を殴ってぶっ壊す。1枚ならただの紙だけど、これを何枚も張られるからめんどい。

 

 

はーくんとかメリーならラードゥンだけキレーに消し飛ばせるんだろうけど、束さん撤退戦とか性にあわないんだよ。壁ぶち抜く? いやぁ、中の配線とかまでは流石に把握仕切れないよこの状況じゃ。

 

 

束「······ねぇねぇ勝永。ラードゥンだけ切り刻めたりしないの?」

 

勝永の側まで退って、こっそり聞く。いけるよね? だって普通の人間の時でも剣振るだけで肉眼で辛うじて見えるだけのどっかの城の天守閣の鯱斬ったとか聞いたし。

 

勝永「障壁が薄ければいけますよ。ただ、あの障壁は空間を捻じ曲げているせいで普通に攻撃しても反れるだけ」

 

と、ラードゥンが私を押し潰そうと障壁を飛ばしてきたので、ぶん殴って壊しながらもう少し退る。うん、一枚なら力ちょっと込めればなんとでもなるね。

 

勝永「束、その後突っ込みなさい。貴女のスピードとパワーでもラードゥンの障壁を破壊するくらいわけないでしょう。障壁を破ったらその勢いを利用してラードゥンを殴りなさい」

 

わーお。まさかの正面突破。作戦ですらないよね。まぁコイツが足止めに徹してるからめんどいんであって、普通にやれば軽く圧倒出来る程度だけど。

 

束「んー分かった」

 

足だけ禁手化(バランス・ブレイク)ー。膝下に純白の脚甲が装着。束さんのスピードが一気に上昇。正確には脚甲のバーニアのお陰で、更なる急加速が出来るようになる。

手の方はいいや。パンチしても多分痛くないだろーし。束さんに痛いと思わせたいなら、チタンとオリハルコンの合金の100倍は硬い物質持ってきてね。

 

 

束「じゃ、行くよー」

 

バーニアを吹かして、微調整可能な限界まで加速する。そのまま、ラードゥンの障壁に突っ込む。ラードゥンは四重だった目の前の障壁を更に10枚重ねたけど、無駄無駄。束さんのパンチがラードゥンの障壁全てを軽く突き破り、そのままラードゥンの腹にめり込む。

 

 

······電子機器への戦闘の影響とか心配して損したじゃん。

 

勝永「左へ避けなさい、束」

 

勝永に言われて、手を引っ込めて慌てて左へ避けると、ラードゥンが一瞬で縦に3枚に卸された。右目真っ二つじゃん。うわーグロー。

あ、返り血で服汚したくない。結界張んなきゃ。

 

ラードゥンの死体を結界で覆い返り血が飛び散らないようにすると、勝永が束さんに言う。

 

勝永「私はラードゥンを粉々に切り刻んでから行きます。束は先に司令室を占拠しなさい」

 

束「りょーかいりょーかい」

 

ラードゥンを覆った結界を飛び越えて司令室のドアを開ける。こっちを監視する目がないのを確認してドアを閉めて結界を三重に張り、誰も入れないようにする。

 

 

と、束さんが張った結界をすり抜けて勝永が入って来る。早っ。束さんが張った結界ごとなんちゃらってドラゴンを切り刻んだんだろうな〜。

 

 

それはいいとして、えーっと、シフラちゃんのインカムのチャンネルはーっと。あ、向こうから先にかかってきた。パソに『さうんどおんりー』と表示が入る。

 

シフラ『······束、聞こえる?』

 

束「うん、聞こえるよ〜」

 

 

 

束sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シフラside

 

 

 

ヴァーリと別れた私とジンは、目の前へと迫ろうとする司令室へ急ぐ。残りは3分。束が、私達にセキュリティが働かないようにした細工は後3分しかもたない。

 

駆ける私とジン。しかし、最後の角で足が止まる。

 

 

人の気配────

 

 

ジン「シフラ、僕が引き付ける。先に行け」

ジンが亜空間から魔剣を抜く。彼にとっては使い慣れた魔剣グラム。限界までオーラを抑えているはずなのに肌にチクチク刺さるような剣気を放つそれは味方が揮う時、とかく頼もしい。

 

シフラ「······了解」

 

ジンに倣うように、亜空間から剣を摂る。私が持つのは無銘の聖剣。聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)があると言えど、創造系神器によるものは、ほとんどの例外なく本物に劣る。結局頼れるものは本物だ。

 

ジン「良し······行くぞ」

 

ジンが先ず飛び出す。そして、角から司令室に繋がる狭い通路の中ほどに陣取るやつにジンが斬り掛かる瞬間に気配を消したまま私も飛び出す。

 

ジン「久しぶりじゃないか!! フリード!!」

 

フリード「おぉう、愛しのジークフリートのアニキじゃんか!!」

 

壁を走りながらジンとフリード・セルゼンの上を飛び越えて司令室に突っ込んだ。

 

 

シフラ「······誰もいない?」

 

司令室には、下っ端一人構えていなかった。ドアの陰に気配を潜めて隠れてるとかそういうのもない。拍子抜けしそうになったが、敵地で気を弛めるのはいけない。なにせ、私とジンがクロウに拾われたのも元を正せば敵地で気を抜いたからだ。

視線を感じないから、もう一つの司令室に映像を送る監視カメラもないと見ていい。

 

とにかく、ここのシステムを破壊する。結界を三重に張って誰も入って来ないようにして、予め束に渡されていたメモリーカードを取り出す。因みに512PBとかいうバケモノみたいな容量の束お手製品である。

これを貰ってペタという単位を初めて聞いたわ。こんなバカみたいな容量何に使うの。尚、1PB=1024TB。

 

まぁこんなん普段から思いつきで作ってる頭ブラックボックスな束の趣味は深く考えてもしょうがない。八幡がやりすぎそうになったら止めるんだし。

 

 

インカムを耳に付けて、束との連絡を。

 

シフラ「······束、聞こえる?」

 

束『うん、聞こえるよー』

 

向こうも、司令室の占拠に成功したみたい。

 

束『じゃあ今から束さんが言う通りにやってね』

 

シフラ「わかった」

 

 

束の言う通りに、入口のすぐ近くにあるタイルを剥がす。そこにはパスワード式の電子キーと、メモリーカードの差し込み口が。前情報じゃ分からなかったのに、クラッキングでもう突き止めたのかしら。相変わらず仕事が早い。これで、プライベートでふざけなければ、とっくに結婚してただろうに······

 

 

束『シフラちゃんあんま変なこと考えてると、今度暇つぶしに作ったパワードスーツのテスターやらせるからねー?』

 

シフラ「考えてないわよ!」

 

差し込み口にウイルス満載のメモリーカードを差し込み、パスワードを解除する。32桁が3回とかめんどくさ······

 

シフラ「出来たわ」

 

束『後は、そっちのコンソールとこっちのコンソールを同時操作でシステムを木馬式ウイルスが乗っとるよ』

 

束の指示通りにコンソールを操作······ここまでくるとエラい簡単ね。流石天災様。逆に怖くなってくるわ。

 

セキュリティの完全掌握、電気系統の完全掌握、捕虜の拘束具のロック解除、根幹システムの強制書き換え······あと捕虜のデータ、拷問・実験のデータ、資源の裏取り引きルート、クリフォトのスポンサーの一覧等々、確保完了。

 

ん······? ディオドラとフェリアだけ4階に移されてる?

 

 

シフラ「これでいいの?」

 

束『うん。これでOKだよ』

一息吐きそうになって、慌てて意識を改める。油断はダメ。

 

束『後は、美猴達が捕虜を保護してはーくん達が勝てば完全勝利だよ。ただ······』

 

束にしては珍しく、歯切れが悪い。私が問い返すと、打って変わって低い声で束は続けた。

 

 

シフラ「ただ······何よ?」

 

束『正念場はまだ終わらないっぽいんだよね』

 

 

束が見つめる画面には······

 

 

束『《被験体E-0001(レイワン)E-0002(レイツー)における後天的超越者創造実験の追記事項》······だってさ』

 

 

 

シフラsideout

 

 

 

 




ハイ。今年で今作を終わらせることがほぼ不可能になりました。シャルルヤです······
なんという、情けなさ。腹を切ってお詫びしたいほどです。まぁ切ったら続き書けなくなるんですけど()



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