イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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ふと、こういう話を書きたくなる。




第24話 墓参り

 

 

イッセー「······すっげぇぇぇぇっ!!」

 

······オカ研は今グレモリー邸に訪れていた。俺はサーゼクス(あのバカ)にしょっちゅう仕事を押し付けられるので、実のところ月1で来ていて流石に見飽きている。

因みに、この邸宅には俺とクルル専用の客間があったりする。使っていいと言ってくれた夫人には本当に感謝しかない。昔は、あの人が親代わりになってくれてた時期があった。一瞬だったが。

 

八幡「うるさいぞイッセー」

 

イッセー「いや何で驚かないんだよ」

 

八幡「もう見飽きてるんだよ」

 

ガキの頃から入り浸ってたからな、ここには。

 

初めて見る兵藤には驚きなのかもしれないが。

 

ゼノヴィア「ここがリアス部長の御実家か······」

 

そこで、現メイド長でもあるグレイフィアが出て来る。

 

リアス「グレイフィア、ただいま」

 

グレイフィア「お帰りなさいませ。リアスお嬢様、眷属の皆様。ようこそいらっしゃいました。八幡様、クルル様」

 

イッセー「あ、グレイフィアさん」

 

グレイフィア「どうぞこちらに」

 

グレイフィアに促され、一同中に入る。

 

『お帰りなさいませお嬢様。いらっしゃいませ八幡様、クルル様』

 

これである。ぶっちゃけ、リアス・グレモリーよりここに来ている。基本顔出して、グレモリー卿と少し喋って終わりとかだが。

 

イッセー「うはぁ······場違い感が凄い」

 

アーシア「こんな所に来ていいんでしょうか······」

 

八幡「とりあえず堂々としとけ」

 

イッセー「あ、ああ」

 

と、元気な声が向こうの角から聞こえてくる。

 

「リアス姉様〜!! お帰りなさ~い!!」

 

前方からサーゼクスとグレイフィアの息子────ミリキャスが走って来てリアス・グレモリーに抱きつく。元気でいいことだ。

 

リアス「ただいまミリキャス。少し見ない間に大きくなっちゃって」

 

ミリキャス「ああっ。お久しぶりです!! 八幡様!! クルル様!!」

 

目が爛々と輝いてるよ。果たしてミリキャスと同じ年の時こんなに輝いた目をしていただろうか。

 

八幡「よぉミリキャス。久しぶりっつっても1ヶ月前にあったけどな」

 

クルル「久しぶりねミリキャス」

 

にしても、何故サーゼクスの子供がこんなにサーゼクスと掛け離れているのだろうか。昔のあいつは、悪い意味でわんぱくだった記憶しかない。セラ然り。

しっかり者グレイフィアの教育の賜物だろうな。

 

リアス「知り合いだったの?」

 

八幡「サーゼクスがな······」

 

リアス「あぁ、そういうことね」

 

リアス・グレモリーにとっても別に驚くことではないらしい。

 

イッセー「部長、この子は?」

 

リアス「お兄様の子よ。名前はミリキャス。ミリキャス、こっちは私の新たな眷属よ。御挨拶」

 

ミリキャス「ミリキャス・グレモリーです!! 初めまして」

 

アーシア「可愛いです〜」

 

ゼノヴィア「正真正銘のプリンスというわけか」

 

今の魔王は世襲制じゃないし、今んところの次期当主がリアス・グレモリーだから、ミリキャスはかなり自由が出来るな。と言っても、根が真面目だからしっかり家を立てると思うが。

 

イッセー「······あれ? サーゼクス様の奥さんって誰だ?」

 

グレイフィア「皆様、こちらへ」

 

 

 

ミリキャス「リアス姉様がお帰りになられました!!」

 

グレモリー卿の私室に走っていくミリキャス。走っても危ないだけだぞ。それに続いて俺達も入る。

 

ヴェネラナ「······全く、何ですか? ミリキャス。お行儀の悪い」

 

ミリキャスは夫人に抱きついている。ミリキャスは夫人に抱きつくと安心するきらいがある。まぁ父親は中々帰って来ないし母親も仕事で家を開ける日があるしで、おばあちゃん子になるのも無理はないか。

 

八幡「おい、おい、イッセー、夫人に色目使ってどうする」

 

と、横を見ると、兵藤がポケーっとしていた。大方、あの人に見惚れてたんだろうな。見た目凄い若そうだが、ミリキャスの祖母である。初見ならミリキャスの姉と言われても信じるだろう。そんくらいには若い。だが、祖母である。

そして、俺とクルルは絶対と言っていいほどこの人に頭が上がらない。

 

イッセー「夫人? じゃあ、あの人がサーゼクス様の奥さん?」

 

八幡「いや? グレモリー卿の奥さん、簡単に言えばサーゼクスとリアス・グレモリーのお母さんだ」

 

イッセー「えぇ!?」

 

朱乃「ご無沙汰してます。ヴェネラナ様」

 

ヴェネラナ「お元気そうで何よりです。新しい方々も初めまして」

 

この人には、ミリキャス同様一ヶ月ぶりだ。サーゼクスには色々被害を被ってるが、この人から受けた恩は本当に計り知れない。昔、両親と妹を殺された時も、この人が匿ってくれた上に援助もしてくれたし。

 

ヴェネラナ「八幡君もクルルちゃんもギャスパー君もお久しぶりです」

 

微笑みを浮かべるこの人相手に頭が上がらない。しかも、またこの人のお世話になってしまっていたし、いつになったら恩返し出来ることやら。

 

八幡「お久しぶりです」

 

クルル「その節はギャスパーを······」

 

ギャスパー「······あ、あの、以前はありがとうございました」

 

ヴェネラナ「好きでやったことです。畏まらなくてもいいんですよ」

 

以前、ギャスパーをグレモリー家に預けた時、ギャスパーが封印処理にされてから、ギャスパーの面倒を見てくれていたのはこの人だったらしい。面会禁止にされていた俺達に代わって、ギャスパーの話し相手にもなってくれていたというし、本当にお世話になりっぱなしだ。

 

 

ヴェネラナ「リアスの母、ヴェネラナ・グレモリーです。この度は主人がご迷惑をお掛けしました」

 

この度ってのは、リアス・グレモリーの婚約騒動のことだろうな。グレモリー卿も、酒に弱いのさえ自覚してくれればいいだけなのに、何故······

 

ミリキャス「八幡様、それ······」

 

と、俺の手元を見て、ミリキャスが俺の持っている紙袋を指差す。

 

八幡「ああ。これから行こうと思ってな」

 

ヴェネラナ「あらいけませんね。ミリキャス、おじい様を呼んでいらっしゃい」

 

ミリキャス「分かりました」

 

ミリキャスはすぐさま走って出て行ってしまった。また怒られるな。

 

リアス「······?」

 

八幡「夫人、そこまでしなくとも······」

 

ヴェネラナ「いいのですよ。リアス、夕食までしばし時間があります。皆様を案内しなさい」

 

リアス「·······分かりました」

 

リアス・グレモリーとギャスパー以外の眷属は疑問を浮かべつつも部屋を出て行った。

 

八幡、クルル「「ありがとうございます、夫人」」

 

ギャスパー「あそこ(・・・)ですか?」

 

八幡「ああ。今セラフォルーも向かってるって連絡がきた」

 

セラフォルーにまで来させてしまうのは申し訳ないな······というか、あいつに連絡したっけ? まぁ俺が気付かないタイミングでクルルが連絡したんだろ。

 

ジオティクス「······では行こうか八幡君」

 

ミリキャスがグレモリー卿とサーゼクスを連れて戻って来た。サーゼクス、今戻って来てたのか。

 

八幡「すいませんグレモリー卿。忙しいのに態々·····」

 

ジオティクス「昔のようにジオさんと呼びなさい」

 

クルル「ヴェネラナさんと全く同じことを言ってる········」

 

サーゼクス「では行こうか。夕食に遅れてもいけないだろう。セラフォルーも向かっているようだし」

 

八幡「悪いなサーゼクス。態々」

 

サーゼクス「気にしないで欲しいよ。あの人達(・・・・)には私もお世話になったからね」

 

八幡「······そうか」

 

俺達はグレモリー邸を出て、ある所に向かった。

 

 

 

 

 

イッセー「部長、八幡達はどこに行ったんですかね?」

 

リアス「さあ······それにしてもギャスパーとミリキャスまで行くというのは······いったいどこに行ったのかしら」

 

 

 

 

 

 

 

そこはグレモリー家の近くにある丘の麓。俺達はそこに来ていた。

 

 

セラフォルー「······あ、ハチ君」

 

俺達が向かうと先にセラフォルーが来ていた。あのふざけた服でもない。

 

八幡「悪いなセラフォルー、来てもらって」

 

セラフォルー「何を今更。グレモリー卿、夫人、お久しぶりです。こんにちはミリキャスちゃん」

 

ミリキャス「お久しぶりですセラフォルー様」

 

ジオティクス「さて。全員集まったことだし、行こうか」

 

八幡「ミリキャスもありがとな」

 

ミリキャス「八幡様にもクルル様にもお世話になっているので当然です!!」

 

八幡「······そうか。ありがとな」

 

クルル「ありがとうミリキャス」

 

 

 

 

俺達は小高い丘の頂上に来ていた。周辺を一望出来る程度には小高い。ここは昔、俺、クルル、小町、サーゼクス、セラフォルーの遊び場にもなっていた。

そこには一つの石碑が立っていた。

 

八幡「······よう親父、お袋、小町。また来たぞ」

 

クルル「久しぶりだね皆·······」

 

ギャスパー「お、お久しぶりです」

 

その石碑には1文だけ字が彫られている。

 

 

『比企谷家之墓』

 

 

これは、親父、お袋、小町の墓である。ジオさんにはうちの領が出来た時に、俺の領に移動させるか?とも聞かれたが、親父とお袋この景色が好きだったらしく、ここに墓が残っていた。結果、管理をジオさんとヴェネラナさんに任せてしまっているのは申し訳ない。

因みに、セラフォルーと会った所は今はなき、昔俺とクルルが家族と住んでいた家があった所だ。今はもうない小さい一軒家。でも温かかく、懐かしい場所。ここにいる者の秘密の場所でもある。ここにいない俺の眷属では、クルル抜いたら3人しか知らない。まぁ他人の家の墓にそこまで興味をもつ必要もないからそれは別にいい。

 

あと、この付近は人払いの結界抜きでもあまり人が来ない所になっていた。

 

ジオティクス「久しぶりだな時宗······」

 

ヴェネラナ「リーラさん、お久しぶりですね······」

 

ジオさんは親父に仕事をよく手伝っていてもらったらしい。ヴェネラナさんはお袋とよく料理を交換していたとか。ルシフェルだなんだ言われてても、お袋もその辺は普通だったんだと思う。

 

サーゼクス「お久しぶりです。おじさん、おばさん」

 

セラフォルー「おじ様、おば様、お久しぶりです」

 

サーゼクスとセラフォルーはよく家に遊びに来ていた。一緒に風呂に入ったり、お泊まり会だとかしょっちゅうやった。

懐かしいな。あの頃は、大人の汚い話とかも考えずにそこら中駆け回っていた。

 

ここにミリキャスがいるのは、1年くらい前偶々ここに来た時に石碑を見付けて、ジオさんに話を聞いたかららしい。それからはミリキャスもここに来てくれている。どうやって人払いの結界をすり抜けたのかは謎だが、偶々結界の綻びにでも触れてしまったのだろう。

 

 

石碑に付いた汚れを掃除して取る。

これで暫くは、大丈夫なくらいには綺麗になっただろう。グレモリー領に来た時は出来るだけここに来て掃除するようにしているが、定期的にジオさんとヴェネラナさんとミリキャスも掃除しに来てくれているらしい。

 

 

紙袋から花束を出して供える。その後、全員で手を合わせる。親父が日本人として生きていたので、ここでは仏式に合わせてくれていた。

 

 

······皆で食卓を囲んでいた日々を思い出して、涙が溢れた。

 

 

八幡「······皆付き合ってくれてありがとな」

 

ジオティクス「気にしなくていいんだ。ここにいる皆が散々世話になったんだ。こうして来なくてはこいつらもつまらないだろう」

 

ヴェネラナ「忘れてはいけませんよ?人は死んだら人の心の中でしか生きていけませんから」

 

心の中でしか生きていけない、か。そうかもな。死んだら、誰かの記憶の中でしか生き続けられない。

 

クルル「······はい」

 

サーゼクス「ここは景色がいいし、風も気持ちいい。こう言ってはなんだけど、気分転換にも丁度いいんだ」

 

セラフォルー「昔を思い出せるしね」

 

ミリキャス「僕も······ここは気持ちいいんです」

 

八幡「そうか······それだけでもここに残してるには、十分な理由だよ」

 

クルル「皆ありがとう」

 

俺とクルルは頭を下げた。

 

本当なら、この人達には管理する義務なんてないし、どちらかと言えば墓なんか撤去して公園でも作った方がいい。その方が人が来る。

 

ジオティクス「全く······このくだりも何度やったことか」

 

ヴェネラナ「悪いことではありませんよ」

 

八幡「ハハ······ありがとうございます」

 

ジオティクス「そろそろ戻ろうか」

 

セラフォルー「あ、じゃあ私はここで」

 

こいつ、本当に仕事の合間だったんだな。基本巫山戯てはいるが、外交担当のセラはサーゼクス達とは違う種類の仕事が山のように舞い込んで来ている筈だ。

 

八幡「ありがとな来てくれて」

 

1度だけ、もう来なくてもいいんだぞ。と、全員に行ったことがあるが、即刻何度でも来るよと言い返されている。

 

セラフォルー「いいって。ハチ君は頑固ねー······では、失礼します。またね」

 

八幡「シトリー卿によろしく伝えてくれ」

 

セラフォルー「うん。じゃあね~!!」

 

そうしてセラフォルーは帰って行った。

 

ジオティクス「······私達も、戻ろうか」

 

ヴェネラナ「そうですね」

 

そうして、俺達もグレモリー邸に戻った。

 

 

 

 

 

 

夕食を取り終え、今は家族3人で俺達用に用意されている客間のベッドの中にいる。ギャスパーを真ん中にして、川の字になっている。尚、この部屋は俺がギャスパーをサーゼクスに預けた時に使われた部屋であり、昔一瞬だけだがこの部屋で住人として過ごしたこともある。

 

八幡「······ギャスパー、明日から修行だぞ」

 

ギャスパー「修行ですか?」

 

クルル「この機会に、全員一度自分を見直してみようって話になってね」

 

ギャスパー「そうですか······でも、お父様とお母様がいるなら大丈夫です」

 

八幡「そうか?」

 

クルル「そう······ね!!」

 

ギャスパー「そうです!!」

 

親父、お袋、小町。俺は家族を持ったよ。血は繋がってないけど子どももできた。俺は大丈夫だ。だから、あの俺達だけの場所で、安心して見守っててくれ。

 

 

 





比企谷.L.時宗
八幡の父。

比企谷.L.リーラ
八幡の母。

比企谷.L.小町
原作通り、八幡の妹。


ルシファー(L)は元々リーラのファミリーネームだったが、時宗とリーラが結婚する際に一家のミドルネームにすることを決めた。という設定です。

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