イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~ 作:シャルルヤ·ハプティズム
今回は八幡は出ません。多分飛ばしちゃっても問題ない話。
イッセーside
クルルさんの衝撃的カミングアウトから6日後。俺達は明日に行われる会長とのレーティングゲームに備えて先生の部屋でミーティングをしていた。
アザゼル「······イッセー。
イッセー「えっと······なれるようにはなったんですけど、条件がありまして」
なりたての
一つは、変身までに時間が掛かること。今の俺だと、だいたい2分ってところだ。2つ目は、一日一度しか使えず、変身を解除しても神器の効力が殆ど失われていることだ。
俺はその条件を話した。
アザゼル「ふむ······データの通りだ。歴代もほぼ同じだ。鎧を解除しても使える奴はいたようだがな。問題は変身までに要する2分だ。時間を短縮することは出来るには出来るが時間がない。
お前にとって、この2分は死活問題だ。2分ありゃお前を倒せる奴なんて、それこそ幾らでもいるからな。その2分をどうやり過ごすか考えておけ。多分逃げの一手になるだろうが。お前そのものが、お前の一番の弱点だからな」
変身に必要な2分をどうするか······か。アスカロンもゼノヴィアに渡してるから攻撃は避けて逃げるしかないのか。
アザゼル「普通の『倍加』と『譲渡』も使い方に幅があるからな······だが、禁手も必須。一長一短か。禁手はどれくらい保てる?」
イッセー「フルで30分くらいです。力を使うならもっと早く減ります」
アザゼル「初めてでそれならまずまずだが、30分じゃ完全にアウトだ。しかも力の使用込みになると少なすぎる。長丁場のゲームなら論外だ」
アザゼル先生は、はっきり断言する。
······まだまだ修行不足ってことか。いくら
アザゼル「リアス、向こうはこちらの情報をある程度持っているんだろう?」
リアス「ええ、だいたいは把握されてるわ。全員の主力武器は認識していると思うわ。フェニックス家との一戦も一部には公開されているし、ギャスパーの神器や小猫の素性もほぼ割れている」
向こうにはほぼほぼ知られちゃってるんですね······秘密兵器みたいのがあればいいんだけどな·······
でも、そういうのって、何度も通じないのがお約束というかなんというか······
アザゼル「逆に、お前はどれくらい把握してる?」
リアス「ソーナ、副会長である『女王』、他数名の能力は。ただ、一部判明していない者もいるわね。それに、向こうだって夏休みを使って修行している。未知の手を使われる可能性もある」
アザゼル「情報面ならこっちが不利だな。ま、そんなんゲームでも戦闘でもよくあることだ。警戒を怠るなとしか、俺には言えん」
先生の話ってホント分かりやすいな。話がどんどん進んでいく。あ、相手もこっちと同じ8人か。
アザゼル「レーティングゲームはプレイヤー毎に細かなタイプをつけて分けている。パワー、テクニック、ウィザード、サポート」
先生がホワイトボードに十字線を引いて、上下左右に各タイプ名を書いて、グラフを書く。
アザゼル「リアスと朱乃は魔力全般に秀でたウィザードタイプ。
木場はスピードや技で戦うテクニックタイプ。
アーシアとギャスパーはサポートに特化してる。ギャスパーはテクニックタイプに近く、アーシアはウィザードタイプに近いな。
ゼノヴィアは一撃必殺を狙うスピードに秀でたパワータイプ。
小猫は純粋なパワータイプ。
イッセーはギフトの力で一応のサポートも出来るパワータイプだ」
なるほど。俺はサポートも出来るパワータイプか。こうして見ると、俺達はパワー寄りではあるけど、結構バランスがいい感じに纏まってるな。
アザゼル「パワータイプのイッセー、小猫、ゼノヴィアが一番注意する必要があるのがカウンターだ。パワータイプからしたら相当厄介になる。神器にもカウンター系があるが、パワータイプはカウンターたった一発で形勢をひっくり返してくることもある。自分が強いほどそれに比例してダメージも尋常じゃなくなるからな」
確かに、攻撃を返されたら怖い。俺の禁手とか、そのままカウンターされたら下手すりゃ仲間を巻き込むぞ。
ゼノヴィア「カウンターか。ならば力で押し切ってみせよう」
おおぅ······ゼノヴィアが勇ましいことを言う。でも、それ危険すぎないか?
アザゼル「それで何とかなる場合もあるが、よっぽど実力に差がない限りは通用しない方が多い。何事も相性だ。パワータイプがテクニックタイプと戦うリスクを頭に入れとけ」
その言葉にゼノヴィアは言い返せなくなった。教会の戦士として、戦闘経験が豊富だと、尚思い当たることがあるのだろう。
アザゼル「例えば、イッセー、お前、禁手使って木場に勝てるか?」
イッセー「······正直無理ですね。スピードに翻弄されると思います」
禁手に至ったのは木場のが1ヶ月以上早い。俺との元々の戦闘経験の差もある。そもそも、俺には木場みたいにテクニカルな戦いが出来ないから、直線距離のスピードで勝てても、無駄に消耗して一気にボコされそうだ。
アザゼル「そう。それが戦いの相性ってもんだ。今回はカウンター使いの対策もしていかないとな。それ以前に、イッセーは禁手化する前に撃破される可能性が高い。赤龍帝の禁手はもう広く知られちまってるしな」
イッセー「はい······」
禁手化までの時間稼ぎと合わせて、カウンター対策を考えないとな·······うぅん。戦いって、俺の考える以上に難しいな。
アザゼル「お前達が勝つという見込みのが多いが、『絶対』なんてもんはない。駒の価値だって『絶対』じゃない」
先生はペンを仕舞いながら続ける。この人の言葉は、不思議と心に響くんだ。
アザゼル「長く生きてきたから言える。勝てる見込みが一割以下でも、生き残ってきた奴がいること。たった1%を、たかがと舐めるな。絶対に勝てるなんて夢想だ。だが、絶対に勝ちたいと思え。それこそが、お前達を勝利に導いてくれるだろうよ」
それが先生のアドバイスだった。その後、俺達はクルルさんと何やら話に行った先生を除いて、決戦当日まで戦術話し合った。
イッセーsideout
アザゼルside
ミーティングを終えた俺は、クルルに尋ねた。
アザゼル「······八幡はヴァルハラに行った、と言ったな」
クルル「ええそうね。それが?」
何か問題でもあるの? と言うかのように聞き返してきやがる。何故八幡はオーディンに会いに行った? イッセー達はソーナ・シトリーとのレーティングゲームに備えてるから大して気に止めなかったようだが、俺はそうもいかない。
アザゼル「何が、それが? だ。俺は何故、八幡がオーディンの爺に会いに行ったかを聞いている」
クルル「そのことね。安心しなさい。あの子達のレーティングゲームが終わったら話すわ。八幡も明日帰ってくると連絡があったし」
アザゼル「ああそうかよ」
今は、話す気は微塵もありませんってか。
クルル「そうね」
クルルはそう言うと、行ってしまった。
結局、八幡が明日帰ってくるということ以外ははぐらかされてしまった。
そして、俺はサーゼクス、セラフォルーと共に、八幡と一緒に来日したオーディンに驚かされることになる。
アザゼルsideout