イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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9/25 スコルとハティがギャスパーの眷属となっていましたが、正しくは使い魔です。申し訳ございません。





第73話 元凶は酒

 

 

 

ヴァーリside

 

 

 

ヴァーリ「······では頼んだぞフェンリル」

 

俺が言うとフェンリルは首を縦に振り、目の前にいるスコルとハティに向き直る。

 

 

今日は使い魔の修行になっている。フェンリルは俺の使い魔としてチームのメンバーに加え、調査の時はいつも同行している。

 

スコルとハティはギャスパーの使い魔だ。フェンリルに比べたら、当然劣るが、それでも神殺しの力は強大だ。それをただ置いておくてはない。

 

又、父さんはいないが、父さんの使い魔である猫又のカマクラとウンディーネのディネは黒歌から指導を受けている。

 

唯一、母さんの使い魔であるアルカーヌは母さんの肩に止まって、その光景を見ているだけだが······アルカーヌの種族の分類を知らない俺には、翼をバタバタ広げて飛ぶ様子は若干不気味だ。何という種族なのかは父さんどころか母さんまでも知らないようだが······

 

ギャスパー「スコル、ハティ、頑張ってね」

 

ギャスパーが言うと、2匹の狼は振り向かずに頷く。

 

そして2匹はフェンリルに襲い掛かった。

 

 

 

······それにしても、ライザー・フェニックスのアフターケアは済んでいるというのに、何故今頃になって父さんはフェニックス家に行ったのだろうか。

 

 

 

ヴァーリsideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡side

 

 

 

八幡「······はぁ。あのですねフェニックス卿。その話はお断りした筈ですが。それとも、またライザーの時のようなことをするつもりですか?」

 

ある日。俺はフェニックス家の本家に来ていた。

 

 

俺の目の前に座るフェニックス家現当主、イオズ・フェニックス。そして隣りには長女レイヴェル・フェニックス。

 

イオズ「······その節は世話になった。その後もライザーが世話になったね」

 

八幡「ならそこで終わりに出来ませんかね。俺は純血じゃない······どころか、ルシフェルという元天使長の血を引いている。お袋は、半年前まで悪魔という種族の最大の敵と言ってもいい女でした。この辺で諦めた方がレイヴェルの為でもあるでしょう」

 

ルシフェル《······八幡その言い方はなくない!?》

 

俺が何故ここにいるか······それは約半年前まで遡る。

 

 

半年前。ライザー・フェニックスとリアス・グレモリーの非公式のレーティングゲームを、巻き込まれる形で俺達が終わらした数日後。

 

ライザーのアフターケアをしていた俺に、一つの話が舞い込んできた。

 

それは······何故かはさっぱり分からなかったんだが、俺とレイヴェル・フェニックスの見合い話だった。巻き込まれた直後なので、これには本気でカチンときた。多分、グレモリー卿が『また(・・)』何かやらかしたんだと思い、問い詰めた所あっさり吐いた。その後、グレモリー卿は夫人によって折檻を受けた(地獄を見せられた)

使用人はその後数日間、何処にもグレモリー卿を見なかったらしい。

 

その後、ライザーのアフターケアのついでで、その話が反省しないグレモリー卿の暴走だと伝えて、俺にはその意がないことを長々と説明した。

 

てっきり、俺はそれで終わったと思っていたが、和平会談の少し前に、ライザーからフェニックス卿がまだ諦めていない、という話を聞いた。

 

その後、レイヴェルと結婚する意がないことを毎度毎度説明しているのだが、何故か諦めないフェニックス卿によって、何度も呼ばれており、今日も来ているのだ······

 

ライザーにも、フェニックス卿に諦めるように言ってもらったのだが、フェニックス卿に諦める気がなくてライザーが早々に匙を投げたため、自分で何度も断りに来ている。

 

 

 

ルシフェル《······レイヴェルちゃんが貴方に惚れてるだけじゃないの?》

 

だとしたらフェニックス卿が諦め悪すぎだろ······72柱の現当主は皆こんななのか? 分からん。最近は、グレモリー家、シトリー家、フェニックス家の次に会う純血悪魔が若手を除けば、ゼクラム・バアルの俺にはさっぱり分からん······

 

子供の恋路を成功させてやりたいというのは分かるが、それにしてもな。

 

 

イオズ「······君の母親がルシフェルだということは承知の上だ。君が公表してからも呼んでいるからね」

 

だったら、フェニックス卿がいい加減諦めさせろや······と出かかったのを飲み込んで言う。

 

八幡「それは分かりました······ただし、俺にこの話を受けるつもりはありません。ライザーからも聞いている筈ですよね?

そもそも、俺はレイヴェルの意見すら聞いていません。貴方が出張るのはそろそろご遠慮願いたいですね」

 

レイヴェルを横目で見た後に、視線をフェニックス卿に戻して言う。

 

イオズ「······レイヴェル」

 

フェニックス卿がレイヴェルを見ながら促す。

 

レイヴェル「わ、私は······構いません」

 

心做しか表情が暗い······大方、フェニックス卿が俺に迷惑を掛けていると思っているのだろう。そうなると、俺が云々は、レイヴェルの勘違いだと思われる。

 

それに、ライザーの婚約が破談したばかりだったから、兄のフォローをしようとしたのだろう。それは恋心と言うよりは家のためだ。恋愛結婚が出来るなら、その方がいい。

 

八幡「······だったらやめた方がいいでしょう」

 

イオズ「な、何故だ!?」

 

フェニックス卿が驚きながら言ってくる。

 

八幡「まぁ理由は、まず第一に、俺とクルルが望んでいないこと。レイヴェルがまだ若いこと。レイヴェルが本心で言っているわけではないこと。

······そしてもう一つ。俺は『禍の団(カオス・ブリゲード)』との戦いで最前線に立っています。フェニックス卿、貴方は娘を戦争の最前線に立っている男と結婚させたいと思いますか? 俺なら思いませんね。何よりレイヴェルが危険すぎる。うちの子なら兎も角、レイヴェルには危険が迫った時に払い除ける、最悪でも逃げるだけの力がある訳でも無い。俺は逃げる力すらない奴の命まで守れる保証は出来ませんよ?

分かったら、家督とか抜きでレイヴェルともう一度しっかり話し合って下さい。今日は失礼します」

 

そこまで言い切って、俺はフェニックス邸を後にした。

 

 

うちは、ディオドラの眷属も含めて最悪でも逃げるだけの力はもっている。だが、それはうちではの話であり、レイヴェルはそんな力は到底もっていない。まぁそれは傍から見れば、俺達の力が大きすぎるという話であり、実際に巻き込まれた場合はそれが普通なのだが、子供が巻き込まれずに済むならばその方がいい。クルルとも話し合って決めたことだ。

 

 

ルシフェル《······悪魔は一夫多妻制でしょ? 悪い話じゃなかったんじゃないの?》

 

いや、考えなしに受けると、テロに巻き込まれるからな。俺には近付かない方がいいだろ。

 

それに年齢差考えろ。600歳は離れてんだぞ。

 

ルシフェル《人外の600年なんて人間換算なら4、5年もないけどねぇ······》

 

俺達は人間とは根本的に違うだろうが······

 

それにしてもお袋やけに勧めるな。何でだ?

 

ルシフェル《う~ん······貴方を見る目が、クルルが貴方を見る目と似てたから?》

 

それは色々なもんに板挟みにされた中での思い違いだ。なまじ優しいからそうなるんだろ。そもそも、俺はクルル以外と結婚する気は全くない。

 

ルシフェル《結局それ以外建前でしょ。そういうとこ時宗(ときむね)にそっくりね······時宗はかなりモテてたけど結局私以外とは付き合いもしなかったから》

 

ならそれは俺が親父に似たってだけの話だ。俺は別にモテてないし、クルル以外にモテたいとは微塵も思わないが。

 

もういいだろ。この話は終わりだ。いくらなんでも、これでフェニックス卿も諦めるだろうしな。

 

ルシフェル《だといいけどね······》

 

······なんだ、その含みのある言い方は。怖いんだが。もう(グレモリー卿とフェニックス卿が)何も(起こさ)ないと信じたい。

 

 

 

 

 

転移して人間界にある家に帰る。

 

 

今日は、使い魔達に修行をつけている筈だ。そう思っていると、

 

八幡「······? どうかしたかアルカーヌ」

 

クルルの使い魔である、蝙蝠のようだが、絶対に蝙蝠ではないアルカーヌが飛んできた。目の前で止まったので、手を出して指に止まらせる。

 

クルル「八幡、おかえりなさい。どうだった?」

 

アルカーヌを指に止まらせた直後、クルルが歩いてくる。

 

八幡「断ったに決まってるだろ。俺はクルル以外と結婚する気はない」

 

最初から一切変わっていないことを言う。

 

クルル「ありがとう八幡······」

 

クルルが抱き着いてきたので優しく受け止める。と同時に、指に止まっていたアルカーヌはクルルの肩に止まって羽を閉じた。

 

 

 

そして、どちらからともなく唇を奪った。

 

 

 

 

 

 

 

この時は、まだ知りもしなかった。

 

 

 

 

 

─────何故リゼヴィム・リヴァン・ルシファーが今になって行動を起こしたのかを。

 

 

 




使い魔説明

・フェンリル
ヴァーリの使い魔。現在はヴァーリチーム所属。八幡が『支配(ルーラー)』の力でロキの支配から解き放った。
段階的組織構造(ヒエラルキー)においては、八幡とヴァーリを主人。クロウとティアを見習わなければならない圧倒的強者。それ以外の八幡の眷属(黒歌、美猴除く)とアーサーは行動を共にするに値する者。クルルとルフェイは自分好みの食事を作ってくれる盟友。ギャスパーは自身の子供を面倒見ているため尊敬すべき友人。黒歌は、自分より下部にいる何時でもギャスパーに対して盛っている雌猫。美猴は最下層で仲間と思いたくない。


・スコル、ハティ
共にギャスパーの使い魔。現在修行中。フェンリルより神殺しの力を受け継いでいるため、自分達は八幡達の中でも上位だろうと驕っていたら、自分達は下の上だったことを知る(フェンリルが中の上の異常集団なため)。最初に見ていたヒエラルキーはもう崩れ去った。


・カマクラ
猫又。八幡の使い魔その1。元は、喋れないことと人化出来る時間が極端に少ないことを理由に家族から追い出された所を時宗に保護された。比企谷家が八幡を残して亡くなると、時宗の遺言を守り八幡の使い魔になった。ただ、どちらかと言えばクルルに懐いている(けして八幡に懐いていないという意味ではない)。探知以外の仙術を黒歌から習っている。今の目標は人化の制限時間を伸ばすこと。


・ディネ
八幡の使い魔その2。ウンディーネ。HSDDのウンディーネはバリバリの肉体派だが、体が弱く、殆ど体が成長していないため普通の女の子とパッと見変わらない。あのまま使い魔の森にいても短命であったことは間違いなく、自分を使い魔にしてくれた八幡は、自分の救世主と考えているほど。簡単な術なら出来るので、黒歌に習っている。


・アルカーヌ
クルルの使い魔。主であるクルルでさえアルカーヌの種族を知らない。実は、こちらの世界に迷い込んできた異世界の蝙蝠である。

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