イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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今回はちょっと日常回的になります。尚、本作は原作の6巻と12巻を丸々カットして、9巻と11巻を強引にくっつけたため、時系列の調整のために日常回を多めに書いてます。




第78話 愛しい人に

 

 

 

 

ギャスパーside

 

 

ギャスパー「······というわけで、暫く留守になります」

 

黒歌「······私も付いて行っていいかにゃ?」

 

ギャスパー「······え?」

 

 

吸血鬼からの特使、エルメンヒルデ・カルンスタインとの会談から一夜明けた今日。パソコンでの契約も済ませて、僕は黒歌さんに昨日のことを話した。

 

 

ギャスパー「そ、それは···僕一人だけで決められることでもないですし······黒歌さん今はお父様の眷属じゃないですか。幾ら何でも、僕一人じゃ決められないですし······」

 

ルーマニアに行き、ツェペシュ側の暴挙を止めることで吸血鬼同士の争いを止めることへの協力をすることになった。暫く······多分、2、3週間は最低でも留守にすることになる。

 

 

······それに、本音を言えば、黒歌さんに危険なことに関わらないで欲しい。吸血鬼と無関係な黒歌さんなら、途方もなく長い人外の一生でも、吸血鬼の内輪揉めに関わらなくて済む。後は僕が止めればいいだけ。

 

 

黒歌「大丈夫だって。実は、八幡とクルルからはもう許可取ってるにゃ。後はギャスパー次第」

 

行動が早い······でも怪我とかして欲しくないし······

 

黒歌「にゃは♪ 私に怪我して欲しくないって考えてるでしょ?」

 

 

返答出来ずに悩んでいると、黒歌さんが抱き着きながら言ってきた。

 

ギャスパー「え!? い、いやそれは······」

 

黒歌「······ギャスパーは私を見くびりすぎにゃ。私だって、この6年間無駄に過ごしてきたわけじゃない。前は、仙術妖術に頼りきりだったけど······今はそれ以外のことだって少しは出来るようになったんだから」

 

 

6年間。黒歌さんがお父様の眷属になってからもう6年も経った。途中3年間は自分の所為で全く会えなかった。でも、またこうして僕と一緒にいる。

 

その3年間は、黒歌さんはずっと寂しい思いをしていたと後になってお父様とお母様にこっそりと教えられた。

 

ギャスパーがいなくなって一番悲しんだのは黒歌だ、と。

 

そうだ。寂しい思いはさせちゃだめだ。僕が守らないと······

 

黒歌「今度は僕が守らないと······なんて思ってる」

 

ギャスパー「······っ!?」

 

黒歌さんにデコピンされた。何故か凄い痛い。でも、何でこうも思ったことが分かるんだろう。

 

黒歌「ギャスパーのことなら何でも分かるにゃ。だってお嫁さんだもん。───それに、私はギャスパーに守られっぱなしの弱い女じゃない。隣りに立つくらいはやってやるにゃ」

 

ギャスパー「······ごめん、黒歌さん」

 

自分の勘違いが恥ずかしい。いつだったか、2人で強くなろうなんて言ったこともあった。きっと、覚えててくれたのだろう。

 

黒歌「分かればいいの。謝る必要もないけど。ルーマニアに私もいく。ギャスパーの最初の家族にも挨拶しなきゃね」

 

僕の最初の家族······ヴァレリーのことだ。黒歌さんは僕がルーマニアにいた頃のことを全て知っている。ずっと前のことだが、全て話して、それでも受け止めてくれたのは家族以外に初だったと思う。お父様の眷属でも僕のことを全部知っている人は少ない。

 

お父様の眷属で全部知っているのは、お母様と黒歌さんを除けば、クロウさん、メリオダスさん、ティアさん、勝永さん、束さんだけだ。おそらく、それ以外の方はルーマニアにいたとかの断片的にしか知らないと思う。ある程度は察しているような気もするけど······

 

ギャスパー「······はい」

 

黒歌「分かればよし!! さ、辛気臭い話もここまでにして寝るにゃ」

 

 

 

そして、この日はそのまま眠りに就いた。黒歌さんの抱き枕にされるのはとっくに慣れているので、安心して眠ることが出来た。

 

 

 

ギャスパーsideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァーリside

 

 

ギャスパーと黒歌がもう寝ているであろう時刻。俺は自室で一人考え込んでいた。

 

 

ヴァーリ「······ルーマニア······そこにあの男がいる······」

 

昨日行われた、三竦みと吸血鬼の会談の最後に、吸血鬼の特使が言い残したという言葉。吸血鬼ではない銀髪の男性。この時期に限って、タイミングが良すぎる。間違いない······あの男はルーマニアにいるのだ。

 

ラヴィニア「······ヴァー君は一々考えすぎなのです」

 

少し離れた所でココアをちびちび飲んでいるラヴィニアは言う。

 

彼女は今日に限って何故か家に来た。泊まっていくというので、客間を用意しようとしたら、何故か俺の部屋で寝ると言った。別に、俺の部屋には特に大した物は置いてないんだが······

 

 

そう言えば、客間を用意する、と言った時に、ギャスパーと黒歌が何やら内緒話をしていたようだが······何の話だったのだろうか。いや、いくら家族とはいえ勝手に詮索するのはやめておこう。

 

 

ラヴィニア「······ヴァー君の気持ちを私が考えても想像がつかないです。でも、ずっと考えてる必要はないですよ? 今は仕方ないですけど、ヴァー君にはそれ以外のものだってあることは忘れてはいけないのです。考えすぎは毒ですよ?」

 

ラヴィニアがほっ、とココアで一息つきながら言う。マグカップを両手に持って、それを膝に乗せながらマグカップに目を落とす。

 

ヴァーリ「······それもそうだな。ありがとうラヴィニア。少し考えすぎていたかもしれない。これはルーマニアに行く時に考えることにするよ」

 

俺はコーヒーを一口飲んでから言う。因みにブラックだ。父さんが、母さんに隠れて飲んでいるあれは甘すぎる。糖尿病まっしぐらな気がしてならないが······まぁ父さんだし大丈夫だろう。それにとっくに母さんにバレているし、何かある前に母さんが何とかするだろう。

 

正直なところ、母さんの説教が俺やギャスパーに飛び火しなければいいが······以前の説教で本物の地獄を見た気分になったからな······二度と味わいたくない。

 

ラヴィニア「それぐらいが丁度いいですよ」

 

ラヴィニアが言う。

 

ヴァーリ「しかしラヴィニア、『刃狗(スラッシュ・ドッグ)』の方にいなくて大丈夫なのか? 『神の子を見張る者(グリゴリ)』でアザゼル直下の対テロチームに任命されたと聞いているが」

 

前々から疑問に感じていたことを言う。チーム『刃狗』は、父さんが『D×D』を設立したように、アザゼルからテロ対策チームに任命された。

 

ラヴィニアは以前から週に一回は来ていたが、それは変わらずだ。正直、ここに来る暇があるとはとても思えないのだが······

 

ラヴィニア「気にする必要はないのですヴァー君。トビー達やアザゼル総督にはちゃんと言ってあるのです」

 

ヴァーリ「ならいいが······」

 

トビーとは神滅具(ロンギヌス)の一つである『黒刃の狗神(ケイネス・リュカオン)』の所有者であり、『刃狗』のリーダーでもある幾瀬(いくせ)鳶雄(とびお)のことだ。生まれた時から禁手(バランス・ブレイカー)に至っていたと聞いている。

 

灰色の魔術師(グラウ・ツァオペラー)』から『神の子を見張る者』に出向しているラヴィニアは『刃狗』所属となっている。

 

ラヴィニア「さぁもう寝る時間なのです。ギャー君とクロちゃんは多分もう寝てるのです」

 

ヴァーリ「ああ、そうだな」

 

ラヴィニアが何故俺の部屋で寝る何て言うのかは分からないが······まぁ前にもあったし、誰かいる方が落ち着くのだろうか。いや、それなら同性の黒歌の方がいいと思うが······母さんは父さんと一旦冥界に戻ったからな。

 

考えても分からないので、頭の隅に追いやって、来客用の布団で寝ようと思うが、ラヴィニアに腕を掴まれる。

 

ラヴィニア「ヴァー君どこに行くのです?」

 

ヴァーリ「今日はここに布団を敷いて寝ようと思って、取りに行こうとしただけだが」

 

何か問題があるのか?

 

ラヴィニア「ベッドを使えばいいです」

 

ヴァーリ「それはラヴィニアが使ってくれ。今日干したばかりだから汚れは気にしなくていい」

 

ラヴィニア「それではダメなのです」

 

ヴァーリ「だが来客に下で寝かせるわけにもいかないだろう」

 

そこまで言うと、何故かラヴィニアは意味深な笑みを浮かべた。

 

ラヴィニア「ふふん。ならば一緒に寝ればいいのです。2人くらいなら十分寝れるサイズです」

 

ヴァーリ「それはいくら何でも失礼だろう······」

 

俺だって、それくらいは弁えているのだが······

 

ラヴィニア「問題ないのです!!」

 

ヴァーリ「む?」

 

そう言ったラヴィニアにベッドに引きずり込まれた。身長差から、彼女は俺に抱き着いている格好になる。

 

ヴァーリ「離してくれ」

 

ラヴィニア「嫌なのです。毎日会えない分、ヴァー君成分を補充させるのです」

 

ヴァーリ「何だそれは······」

 

 

 

 

結局、離してくれなかったため、この日は俺が根負けしてそのまま眠りに就くことになった。

 

 

 

因みに、朝になって目が覚めたらラヴィニアは顔を真っ赤にしていたのだが、何があったのだろうか。気にしてもしょうがない思って、聞かないことにした。

 

 

 

ヴァーリsideout

 

 





ラヴィニアがもう寝るのですと言っている時間に作者は寝れていない······

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