イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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今回から、三人称視点の導入することになりました。理由はリゼウィムの精神構造が作者にはさっぱりだったからです。基本的には、敵サイドを書く場合に使うことになりそうです。


三人称の場合は、side〇〇とします。〇〇はキャラ名。



忘れている方のために今回登場のキャラ説明。


シフラ・ダルク
原作でいうところのジャンヌ。実際にジャンヌ・ダルクの魂を受け継いでいる。元悪魔祓い(エクソシスト)。本作品では、八幡の要請により『禍の団(カオス・ブリゲード)』の英雄派に潜入していた。
現在はヴァーリチームと共にルーマニアに潜入中。


ジン
原作でいうところのジークフリート。本作品では、シグルト機関出身ではないが、ジークフリートの子孫ではある。シフラと共に『禍の団』の英雄派に潜入していた。魔剣5本はクルルから借り受けた物である。
現在はヴァーリチームと共にルーマニアに潜入中。シフラとは悪魔祓い()時代からコンビを組んでいる。




第86話 カウントダウン

 

 

 

 

sideリゼウィム・リヴァン・ルシファー

 

 

 

時は遡ること数年前。聖書に『リリン』と記載された男、リゼウィム・リヴァン・ルシファーは生というものへの渇望を枯らしていた。

 

悪魔含め、万年生きる人外には、人間のように生きる目標や情熱を保ち続けることが出来ず、半廃人のようになる者は少なくない。今で言う、『燃え尽き症候群』というものだ。

 

 

彼もまたその中の一人であり、日々をソファに体を預けてワインを煽るだけのつまらない生活に埋もれていた。

 

彼は『明けの明星』と称された悪魔ルシファーの息子であるが、同じく『明けの明星』と称された堕天使ルシフェルの息子比企谷八幡に、新しい遊び道具になりそうな孫2人は取られてしまった。

 

元々一時の遊び道具程度にしか期待していなかったので、取り返そうとはしなかったが。

 

 

 

 

 

 

 

長い自堕落生活で自殺も考えていたリゼウィムだったが、ある時彼に一人の女性が接触を図ってきた。

 

 

彼女の名は『四鎌童子(しかまどうじ)』。嘗ては熾天使(セラフ)の一角であったが、とある理由によりルシフェルに存在ごと抹殺された天使である。偶然にも死を免れた彼女は、ある場所での再起と復讐を願っていた。

 

 

 

 

彼女から齎された情報は、リゼウィムの全てに破滅を齎す思考を再び蘇らせた。

 

 

彼女からの情報に従い、リゼウィムはまずグレモリー領に向かった。ここには比企谷八幡の家族が眠る墓碑があり、水面下で誰にも悟られず行動していた四鎌童子は独自でここを突き止めていた。

 

張られていた結界に察知されないように侵入し、墓を掘り返した。死後相当な年数が経っており、遺骨はほぼ残っていなかったが、僅かに回収出来た物もあった。

 

 

リゼウィムは四鎌童子と共に、これを基にある研究を始めた。

 

『堕天魔』と称される八幡の正体の研究である。

 

 

三竦みの大戦より以前から、堕天使と悪魔のハーフは少数ながらも確認されており、光力と魔力の両方を有していたことも確認されていたため八幡が光力を揮っていたことに疑問を持つ者は殆どいなかったが、リゼウィムはここに仕掛けがあると考えた。

 

 

そして、その予想は的中した。

 

 

 

 

彼は回収した遺骨から採取した遺伝子を調べたところ、『堕天魔』は、ただの堕天使と悪魔の間に生まれたハーフではないことが分かった。

 

 

だが、リゼウィムの好奇心はここで更に増大し、八幡の実妹の比企谷小町のクローン製造に着手することになった。

 

 

試験体の内の一体は製造中突如行方不明となったが、比企谷小町のクローンの製造は成功し、その後リゼウィムはヴァンパイアに接触した。

 

己の欲求を満たすために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──そして、リゼウィム・リヴァン・ルシファー(破滅を目論む悪意)はヴァンパイアの国、ルーマニアで動き始めた。

 

 

 

sideoutリゼウィム・リヴァン・ルシファー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シフラside

 

 

 

私──ジャンヌことシフラ・ダルクは、現在ヴァーリチームと共にルーマニアに潜伏していた。

 

禍の団(カオス・ブリゲード)』の英雄派という派閥に潜入していた私は、同じく潜入していた魔剣使いのジークフリートことジンとコンビを組んでおり、今は変装して城下町で情報収集をしていた。

 

 

シフラ「······でも、びっくりするほど静かね。いくらクーデターが民衆に知られていないからって、静かすぎない?」

 

横を歩いているコンビのジンに小声で話し掛ける。先ほどから街中での人影が少なく、情報収集があまり捗っていない。

 

時刻は夜中の3時過ぎ。吸血鬼は昼間は寝てしまうため夜中に情報収集をするしかないのだが、人間である自分には些かキツい。だが何とかならないほどではないためそこまでの支障にはならない筈だ。

 

ジン「······そうだね。この時間なら吸血鬼はまだ活発に行動している筈だけど······」

 

普段は雪のように真っ白な髪を幻術で黒に染めたジンが小声で返してくる。

 

ジン「僕達だって詳しく知っているとは限らないし。身近にいると言えばギャスパーだけど、ギャスパーは吸血鬼って言えるかは甚だ怪しいし······」

 

ジンがそう言うと私達の頭に、金髪で女顔、いつも黒猫が一緒にいる少年の顔が浮かぶ。

 

······うん。ギャスパーが吸血鬼かって言われると素直に首を縦に触れないね。ギャスパーの『闇』の力は、悪魔祓い(エクソシスト)時代に見た吸血鬼が影を操る能力とは完全に別物だし、規模が桁違いだし。

 

 

 

······と、繁華街に差し掛かっていた私達の目にあるものが映り込んだ。

 

「······う~ん」

 

黒髪で、頭頂部に特徴的なアホ毛のある女の子が露店の前で座り込んで唸っていた。

 

 

シフラ「······ねえジン、あの子一人かな」

 

周りの人影は(まばら)で、親と思しき人物も見当たらない。そんな子が果たして一人でいるだろうか?

 

ジン「そうっぽいけどあの子一人かな? 親は? いくら吸血鬼だからって子供を一人にはしとかないでしょ」

 

私達がそんなことを言い合っている時も、少女は見ている私達に気付かず、目を落ち着かせずうんうん唸っていた。

 

「······えっと、お嬢さん欲しい物は決まった?」

 

露店の店主が唸っている少女に痺れを切らしたのか、問い掛けていた。

 

「え〜、もうちょっと待っておじさん。小町一つにしろってお姉さんに言われてるの」

 

どうやら、彼女の名は『コマチ』というらしい。日本っぽい名前ね。八幡とクルルに娘が産まれたらそんな名前付けそう。八幡の父方の祖先には日本人がいたらしいし。

 

お姉さん? 姉と来ているのだろうか。

 

「······小町、こんな所にいたの」

 

コマチ「あっ、お姉さん」

 

そこに、ローブを着た女性が露店の前で唸っていた少女に声を掛けた。どうやら、その女性がお姉さんらしい。フードが付いているが被ってはおらず、黒と金の珍しい髪だ。

 

「······まだ決まらないの?」

 

女性が嘆息しながら言う。言われてコマチという少女はわたわたしていたが、やがてどれが欲しいのか決めたのか、女性に、これ!!、と言って三日月を模したようなペンダントトップが付いたペンダントを渡していた。

 

 

ジン「あの人が保護者っぽいね」

 

シフラ「な〜んだ、思い過ごしか~」

 

そう言って、私達も歩き出そうとした時だった。

 

 

 

シフラ・ジン「「·········!!?」」

 

 

突如、強い殺気を感じた。汗が噴き出すのし、背中を伝った。反射的に亜空間から聖剣を取り出そうとしてジンに左手を抑えられた。

 

ジンも額から汗を垂らしており、右手で私の右肩を掴むと、一気に走り出した。

 

 

ジンに押されて走り出した私が一瞬だけチラッと殺気を感じた方向を横目で見ると、先ほどコマチという少女からお姉さんと呼ばれていた女性の双眸がこちらを睨んでいた。

 

寒気を感じ、咄嗟に前を見て全速力で走り出した。

 

 

 

──────彼女はいったい何者なの······!?

 

 

その後、私達は繁華街を通り抜けて、暫くした所にある喫茶店まで全速力で駆けていた。

 

 

 

 

 

コマチ「······? お姉さんどうかしたの?」

 

「あ、いえ。何でもないわ。それより帰りましょうか。お買い物も済んだことだし」

 

コマチ「うん!!」

 

 

 

 

 

シフラsideout

 

 

 

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