イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~ 作:シャルルヤ·ハプティズム
ギャスパーside
邪龍グレンデルをお父様に任せ、黒歌さんと共にツェペシュ城の地下祭儀場に向かっていた僕は、階段を下りた先にあった装飾が施された扉を蹴破った。
扉を蹴破った先にある巨大な空間は、儀式に使われるような像や、書物が収められているであろう棚、魔術に使われる素材などがあちこちに置かれていた。
そして、空間の中央には床に描かれた巨大な魔法陣があり、その中央に置かれた寝台に、ヴァレリーは寝かされていた。
そして、その周りには術式を操っているマリウス・ツェペシュと、マリウス・ツェペシュに協力しているのであろう吸血鬼が十数人ほどいた。
ギャスパー「ヴァレリー、今助けに────っ!!」
助けに行こうとしたが、僕達と奴らの間には障壁が存在していた。
魔法陣の中で術式を操作しているマリウス・ツェペシュが口を開く。
マリウス「おっと、下手な攻撃は控えて下さいね。術式に影響が出ればどうなるか分かりませんよ?」
ヴァレリーを助けに行こうにも、障壁に阻まれて近寄ることが出来ない。
······しかも、この障壁に使われているプロテクトコードは
だが、今そんなことを気にしている余裕はない!!
ギャスパー「ヴァレリー!! ······クソッ!!」
黒歌「ギャスパー!!」
ギャスパー「分かってま······分かってる!!」
僕と黒歌さんは急いで障壁のプロテクトコードの解除にかかる!
だが、元々『聖書の神』とルシフェル様が使っていただけあって、僕達だけでは簡単には解除出来ない······!! せめてお父様かお母様がいれば······!!
いや、お父様に任された以上、僕達で何とかするしかない!!
ヴァレリー「······ぎゃ、ギャスパー······?」
苦しそうなヴァレリーの震える声が耳に届く。
クソッ······!! こうならないためにこの国に来たのに······!!
ギャスパー「待っててヴァレリー!! 今助けるから!!」
障壁のプロテクトコードを一つ一つ解除していく。プロテクトコードの解除で、普段の限界を余裕で超えて脳を酷使させているからか、鼻血が出てきた。
お父様やお母様と違って、僕は666さんの封印の解除はそこまで関われなかった。僕が冥界にいると、オカ研の人達に怪しまれてしまうからだ。だから、僕は封印の中でも比較的簡単な物しか解除していない。
それがこんな所で裏目で出るなんて······!!
ギャスパー「グッ······!!」
僕自体は肉体の損傷ならどうとでもなるとは言え、限界を超えて脳を使い続けているせいで頭が割れそうだ······
黒歌「ッ!! ······ギャスパー!!」
ギャスパー「!! ······出来た!!」
お父様やお母様ほど早くはいかないけど、十層程に掛けられていたプロテクトコードは解除出来た!!
マリウス「······何ですって?」
ギャスパー「ヴァレリー!! 今行く!!」
僕は瞬時に障壁の術式を解除して、魔法陣に向かって駆け出す。
「そうはいくか!!」
数人の吸血鬼が僕の前に立ち塞がる。たかたがその程度で止められると思うな······!!
ギャスパー「邪魔だッ!!」
パンチ一発で立ち塞がった数人を消し飛ばす。
ギャスパー「『
『
······そして、吸血鬼達の目にも留まらぬようなスピードで、ヴァレリーをそっと抱えると、黒歌さんのいる所まで後退した。
更に、ヴァレリーに掛けられた神器摘出の術式を解除した。
······良かった。どうやら、聖杯を摘出される前に助けることが出来たらしい。後は帰るだけだ。
マリウス「······いったい何をするというのです? ギャスパー・ヴラディ。私はヴァレリーに言いましたよ? 『貴女を
ッ!! ······この男、この後に及んでまだそんなことを······!!
黒歌「······何処までもクズね」
黒歌さんもこの男の外道さに軽蔑の念を抱いている。
ヴァレリー「······ギャスパー?」
その時、僕に抱えられて、うっすら目を開けたヴァレリーが僕に尋ねる。
ギャスパー「大丈夫だよヴァレリー······今度こそ僕が守るから······一緒に日本に帰ろう」
今度こそ······家族を、僕に温もりを与えてくれた人を······
ヴァレリー「ふふっ······そうね」
ヴァレリーは先程まで神器摘出の術式を掛けられていたとは思えないほど柔らかな笑みを浮かべる。が、その顔はやはり辛そうだ。
ギャスパー「······だから、もう少し待っててね」
ヴァレリー「? ええ······ギャス、パー······」
ヴァレリーの首にそっと触れる。すると、ヴァレリーの瞼がゆっくり閉じていった。
仙術。体内の気を操り、自然の気から力を取り込む技術。その応用で、僕はヴァレリーの体内の気を操ってヴァレリーを強制的に眠らせた。
ここから先はヴァレリーは見なくていい。いや、僕は見せるつもりはない。
────僕がこれから行うのは、一方的な蹂躙で殺戮なのだから。
ギャスパーsideout
小猫side
比企谷先輩に邪魔者扱いされ、アザゼル先生に正論で説き伏せられた私達オカ研部員は、渋々比企谷先輩にグレンデルという邪龍を任せ、ギャー君と姉様が先に向かったという地下の最下層に向かっていた。
イッセー「······確かに、俺達は八幡より弱いけど、あんな言い方しなくたって······」
階段を下りている最中、イッセー先輩が不意に言う。
リアス「······そうね。確かに私達が束になっても八幡一人に適わないけれども、あんな言い方は······!! ······私達だって、八幡との実力差ぐらい理解しているわ」
ゼノヴィア「······確かに部長の言う通りだ。私達だって彼と会った時より遥かに実力を身に付けている。幾ら何でも邪魔にはならない筈だ」
リアス部長とゼノヴィア先輩が言うと、私を含め部員全員は頷いた。だが、そこにアザゼル先生が異を唱えた。
アザゼル「······それは違うぞリアス、ゼノヴィア。確かに、お前達は以前とは比較にならないほど実力を付けているが、それでもお前達は八幡との実力差を全く理解していない······まぁ殆どの奴は理解出来ないだろうが」
先生に、部長は更に異を唱える。
リアス「アザゼル·····どういうことかしら? 私達は理解出来ているわ。ライザーとのレーティングゲームや、コカビエルの襲来で彼の実力は目の当たりにしているわ。
二天龍を一人で封印したことからも、魔王様と同等、或いはそれ以上の実力を有している」
部長が言うと私達部員の皆は頷いたが、先生は更に否定した。
アザゼル「いや、それが間違っているぞリアス。アイツを魔王と比較する段階で、まずお前は八幡との実力差を理解していない」
リアス「何ですって······?」
部長は半目になりながら言うが、先生は何処か遠くを見ているかのような目をして言った。
アザゼル「······アイツはな。単騎で全神話勢力と戦争が出来る程のバケモンだ。アイツに勝てるとしたら、全盛期のオーフィスかグレートレッドのどっちかだけだな······いや、グレートレッドは兎も角、今のオーフィスじゃ勝てるかすら怪しい」
「「「「「「「「!!!?」」」」」」」」
先生から明かされたことに私達はただただ驚くことしか出来なかった。
単騎······つまり、たった一人で全ての神話勢力と戦争が出来る······!? それは最早、二天龍すら及ばないのではないのだろうか······!?
しかも、『
アザゼル「全ての神話勢力で八幡と戦争して勝てると言われたら、俺なら勝てないと答えるな。しかも、神と旧四大魔王すら屠った二天龍をたった一人で滅ぼしたのが数百年前の話だ。今のアイツは当時とは比較にならないだろうな······っと、着いたか」
私達は驚愕しつつも、何とか先生の目線を追う。
───そこには、女王ヴァレリーを抱えたギャー君と、姉様が立っていた。
ギャスパー「······大丈夫だよヴァレリー······今度こそ僕が守るから······一緒に日本に帰ろう」
そして、私達は比企谷先輩だけでなくギャー君との実力差をも否応なく理解することとなる。
次回も小猫視点続投です。
因みに、ギャスパーはヴァレリーに対して恋愛感情を抱いていません。オーフェリアとは別の、もう一人の姉だと認識してます。
まぁ、本作のギャスパーは割と重度なシスコン············とブラコンとファザコンとマザコンという設定があったりしますが。