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第七話 彼は、病み上がりなのに異変に巻き込まれる。
俺が目を覚ましてから一週間ほど経過した。あれから俺は森にある家に帰り、体調も良かったのでせっせとスペカ作りと弾幕修行に励んだ。え?何故俺がそんなに積極的に動いているのかって?いやな、ここすげー暇なんだよ。魔理沙に誘われて(連行されて)博霊神社に行くぐらいしかすることが無い。八雲の頼み事とやらもまだ来ないし。一回魔理沙が魔導書を貸してくれたが、何が書いているのか全く分からなかった。
八雲に頼んで外の世界まであいつらに謝りに行こうとしたが、まだ俺を外に帰すわけにはいかないとのこと。理由は教えてくれなかったが。
まあそんな訳で暇なのだ。余りにも暇なので、俺の家がある森(魔法の森というらしい)で、同じく魔法の森に住んでいる魔理沙と共にキノコ集めをしたりしていた。女の子と二人で森を散策なんて初めてだったが、よく考えたら相手は魔理沙だし緊張する要素無いなと思い直した。だって魔理沙男より男らしいじゃん。
魔法の森は害のある瘴気に常にあてられているらしく、人間を食べる妖怪もほとんど近寄らないそうだ。ちなみに俺は、そこそこの魔力を持っていたらしく瘴気による害は無い。というかそんな危険な所に家を建てるとか八雲のやつは嫌がらせをしたいのか。ご丁寧に人里からは一番遠い位置にあるし。まあ住処を貰った身ではあるから特に文句は無いが。
そんなふうに一週間過ごし、少し前に見つけた香霖堂にでも行こうかなと思い、家の扉を開く。
「……ん?」
何か違和感がある。これから何か良からぬことが起こるような……考えすぎか。
そんなことを考えながら、森の外れへと向かう。中央に在る魔理沙邸兼霧雨魔法店が見えてきた頃、ふと空を見上げると
「……霧?」
紅い霧が空を覆っていたのだ。その色からも分かるように、どう考えても自然発生したものではない。しかもその霧からは何かの力のようなものを感じるのだ。そしてその力からは少しの害意を感じる。そしてその謎の力は、少しずつ俺に集まってきて俺の力に変換されていく。今は量が少ないから良いが、害意の力を集めてもあまりいい気分ではない。といっても目に見えるわけでは無いから力を関知されなければ俺以外には分からないが。
つい昨日自覚し、八雲が能力名を教えてくれた俺の能力、『負を集積し力に変換する程度の能力』。何とも俺に相応しい能力だ。外の世界でああも上手く事を運べたのは、俺がこの能力を無意識に発動させていたからだそうだ。負を集めて発生した力は、八雲が幻想郷へと飛ばしていたらしい。マジであいつストーカーかよ……。
とは言え、今は魔理沙と霊夢に霧のことを教えなければならないだろう。
そう思い、俺は魔理沙の家に向かって駆け出したが丁度魔理沙も俺に気づいたらしく家から出てくる。
「おい魔理沙!この霧なんだよ!」
「ん?……あぁ、異変だろこりゃ」
「異変?」
「あれ?教えてなかったか。行きながら話すから、今は霊夢のところに向かうぞ!」
魔理沙の声色から、そこそこに真剣に当たるべき事件だと察する。そこそこが付いたのは魔理沙が楽しんでそうだったから。
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魔理沙曰く、異変とは妖怪が起こし人間が解決することで成立する、人間と人外が共存するために必要なことらしい。詳しい原理は分からないが、これから俺も解決に向かわされることは確実なようである。だってさらっと戦力に数えられたし。魔理沙に。逃げると後々面倒くさいから仕方無くついていく。べ、べつに霊夢と魔理沙のためとかじゃ無いんだからねっ!霊夢と魔理沙の弾幕ごっこに付き合わされるのが嫌なだけなんだからねっ!か、勘違いしないでよねっ!と、意味もなくツンデレてみる。
結果、超キモい。
「さて、さっさと解決しますか」
「おう!」
どうやらお二人はやる気満々のようです。そのやる気を少しは俺に分けて欲しい。
「はぁ、面倒くさい」
訂正、霊夢は仲間だった。というか俺が行ったところで意味が在るのだろうか。霊夢が八雲に聞いた情報によれば、相手も新参者らしいからそういう意味では俺と条件が同じではある。とはいえ、妖怪である此度の異変の首謀者と、一応能力があるとはいえただの人間である俺ではどちらが強いかは明白。俺が行ったところで良くて足止め。悪ければ囮が精々だろう。
「なぁ、俺行く意味あんの?」
そういう意味も込めて、霊夢に聞いてみるが
「しょうがないでしょ、紫があんたも連れてけって言って聞かないんだから」
「……ああ、そう」
どうやら魔理沙に言われるまでもなく、俺の参加は決定していたようである。本人が居ないから逃げることも出来なくは無いが、そんなことをして家を取られるのはよろしくない。ぼっちにとって自宅こそ安息の地なのだから。
「ほんじゃまあ、行きますかね」
そうして俺はぼっちとしてのプライドをかけ、己
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「すぅ、すぅ、くかぁー」
霊夢の勘に従って進んでいた俺たちは、それらしき洋館を発見した。霧の湖に半ば囲まれるようにそびえ立つ紅い館。二人が言うには、ここにこんな館は建っていなかったとのこと。そうでなくてもここは異質な気配が漂い、異変がここから発生していると確信させる。というか勘でここまで来れる霊夢ってつくづく化け物だな……
だというのに、門の前には立ったまま寝ている人間(?)が居る。いやまあ
そう思い隣の二人を見るも、二人とも訝しんでいるためそうではないらしい。くそぅ、寝ているだけでいい夢ジョブを見つけたと思ったのに……
「……さて、行くわよ」
そんなことを考えている間に、霊夢は門番を無視することを決めたらしい。良く考えたら俺たち飛べるし、わざわざ門番と戦う必要は無いですね。そんなことを考えている間も俺は、周りに存在する負に属するものを少しずつ、しかし確実に集積し続ける。ある程度は能力の効果の段階や性質を制御できるものの、基本的には自動発動であるため力が満ちていく。まだ溢れはしない。
「ッ、あっぶね!」
周囲の負を吸いすぎないようにすることに意識を傾けていたせいか、いつの間にか接近する弾幕に気づけなかった。何とか寸前で避けたが、今のに当たっていたら大分ダメージを食らっていただろう。
「私は紅美鈴。紅魔館の門番として、お前たちを通す訳には行かないっ!」
「ちっ、見逃してはくれないようね」
「へへーん、ここは私が行くぜっ!」
そう言うと、魔理沙は弾幕を撃ち込みながら美鈴に接近する。すると美鈴は弾幕を軽々と避け、不用意に近づいた魔理沙に掌拳を叩き込む。名前や服装から察するに、美鈴は中国の格闘技を身に付けているらしい。寝てた癖に強いぞ、こいつ。
「いってー、弾幕ごっこなんだから弾幕で戦えよなー」
「弾幕ごっこで殴ってはいけないなんてルール、無いでしょっ」
お互いに話す余裕が在る辺り、まだ戦いは長引きそうだ。
「さ、八幡。門番は魔理沙に任せて、私たちは行きましょう」
霊夢の言葉に頷きを返し、さっと門を越えて館の中に入る。後ろから美鈴の制止の声が聞こえたが、停められて停まる侵入者など居るはずがなく、俺と霊夢は館に入る。
「どうもこんにちは、博霊の巫女、不思議な人間。折角来て頂たのに恐縮ですが、お引き取りください」
俺たちの目の前には、ナイフを構えたメイドが一瞬で出現していた。
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