対深海棲艦戦に護衛艦が参戦するようですよ?   作:カイヤ

3 / 3
第3話

 

 いずも達に航空機攻撃を仕掛けたのは空母ヲ級flagshipだった。

 しかし、いずも達に気を取らているうちに第一艦隊に見つかり、護衛のイ級やリ級は大破撤退または轟沈していた。

 しかし、大破して航行不能になったものの沈まなかったヲ級はその場に取り残されたのだ。

 

 対して第一艦隊も小さくない被害を受けていた為、追撃はせずに帰投したのだ。

 

 ヲ級は助けを待ちながらも、このまま沈むのではないかという思いに潰されそうになっていた。

 そんな時、接近するスクリューの音に気がついたのだ。

 しかし、ヲ級は不審に思った。

 スクリューの音が聞いたこともない音だったのだ。

 艦娘でも深海棲艦でも聞いたことがない。

 ヲ級はどうすることも出来なかったが、身構えた。

 

 

 一方、いずも達の中でヲ級は攻撃対象から要救助対象になっていた。

 

あたご「既に戦ったあとっぽいね。」

 

きりしま「大破している。

     このままだと、危険。」

 

いずも「しかし、敵である可能性は捨てきれないです。」

 

あきづき「敵とかウケる。

     私たち、人のためにある自衛隊だよ?

     そもそも、あの提督の敵であって私たちのてきじゃないでしょ。

     それに、目の前で危険な状態の人を見殺しには出来ない。

     例え、敵であっても。

     もしかしたら、いい人かもしれないしね。」

 

たかなみ「あきづきがまともな事を・・・?」

 

あきづき「何それひどくない?」

 

たかなみ「ふふ。

     でも、あの提督に見つかると少々面倒なことになるかもしれませんね。」

 

きりしま「鎮守府に着いたら、総攻撃をくらう。」

 

いずも「その時は私たちが守ればいいだけですね。」

 

あたご「流石いずもだね。」

 

 走行話していると、いずも達はヲ級の元についた。

 

いずも「あなた、大丈夫!?」

 

ヲ級「・・・・・・・・艦娘ガナンノヨウダ?」

 

いずも「艦娘?

    あぁ、私たちはあの子達の鎮守府に協力はしてもらっているけど、別にあなた達にも恨みはないし、戦う理由がないです。

    私たちは、今からあなたを助けます。」

 

ヲ級「ソンナ事ヲスレバ大本営ニ殺サレルゾ?」

 

いずも「私たちが守ります。   

    少なくとも、私たちが生きているあいだは。」

 

ヲ級「違ウ。  

   イヤ、違クナイガソウデハナイ。

   私ノ味方ヲスレバ、アナタ達が危ナイ。」

 

いずも「大丈夫です。

    彼女達はおそらく私たちを見つけることすら出来ないでしょう。」

 

ヲ級「ナゼダ?」

 

いずも「電子戦性能でおそらく私たちは彼女達の上を行っているからです。」

 

ヲ級「電子戦?

   シカシ、助ケテドウスル?」

 

いずも「友達に。

    とかは駄目ですかね?」

 

ヲ級「友達・・・カ。

   ワカッタ。ドチラニシテモコノママデハ沈ム。

   信ジテミル。」

 

いずも「そう。

    あたご、きりしまは・・・

    名前は?」

 

ヲ級「今は・・・ない。」

 

いずも「今は?

    でしたら、私たちがつけてもいいですか?」

 

ヲ級「昔ハ瑞鶴ト呼バレテイタガ今特ニナイカラ構ワナイ。

   艦娘カラハ、ヲ級ト呼バレテイル。」

 

いずも「なら、良いですね。

    ヲ級・・・瑞鶴・・・

    シルバーなんてどうですか?」

 

あたご「一応聞くけどどこから出てきたんだい?」

 

いずも「髪が綺麗な銀色だからです。」

 

きりしま「安直。」

 

 こんな名前では嫌だろうときりしまがヲ級の方を見ると、ヲ級が遠い目をしながらブツブツ呟いていた。

 

ヲ級「髪・・・銀色・・・綺麗・・・シルバー・・・私ノ名前。」

 

あきづき「おーい。」

 

ヲ級「ス、スマナイ、名前トハイイモノダナ。

   シルバー、キニイッタ。

   アリガトウ。」

 

いずも「気に入ってもらえて良かったです。

    これからよろしくお願いしますね。

    シルバーちゃん。」

 

シルバー「コチラコソヨロシク。」

 

あきづき「で、具体的にどうするの?」

 

いずも「鎮守府に電子戦を仕掛け、私たちを発見できなくします。」

 

たかなみ「ほうほう。」

 

いずも「そして、誰かが忍び込んで私たちの妖精ちゃん達を外洋に連れ出します。

    あたごと、きりしまには電子戦をしてもらうので、たかなみに行ってもらう事になると思います。

    そして、提督に話しをして受け入れられなければ妖精ちゃん達とシルバーちゃんと私たちで逃走します。」 

 

あたご「これまた大胆な。」

 

いずも「ですが、妖精ちゃん達の誘拐もとい連れ出しに成功すればシルバーちゃんの治療や簡単な居住空間も作れるでしょう。  

    ただ、出発前に妖精ちゃんの同意は得てください。」

 

たかなみ「わかった。

     それで行こう。」

 

シルバー「本当ニイイノカ?」

 

いずも「モチロン。

    ソレニ、逃走スルノハ最悪の場合です。」

 

あたご「初めての戦闘かな?」

 

いずも「そうならないのが一番なんですけどね。」

 

 いずも、シルバーを囲むようにして4人が展開し、輪形陣を成しながら鎮守府へと進んだ。

 演習海域は鎮守府からさほど離れていなかったため、すぐに鎮守府のレーダーの予想探知範囲に差し掛かった。

 

いずも「あたご、きりしまは電子戦開始!

    目標、鎮守府及び全艦娘のレーダー装置。

    たかなみは妖精ちゃん達の確保へ。

    あたご、きりしまは電子戦を継続しつつあきづきと共に戦闘用意。

    私は対潜哨戒機を出します。」

 

あたご「いいよ。

    任せて!」

 

きりしま「了解。電波妨害開始。」

 

たかなみ「行ってきます。」

 

あきづき「あんた達は何が何でも守るよ!」

 

 

 完璧な作戦だった。

 しかし、いずもは情報が少なすぎた。

 いずも達が電波妨害を始めた頃には既に鎮守府のレーダーに補足されていた。

 

大淀「提督!

   例の5人と見られる反応が深海棲艦を中心に輪形陣で鎮守府に向かっています!」

 

提督「なんだと?

   彼女達は深海棲艦を知らなかった。

   だから、見方だと誤認した可能性がある。

   帰投した第一艦隊に出撃命令!

   5人を保護して深海棲艦を叩け!」 

 

大淀「了解しまし・・・・っ!?」

 

提督「どうした?」 

 

大淀「鎮守府内の通信機器及びレーダーが使用不能です!」

 

 提督の脳裏に最悪の可能性が過ぎる。

 

提督「彼女達が深海棲艦側についた?」

 

大淀「そんなっ!!」 

 

提督「第一艦隊と共に第三艦隊と第四艦隊も出撃させろ!

   もし仮にそうだとしたら一番厄介なのは彼女達だ。」

 

大淀「無線が使えません!」

 

提督「館内放送なら大丈夫だろ!」

 

大淀「は、はい!」

 

 艦娘達が出撃準備を始めた頃、たかなみは工廠に来ていた。

 

たかなみ「妖精ちゃーん!」

 

妖精「たかなみさん、どうしましたか?」

 

 たかなみは完結に事情とこれから予想されることを話す。

 

妖精「なるほど。

   私たちはたかなみさん達専属です。

   どこへでもついて行きますよ!

   それに、ヲ級を触れるなんて滅多にないですから。」

 

たかなみ「ありがとう。

     じゃあ、私の肩に乗って!」

 

妖精「よろしくお願いします。」

 

 そして、誰にも気が付かれることなくたかなみは鎮守府を脱出した。

 

 

 ちょうどたかなみがいずも達と合流した時、鎮守府を艦娘達が出撃していた。

 

いずも「陣形を輪形陣に再編、対潜、対水上、対空戦闘用意。

    あたご、きりしまは電波妨害を解除。

    すぐに再開できるように待機してください。

    交渉は私が通信で行います。」

 

4人「了解。」

 

いずも「それと、妖精ちゃん。私たちの設計を元にシルバーちゃんの機関を作れますか?」

 

妖精「一か八かですけどシルバー?ちゃんの機関を解体してそれを材料に試してみます。」

 

いずも「お願いします。

    どれくらいあればできますか?」

 

妖精「本当はすぐ出来るんですが、手持ちの資材がないのと深海棲艦の機関を解体するのもいずもさんたちの機関を作るのも初めてなので5分ほどください。」

 

いずも「わかりました。

    4人は最悪何が何でも5分の時間を作ってください。」

 

4人「了解!」

 

いずも「シルバーちゃんは機関のつけかえが終わったら全力退避する可能性があるのでそのつもりで。」

 

シルバー「ワ、ワカッタ。」

 

いずも「では、通信を開始します。」

 

あたご「電子戦一時停止したよ。」

 

いずも「ありがとう。

    こちらいずもです。」

 

長門『第一艦隊旗艦長門だ。

   今から君たちの保護に向かう。』

 

いずも「保護・・・ですか。」

 

長門『そうだ。

   保護する。今からその深海棲艦をこちらに引き渡してくれ。』

 

いずも「引き渡すのであれば条件があります。」

 

長門『なんだ?』

 

いずも「彼女を修理してください。」

 

長門『それはできない。

   そいつは深海棲艦、敵だ。

   提督からは撃沈せよと命令されている。』

 

いずも「再考の余地は?」

 

長門『ない。

   深海棲艦を撃滅する。

   これが私たちの任務だからだ。』

 

いずも「でしたら、仕方ありません。

    2日間お世話になりました。

    私たちはこれよりあなた達との協力関係を断ち切り、独自の自衛行動に入ります。

    止めに来るというのであれば遠慮なく沈めますのでお覚悟を。」

 

長門『それは本気か?』

 

いずも「はい。

    提督さんにお伝えください。

    いずれそう遠くないうちにまたお会いすることになるでしょう。と。」

 

長門『どういう意味だ!?』

 

いずも「そのままの意味ですよ。」

 

 いずもはここで通信を切った。

 

いずも「電子戦を再開してください。

    妖精ちゃん、機関は?」

 

妖精「あと1分ください。」

 

いずも「わかりました。

    全艦、戦闘用意、もし敵が見えたらあたごときりしまはアクティブデコイで撹乱してください。」

 

 4人はいずもが艦娘達を敵と言い切った事で状況を理解し、戦闘に集中した。

 しかし、艦娘達が来ることは無かった。

 

 いや、来ることが出来なかったのだ。

 演習をする前にこの状況になったためいずも達の戦闘力がわからず、更に自分たちのレーダーや通信機器が妨害されているため艦隊行動が取りにくい。

 そのため、航空機による目視追跡をすることにしたのだ。

 

 

妖精「いずもさん、終わりました!」

 

いずも「ご苦労様です。

    シルバーちゃん、航行できますか?」

 

シルバー「アア、問題ナイ。」

 

いずも「全員全速退避!」

 

 いずもの掛け声と共に全員の機関が唸りをあげる。

 そして、瞬く間に速度が30ノットを超えた。

 

きりしま「後ろから追っ手。」

 

あきづき「ついてきたの!?」

 

きりしま「違う。航空機ね。」 

 

いずも「厄介ですね。

    あたごときりしまで落とせますか?」

 

あたご「もちろん。」

 

 そう言ってあたごときりしまはVSLを起動して艦対空ミサイルを発射した。

 それぞれから二発づつ発射されたミサイルは彩雲をすべて撃墜した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。