魔法少女リリカルなのは~世界を破壊せし者たち~   作:暗黒の影

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第35話 アラガミ襲来 下編

 

 

タクトSide

 

クソ…頭がクラクラする…

 

打ち所が悪かったか…

 

確かに、今目の前にいる狐は何かヤバい。

 

俺と零が本気で挑めば何とか出来るか?

 

俺は、零に言われた通りに狐から、距離を空けながらソーナ達に近づいた。

 

ソーナ「大丈夫ですか!?拓斗!?」

 

俺の姿を見て心配したソーナが近寄る。

 

タクト「ソーナか…足は大丈夫か?」

 

確か、まだ完全に治していないが…

 

ソーナ「私は大丈夫ですが、拓斗が…」

 

 

タクト「確かにな…」

 

確かに、俺は先ほどの強烈なパンチが不意打ち+受け身無しでくらった所為で怪我が大変な事になっている。

 

ソーナ「どうすれば…」

 

あぁ~出血多量では死なないけど、意識が保たないか…

 

しょうがない、あまり、やりたくないんだがな…

 

タクト「なぁ。ソーナ……」

 

 

ソーナ「何ですか…?」

 

俺は半真祖吸血鬼だ。

タクト「血を吸わせてくれないか?」

 

吸血鬼には、特有能力である吸血がある。

 

ソーナ「え?それってどういう事で…」

 

それは、その吸血鬼によるが、その能力は強力である。

 

 

タクト「すまんが、説明している暇がない」

 

説明してる間に出血多量で気を失ってしまうからな…

 

ソーナ「え…と。その…どこから…吸うのですか?」

 

少し頬を赤くしてモジモジしながら聞いてきた。

 

何この子、可愛い。お持ち帰りして良い?

 

じゃなかった…

 

タクト「あぁ~。出来れば首筋かな…」

 

俺がそう言うと、ソーナの頬が先ほどより赤くなった。

 

ソーナ「ぁぅ……分かりました…時間がありませんし…」

 

そう言い服を少し緩めて肩を出した。

 

白く綺麗な肌が露出した。

 

タクト「(綺麗だ…)んじゃあ、いただくぞ?」

 

ソーナ「はい…」

 

俺は、ソーナの首筋に近づいた。

 

女性特有に匂いが鼻を擽る。

 

俺は、口を開けて首筋に噛み付いた。

 

カプッ…

 

噛み付いた時に犬歯に魔力を纏いながら、麻酔を入れておく事で、噛みつかれた側に痛みを与えない様にした。

 

ソーナ「ぅぁ…ん…」

 

コクッ…コクッ…

 

噛み付いた場所から血が流れ俺の口内に流れ込んだ。

 

口の中に鉄分がじんわり広がる。

 

俺は、口に流れ込んだ血を喉に通した。

 

ドックン…

 

血が喉に流れ込むと体に変化が現れた。

 

先ほどまで、傷だらけだった体は傷が塞がり、血が止まり髪の毛が青色に変わり、目がサファイアの様に変わった。

 

タクト「ありがとう、ソーナ。助かった」

 

俺は、姿が変わった状態でソーナに言うと、ソーナが地面に座り込んだ。

 

ソーナ「ふ…ぁ…い…」

 

少し血を吸い過ぎたか?

 

タクト「すまない。血を吸い過ぎたみたいだ…大丈夫か?」

 

俺はそう言いながら、手を差し出す。

 

ソーナ「…はい。少し目眩がしただけです…」

 

そう言いながら、俺の手を掴み立ち上がった。

 

ソーナ「拓斗。その姿は…」

 

俺の姿を見ながら問い掛けてきた。

 

タクト「ああ。HAV化だよ」

 

 

ソーナ「そうみたいですが…。話しに聞いていた姿とは違うみたいですが…」

 

ソーナが俺の姿を見ながら少し困惑した様子で聞いてくる。

 

タクト「話しと違う?髪の毛ピンク色で瞳は赤色だろ?」

 

俺は自分の姿を見せながら聞いた。

 

 

ソーナ「いいえ。今の拓斗の姿は髪の毛が青色で瞳はサファイアですよ?」

 

え!?色が違う!?

 

タクト「ソーナ!?鏡無い!?」

 

俺は慌ててソーナに鏡が無いか聞く。

 

ソーナ「持っていませんが、魔法があります」

 

そう言いながら、ソーナは特訓で上げた自身の得意属性の発展型の氷属性で作り上げた魔法【アイスミラー】を出し俺を映し出した。

 

タクト「は?何で?」

 

何で髪の毛て目の色が変わってんの!?

 

訳わからん…

 

レイ『イチャラブの真っ最中悪いが、さっさと退避ルートを渡たりながらこっちにこい。』

 

俺が自分の姿が変わった事に驚いていると、先ほどからライフルで狐の足止めをしている零から通信が来た。

 

タクト『了解』

 

 

タクト「ソーナ。皆を連れて退避ルートの先にいる零の場所まで行け」

 

 

ソーナ「ソレではあなたが!?」

 

 

タクト「安心しなって、何も死ぬわけじゃなく、足止めをするだけだからさ」

 

 

ソーナ「……本当ですか?」

 

 

タクト「おう♪」

 

 

ソーナ「わかりました」

 

そう言い、皆を連れて退避ルートを進んだソーナ。

 

タクト「んじゃまぁ、始めますか!!」

 

 

タクト『援護射撃は任したぜ。零!!』

 

 

レイ『任せろ…』

 

俺は、狐の死角に潜った。

 

何故オレの姿がいつものHAVと違うのか分かった。

 

今のオレは、ソーナを吸血した事でソーナの得意属性の水と氷の得意属性特化した姿なのが分かった。

 

タクト「たがら、今は水と氷の得意魔法が出せるだよ!!」

 

俺は、狐の頭上に巨大な水玉を出した。

 

レイ『拓斗!!ソイツの尻尾と頭と胸に集中的に落とせ!!』

 

零がそう言うって事は弱点か何かか…

 

タクト「ああ。分かった!!」

 

 

タクト「行くぜ!!"青流落とし(セイリュウオトシ)"」

 

俺は、先ほど出した大きな水玉をキュウビに落とした。

 

ドゴォォン!!

 

キュウビ「――――!?」

 

落とした水玉は、キュウビを取り込んだ。

 

タクト「そこから…凍れ!!」

 

ヒュォォォン!!

 

カチ…カチ…

 

俺は、キュウビを取り込んだ水玉を純粋に氷属性で凍らした。

 

タクト「コレで何とか足止め出来たな…」

 

 

レイ『そうみたいだな…』

 

シュゥゥウ!!

 

レイ『……!?。拓斗!!急げ!!既にアラガミの捕食が始まった!!』

 

 

急いで見てみると、先ほど凍らしたばかりなのに、キュウビが自分の周りの氷を捕食し始めた。

 

タクト「ヤバッ!?」

 

俺は、直ぐにその場から離れる為にHAV化した驚異の脚力で地面を蹴り飛ばして飛んだ。

 

タクト「コレは、逃げでは無い!!戦略的撤退だ!!」キリッ

 

ダッシュ!!

 

俺は、身動きが出来ないキュウビに背を向けながら全力ダッシュした。

 

ピシッ…パキ…

 

タクト「まさか…」

 

 

レイ『振り返らず、走れ!!』

 

 

タクト「はい!!」

 

ダッシュ!!ダッシュ!!

 

俺はキュウビをガン無視しながら、出口を出た。

 

まずは、ソーナ達を追わないと!!

 

ドゴォォォン!!

 

ドゴォォォン!!

 

ドゴォォォン!!

 

俺が、ソーナ達を探していると、零の銃声が聞こえた。

 

タクト『零!?』

 

 

レイ『急げ!!今俺が足止めしてやるから!!』

 

 

タクト『すまん!!』

 

俺は、退避ルートに向かったソーナ達を追い掛けた。

 

すると、空に8本の赤紫の細いビームが上がった。

 

8本の内4本が俺に向けて飛んできて、残りはその先の零のいる廃ビルに向かって飛んでいった。

 

タクト「って…俺かよ!?(°□°;)」

 

足を止めずに…緊急回避!!

 

俺は、ビームが当たるか当たらないかの一瞬でスピードを上げてビームを回避した。

 

タクト「危ねぇ…(-.-;)フゥゥ」

 

 

タクト「じゃなかった!!零は大丈夫か!?」

 

俺は、ビームが向かった零のいる廃ビルに向けて粒子通信機を放った。

 

タクト『零!!大丈夫か!?』

 

 

レイ『ああ…大丈夫だ…拓斗は?』

 

 

タクト『大丈夫だ』

 

 

レイ『了解した。なら、此方に来い。生徒会メンバーもいる』

 

 

タクト『了解』

 

そう言い、粒子通信機の通信を切り、零達がいる廃ビルに向かって走った。

 

良かった。ソーナ達は無事だったのか…

 

俺は、安堵感を感じながら足を進めると、真横から薄青色の丸い球が飛んできた。

 

タクト「っ!?。あぶなっ!?」

 

その球を咄嗟に回避すると、壁に当たり帯電した。

 

タクト「次は何だよ…」

 

俺は、飛んできた方向を見ると虎の様な巨体に背中に赤いマントを纏い、強者の雰囲気を漂わせる片方が折れた巨大な牙を持つ…

 

アラガミがいた。

 

タクト「マジかよ…。何でヴァジュラがいるんだよ…」

 

まさか、2体目のアラガミって、ヴァジュラかよ…

 

タクト「何の冗談だよ…」

 

ヴァジュラ。

 

ゴッドイーターでも、上位者が狩る事が出て来るアラガミである。

 

その巨体とは、似合わない俊敏性と脅威的な脚力を持ち、数多くのゴッドイーターを喰らってきたアラガミだ。

 

タクト「やるしかないか…」

 

俺は、魔法で水を作り出し細長くした。

 

タクト「行け!!スクリューバインド!!」

 

俺は、細長くした水をヴァジュラに向けて発射した。

 

発射された細長い水はヴァジュラに巻き付いた。

 

ヴァジュラ「っ!?。―――!!」

 

水が巻き付いた事に驚くが、直ぐに暴れ始めるが水が体を縛り上げ動けない。

 

タクト「からの!!フリーズバインド!!」

 

俺は、一瞬で周囲の空気を下げた。

 

すると、先ほどヴァジュラに巻き付いた水が固まり始めた。

 

そうすると、一層堅さが増しヴァジュラの身動きを出来ないようにした。

 

タクト「んじゃ。俺、急いでるから」

 

俺は身動きが出来ないヴァジュラを置いて零達のいる廃ビルに向かった。

 

タクトSide

 

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高層廃ビル前

 

数人の男女がいた。

 

レイSide

 

レイ「大丈夫か?」

 

 

ソーナ「ええ、大丈夫です。それより拓斗は…」

 

 

レイ「大丈夫だ。今こっちに向かっている」

 

先ほどヴァジュラに遭遇していたが、キュウビより弱いから、大丈夫だろう。

 

レイ「拓斗が此方に来たら集合エリアに急行するぞ」

 

 

ソーナ「分かりました」

 

俺は、一応念の為に出したMK.23SOKOMピストルを片手に周囲を警戒した。

 

ッガラ!!

 

レイ「っ!?」

 

警戒しながら歩いていると音がした。

 

俺は、SOKOMを握り直して音がした方に向かった。

 

足を進めると、曲がり角に付いた。

 

カチャ…

 

背中を壁にくっつくて曲がり角の様子を窺った。

 

タクト「ここだよな?」

 

そこには、親友の拓斗がいた。

 

レイ「ふぅ…。そこで何をしているんだ?拓斗」

 

俺は、SOKOMを下げて親友に話し掛けた。

 

タクト「お?零がいるってことは、ここが集合エリアだよな?」

 

 

レイ「それ以外に何がある?」

 

 

タクト「すまん。すまん、さっきアラガミから猛ダッシュで逃げてたからどこだか分からなかったんだよ」

 

 

レイ「アラガミだと!?。まさか2体目か…」

 

厄介だな…

 

タクト「2体目って、1体目のアラガミは?」

 

 

レイ「先ほどまで、俺が援護射撃して足止めしてやった狐がアラガミだ」

 

 

タクト「はぁ!?。アイツアラガミだったのかよ!!」

 

 

レイ「ああ。新種のアラガミだ、普通のアラガミと違い細胞自体が違う。あと戻るぞ、その説明は退避しながら説明する」

 

俺は、そう言い歩き始めた。

 

タクト「ああ」

 

スタスタ…

 

スタスタ…

 

レイ「ソーナ。拓斗が来た、早急に退避するぞ」

 

 

ソーナ「分かりました。皆行きますよ」

 

 

『はい』

 

ソーナ達の準備は完了した様だな。

 

レイ「なら、今から退避しながらアラガミの事を説明しよう」

 

そう言い、俺は粒子通信機を繋げながら言った。

 

タクト「なら、さっきの新種のアラガミで細胞自体が違うって、どういう事だ?」

 

 

レイ「先ほどのアラガミ名前はキュウビ。3つの大きな尻尾が特徴であり、細胞を活性化させると腰あたりから小さなオラクル炎が6本現れ尻尾に見えその姿からキュウビと名付けられた」

 

 

タクト「キュウビ…」

 

 

レイ「それで、細胞自体が違うのは、コイツにはレトロオラクル細胞の集まり何だ」

 

 

タクト「レトロオラクル細胞?オラクル細胞と何が違うんだ?」

 

 

レイ「普通のオラクル細胞は、相手を捕食し学び進化するが、レトロオラクル細胞は独自に学び進化した細胞体だ」

 

 

ソーナ「独自に?」

 

 

タクト「あ~あ…もうちょっと分かり易く」

 

 

レイ「簡単に言えば、レトロが天然水でオラクルが汚染水だ」

 

 

タクト「ああ~理解した」

 

 

レイ「それと、2体目のアラガミは?」

 

レーダーには、2体ともこの場所から遠ざかっているが…

 

タクト「ああ、2体目のアラガミは、ヴァジュラだった」

 

ヴァジュラか…

 

雷属性の攻撃を主体にしたアラガミ。

 

レイ「分かった。コレは、のんびりと出来ないな…」

 

2体が此方に来ない事を祈るしかないか…

 

レイ「急ぐぞ!!ヤツらが此方に来ない内に!!」

 

 

『はい!!』

 

俺達は、キュウビ達が来ない内に急いで集合エリアに向けて走り出した。

 


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