魔法少女リリカルなのは~世界を破壊せし者たち~   作:暗黒の影

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第38話 大魔導士との邂逅 下編

 

レイ「っ!?」

 

俺は、敵の顔を見て驚いた。

 

俺が覗いて見てみた瞳には、生気が全く灯っていなかった。

 

何かに暗示や洗脳などをされた様な瞳をしていた。

 

レイ「コイツ等は一体…」

 

誰かに操られている?

 

リヴァイブ〔マスター!!このままでは、爆発に巻き込まれます!!〕

 

俺が、考えているとリヴァイブの声で我に帰った。

 

レイ「ああ…。リヴァイブ。非殺傷でサンダーレイン発射」

 

 

リヴァイブ〔了解。thunder rain〕

 

流石に操られている敵は殺せないな…

 

俺は、非殺傷のサンダーレインを広範囲に発射した。

 

数十人の敵を動けない様にした。

 

レイ「っくそ。多い…」

 

それでも敵は増え続ける。

 

レイ「っくそ!!」

 

俺がその事にイラついているとアナウンスが鳴った。

 

『警告。警告。動力炉に反重力力場が発生。直ちに退避して下さい』

 

 

レイ「何?」

 

そのアナウンスに俺は、不思議に思っていると後ろから寒気が襲って来た。

 

俺は、直ぐに後ろを振り向いた。

 

レイ「っな!?」

 

そこで見たのは、動力炉は消え真っ黒な球体がそこにいた。

 

レイ「っち。遅かったか…」

 

こんな事があるから、体を正常に戻したかった。

 

俺がそんな事を思っていると真っ黒な球体が膨張し始めた。

 

リヴァイブ〔マスター。私、嫌な予感がします…〕

 

 

レイ「あぁ、確かに」

 

あの膨張した球体は、何もかも吸い込む様な感じがする。

 

レイ「まだ、デカくなるか…」

 

すると、球体の膨張が止まった。

 

『警告。警告。反重力力場の発生を止められません。直ちに退避して下さい』

 

カァァァン!!

 

その瞬間、真っ黒な球体…反重力力場が一気に爆発した。

 

レイ「っちぃ!!」

 

俺は反射能力で何とか原形を保っているが、俺の周りにいた敵は皆、海底の水圧で押し潰されたかの様になっていた。

 

俺は、何とかこの圧縮力を耐えていた。

 

だがそこで、俺の意識はブラックアウトした。

 

レイSide out

 

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とある世界の首都

 

プレシアSide

 

私は、今久々の休日にアリシアと一緒に買い物に来ているわ。

 

プレシア「今日の夕飯は何が良い?アリシア」

 

私の愛娘、アリシア・テスタロッサ。

 

アリシア「う~ん。ハンバーグが良い!!」

 

 

プレシア「分かったわ。今日はハンバーグにしましょうか」

 

 

アリシア「やった~!!」

 

そんな話しをしながらアリシアと買い物をし終えると、アリシアが路地裏に走り始めた。

 

プレシア「アリシア!?どうしたの!?」

 

 

アリシア「あそこに、男の子が倒れてるの!!」

 

私の言葉にアリシアは、そう答えて路地裏に入った。

 

プレシア「待ちなさい。アリシア!!」

 

私もアリシアの後を追って路地裏に入った。

 

アリシア「ねぇ。大丈夫?」ユサユサ

 

 

???「……う…ん…?」

 

そこには、銀髪の男の子が倒れていた。

 

プレシア「アリシア。この子なの?」

 

 

アリシア「うん。でも、体中に傷が…」

 

 

プレシア「そうね。この子はお家に連れて行きましょう」

 

 

アリシア「うん♪」

 

私は、この銀髪の男の子を家に連れて行った。

 

とある世界の首都

 

テスタロッサ邸

 

プレシア「この子は、此処に寝かして…」

 

私は、アリシアが見つけた男の子を治療してベッドに寝かした。

 

それにしても、体中にあれ以上の傷痕が沢山あったけど、一体何があったのかしら…

 

アリシアは、男の子が心配なのか、付きっ切りで看病している。

 

まさか、せっかくの休日がこんな事になるなんて、思いもよらなかったわ…

 

私は、そんな事を思いながら夕飯の準備をした。

 

プレシアSide out

 

 

レイSide

 

レイ「……う…?」

 

此処は…?

 

一体何が起きたんだ?

 

確か俺は…

 

そうだ、動力炉の爆発に巻き込まれたんだ…

 

レイ「此処は…」

 

俺は、体が重いため首だけ動かすと、見たことが事ない部屋だった。

 

レイ「ん?」

 

ふっ。と右手に重みがある。

 

首を動かして見てみると金色の女の子がいた。

 

レイ「?」

 

この子は…

 

???「う…ん…?」

 

俺が不思議がっていると女の子が目を覚ました。

 

すると女の子は此方を向いた。

 

この金髪の子は…

 

???「あ!!目が覚めたんだ!!ちょっと待ってて今お母さん呼んでくるから!!」

 

俺と目が合った瞬間、金髪の子がそう言い部屋から出て行った。

 

レイ「あの子は…」

 

フェイト?

 

いや、この年にフェイトはいない、ならアリシア?

 

じゃあ、お母さんって…プレシア?

 

レイ「反重力力場の爆発で奇跡的に生きて転移されたか…」

 

転移?

 

そう言えば、リヴァイブは!?

 

辛うじて動く腕を動かして首に掛けていたリヴァイブを確かめた。

 

そこには、少し罅が入っているが確かにリヴァイブがいた。

 

レイ〈リヴァイブ。大丈夫か?〉

 

 

リヴァイブ〈はい。何とか…〉

 

 

レイ〈どんな状態だ?〉

 

 

リヴァイブ〈現在。外部損傷率が、54%。内部損傷率が、48%です〉

 

思った以上に損傷率が高いな…

 

リヴァイブ〈通常展開とセフィロスフォームは何とか可能ですが、ケロベロスフォームとテンペストフォームは現在展開不可能です〉

 

近接戦闘しか出来ないか…

 

レイ〈そうか。リヴァイブ、すまない、無茶をさせた〉

 

 

リヴァイブ〈いえ、私はマスターのデバイスですから〉

 

 

レイ〈そうか〉

 

反重力力場の爆発で奇跡的に生きていたとしても、体がコレじゃあな…

 

だが良く見ると、体の所々に包帯がしてある。

 

多分、プレシアがしてくれたのだろう。

 

俺は、痛む体を少し無茶をさせ起き上がった。

 

レイ「っつ!!」

 

 

リヴァイブ〔マスター!?〕

 

コレは…多分、肋骨をやられたか?

 

痛む体を動かした事で、爆発で怪我をした肋骨に響いた。

 

レイ「少し無茶をし過ぎたか…」

 

俺は、そんな事を呟きながら壁に寄りかかった。

 

リヴァイブ〔あまり無茶をし過ぎると危険ですよ〕

 

 

レイ「ああ。分かってる…」

 

 

???「分かってるなら、寝ていた方が良いわよ?」

 

 

レイ「ん?」

 

俺が、リヴァイブの言葉に返事をすると、第三者の声が聞こえた。

 

其方に顔を向けると、少し紫色に染まった様な黒髪をした女性とその横に先ほどの金髪の女の子がドアの前にいた。

 

レイ「貴女がコレをしてくれたのか?」

 

 

???「えぇ。怪我が酷かったから治療しといてあげたわ」

 

 

レイ「そうか。ありがとう」

 

俺は、そう言い御礼も込めて頭を少し下げる。

 

???「構わないわ。それより、どうしてあんなに怪我をしていたの?」

 

俺は、その質問に答えられない。

 

レイ「………」

 

 

???「そう。話せないなら良いわ」

 

 

レイ「すまん…」

 

 

???「まぁ、良いわ。それより自己紹介しましょう」

 

 

レイ「そうだな。俺の名は、夜月 零。よろしく頼む」

 

 

プレシア「えぇ。私は、プレシア・テスタロッサよ。それで私の横にいるのは、私の娘の…」

 

 

アリシア「アリシア。アリシア・テスタロッサだよ!!よろしくね!!」

 

原作だと登場が無かったと言っても良いほど登場が少なかったが…

 

此処まで元気っ子とはな…

 

レヴィー辺りに似ているな…

 

レイ「ああ、よろしく」

 

 

プレシア「ヨヅキ…レイ…あまり聞かない名前ね」

 

そう言えば、日本人の名前はあまり無いんだったな…

 

レイ「あぁ、俺は第97管理外世界"地球"から来た」

 

 

プレシア「地球?聞いた事ないわね…」

 

 

レイ「そうか?まぁ、俺は其処から来た」

 

 

プレシア「もしかして次元漂流者?」

 

 

レイ「いや、違う」

 

 

プレシア「密航?」

 

 

レイ「まぁ、近いな…」

 

俺の組織は、まだ教えられない…

 

プレシア「そう、まぁ良いわ。食欲はある?」

 

 

レイ「いや、そこまでない…」

 

 

プレシア「そう。なら一応はお粥を作っといてあげるわ、食べたくなったら食べなさい」

 

 

レイ「あぁ、何から何まで、すまない」

 

 

プレシア「良いわよ別に、それじゃあ、アリシアご飯を食べましょう?」

 

 

アリシア「うん♪またあとでね。レイ♪」

 

 

レイ「ああ」

 

アリシアとプレシアは部屋から出て行った。

 

レイ「まさか、プレシアが此処まで優しいとはな…」

 

 

リヴァイブ〔そうなのですか?〕

 

 

レイ「あぁ、俺の知っているプレシアは、目的の為に非道を突き進むがその奥には、優しい母性愛があるって感じなんだが…」

 

リヴァイブ〔どう見ても、母性愛が溢れ出る優しいお母さんでしたね…〕

 

 

レイ「あぁ、まさか、アリシアを失ったら、彼処まで性格が変わるのか…」

 

 

リヴァイブ〔そうですね。人の執着心は恐ろしいですね〕

 

 

レイ「ああ…」

 

そんな事を思いながら俺は、ある重要な事を忘れていた。

 

レイ「リヴァイブ。忘れていたが、拓斗達と連絡とれるか?」

 

 

リヴァイブ〔それが、何回やっても、繋がらないんです。何か強力なジャマーが動いて通信が出来ません…〕

 

ジャマー?

 

レイ「その場所の特定は?」

 

場所が分かれば楽なのだが…

 

リヴァイブ〔すみません。場所の特定は無理でした〕

 

 

レイ「そうか…暫くは通信が不可能か…」

 

 

リヴァイブ〔はい。ですが、此方にある通信機と直結すれば、もしかしたら通信が可能かもしれません〕

 

 

レイ「そうか、分かった。一応心配だが、俺の体が直り次第、能力で艦に戻ろう」

 

 

リヴァイブ〔はい〕

 

さて、体を治さないとな…

 

俺は、そんな事を考えながら眠りについた。

 

レイSide out

 

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次の日の朝。

テスタロッサ邸

寝室

 

朝の日差しがカーテンの隙間から漏れた光が男の子の目に直撃していた。

 

レイSide

 

レイ「…ん…?」

 

眩しいな…

 

俺は、朝の日差しが眩しく目を覚ました。

 

レイ「…そう言えば、此処はプレシアの家だったな…」

 

俺はボーッとした思考回路で昨日の事を思い出す。

 

までは、良いのだが先ほどから何故か左腕が重い、何かが乗っかっている感じだ。

 

レイ「何だ?」

 

俺が、首を動かすと金髪の女の子が俺の腕を枕にしていた。

 

 

 

……………?

 

まさか、左腕が重い原因がアリシアだとはな…

 

アリシア「…う…ん…」

 

すると、アリシアが寝ぼけているのか、俺の服を掴んだ。

 

レイ「……リヴァイブ。この場合どうしたら良い?」

 

 

リヴァイブ〔……掴んでる手を離させて脱出すれば良いのでは?〕

 

 

レイ「そうだな…」

 

俺は、空いている右手でアリシアの手を離そうとして、指を一つ一つ外してその場から脱出した。

 

レイ「何とか脱出できたか…」

 

アリシアには、俺の代わりに枕を掴ませて俺は、リビングに向かった。

 

レイ「此処か?」

 

俺はリビングだと思う部屋に入った。

 

そこには、少し紫色に染まった黒髪の女性が朝ご飯を作っていた。

 

プレシア「あら、起きたの?」

 

俺が入ってきた事に気付いた、プレシアが此方に向き聞いてくる。

 

レイ「ああ、起きたらアリシアがいた事に驚いたがな」

 

 

プレシア「そう。体は大丈夫なの?」

 

 

レイ「あぁ、寝てる時に自身の自然治癒と魔力で何とか治した」

 

 

プレシア「あなた、魔導師だったの?」

 

 

レイ「あぁ、一応な…」

 

 

プレシア「そう。なら、その治り具合に納得だわ」

 

そう言い、プレシアは、朝ご飯が作り終わったのか、椅子に座った。

 

プレシア「どうしたの?座らないの?」

 

俺が、ドア前で突っ立っている事を不思議に思ったプレシアが聞いてきた。

 

レイ「あぁ、座らせて貰おう」

 

 

プレシア「何か飲む?」

 

 

レイ「コーヒーか水を頼む」

 

 

プレシア「じゃあ、コーヒーね」

 

俺が椅子に座るとプレシアがコーヒーを俺の前に置いた。

 

プレシア「それで、貴方どうして昨日あんなに怪我していたのかしら?」

 

俺がコーヒーを一口飲むとプレシアが昨日の怪我について聞いてきた。

 

レイ「言わないと駄目か?」

 

俺は驚く事無く聞いた。

 

プレシア「えぇ」

 

 

レイ「答える前にプレシア。アンタは管理局員か?」

 

俺は、管理局が嫌いだ…。

 

正義だの平和だのを掲げて俺みたいなのを作り上げる管理局が…

 

プレシア「えぇ。一応は管理局員の開発部に所属しているわ」

 

そうか…。

 

この時のプレシアは既に管理局に入っていたか…

 

レイ「そうか…。なら話せないな」

 

俺は、管理局を信用出来ない。

 

そう思いながらプレシアの問いを拒否した。

 

レイSide out

 

 

プレシアSide

 

私は、気になっていた。

 

あの男の子が何故あそこまで酷い怪我をしていたのか。

 

だから、私は彼に聞いた。

 

プレシア「それで、貴方どうして昨日あんなに怪我をしていたのかしら?」

 

私は、尋問みたいにゆっくりした問い掛けは好きじゃない。

 

だから、彼に直球で聞いた。

 

さて、何て答えるかしら?

 

私が期待していると、今度は彼が聞いてきた。

 

レイ「答えないと駄目か?」

 

そんなもの決まってるわよ。

 

プレシア「えぇ」

 

私が即答すると、彼は聞いてきた。

 

レイ「答える前にプレシア。アンタは管理局員か?」

 

その質問を問い掛けてくる彼の雰囲気が変わった。

 

警戒態勢に入っている感じね…

 

プレシア「えぇ。一応は管理局員の開発部に所属しているわ」

 

私は、彼の質問にそう返すと彼は、先ほどより高い警戒心を出し始めた。

 

レイ「そうか…。なら話せないな」

 

彼の瞳は、憎しみ恨み不信感が混ざり合っていた。

 

一体彼に何があったの?

 

此処まで人間不信になるなんて…

 

プレシア「……。一体何があったの?」

 

私は、その事を知りたく彼に聞く。

 

レイ「今言った筈だ。答えられないと…」

 

 

プレシア「そうね…」

 

すると、それにより会話が無くなる。

 

レイ「……話しが変わるが、通信機か何かないか?」

 

 

プレシア「えぇ。一応は、家庭用のがあるわ。どうして?」

 

 

レイ「いやなに、家族に連絡したくてな」

 

 

プレシア「そうね。分かったわ、一応持ってきてあげるわ」

 

 

レイ「了解」

 

その返事を聞きながら、私は家庭用通信機を取りに向かった。

 

プレシアSide out

 

 

レイSide

 

レイ「ふぅ…」

 

プレシアが部屋からいなくなったことを確認しながら、俺は落ち着かせた。

 

レイ「家庭用通信機で拓斗達と連絡が取れるか?リヴァイブ」

 

 

リヴァイブ〔はい。可能です〕

 

 

レイ「そうか、了解した」

 

すると、通信機らしき小さな物をプレシアが握っていた。

 

プレシア「これが、そうよ」

 

そう聞きながら俺に通信機を渡したプレシア。

 

レイ「リヴァイブ。頼んだ」

 

俺はリヴァイブにケーブルを差し通信機にも差した。

 

リヴァイブ〔了解です。……〕

 

 

プレシア「何をしているの?」

 

 

レイ「俺は、管理局から追われる身だ。だから、通信機を堂々と連絡が取れないんだ」

 

レイ「だから、今相手の衛星をジャックして仲間と連絡するんだ…」

 

 

プレシア「レイ…アナタは一体…」

 

 

リヴァイブ〔完了しました。マスター〕

 

プレシアが俺を見ながら何か聞きたそうだが、今は、リヴァイブの方を優先だ。

 

レイ「フェニックス聞こえるか?聞こえるなら応答してくれ」

 

俺は、通信機を横に置きリヴァイブに映像通信をしている。

 

やはり、ジャマーが働いている所為か、画面のノイズが酷い。

 

レイ「聞こえているか?拓斗」

 

すると、映像通信に拓斗が映った。

 

タクト『…ザザァ……レイ…か!!…生きて…るん…だな…ザザァ…』

 

 

レイ「ああ、其方に戻るのは少し時間が掛かりそうだ」

 

俺は、拓斗と喋りながらリヴァイブにもう少し感度を上げてもらった。

 

タクト『…ザザァ…分かった…戻ってくるんだろう?』

 

すると、映像と通信が良くなり、拓斗の声が聞き取り易くなった。

 

レイ「ああ、此方で俺は体を治さないといけない。だから、一時的に拓斗。お前がフェニックスの指揮官だ」

 

タクト『っな!?俺が!?それに体って…』

 

臨時とは言え、拓斗自身がいきなり指揮官つまりフェニックスのリーダーになる事に驚いていた。

 

レイ「この前の任務で体が限界に達したからな。丁度体を休める訳なんだ」

 

そう…今までの体の限界がそろそろ来そうなのだ。

 

だから、拓斗に臨時指揮官を任官させた。

 

タクト『そうか…。だけど、俺が指揮官って…』

 

やはり、不安なのだろう。あの部隊を纏められるかが…

 

レイ「任せたからな」

 

俺は、真剣に信頼と友情で深い絆を信じて拓斗に臨時指揮官を命じたんだ。

 

タクト『っ!?。了解!!』

 

画面越しで綺麗な敬礼をする拓斗。

 

どうやら、俺の心が分かった様だな。

 

レイ「あぁ、任せた」

 

 

タクト『それと、レイ』

 

俺が通信を終わりにしようとすると、何か思い出したかの様に拓斗が聞いてきた。

 

レイ「何だ?」

 

 

タクト『定期的な通信を頼む。唯里達も心配しているからな』

 

 

レイ「了解した。3日に1回の定期的な通信をする」

 

 

タクト『あぁ、頼むな?』

 

 

レイ「あぁ、じゃあな…」

 

そう言い通信を切った。

 

リヴァイブ〔通信終了しました〕

 

 

レイ「あぁ」

 

通信終了と同時にリヴァイブにつけたケーブルが外れる。

 

プレシア「終わったのかしら?」

 

頃合いを見てプレシアが話し掛けてきた。

 

レイ「ああ、先ほど終わった。すまなかったな、今日辺りで此処から出て行く」

 

 

プレシア「泊まる所はあるの?」

 

 

レイ「いや、ホテルか野宿のどったかだな」

 

金はあるが、ホテルに泊まると管理局に見つかる可能性がある、なら安全な野宿しかないか…

 

プレシア「なら、此処に泊まりなさい」

 

 

レイ「良いのか?」

 

 

プレシア「子供を野宿させる程、駄目な母親をしちゃいないわ」

 

驚いた…

 

まさか、此処まで優しいとは…

 

レイ「なら、その言葉に甘えさせて貰うか」

 

断る理由はあるが、俺が注意しとけば、良いだけだ。

 

プレシア「安心なさい。貴方を管理局に報告なんてしないわ」

 

レイ「そうだと、願いたいな」

 

 

プレシア「はぁ、信用してもらうには、どうしたら良いのかしら?」

 

 

レイ「さぁな…」

 

俺が教えないぞ?とジェスチャーすると同時にリビングの扉が開いた。

 

アリシア「ん~…おはょ~」

 

入ってきたのは、先ほどまで寝ていた金髪の女の子。

アリシアだった。

 

プレシア「まぁ良いわ。その話しは後にして、朝ご飯にしましょ」

 

アリシアが入ってきた事で、この話しは終了となった。

 

アリシア「おはよー…。レイ~」

 

 

レイ「あぁ、おはよう。アリシア。顔を洗ってきな」

 

 

アリシア「はぁ~い…」

 

俺が言うとアリシアは寝ぼけながら、洗面台に向かった。

 

プレシア「さて、朝ご飯の準備しないと…」

 

 

レイ「手伝おう」

 

 

プレシア「あら、じゃあ、お願い」

 

その日の朝は、賑やかで終わった。

 

俺が、プレシアの家に居候する事が決まり既に3日が経った。

 

この3日で分かった事は、アリシアに待ったく魔力適性が無い事と、今日がプレシアの仕事場で大型魔力動力炉の実験の日なのだ。

 

原作だと、管理局の上層部が無理に安全性ではなく、運用性を高めた所為で魔力動力炉が暴走して爆発。

 

これにより、魔力蓄積タンクに大量に入っていた魔力が放出し、魔力適性が無いアリシアに魔力が直撃して、心臓が止まる。

 

それが原因でプレシアの精神崩壊と同時に管理局を嫌った。

 

レイ「はぁ、全ての根源をどうにかしないとな…」

 

これを、阻止したらフェイトは生まれてこないだろうが、チャンスはあるからな。

 

プレシア「それじゃあ、行ってくるわね。アリシア。レイ。今日は遅いからレイ、お願いするわ」

 

どうやら、プレシアが仕事場に向かうみたいだな。

 

アリシア「うん♪行ってらっしゃい。お母さん」

 

レイ「分かった。アリシアは任せろ」

 

 

プレシア「えぇ。アリシアに何かがあったら助けなさい、良いわね」

 

それだけを言い、プレシアは仕事場に向かった。

 

レイ「プレシアは行ったか…。なら俺は寝るか」

 

俺は、昼間で寝ようとリビングに戻ろうとしたら、何かに引っ張られた。

 

レイ「…………」

 

俺は、引っ張った奴を見る。

 

アリシア「だぁめぇ!!こんな時間に寝たら、可笑しくなるよ!!」

 

 

レイ「はぁ、じゃあ何をするんだ?」

 

 

アリシア「ん~……分かんない!!(≧∇≦)」

 

3日で分かった事は、アリシアは凄い駄々っ子だって言う事とレヴィ似だと言うことだ…

 

レイ「はぁ、なら一緒に寝るぞ。どうせやる事も無いしな」

 

そして、アリシアは何故か一緒に寝ると大人しくなる。

 

アリシア「え!?あ。うん♪寝よう~!!」

 

まぁ、そんなこんなで昼まで2人でグッスリと寝ていた。

 

現在、昼間

 

レイ「さて、昼飯にするかな?」

 

プレシアには出前にしろって言われたが、火事的な事は起こさないから大丈夫だと説得してこの3日間は、昼飯は俺が作っている。

 

レイ「何にするか…」

 

 

レイ「アリシア。昼飯、何が良い?」

 

 

アリシア「う~ん。レイに任せる!!」

 

 

レイ「だよな…」

 

さぁて、何が良いんだ?

 

パスタ?ラーメン?和食?

 

レイ「サンドイッチで良いか…」

 

タマゴサンドイッチとツナサンドイッチとかでいいか…

 

そんな事を考えながら昼飯を作った。

 

レイSide out

 

 

プレシアSide

 

プレシア「大丈夫かしら。あの2人…」

 

 

研究者「どうしたんですか?プレシアさん?」

 

 

プレシア「あぁ、いいえ、何でも無いわ、それより、魔力動力炉の安全は大丈夫なの?」

 

 

研究者「はい。本局のバカ共の所為で安全性は落ちましたけど、何とかやれました」

 

 

プレシア「そう、良かったわ…」

 

この実験が成功すれば、私たちの技術は飛躍的な進歩をする。

 

そんな実験で失敗は私たちは技術が進歩しない…

 

プレシア「だから、失敗は出来ないのだけど、本局のバカ共の所為でバランスが悪いわ。皆、何としても夜の発表までにはバランスを整えるわ」

 

 

『はい!!』

 

 

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新暦62年

 

3月24日(木)

 

この日の夜、一筋の光の柱が建った。

 

 

 





次回予告

夜に光り一筋の柱がその日建った。

レイ「俺のミスだ…」

それにより、一人の少女がいなくなる…

プレシア「お願い!!目を覚まして!!」

コレは、ほんの序奏…

大魔導師は、過ちを犯し…

兵器は、力に悔やむ…

次回

『落ち行く者』

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