最強系お姉ちゃん 作:わたげ
翌日。私がいつも通りに朝食を作り、ダイニングテーブルに並べていると、予想外の事態が起きた。それは、いつもより十分以上早い喧嘩の始まりである。
まず、いつもより早く出社をするというバーノンが現れ、ペチュニア伯母さんも一緒に入ってくる。そして、ダドリーがいつもより早く目が覚めて入室した時、私は直感した。ああ、これは
予想通り、早めのご起床なルビーが喉の渇きを覚えてダイニングに現れた瞬間、ペチュニアが眉をひそめた。それに対してルビーが文句あるの的な意思を上品に示し、それにムカついたバーノンがグイとコーヒーを喉に流し込み、それに感化されたダドリーが癇癪を起こしたことであっという間に喧嘩が始まった。
もちろん、こっそり抜け出そうとした私にも飛び火する。
「エミー、どこに行く気なの!」
「郵便を取ってきます、ペチュニア伯母さん!」
思えば、これが失敗だったと思う。
郵便物を手にダイニングに戻った私から手紙類をもぎ取り、一番上の封筒を見た途端、バーノンがギョッとして身じろぎした。すかさずルビーが言葉を掛ける。
「どうしたのよ」
いつもなら「お前には関係ない、ろくでなしの生意気娘め」とでも返すのに、バーノンは震えた声でペチュニアを読んだ。ペチュニアも封筒を見て、口をパカリと開ける。
「一体なんなのよ」
「何なんだよ、それ」
焦れったくなったルビーとダドリーの手によって二つの封筒がそれぞれの子供の手に渡った。二人とも自己中心的な性格であるため、ためらうことなく封を開けた。私はルビーの持つ手紙を覗き込む。
『プリベット通り四番地、
ダーズリー家、
エミー・ポッター様
ホグワーツ魔法魔術学校
校長 アルバス・ダンブルドア
親愛なるポッター殿。
この度はホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたことを、心よりお喜び申し上げます。教科書ならびに必要な教材リストを同封致します。
新学期は9月1日から始まります。8月31日必着でふくろう便にてのお返事をお待ちしております。
敬具
副校長 ミネルバ・マクゴナガル』
「ダドリー」
「ルビー」
お互いの意思を確認し、二人は怒り狂ったバーノン伯父さんの手から逃れながら手紙を交換し合った。どうやら、二つとも内容は同じようだ。
「伯父さん。どういうことか説明してくれるんでしょうね?」
ルビーが、小心者なら怯えて逃げ出してしまうような威圧を醸し出しながら問い掛ける。
「知るか! その手紙を! 寄越せ!!」
ダドリーも従う気はないらしく、ペチュニアに取られそうになって慌ててパスして来た。私に。
巻き込まれてしまった私は、迫り来るペチュニアに愛想笑いを浮かべて見せたが、逆効果だったみたいで。ペチュニアが襲いかかってきた。
が。
ピンポーン。
唯一、バーノンとペチュニアを止められる手段、『来客』が訪れたことにより、私の命は冗談抜きに救われた。
「で、出迎えてきまーす!」
私は急いで玄関へ向かう。
思えば、それが第二の間違いだった。