最強系お姉ちゃん 作:わたげ
「ミネルバ・マクゴナガルと申します。学校の教師ですが、お子さんの進路についてお話しするために来ました」
そう言って戸惑うペチュニア伯母さんを丸め込み、上品な老婆は家に上り込む。ペチュニアが応接間に案内する間、鉢合わせないように気を付けながらルビーとダドリーが自室に戻り、着替えてダイニングへ戻ってくる。その間に私は、急いで紅茶と菓子の支度をした。
(着替えて、紅茶をお出ししろ)
バーノンが口パクで私に指示を出し、背広を整えた。私はその言葉に従い、綺麗なワンピースに着替える。
ダーズリーが客人の前で猫をかぶるのは『まともじゃない』と思われたくないため。ルビーが喧嘩を買わず、いつも以上に上品になるのは『駄目なダーズリーの親戚だと思われたくないため』。来客に関しては利害が一致する二つの勢力は、見えないところまで徹底する。
応接室に入り、客人に紅茶をお出しする。一礼して下がろうとすると、女性が引き止めた。
「お待ちなさい。あなたに関係のある話です」
僅かに顔が引きつったペチュニアに構わず、さらに彼女は言葉を続ける。
「あなたの双子の姉妹も連れて来なさい」
「双子が何をしでかすか見当もつかん」という理由でバーノンも客人の前に姿を現し、面白そうという理由でダドリーも応接室に入った。これでこの家に住まう者全員が集まったことになる。
そして、女性は魔法界についての説明を始めた。
ホグワーツ魔法魔術学校のこと、魔法界の仕組みについて、魔法界のルールなど。それらが一通り語られたところで、バーノンが口を開く。
「失礼ですが、我らにはそれが真実だとは思えませんな」
そしてお引き取り願おうと思ったらしいが、その前にルビーが言った。
「失礼を承知で言わせて頂きますが、証拠を見せて頂けますか?」
「いいでしょう」
そう言うと、女性は杖を取り出し、さっとひと振りした。部屋の調度品が浮かび上がる。
「これが魔法が存在することの証明です。信じて頂けましたか」
「ええ」
そう言ってルビーが上品に笑った。
魔法、か。『まともじゃない』ことを毛嫌いするダーズリーのせいで、ファンタジーはあまり読んだことはないが、常人が扱うことの出来ない不思議な力だと言うことはわかっている。しかし、女性は私達双子が魔法使いだと言うのだ。
「あなた方のご両親も優秀でしたから、きっとあなた達も良い成績を収めてくれるでしょう」
そう言った瞬間、ペチュニアの堪忍袋の緒が切れたらしい。急にキッと口を結んで立ち上がった後、手早く私達双子と女性を家から追い出したのだ。
「……さて、あなた達も当分あの家には入れないでしょう。ホグワーツへ入学すると言うなら、魔法使いの横丁へ連れて行きますが?」
「「入学します」」
私達は珍しくユニゾンした。