魔法使いの世界の私と俺 作:オリジナルは初めてでござる
朝、鳥の鳴き声で起きた俺は時間を確認して学生服に着替える。
入学式まで2時間ほど時間があり学校までは徒歩でも30分あれば着くのでゆっくり行けるだろう。
「おーい。オルクス、起きてるか?」
「ああ、リーク。おはよう」
「今日は普通みたいだな」
「なんだよ、昨日は普通じゃなかったみたいな言い方だな」
「だってそうだろ?覚えてないのか?」
「いや覚えてるさ。さてご飯にしようぜ」
「どっちが作るよ?」
「んーそれじゃあ、リークに任せるよ。俺はもう着替えちゃったしな」
「本音は?」
「めんどくさい。働きたくない」
「はぁ....変わらんなお前は」
呆れたように溜め息をはきながらリークはリビングに向かう。
「はは、まあそういうなよ。リークのご飯は旨いんだから」
「旨いのかねぇ。正直分からんな、比べる対象もいないし」
俺達には家族と呼べる存在がいなかった。
いやいたのかもしれないがお互い出会ったのは5才の時で既にその時には両親がいなかった。
「俺と比べてみるか?」
「はは止めとくよ。ご飯は食べたいからな」
「むっ。俺だって料理くらい出来るさ」
「それは料理してから言ってくれ」
俺の問いに返事を返しながら野菜を切り肉を炒め、良い匂いが漂ってよだれが出てくる。
「リーク。今日の朝御飯は?」
「んーそうだなぁ。当ててみな?」
「んーコロッセオの丸焼き!」
「お前のそれは料理じゃねえ!」
そうかな?そんな料理名があってもいいと思うが毎度リークにはこのように言われてしまう。
「いやいや今度つくってあげるよ?コロッセオの丸焼き!」
「具材は?」
「ん?野菜と肉だよ?」
「それをどうするんだ?」
「炒めるだけだけど?」
「それは....野菜炒めだぁあああ!!」
今日の朝もリークの声が響き渡る。
うん平和だね。
俺とリークはご飯を食べ終え家を出て歩き始める。
入学式まで残り1時間。
まだ時間には余裕があるが早めに行っておいて損はないだろう。
「はぁ....こんなとき空飛べたらなぁー」
「ははは、楽なんだけどな」
俺達の魔法力は初級魔法使いだ。浮遊感はあるが実際に浮くことはない。
初級魔法使いは人間と同じで飛ぶことに憧れを持っている。
この世界に交通機関というものは存在していない。
持つものが持たざるものを意識させるために作らせていないからだ。
はっきり言って不便でしょうがない。
中級魔法使いでは一人なら飛べるが複数人は無理だしそうなると上級魔法使い以上に頼むしかない。
だかそうするとかなり高い。
「この世界はほんとに不便だよなー」
リークは俺に問いかける。
「まあな。でも生きてけない世界じゃないさ」
「まあな」
魔法学校に近付くと流石に数人の生徒らしき人が何人か見え始める。
「あー空飛んでるしあの辺は中級魔法使いかなぁー」
「そうだろうな」
リークは羨ましそうに空を見上げる。
代わりに俺の心の中で何処か後ろめたさも湧いてきていた。
恐らく俺も異常な力を使えば簡単に飛べるだろう。それもリークを掴んだままでも。
「でもさ。ここで学べば実力は伸びるしなんとかなるよな!」
リークは無理矢理笑顔を作り目の前にある巨大な学校を指差して俺に聞いてくる。
「そうだな」
一言だけ返して教室の組分けを見て教室を探す。
俺とリークは本当なら血縁者ではないが今は家族となっている。
なので自然と名字も同じになる。
俺がフルネームでアイリスバーンクロイチェル・オルクス。
リークはアイリスバーンクロイチェル・リークなので同じクラスなら自然と席も近くなる。
この学校は一クラス30人で18クラス存在している。
これだけあっても全然足りないらしいが。
運が良く俺達は同じクラスになったので教室に入る。
まだ誰も来ておらず教室はがらっとしていた。
「な、なんだか緊張するな」
「リークらしくもねえな。何気後れしてんだよ」
「そ、そりゃするだろ!?お前は平気なのか?」
「あーまぁ。まだ誰もいないし?」
「ねえ?」
「ん?リークなんか言ったか?」
「そりょするだろって」
「違う違う、ねえって言ったか?」
「言ってねえよ!何で俺がオルクスにねえ?なんて言うんだよ」
「んー確かに。それじゃあ今のは....」
「わたし」
「は?」「え?」
「「はぁぁああああ??」」
目の前には先程までいなかったはずなのに突然女の子が現れた。
白髪で青い瞳の女の子で身長は150無いくらいでやせ形、所謂美少女だった。
「うるさい」
「ご、ごめんなさい」「す、すまん」
俺とリークが叫んだ事で怒られた。
「あなたたち、なんか不思議な感じ。特にあなた」
そう言って女の子は俺の方を向いた。
「えーと...え?」
「あーわたしの名前はリユス。カースドアイズクラウチェル・リユス」
「か、かかか、カースド!?」
女の子の名前を聞いた瞬間にリークが叫び声をあげた。
「どうしたよ、リーク。うるさいぞ?」
「うん....とてもうるさかった」
「驚きもするだろ!カースドって言えば今回の入学試験でぶちぎりでトップだった奴だろ!既に2つ名まであるっていう」
「へえ....リークは物知りだな」
「お前は何で知らないんだよ...」
「いや人の点数とか興味ないし」
「あーお前はそういうやつだったよ...」
「それで何て2つ名なんだ?」
「えーと確か.....」
「【薄灰の姫】という2つ名ですよ」
俺達の後ろから声がして振り替えると以下にもイケメンって顔した金髪の騎士みたいな人がいた。
「【薄灰の姫】?」
「そう。いるはずなのに見えない。だからこの2つ名らしいね。もっともそれだけじゃなさそうだけど」
リユスに聞こうとしたがリユスは既に見えなくなっていた。
「てか2つ名ってなに?」
「おいおい、オルクス。お前少しはパンフ見てこいよな?この学校では上級魔法使い以上の奴に2つ名を付けるんだよ。あと上級魔法使いに勝っても貰えるらしいが、まっ、そんなの無理だしな」
「くす。君達面白いね。僕は本名を。アースカレイドバーン・シルクという、気軽にシルクと呼んでくれ。これからよろしくね」
「あ、俺はオルクス。アイリスバーンクロイチェル・オルクス。俺のこともオルクスって呼んでくれ。よろしくな」
「それで俺はリーク。アイリスバーンクロイチェル・リーク。よろしく頼むよ」
「アイリスバーンクロイチェル?双子かい?」
「んーまあ。そんなとこだ」
「ふーん。オルクス、リーク、これからよろしくね」
そういうとシルクは席に座ったので俺達も自分の席を確認して座った。
時間が立つにつれて少しずつ生徒達が入ってくる。
そして時間になり先生と思わしき人物も入ってきた。
「皆さんこんにちは。私の名前はサラス。本名はめんどくさいので省略します。サラス先生と呼んでくださいね。私は一応上級魔法使いです。分からないところは聞いてください。それでは生徒達にも自己紹介をしてもらいましょうか。とりあえず~適正試験で言われた魔法使いの階級と得意な魔法属性、後は好きにどうぞ。それじゃあ。最初は君からね」
そう言われて窓側の一番端の人が指された。
ふっこういうときのお約束だよな。最初じゃなくて本当に良かったぁ。