魔法使いの世界の私と俺 作:オリジナルは初めてでござる
「それじゃあ自己紹介をよろしくね?」
サラス先生がそう言い俺達の自己紹介が始まる。
このクラスでは今のところ中級魔法使いが一番下で殆どが中級魔法使いで上級魔法使いは先程知り合ったリユスだけだった。リユスの得意魔法は貴重な空間魔法だった。
空間を掌握して自分自身の空間を歪ませて実態をつかませないようにしてるのか?と疑問に思っていたら俺の番になっていた。
「えーと。俺の名前はアイリスバーンクロイチェル・オルクスです。初級魔法使いです」
初級魔法使いと言った瞬間周囲がざわめき始める。当然ちゃ当然だ。魔法学校は入学しずらい、それは受験する生徒が多いからだ。
なので中級魔法使いですら落ちてしまうこともあるのだ。それが初級魔法使いなんて言われたらこうなるだろう。
「得意魔法は全てです。以上」
俺がそう言った瞬間言い返してきた人物がいた。
「おいこら。初級魔法使いのゴミがallskillなんてホラふいてんじゃねーよ」
ガタイは良くいかにも肉弾戦を好みそうだ。
周りを見渡せば最初に知り合ったリユスとシルクそして数名以外は同じ事を思っているようだ。
魔法の種類は多岐にわたるが一人が扱える魔法は原則的に定められている。
少なくて1つ。多くても7種類。
全て使えると言ったが正しくは間違いだ。
現状発見されている魔法は全て使える、が正しい。
「なら君はいくつ使えるの?」
「はん。俺様は4つだ」
4種類魔法が使える。
それはかなり優秀と言えるだろう。
「そう。凄いんだね。先生俺の自己紹介は終わりです」
「分かりました。次にどうぞ」
サラス先生は俺に別段疑念の念を持っていない。実際に使って見せたというのはやはり大きい。
「サラス先生、ちょっと待ってくれよ。おいお前。調子にのってんじゃねえぞ!」
「えーじゃあ俺の名前からでアイリスバーンクロイチェル・リーク」
「おいてめえ!俺が今話してんだろ?」
「俺も初級魔法使いで。得意魔法は時間です」
リークが自己紹介を終えると別の意味でざわつき始めた。
今までの魔法の中でもっとも種類が少なかったのは時間を操る時間魔法だ。
世界でも2人しかいないこの能力は扱えれば最強とまで言われている。
「っ!?時間魔法だとぉ!?」
てかさっきからうるさいなぁ.....まじで。
「おい、えーと。クロオ」
「クロオじゃありません!クロイです!」
「あーまあどっちでもいいや。そろそろ黙れや」
サラス先生の気迫に圧されたく、クロなんとかさんは静かになり自己紹介は無事に終わった。
「はぁ~一時間目なんだろなー」
「やあ。オルクスにリーク」
「どうした?シルク」
「二人にお願いがあってね」
「俺達に?」
「ああ」
シルクは真剣な顔になり頭を下げる。
「俺と模擬戦をしてくれないか?」
「は?」「え?」
俺達二人は固まった。
だってそうだろ、中級魔法使いに勝つとか無理ゲーだしこいつはまずい。
こいつの得意魔法は希少な光魔法と言っていた。となるとリークの時間魔法と相性が悪い。
「いや無理だろ、普通に」
「うんうん」
「駄目かい?」
「何で俺等なんだ?」
「時間魔法を扱える人は少ない......俺は夢の為に時間魔法を使える者を倒せる力を得なくてはいけないんだ」
唇を噛み締めている、よほど過去に何かあったのだろう。
「......はあ。分かったよ」
「オルクス、まじでやるのか?」
「ああ」
「あ、ありがとう!」
「その代わり模擬戦だからな?」
「ああ!」
「でもどうして模擬戦?」
「ああ、それは一時間目の授業で模擬戦をやるからだよ」
「あー。成る程ね」
「わたしも」
「.......えーとリユス。なんて言ったんだ?」
「わたしも模擬戦、やる」
「........なあリーク。じゃんけんしないか?負けた方がリユスな」
「ちょ、ちょっと待てよ!姫はオルクスをご使命みたいだぞ!」
「は?」
「わたしとやろ?」
「えー.......」
「いや?」
そんな上目使いで涙溜めんなよ.......。
「分かったよ....」
「オルクス。骨は拾ってやるからな!」
「いや、応援しろよ!」
チャイムが鳴り一時間が始まると同時に先生が詠唱を始めた。
「アーサスルーサスカーサス・テレポーテーションっ!!」
先生が言った瞬間俺達は何処かの広々とした闘技場の上にいた。
「さーて。お前らに言っておくぞー。死ぬような攻撃は禁止する。当てなきゃいいけどなー。2つ、つまらん勝負にするなよー私が面白くしちゃうからなー。3つめ。楽しめる。さてやりたいひとー」
今の説明で手を上げるものは少ないだろう。
リークとシルクだけ手を上げて模擬戦の相手が決まった。
「おお、お前らか~。面白くなりそうやわー。んじゃ死なんようにな。武器はもっとるな?」
「はい」「ええ」
リークは腰に携えていたナイフを取り出した。
一方シルクは詠唱を始めた。
「アリスクールウェル・sword」
何故英語?
俺の疑問はどうでもいいようにシルクの手に光輝く大剣が現れた。
とても綺麗で何より魔法力が凝縮している。
大丈夫かな、リーク。
「それじゃあ試合開始~」
その掛け声と共にリークの詠唱が始まる。
「カースアーサスサリス・タイムロス」
タイムロスか。俺も同じく時間魔法を発動してるので普通に見えるがこの戦いは殆どの人には分からないだろう。
タイムロスは自分以外の時間を極限にまで遅くさせる魔法だ。初級魔法使いでも使えるらしい。
良く良く考えればチートだよなぁ。
だが良く見ればシルクは少しずつ動いている。恐らく光魔法で肉体強化を行ってるんだろう。そして光魔法の恐ろしさはここからだ。
リークがナイフを持ってダッシュで近付くと光の剣が輝きだしてシルクの周りに丸い球体状の膜みたいなのが現れた。
尚も光の剣は輝き続けている。
「はぁあああ!」
リークは膜に気付かず素手で膜に触れてしまう。
光が乱反射して目の錯覚を巻き起こさせる。これにより一定の角度から膜は見えなくなる。
「見えない膜、か。厄介だな」
「うっ.....」
リークの手は少し焦げており痛みで膝をおる。
痛みによりリークの魔法は解けて代わりにシルクが光の剣を両手で持って構えて上に振り上げて叫んだ。
「エク○カリバァアアアアア!!!」
おいぃぃいいいいい!!!
俺の悲鳴は虚しく散った。
光の剣からとてつもない威力のざんげきがリークのすぐとなりを通りすぎた。地面は抉れその威力を鮮明に表している。
「まだ続けますか?」
「ふぅー俺の敗けだ。敗け。疲れたぁ」
「流石【剣聖】やな。んじゃ二人ともおつかれさん」
先生が何か言った気がした。
えと、はい?2つ名ですか?
え、でもなんで......そういえば自己紹介の時うるさいやつがいて上手く聞こえなかったような.....。
「2つ名なんて聞いてないぞ。シルク」
「はは、ごめんね。でも正直焦ったよ。もう少し早く張られていたら負けたのは僕だったよ」
「はぁ....」
確かにもう少し早く張っていたらリークの勝ちだっただろう。それだけ白熱してたし、でも時間魔法はわからない奴にとっては知らない間に決着つくからまたうるさそうだな。
リーク、頑張れ。
ん?どうしてリーク俺に手を合わせてんの?
「次、わたしとあなたの番」
あー。
「は、ははは」
もう笑うしかないな。