ラフムに転生したと思ったら、いつの間にかカルデアのサーヴァントとして人理定礎を復元することになった件   作:クロム・ウェルハーツ

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0から1のインタールード

 -SLEEP-

 

 それは、未来を取り戻す物語。

 

 空に孔が開いていた。光輪が空に大きな穴を描いていた。

 ソレを見て、私は思う。『救いたい、世界を救いたい』と。私は手を伸ばす。

 

 夏の終わり、あの日に私は彼女の手を取った。白百合の姫の手を取った。いや、どうだったろうか? 私は姫の手を取れたのか、それとも取ることが出来なかったのか?

 結末はどちらも正解。剪定事象ではなく、それが私の本質であり、純然たる事実である。私は白百合の姫の手を取り、そして、取る事が出来なかったのだから。

 

 ……目の前が開けた。

 

 孔の開いた蒼穹の下、若草萌ゆる戦場に集うは英雄。

 

 矢を番えるは弓兵──

 大笑するのは魔術師──

 身軽に舞い踊るは騎兵──

 赤枝を軽やかに操る槍兵──

 光る刃と共に微笑む暗殺者──

 白の向こう寂寥を見せる剣士──

 遥か昔の敵と拳を合わす狂戦士──

 

 私が見ている未来は……そうだ。私が見ている未来は一つだけだ。私は救世を求めるに足る器ではなかった。

 

 器を変え、(カタチ)を変え、私は……。

 

 ──結末は確定した。貴様たちの時代はもう存在しない。

 

 男だ。

 緑の服を着た男が立っていた。その後ろには魔力が立ち上る“聖杯”の姿。それは藤丸がほんの少し前に見た光景だ。

 

「う……ん……」

 

 ──次の特異点に来い、藤丸立香。

 

「ラ……」

 

 ──許さん! 奴は、奴は私がこの手で……殺す!

 

「フ……」

 

 ──改めて自己紹介をしようか。私はレフ・ライノール・“フラウロス”。貴様たち人類を処理するために遣わされた、2015年担当者だ。

 

「ム……」

 

 ──自らの無意味さに! 自らの無能さ故に! 我らが“王”の寵愛を失ったが故に! 何の価値もない紙クズのように、跡形もなく燃え尽きるのさ!

 

 

 

 -ON-

 

「ラフムッ! ……ハァッ! ハッ、ハッ」

 

 悪夢から飛び起きるように少年はベッドの上から体を起こした。悪夢の影響からか、彼の呼吸は荒く、そして、酷く不規則だ。

 

「随分、魘されていたね。変な夢でも見たかい? 例えば……空を飛ぶ夢とか」

「フォウ! フォフォウ!」

 

 顔を顰めて頭を押さえる少年、藤丸立香の耳に二つの声が届いた。一つは知らない女性の声。そして、もう一つの声は藤丸がよく知る小動物、フォウの鳴き声だ。フォウの声から自分の傍にいる女性は敵ではないと判断した藤丸はゆっくりと顔を女性の方へと向ける。

 亜麻色の長く緩く巻いた髪に、華美でありながらもどことなく気品を感じられる服を身に着けた美女が彼のベッドの傍に立っていた。

 

「えっと……貴女は?」

 

 ──綺麗だ。

 

 これまでの人生で見た事がないほどに美しい人だと藤丸は常よりも鈍い頭で考えを纏める。が、前の美女に気を取られている時間はないと藤丸は無意識に考えていた。

 何か、何か大切なことが自分にはあったハズだ。だというのに、自分の思考が緩慢であることに藤丸は歯嚙みする。

 寝ぼけ眼を擦りながら、大切なことを思い出そうとする藤丸へとベッドの隣に立つ女性は話しかけた。

 

「んー、まだ思考能力が戻ってないのか。こうして直接、話をするのは初めてだね。なに? 目を覚ましたら絶世の美女がいて驚いた? わかるわかる。でも慣れて」

 

 二コリと軽く微笑んだ美女は自信に溢れた声で自己紹介を始める。

 

「私はダ・ヴィンチちゃん。カルデアの協力者だ。というか召喚英霊第三号、みたいな?」

 

 “英霊“

 そのワードにピンと来た藤丸は素早く顔を上げる。しかし、ダ・ヴィンチと名乗った英霊、つまり、サーヴァントは藤丸を止めた。

 

「とにかく話は後。キミを待っている人がいるんだから、管制室に行きなさい」

「……ラフム。そう言えば、ラフムはどこですか? それに、マシュも。オレ……マシュの手を握っていたのに。それに、ドクターもいない」

「詳しい話は後、後。ほら、立った立った」

「え? わっ!」

 

 藤丸の手を引っ張ってベッドから彼を放り出したダ・ヴィンチは藤丸の足に靴を引っ掛けさせて、彼の背をドンと押す。いつの間に済ませたのだろうか? 反応できない間に上着を着せられていたことに藤丸は気が付いた。

 それと同時に軽い空気音と共に開いたドアの先へと藤丸は進ませられていたことを藤丸は認識する。思わず、彼が振り返ると、ダ・ヴィンチはとてもいい笑顔で藤丸を見つめ、右腕をそっと上げた。

 

「さあ、行きたまえ! 若人よ!」

「行くって……どこにですか?」

「まだまだ主人公勘ってヤツがなってないなあ」

「フォウ、フォウ!」

「ほら、この子だってそう言ってる。ここからはキミが中心になる物語だ。キミの判断が我々を救うだろう。人類を救いながら歴史に残らなかった数多無数の勇者たちと同じように。英雄ではなく、ただの人間として星の行く末を定める戦いが、キミに与えられた役割だ」

 

 ダ・ヴィンチがそこまで言った瞬間、またもや軽い音がしてドアが閉まった。自動ドアに阻まれた藤丸は部屋のドアを一瞥した後、踵を返す。何はともあれ、探さなくてはいけない。自分のサーヴァントであるラフム、そして、意識を失う寸前まで手を握ったことを記憶している自分のサーヴァントを。

 

 

 

 -OFF-

 

 さて、と。

 

 ……ここはどこ?

 

 右。大きな窓の向こうには雪がじゃんじゃか降っている白銀の世界。

 左。壁。以上。

 

 首をあちこちに動かすが、『金のなる木』と名付けられそうな観葉植物しか見当たらない。無機質な廊下だけだ。

 

 きっと、キングゥがここにいたら、こう言うと思う。

 

『迷子だね、わかるとも!』

 

 うるせぇ! ライオンの着ぐるみを着たラフムの前に放り投げて『ランサーが死んだ。この人でなし!』ってするぞ!

 

 キングゥにラフムが噛みついた光景──人、それを妄想と呼ぶ──を振り払って、涙目で辺りを見渡す。

 

 ブーディカママ、助けて!

 

 心の中で助けを呼ぶものの、誰も来ない。まあ、当たり前だと言えば当たり前だ。例え、ラフムの呼び声が聞こえた所で、復旧作業に忙しいカルデアのスタッフが来てくれるとは考えにくい。そもそも、『英霊が迷子って。プッ』とか言われたら……ええい泣くぞ? ラフムは、本気で泣くからなっ!

 スタッフにラフムが噛みついた光景──人、それを妄想と呼ぶ──を振り払って、涙目で辺りを見渡す。残念なことに周りの景色は変わっていなかった。いや、変わる訳がないんですけど。

 

「255……」

 

 溜息が零れてしまった。どうしてこうなったとラフムは過去を振り返る。

 

 そもそも、ラフムが今、ここにいる訳。それは数時間前に遡る。

 人理継続機関フィニス・カルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィアが殉職し、その体が光の粒子になって消えるのを見送った後、すぐのことだった。ラフムのマスター、藤丸立香とそのサーヴァント、シールダー:マシュ・キリエライトの二人は特異点Fへのレイシフトからカルデアへと帰還した。

 

 だけど、一つ大きな問題があった。

 マスターの意識が戻らなかったんだ。彼のバイタルはほぼ正常であることから単なる疲れで眠っているだけとDr.ロマンに聞いてマシュと共に胸を撫で下ろした後(もちろん、比喩的な表現だ。マシュのマシュマロには触っていません……触っていません)、手が空いたラフムはふと思い付いたんだ。

 

『カルデアの中を探検しよう』って……。

 

 数時間前のラフムを心の底から恨んで爆死しやがれと願いながら、ガックリと肩を落としてトボトボと歩く。ロマンの話を立ったまま寝ながら聞いていたのが間違いだったのかもしれない。もしかしたら、『カルデア内を勝手に歩いちゃいけません』とか注意があったかもだし。ラフムはね、25歳児なんだよ。手を引いて赤提灯に連れて行ってくれなきゃ困ります。牛若丸みたいに天才じゃないんだから。

 

 ……一人で黙々と歩くのは寂しい。こういう時は歌でも歌おう。

 

「3.b―4、3.b―4、0qdf:@yg―♪」

 

 赤王とエリちゃんとセッションしたい。一応、言っておくと“セッション”という言葉に意味深な要素は入っていないのであしからず。

 しかし、歌を歌っても元気になれない。病院を思わせるような無機質な廊下。そして、高い山の中にあるカルデアの建物。ゲームのジャンルが違ったらゾンビが出てきそうなシチュエーション。チビノブとか現れたし、ゾンビが来ても余り驚きはないような気がするけど、それは放っておく。VR以上に怖いに違いないし、そもそも、怖がりのラフムはそんな想像をしてしまったら、目を開けてシャワーを浴びなければならない。

 

 ……思考を切り替えよう。

 

 VRでマシュのピーチマシュマロを生前に見たかったと思いながら足を動かしていくと、少し開いた扉を見つけた。スライド式のドアだ。右にずらすことで部屋の中に入ることができる。カルデアでよく見かけるドア。それが少し開いている。

 

 ふむ、ホラーゲームや脱出ゲームを数限りなくしてきたラフムには分かる。

 このドアの先にはまず間違いなくお宝があるであろうことを。そして、何かしらの面倒も同時に発生するということを。TVの前で座ってすることができるホラーゲームならば、抱き枕(キャラはブラヴァツキーちゃんで、白いシーツの上に半脱ぎで横たわってる上正面からの全身絵で両手は頭の上で縛られて脇を強調して表情は『くっくやしい』と言いつつ発情している感じのカバーが掛けられている)を腕に抱きかかえて、フォウくんなりきりフードブランケットを被ると言った装備が必要だけれども、今のラフムは産まれたままの姿。一糸纏わぬ姿だ。露出狂だね、わかるとも!

 誰が露出狂だ! カルデアのスタッフから服を支給されなかっただけですぅー。というより、服の必要性もないと判断されたみたいで、ラフムは悲しい(ポロロン)

 

 ここで、燻っていても仕方ない。抱き枕(キャラはブラヴァツキーちゃんで、白いシーツの上に半脱ぎで横たわってる上正面からの全身絵で両手は頭の上で縛られて脇を強調して表情は『くっくやしい』と言いつつ発情している感じのカバーが掛けられている)を抱きかかえることができないのが非常に不安だが、行くしかないと、スライド式のドアをそっと横に開ける。

 すばやく体を滑り込ませて、ついでに一回転して部屋の中に転がり込んだ後に辺りを見渡す。ラフムはガールなんて歳じゃないけど、ニコ動では『もう一回』っていう歌声をBGMに雁夜おじさんが坂を転がり落ちていたし、ラフムが一回転しながら部屋に転がり込んできても是非もないよネ!

 

 転がりながら部屋に入った後、すばやく立ち上がる。その部屋は宇宙空間みたいだった。

 

『なんだって?』と尋ねるのはやめてくれ、ラフムにも何が何だか分からないんだから。

 部屋の壁には宇宙のような風景をした壁紙。しかも、宇宙を再現した壁紙は一秒毎に動いているし、とても綺麗だ。(ズヴェズダ)が好きなアイドルを連れてきたいものだ。……リヨぐだ子みたいにラフムもシャンシャンしてフルコンボ決めたい。それに出来たら、マイルームであーにゃんをアロマディフューザーで囲みたい。たぶん、みくにゃんとのあにゃんのSSRが出やすくなると思う。

 

 のあにゃんのSSR実装はよ!(2017年1月時点)

(∩`・ω・)

 / ミつ/ ̄ ̄/ バンバン

  ̄\/__/

 

 それにしても、FGOもマイルームに模様替え機能があれば、蒸しマシュマロをするのに。マシュ蒸しなら、きっと、☆5鯖をじゃんじゃん出してくれるに違いない。

 もし、アロマディフューザーでマシュを囲んで☆5鯖が出たなら『天使! 女神! マシュ!』と新宿のド真ん中で叫んでも構わない。

 

 そんな綺麗な部屋の中、ちょうど中央辺りにある魔法陣を見つけた。型月的には魔“法”陣じゃなくて魔術式が正しい言い方かもしれないけど、分かりやすく一般的に言われる魔法陣と言おう。

 その魔法陣の形はどことなくマシュの盾に似ていた。

 

 ははぁ……つまり、ここはアレだ。FGOの中で最も愉悦を感じられる罪深い烙印の象徴。そう、召喚システム・フェイトだ! ありていに言っちゃうとガチャね。

 

「t@a73333!」

 

 気分は『ジャンヌゥウウウ!』と叫ぶ旦那と同じ感じ。恋い焦がれた存在がそこにはあった。

 

 うん。初めに言っておくとね、僕は廃課金勢なんだ。

 

 あ、ダメだ。これ以上ガチャ(爆死)のこと思い出したらお腹が痛くなる。このストレスからの解放、カタルシスを得るためにはガチャを引くしかない。財布を取り出そ……う……。

 

 ──所持金/zero──

 

 ……それどころか、服すらも着ていない\(^o^)/オワタ

 

「t@a73333333!!! t@a73333333!!! t@a73333333!!!」

 

 とりあえず、声の限りに叫ぶ。凄く疲れただけで、ガチャが勝手に回り始めるとかはなかった。これがアミューズメントフロアとかに置いているガチャなら隣にいた幼女が凄い可哀そうな目付きで100円恵んでくれたこともあったというのに。ちなみに、100円くれた幼女にはガチャの空容器をいっぱいあげたよ(皮肉)

 

 そう、ラフム以外の奴らが☆5サーヴァントを引けなくたっていいんだ。

 

 そうだ、ツイッターのフォロワーさんが貼る大勝利スクショが美しいから憧れた! 故に、自身から零れ落ちた☆5鯖ばかりだ。これを爆死と言わずなんと言う! この身は大勝利しなければならないと、強迫観念に突き動かされてきた。それが苦痛だと思うことも、破綻していると気づく間もなく、ただ回し続けた! だが、所詮は偽物だ。そんな端た金では誰も救えない。否、元より、ガチャを回すことすら出来はしない!

 

 しかし、何事にも例外はある。万能の願望機、聖杯があれば、不可能は可能になる。聖杯があれば巨万の富を願っただけで出してくれてガチャを回せるというのに。……油田を買うのとどっちがいいだろうか? いやいや、この際、汚染された聖杯でもいい。聖杯さえあれば、禁断の果実のカードがなくてもガチャを回せるのだ。

 え? 聖杯くん! その出刃包丁どうするの?

 

 脳内に突如出てきた聖杯くんが『弱い奴らから毟り取っちまえよ』と言っているが、ラフムの頭の中の天使(恰好はラフムと同じ)が聖杯くんの首を締めあげることで事なきを得た。

 弱者からお金を強請るのは悪い文明だからね。やっぱり効率を考えると強い奴から毟らなきゃいけない。だから、さ……その心臓、貰い受ける!(相手はデーモン系エネミー)

 

 だがしかし! それは脳内での話。

 現実では聖杯を渡してしまっていた。なんてことだ、ちくしょう! オルガマリーと帰還した後、カルデアのスタッフに聖杯を渡してしまっているじゃないか!

 

 自分の浅はかさにガックリと項垂れる。深くて怖くて魅力的なブラックホール(ガチャ)を前にして単発すら出来ないなんて辛すぎる。

 

 ラフムはどうしようもなく膝を着いて項垂れる。諭吉よ、首を出せぃ!

 

 どれくらいの時間が過ぎたのだろうか?

 絶望に打ちひしがれていると、ウィンという音がしてドアが開いた。

 ……自動ドアめ、ラフムにもしっかり反応しろよ。ラフムを人間扱いしないのは悪い文明。

 

 ラフムが振り返ると、そこには目を覚ましたマスターが立っていた。

 

 

 

 -ON-

 

 目を覚まし、マイルームを追い出された藤丸が辿り着いたのは、先日、自分が向かった場所。巨大地球儀、カルデアスがある部屋だ。青いホールの中心に探し人がいた。その菫色へと駆け寄る藤丸の足音を聞き留めたのだろう。彼女は振り返った。藤丸の姿を確認した彼女は口元を綻ばせる。

 

「おはようございます、先輩。無事で何よりです」

「マシュ!」

 

 温室育ちの菫のように可憐なマシュがそこにはいた。レイシフトで特異点F冬木からカルデアへと戻る瞬間まで手を握っていた少女がそこにはいたのだ。そして、マシュの様子を見るに、大きな傷もなく状態は良好そうだ。

 

「先輩、ありがとうございます。先輩がいてくれたので意識を保っていられました」

「いや、お礼を言うのはオレの方だ。マシュ、ありがとう」

 

 無事を確かめ合い、笑顔を浮かべる二人。その二人の耳に咳払いが届いた。

 

「再会を喜ぶのは結構だけど、今はこっちにも注目してくれないかな」

「ドクター!」

 

 彼らの後ろに立っていたのは、特異点Fで映像の向こうから指示を出していたロマニ・アーキマンだ。

 

「うん、まずは生還おめでとうと言わせてもらうよ、藤丸くん。そして、ミッション達成、お疲れ様。なし崩し的に全てを押し付けてしまったけど、君は勇敢にも事態に挑み、乗り越えてくれた。その事に心からの尊敬と感謝を送るよ。君のお陰でマシュとカルデアは救われた」

「オレじゃなくて、頑張ってくれたのはマシュとラフムと所長です」

「……そうだね。まずはそこからか。いいかい、落ち着いて聞いてくれ。……所長は殉職された」

「え? で、でも……」

「これは事実だ。ボクらにはどうすることもできなかった」

「そんな……」

「所長は残念だったけど……今は弔うだけの余裕がない。悼むことぐらいしかできない。人類を守ることをボクらは所長から託された」

「そう……ですか」

 

 と、藤丸はあることに気付く。マシュはいた。しかし、その横にはもう一体の自分のサーヴァントの姿はない。

 

「ラフムは?」

「え? さっきまで、そこに居たのに……。誰か! ラフムの行先を知らないか?」

 

 ロマニに尋ねると、ラフムはどうやら無事らしい。それを聞いて藤丸はほっと息を吐いた。安心した様子の藤丸を尻目にロマニの指示でスタッフが慌ただしく監視カメラを確認していく。

 

「見つけました、守護英霊召喚システム(フェイト)の前で跪いています。まるで、祈るように」

 

 ラフムのいる詳しい場所を聞こうとスタッフへと口を開こうとした藤丸だったが、ロマニに止められた。

 

「待つんだ、藤丸くん。ラフムの所に行く前に君に説明しておかなくちゃならないことと、君に聞きたいことがある」

「なんですか?」

「まずは、レフのこと。状況から鑑みるに、彼の言葉は真実だ。人類は滅びている。このカルデアだけが通常の時間軸に無い状態だ。崩壊直前の歴史に踏み止まっている……というのかな。宇宙空間に浮かんだコロニーと思えばいい。外の世界は死の世界だ。この状況を打破するまではね」

「……解決策があるんですね?」

「もちろん。まずはこれを見て欲しい。復興させたシバで地球の状態をスキャンしてみた。未来じゃなくて過去の地球のね。冬木の特異点は君たちのおかげで消滅した。なのに、未来が変わらないということは、他にも原因があるとボクらは仮定したんだ。その結果が──この狂った世界地図」

 

 カルデアスが不明瞭な世界を映す。

 

「新たに発見された、冬木とは比べ物にならない時空の乱れだ。よく過去を変えれば未来が変わる、というけど、ちょっとやそっとの過去改竄じゃ未来は変革できない。歴史には修復力というものがあってね。確かに人間の一人や二人を救うことが出来ても、その時代が迎える結末──決定的な結果だけは変わらないようになっている。でも、これらの特異点は違う。これは人類のターニングポイント」

 

 ロマニはカルデアスを見上げながら説明を続ける。

 

「“この戦争が終わらなかったら”“この航海が成功しなかったら”“この発明が間違っていたら”“この国が独立できなかったら”……そういった、現在の人類を決定づけた究極の選択点だ。それが崩されるということは、人類史の土台が崩れる事に等しい。この七つの特異点はまさにそれだ。この特異点が出来た時点で未来は決定してしまった。レフの言う通り、人類に2017年はやってこない」

 

 カルデアスから藤丸へとロマニは目線を映す。

 

「けど、ボクらだけは違う。カルデアはまだその未来に到達していないからね。分かるかい? ボクらだけがこの間違いを修復できる。今、こうして崩れている特異点を元に戻す機会(チャンス)がある」

「つまり……」

「結論を言おう。この七つの特異点にレイシフトし、歴史を正しいカタチに戻す。それが人類を救う唯一の手段だ。けれど、ボクらにはあまりにも力がない。マスター適性者は君を除いて凍結。所持するサーヴァントはマシュとラフムだけだ。この状況で君に話すのは強制に近いと理解している。それでも、ボクはこう言うしかない。マスター適性者48番、藤丸。君が……」

「オレにやらせてください」

「……いいのかい? たった一人で、この七つの人類史と戦わなくてはいけない。そのことを理解しているのか?」

「覚悟しています」

「逃げ出しても誰も君を責める者はいない。それでもかい?」

「逃げたら守れない。そうでしょう?」

 

 少し考え、ロマニは笑う。

 

「ああ、君の言う通りだ。では、これより、カルデアは前所長オルガマリー・アニムスフィアが予定した通り、人理継続の尊命を全うする。目的は人類史の保護、及び、奪還。探索対象は各年代と、原因と思われる聖遺物・聖杯。我々が戦うべき相手は歴史そのものだ。君の前に立ちはだかるのは多くの英霊、伝説になる。それは挑戦であると同時に、過去に弓を引く冒涜だ。我々は人類を守るために人類史に立ち向かうのだから。けれど、生き残るにはそれしかない。いや、未来を取り戻すにはこれしかない。……例え、どのような結末が待っていようとも、だ。以上の決意を以って、作戦名はファーストオーダーから改める。これはカルデア最後にして原初の使命」

 

 一息ついて、ロマニは宣言した。

 

「人理守護指定・G(グランド).O(オーダー)。魔術世界における最高位の使命を以って、我々は未来を取り戻す!」

 

 

 

 -OFF-

 

「t@a'!! t@a'!! jqt@a't@t@t@j0p.$4!! 7Z2$$$44443!! t@a'#33!! 10;yt@a'3!! eZf[eeZf[ej0rk&&!! s:.$4!! s:a'44!!」

「マシュ、ラフムは何て言ってるの?」

「わかりません」

 

『魔力が最も高まる時間帯にガチャを回そう』とラフムは習った。『君は午前2時教だね、分かるとも!』と叫んで、緑色のアサシンに飛び掛かりたいものだ。午前2時に回した結果、予定調和の如く……高レアサーヴァントは当たらなかった。☆4枠の綺礼は悪い文明。失望しました。午前2時教を辞めてマフィア梶田教になります。

 

 と、ラフムは気づいた。このまま地面に寝転がりながら『溶けるぅ!! 溶けちゃうぅうう!!』とか叫んでいても仕方ないことに。とりあえず、状況を整理してみよう。

 

 ラフム、ガチャを見つける→ラフム、マスター&マシュとロマンに見つかる→彼らはラフムのパトロン(絶好のカモ)である→ラフムにガチャを引かせてくれるようお願いしている→しかし、ラフムの言葉は通じなかった!

 そんな感じだ。しかし、ラフムは諦めない。ガチャ宗教になんか負けない!

 

「q@epeb4g)4、g)hq@epeb4g)4、dy72d@g)4。r^@wk6t.sk4nk67。xyd'eEEy! o“-@2Z”]……YEAAAAH!」

「マシュ、ラフムは何て言ってるの?」

「わかりません」

 

 絶対に笑ってはいけないカルデア査察官になったような気分。セクシーはサンシャインな斎藤さん、キュートはサンシャインなラフムであることは確定的に明らか。

 ちなみに、ラフムが査察官になったのなら、倉庫街の倉庫の上に立ちながら魔術で姿を隠蔽しつつ、えっちなCGの開帳を許すのに。知恵の実(アップル)の手先どもめ、人造人間(アンドロイド)たちに比べてリリースを遅れさせたばかりか、CGすらも許さぬとは何たる非道、何たる外道……。

 

 午前二時召喚とか触媒用意するとか迷信信じて向かうはイフ城、我が征くは爆乳の彼方。穢れ切った輝石(え? 今、ラフムが回そうとしてるガチャって石4個必要なの?)を守護英霊召喚システム・フェイト(ガチャ)へと捧げる。イメージするのは常に高レアサーヴァントを引く自分だ。

 

 マスターに何度もガチャを示して、その後にラフムの胸を叩く。言葉は伝わらなくとも気持ちは伝わったのだろう。マスターは苦笑して、ラフムへと四つの星晶石を渡してくれた。

 ……10連じゃないことが不満だけど、まあ、回せるし良しとする。

 

 大きく息を吸ってガチャへと石を捧げる。イメージするのは高レア鯖を引く自分だ。

 

 ガチャが光り輝く。12の光の玉が円状に並び、そして、1つの光の玉がその12の光の玉の上で輝く。時計回りに回り出した12の玉。その光の玉は一本の線となり、円を描……あ、あかんわ、これ。虹演出じゃない。

 

 予想通りというか、光が収まった後、そこにあったのはとてもよく見知った概念礼装、“偽臣の書”だった。

 

 ワ カ メ は い ら な い !

 

 ちくしょう! 台無しにしやがった。お前はいつもそうだ。このガチャはまるでお前の人生そのものだ。お前はいつも爆死ばかりだ。お前は色んな☆5サーヴァントを欲しがるが、一つだって手に入れられない。誰もお前を愛さない。

 

 誰かラフムに偽臣の書という概念礼装の使い方を教えて。弱体耐性20%アップ(前提条件として凸済みとする)するなら、素直にNPチャージ50%の龍脈(前提条件として凸済みとする)を着ける。

 どうせ同じワカメなら、優秀な方(レコードホルダー)が良かった。それなら、ケタケタ笑いでデバフを与えることができるラフムに合う礼装だったのに。

 

 けど、一応は☆3の概念礼装。ずずいとショップに行ってダ・ヴィンチちゃんに売り払えば、500QPとマナプリズム1個と交換できる。その後、20マナプリズムで呼符を交換すればいい。穢れ切った呼符を手に召喚すればいいだけの話だ。

 さて、そうと決まれば呼符を交換して……。

 

 マ ナ プ リ が な い !

 

 イベントがない状態でマナプリを集めるのは効率が悪い、というより絶望的だ。種火を集めて銀種火をマナプリに変えればいい話ではあるが、それよりも前にラフムのレベルを上げて欲しい気持ちもある。

 これはマズイ。ガチャができない。いや、待てよ。ガチャをしていらない礼装やサーヴァントをマナプリに変えたらガチャができるじゃないか!(錯乱)

 

 と、そこでラフムは気が付いた。

 ちょっと待って。

 ラフムは何か大事なことを忘れている気がする。

 

 ///

 

 が、マスターの意識は戻らなかった。彼のバイタルはほぼ正常であることから単なる疲れで眠っているだけとDr.ロマンに聞いてマシュと共に胸を撫で下ろした後(もちろん、比喩的な表現だ。マシュのマシュマロには触っていません……触っていません)、手が空いたラフムはふと思い付いたんだ。

 

『カルデアの中を探検しよう』って……。

 

 数時間前のラフムを心の底から恨み、爆死しやがれと願いながら、ガックリと肩を落としてトボトボと歩く。

 

 ///

 

 お気づきだろうか?

 

 ///

 

 が、マスターの意識は戻らなかった。彼のバイタルはほぼ正常であることから単なる疲れで眠っているだけとDr.ロマンに聞いてマシュと共に胸を撫で下ろした後(もちろん、比喩的な表現だ。マシュのマシュマロには触っていません……触っていません)、手が空いたラフムはふと思い付いたんだ。

 

『カルデアの中を探検しよう』って……。

 

 数時間前のラフムを心の底から恨み、爆死しやがれと願いながら、ガックリと肩を落としてトボトボと歩く。

 

 ///

 

 おわかりいただけただろうか?

 

 ///

 

 が、マスターの意識は戻らなかった。彼のバイタルはほぼ正常であることから単なる疲れで眠っているだけとDr.ロマンに聞いてマシュと共に胸を撫で下ろした後(もちろん、比喩的な表現だ。マシュのマシュマロには触っていません……触っていません)、手が空いたラフムはふと思い付いたんだ。

 

『カルデアの中を探検しよう』って……。

 

 数時間前のラフムを心の底から恨み、

 _人人人人人人人人人人人人_

 >爆死しやがれと願いながら<

  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 ガックリと肩を落としてトボトボと歩く。

 

 ///

 

 おかわりいただけるだろうか?

 自分で自分に呪いをかけて、それが炸裂している。ラフムは呪いなんて使えなかったハズだけど、多分、過去のラフムのせいだ。かくなる上はレイシフトをして過去のラフムに爆死するからガチャを回すのは止めておけというべきか。

 

 そこで、ラフムは自分の背中に注がれている視線に気が付いた。振り向くと、そこにはマスターが何とも微妙な顔でラフムを見ていた。

 

 もう一回、回させて。ほら、次、来る気がビンビンにしているから、さ。次は☆5サーヴァントを当てる、必ず当てるから。いや、ホント、マジで。ラフムはやるよ、かなりやる。

 

 10連は終わらぬ──我らが胸に彼方への野心ある限り! これぞ大軍師の究極陣地! 勝鬨を上げよ! 石課金陣(はずれずのじん)! 課金王の軍勢(アタルマ・デ・ヤメンゾイ)! AAAALaLaLaLaLaie!!

 

 そんな気持ちを表情にする。具体的に言うと、口からよだれを垂れ流している状態だ。

 ラフムをじっと見つめているマスターは少し泣きそうだ。まあ、気持ちは分からなくもない。勝手にガチャを回されて、その結果がワカメなら大抵の人間は今のマスターと同じような表情をすること請け合いだ。大抵の人間じゃない人間はブチ切れるね、間違いなく。

 しかし、その程度はとうの昔に通り過ぎた道。単発で当たらなければ、10連ガチャをすればいいじゃない。単発でPUキャラが出たとかいう人は、もしかして可愛いから運営に見逃されていただけではないかしら?

 

 ラフムは生前から運営とは本気のプロレス(ガチャ)をしていたから、高レア鯖を当てる最高に頭のいい方法を知っている。

 

 そう……出るまで回す教だ。回せ、回転数が全てだ。

 

 固有時制御・三十連召喚(タイムアルター・30連ガチャする)! 固有時制御・百連召喚(タイムアルター・100連ガチャする)

 

 ガチャを回させてとマスターを見つめるが、次にマスターが取ったのは驚きの行動だった。なんと、マスターはラフムの首に腕を回して抱きしめたのだ。

 

「ラフム」

 

 耳のすぐ傍でマスターの甘い声がする。

 

 オウフwwwいわゆるストレートな展開キタコレですねwww

 おっとっとwww拙者『キタコレ』などとついネット用語がwww

 まあ拙者の場合、ノッブ好きとは言っても、いわゆる声優としてのノッブでなく、ガーチャーとして見ているちょっと変わり者ですのでwwwゆうきゃんの影響がですねwww

 ドプフォwwwついマニアックな知識が出てしまいましたwwwいや失敬失敬www

 まあ彼氏面のメタファーとしての巌窟王は純粋によく演じてるなと賞賛できますがクハハハハ!

 私みたいに一歩引いた見方をするとですねwwwポストジョージのメタファーと型月主義のキッチュさを引き継いだアクターとしてのですねwww

 りえりーのショタ性癖はですねwww

 フォカヌポウwww拙者これではまるでくろひーみたいwww

 拙者はくろひーではござらんのでwwwコポォ

 

 思わずキャラが崩れてしまう。それほどに回す方のノッブの声は甘かった。

 

「f00……」

「一人で背負うな。オレは……マスターだろ?」

 

『まだまだ頼りないと思うだろうけど、さ』と言いながらラフムから体を離したマスター。何が起こったのかさっぱりだけど、取り合えず頷いておいた。

 

「さて、それじゃ、行こうか」

「^?」

「オレたちの旅はこれからだよ、ラフム」

 

 え? でも、ガチャは?

 

 そんな感情を籠めてガチャ(召喚システム・フェry)を指し示す。ラフムの視線に気が付いたのだろう。マスターは手を鳴らして、衝撃的な提案をした。

 

「召喚システムを起動させるより、この石は魔力リソースとして使った方がいいんじゃないかと考えたんだ。オレは未熟だから、間違うこともあるかもしれない。その時のために、この石で危なくなった時はラフムたちをサポートするから」

 

 嘘やん(´・ω・`)

 

 

 

 -ON-

 

 守護英霊召喚システム・フェイトを稼働させ、概念礼装が排出された途端に、ラフムは今まで見せたことのない表情を浮かべた。茫然自失というように口から涎を垂らしているラフムを見た瞬間、藤丸は大きく目を見開いた。そして、彼はラフムの気持ちに気づく。

 

 ラフムは召喚の責任を感じているのだと。

 

 思えば、出会った時からそうだった。

 マスターである自分を常に優先していた。オルガマリーに爪を向けたのも自分のため。普通なら、素人感丸出しの自分の指示ではなく、身なりが整い魔術師然としたオルガマリーをマスターよりも上と認め、オルガマリーの指示に従うだろう。

 一般人でしかない自分とカルデアの所長であるオルガマリーを天秤にかけたのも自分のため。普通なら、自分よりも上の立場であるオルガマリーを優先させるのは自明の理。

 

 ラフムの全ての行動は自分、つまり、思いがけずラフムのマスターとなってしまった自分を尊重する行為に他ならなかったのだと藤丸は思い至った。

 

 そして、今回、運という不確定極まりないものに大きく左右される召喚にラフムが率先して挑んだのは、何の役にも立ちそうにもない礼装をマスターが引いてしまい、気落ちするのを避けるためではないか? いや、きっと……必ずそうに違いない。

 なぜなら、ラフムは常にマスターである自分を第一に行動してきた。特異点Fでアーチャーとの戦闘を単身、行ったのも自分を危険に巻き込まないためだ。あの時は自分の体、そして、今回は自分の心をラフムは守るよう行動したのだろう。ハズレと断じることができる礼装を引いてしまい自身が(なじ)られることすらも承知の上で。

 

 ──ああ……かっこいい。

 

 しかし。

 

 ──堪らなく……辛い。

 

 その生き方が、自分を危険に晒しても前に立ち続けるラフムの姿が藤丸には痛々しく思えたのだ。サーヴァントは道具や武器として扱われるもの。それが魔術師の常識だ。サーヴァントと縁を育むなど愚の骨頂だと魔術師然とした魔術師は嘲笑うだろう。

 

 だが、藤丸という人間はレイシフトの適性があるというだけの一般人。彼はサーヴァントが道具として自らを律する様子を見る事は耐えられなかった。

 だからこそ、彼はラフムを抱きしめたのだ。自分の盾となり、剣となり、時には軍師となる存在を。まるで、父や兄、母や姉、教師や上司、いや、それ以上に自分を慈しみ守る存在を。

 

「ラフム」

「f00……」

 

 震えるラフムの声。それを耳にした藤丸は更にきつくラフムを抱きしめる。

 

「一人で背負うな。オレは……マスターだろ?」

 

『まだまだ頼りないと思うだろうけど、さ』と言いながら藤丸はラフムから体を離してじっと見つめる。ややあって、ラフムは頷いた。

 頷いたラフムに笑顔を返した藤丸は立ち上がる。

 

「さて、それじゃ、行こうか」

「^?」

「オレたちの旅はこれからだよ、ラフム」

 

 しかしながら、ラフムが返した反応は召喚システム・フェイトを指し示すというもの。

 合点がいったというように藤丸は手を鳴らす。ラフムのことだ。強力な英霊を召喚できる可能性がある召喚システムを稼働させた方がマスターである自分の身を守ることができると考えているのだろうと藤丸は感じ取った。

 だが、守られるばかりでは自分が許せなくなる。だからこそ、藤丸は最高の笑顔でラフムへと宣言した。

 

「召喚システムを起動させるより、この石は魔力リソースとして使った方がいいんじゃないかと考えたんだ。オレは未熟だから、間違うこともあるかもしれない。その時のために、この石で危なくなった時はラフムたちをサポートするから」

 

『さあ、オレたちで世界を救うんだ』と言いながら藤丸は部屋を出て行く。これから先、藤丸立香という矮小な人間には様々な苦難が待ち受けているだろうことを藤丸は知っていた。しかし、彼は同時に知っていた。

 時空を越える旅にはかけがえのない出会いもまた待っているだろうことを。だから、藤丸は足を止めずに歩くのだ。

 

 運命の出会いという奇跡を信じて。




行っくぞー! マジックサーキットフルカウント! マーブルファンタズム!
ラフムーンの前に新たな敵が現れたの! その名は妖怪、竜の魔女!
怖い、私負けそう。月よ、もう一度愛を信じさせて。
そこに現れた助っ人!
え? マシュ! その竹輪どうするの?
次回、黒き泥人形ラフムーン!

──ドラゴンスレイヤー大会──

次回もあなたの心にマーブルゥ……ファンタズム!

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