生まれた日から数年、まぁまぁ育ってきた。
ドライグとの訓練も欠かさずにしようとするが、親が心配していて1人で外に出ることは出来ない。
少し面倒と思うが、嬉しい気持ちもある。前世では親がすぐに死んでしまったため全くと言っていいほど覚えてない。ので心配されるとつい頬が緩む。
俺の前世の家系はそこまで裕福ではなかった。というか貧乏すぎてなんも食えなかった。俺の爺さんが面倒を見てくれたが、爺さんの金もほぼ無かったため食い物は1日に1回くらいだ。
だからその時の俺の夢は強くなって爺さんにもっと美味しい食べ物を食べさせてあげたいだった。その事を爺さんに伝えると爺さんは優しい笑みを浮かべながら
「おう、そうか。ならお前にいいもんをくれてやる」
そういった。
爺さんがくれたのは綺麗な刀だった。爺さんは見ていたのだ。俺がずっと木の枝を四六時中振っているのを。その時の俺はまだ刀の事がよく分からなかった。
その時の俺はカッコイイ、綺麗とかしか思わなかった。
これが俺の、これで爺さんに美味いもんをくわせることが出来るのか、そう考えていた。
ただ世の中そんなに甘くない。
爺さんがいきなり倒れたのだ。原因は飢えによるものだった。
日に日に爺さんがやつれていくのを気づいていたが、俺は刀に夢中だった。
刀はかなりな業物だった。故に高額で爺さんが飯を食っていける金すらなくなるほどに、高額だった。
俺は病院に行こうと爺さんに言った。
でも爺さんは
「バカもん、そんなんで死ぬわけなかろう。それにお前が食わせてくれるんだろ?美味いもんを」
ニカッと汚いボロボロの歯を見せて笑った。
その言葉に安心して俺はずっと刀を振っていた。四六時中、24時間ずっと振っている日もあった。
そんな生活を続けていたため、気づけなかった。いや見ていなかった。
とうとう、爺さんが餓死したのだ。あの後結局何日もなんも食べずに仕事をしていたのだ。爺さんの仕事は藁靴作りをしているのだが、今まで作った靴を全部売って、出た金を残して死んでいった。
死んでいった。死んでしまった。俺があの時安心でなければ、勝手に飯をちゃんと食ってるなんて思わなければ!
それから俺はずっと金を求めた。求めに求めた。金を求めて刀を振るって人殺しを繰り返していた。生憎にも俺には剣の才能というものがあるらしかった。
そして人を殺し続けていた結果、とある赤色のドラゴンと出会った。このドラゴンとの出会いがここまで人生が変わるなんて思ってもいなかった。そのドラゴンは昼寝中だった。俺はそんな存在その時は初めてあったため驚きすぎて何も出来なかった。
そうして硬直しているととうとうドラゴンが目を覚ましてしまった。
「おい人間。お前は何をしにここへやって来た?返答次第によっては逃がしてやらんことも無い」
そんなことをドラゴンが言ってきたのだ。その時の俺は負け無しだったためムカッときて、トカゲが何いってんの?と言い返してしまった。
ドラゴンがプルプルと震えていた。
「グルガァァァァァア!!!!」
その咆哮で大地が震えた。本能が大音量で警告を鳴らしていた。
「人間風情が!!図に乗るな!!」
やばい、ドラゴンが突っ込んで来ると思ったその時にはもう俺の体は吹っ飛んでいた。
危なかった。少し横にずれなければやられていた。まだ左手1本折れた程度ですんだ。ただ、こんな人外相手にどうするか。
「グルゥ、避けたか。いつまで続くかな!」
「もう少し待ってくれてもいいのにな!!っと、危ねぇ」
「ほう、避けるか。人間、死ぬ前に名前を聞いておいてやる。俺の名はドライグ、ア・ドライグ・ゴッホ」
「....綱吉。ただの綱吉だ」
自分の名を名乗る。俺に家名などない。そんなものは、ない。
「では、綱吉。行くぞ!!」
ドラゴンが口を大きく開け突っ込んでくる。
「グルガァァァァァア!!!!!!」
精神統一。心を落ち着かせる。思い浮かべるは最強の自分!燕を見ながら研究した技、魔剣で倒すことにした。それが俺自身最強の技な為、負けたらもう終わりだ。
────秘剣 燕返し
その瞬間刀が三つになった。全く同時にふり抜かれた三つの刀。一つの刀を三つの斬撃にして斬る。
一番わかりやすい言い方は全部同時になっているから異常ということである。
三つの斬撃がドライグの顔に当たる。
この技はとある1人の侍が使っていた技だった。俺はこの技を見たことがあるのだ。前にあったことがあり見せてもらったのだ。その侍に
「この技、名を燕返しと言う。この魔剣は燕を斬るために生み出されたものだ。それでも覚えようと思うのか?」
「あぁ、教えて欲しい。」
「ほう。ならば燕を斬って見せよ」
「な....。おけ」
「おけ?」
なんか言っているが聞いてないことにした。
ちょうどそこに燕がいたので刀を思いっきり振りかぶる。簡単によけられる。もう1度振りかぶる。よけられる。
「くそ、はぁ!はぁ、はぁ、んっ、くそなんで当たんねえんだよ!」
「燕はな、風の軌道で避ける方向をきめているのだ。一太刀では当たらないものよな」
そんなことを言ってどこかに行ってしまった。
ここからほんとに大変だったなぁ。
そう言えば話を戻そう。ドライグの話だったよな。
ドライグが突進してきて燕返しは当たったが、硬すぎて鱗までしか取れなかった。
俺は首を刈り取るつもりで行ったのに結果がこれで少しガッカリしていた。
ドライグのほうはというとプライドがズタボロにされたようだった。
「人間風情が俺の鱗を切るなど、許さん!!」
そういいドライグは口に緑色の魔力玉を作り始めた。
これは流石の俺も死を覚悟したな。
「はぁぁぁぁ!!」
だが、それに対して俺は力を貯めた。精神統一を一瞬で行って、ドライグの攻撃を待つ。
ドライグの方も一瞬で終わったらしくすぐ攻撃してきた。
この一撃に俺の命を賭けた。この一撃が決まらなかったら俺は文字通り死ぬ。
まだドライグの攻撃は来ない。
まだ。
まだ。
....来た!!
「天翔 龍閃!!!」
疲れたー