小高が死んでから1週間がたった。行方不明者が多数出たことから俺も事情聴取をされたがあの事はさすがに言えない、なので知らないと答えた。なぜが騒ぎは二日で収まってしまったが、この1週間で鈴奈から連絡は無い、あいつは一体何者なんだろうか?俺はそんな事を考えながら学校から帰っている。家に着くと俺は「ただいま」と言うと誰も居ない筈なのに「おかえりー」と返ってきた。この声には聞き覚えがある、鈴奈の声だ。俺は「…はぁ」とため息をつき自分の部屋に入った。
「やぁ、こ・う・たくん!」
「気持ち悪い声出してどうした。てかっ何で俺の名前知ってんだよ。言ってないのに…」
鈴奈は色気付いたように言いながらベッドの上で漫画を読んでいた。
この部屋には俺と、俺のベッドの上でゴロゴロと漫画を読んでいる鈴奈に、あと一人見たことのある少女が座っていた。少女は髪は肩くらいの長さで、凄く大人しそうな少女だ。因みにこの人は俺と同じクラスの姫埼 冬姫(ひめさきとうき)と言う。
「その子に名前聞いたんだよ。てかっ、こうたの部屋漫画以外何にもないね…」
と鈴奈がつまらなそうに言うと座っていた姫埼さんが「そろそろ、本題に入りませんか?」おろおろと怯えたように言った。鈴奈は「そうだねー」と言いながら漫画を放り投げベッドから降りながら言う。
「この前に話したことなんだけどさぁ」
この前に話したこと?何だっけな?俺が悩むような顔をすると鈴奈は「私達のチームに入るかの話だよ」と呆れた顔で言ってきた。
「あぁ、その話か俺は別に入ってもいいが……」
と言うと
「違う、違う。やっぱり入らなくても良いよって話をしに来たんだよ」
と返してきた。はぁ?!この前と矛盾してないか!?まぁ俺は入りたく無かったから良いんだが……
「あと、私達の存在を知られたから殺しに来たの、どっちかと言うとこっちが本題だね」
「・・・ハァ?!!?」
えっ!何でいきなり殺すってのはどう考えても可笑しいだろ!まず俺は関わりたく無かったのに
「なぁ?理由を聞かせてくれよ。なんで、俺が入れないんだ?」
俺は変な考えをしたらこいつらの思うつぼだと思い、鈴奈に質問をした。
「理由?理由はねぇ、君に魅せる才能がないからだよ。」
と鋏を振り回しながら言ってきたが、才能がないだと?才能があるから羨ましいや、天才だから良いよね等の言葉は始めて言われた。俺はその時少しだけ怒りが増し、こう言った。
「俺は周りから天才だの、才能があるだの言われてきた。なのに才能がないってのはどう言う事なんだ!?」
と鈴奈は目つきを悪くして
「そんなのは天才なんて言わないよ。」
と言った。その声はまるでライオンが獲物を捕らえるかのように威圧が掛かっていた。それに対し俺は言葉も出なかった。俺が黙り込んでいると
「例えばだよ。足が速くっても意味ないじゃん。今の時代自動車があるし日常には困らない。他にも数学が得意でも日常で使われるのは足し算、引き算、かけ算、割り算、だけだし、あんまり意味ないじゃん?まぁ例外もあるけど……」
と俺に近寄りながら言った。確かにそうだがと思いながら一つ疑問が浮かび上がった。「例外って何だ?」俺がそう言うと鈴奈が一度、息を吸い込み
「その驚異的な計算能力から悪魔の頭脳と言われたジョン・フォン・ノイマンに史上最速と言われた黒い稲妻ウサイン・セント・レオ・ボルト、等の天才達は例外何だよ」
確かにどちらも歴史に残る天才だ、俺はそこまでの才能はないが常人よりは才能がある。もちろんこの二人よりもだ、
「でも、それは本物の天才達の話だろ!俺はそこまではいかないが頭も良いし、体力や足の速さだってお前達よりは……」
と言おうとした瞬間俺の首もとに鋏の刃が当たっていた。
「残念だけど、速さや体力なら私の方があるよ。私は頭は悪いけど計算能力ならこの子の方が何倍も速く正確に答えを出せる!あまり私達を舐めない事だね!」
そう言うと鈴奈は鋏を閉じポーチの中に入れた
「それなら一度来て見てみる?私達の仕事ぶりを」
鈴奈はそう言うと携帯を取り出し誰かに電話をしはじめた。5分くらい立つと姫埼さんの手を掴み、俺に「明日の朝6時に初めにあった路地裏に集合だから」と言って帰って行った。
次の日
俺は鈴奈と初めて会った路地裏に朝六時ちょうどに立っている。相手が女子だから緊張するが、まさか緊張して眠れないとは思ってもいなかったぁ!ある意味これもデートなのかもしれないが、しかし!相手はあの鈴奈だ、女子としてみて良いのか……と考えていると鈴奈が歩いて来た。
「ごめん!ごめん!待ったー?」
その軽さに俺は「俺も今来た所だ」と答えてしまった。よく見ると鈴奈の姿は袴姿だ!黒髪に袴姿とはっ!!と思ってしまい、俺は思わず顔を隠してしまった
「どうした少年?そんな行動するから殺されかけるんだーよ!」
と言われた瞬間、鈴奈に蹴り飛ばされるのとナイフが
俺の額に当たるは同時だった。ほんの少し額を擦ったが もし鈴奈が俺を蹴り飛ばさなかったら刺さって居たかも知れない。一体ナイフはどこから飛んできたんだ!?
「君は下がっていなよ」
鈴奈はそう言いながら歩いてナイフが飛んできた方向に歩いて行く。
「鈴奈!!そっちに行ったらあぶなっ!!」
俺が呼びかける前にナイフは鈴奈の額に向けて飛んできた。その刹那、鈴奈が素手でナイフを払ったかのように見えた。だが、鈴奈は素手では無く片手に刀を一本持っていた。
「……どこから出して」
俺は壁に寄りかかりながら鈴奈の動きを目で追っていた。次々に来るナイフすべて斬っている。払っているのでは無く、斬っているのだ!
ナイフが来なくなると向こう側か 「なんで、何であたらねぇんだよ!!ちくしょぉぉ!!」
と聞こえてくる。その言葉の後にタッタッタと走る音が聞こえる。多分逃げているのだろう。鈴奈はその音が聞こえると刀を手のひらに刺した。
「お、おい!何してんだよ!」
俺は慌てて聞くと、
「ん?刀を納めるのに理由なんている?」
と答えてながら手のひらに刀を差し込んでいく、柄が見えなくなると腕をぶんっ!と振り「よし抜けないね!」と言った。
「そんな事より逃げた奴は!追いかけないのかよ!」
「大丈夫、大丈夫、向こうで何とかしてくれてるから」
そう言うと鈴奈は俺の胴体を蹴ってきた
「ガハッ!」
俺は数メートル飛んだが鈴奈はお構いなしに蹴ってきた。
「何するんだよ!」
「昨日殺すって言ったよね。」
鈴奈が言葉を発した瞬間俺は動けなくなった、
「本当は初めて会った時に殺したかったんだけど、色々事情があってね!まぁ取りあえず、死ね!」
そう言うと鈴奈は腕を振りかざした。