超次元ゲイムネプテューヌ Origins Interlude 作:シモツキ
「ディール君、捜査の基本は足らしいよ」
「そ、そうですか……」
拠点を出てから数分後、私は私の血痕を見つけたところでそう言った。…実は言ってみたかったんだよね、これ。私の導き出した言葉じゃないから語尾をちょっと変えたけど。
「と、言うわけで頑張ろうかディールちゃん」
「頑張るも何も…血痕辿るだけじゃないですか…」
「…ほんと冷めてるよね、ディールちゃんって」
「と、言う貴女も普段はわたし側でしょう?」
「あ、やっぱり分かる?だよね……」
思った以上に鋭かったディールちゃんに指摘され頬を掻く私。うーん、やっぱ私は流れに乗るタイプではあっても流れを作るタイプではないのかな?女神として多少そっちの才も欲しいところだけど…。
「しかし、この血痕は一体何度わたし達の役に立つのでしょうね」
「むしろ私達が何度これを活用するのかという話な気もするけどね、ブラッド隊じゃあるまいし」
床の血痕を辿って歩く私達。まずディールちゃんが私の追跡に使って、途中からそれと同時進行で私が誘き寄せに使って、今は私達二人が大広間への道導として使っている。ほんとにこの血痕は役立っていた。自分の血ながら褒めてあげたい位だったりする。
けど、血痕が非の打ち所の無い有能道導かと言われると……首を傾けざるを得ない。
「…あれ、血痕が消えた……?」
「いや…これは左だね、ほらあそこ」
「あ…ほんとですね…」
十字路で止まったディールちゃんに対し、私は左の通路の先を指差す。
当然ながら血痕は私の流した血によって出来るもの。そして流れる血は時間経過で減ってしまうもの(減らなかったら私出血多量で死んじゃうしね)。だから怪我をしてから大分時間の経った段階であるここら辺は血痕と血痕の間隔が、それこそ見失いかける位には広かった。
それでも目を凝らして血痕を探し、それを辿る事十数分。雑談が途切れて若干気不味いなぁ…と感じ始めた辺りで私達は行き止まりにぶつかる。
「ここは……」
「うん、私が待ち伏せしてた場所だね」
血痕も見つけたばかりの区域に比べるとある程度間隔が狭まっている。私の記憶と照らし合わせても、ここが待ち伏せに使った場所である事は明白だった。
少し引き返し、私達が辿ってきたものとは別の道へと繋がっている血痕…つまり、ここに来る前の血痕を辿り始める私達。自分達がとんちんかんな方向へ進んでいたりはしないという実感が、私達の歩みを軽くさせていく。
更に数分後、私が一度止まったと思われる場所を発見、その後を辿り続けて……
『着いた……』
開いた扉と攻撃を受けたかの様な跡の残る壁を見つける私達。それは正しく、私が脱出しディールちゃんが追撃を放ったあの場所だった。
「…うわぁ…あの時避けてなかったら私の身体もこの壁みたいにボロボロになってたんだろうなぁ…」
「そりゃ、ボロボロにする気で攻撃してましたから」
「……よ、よーし、さっさと本回収しちゃおっか!…ってもう入ってた!?」
平然とそんな事を言ってくるディールちゃんにヒヤッとした私。しかもディールちゃんは私が壁を触ってる内に大広間に入っており、置いてけぼりにされた様な気分になった私はそそくさと大広間内へと入る。…でぃ、ディールちゃんは私の事もう敵だとは思ってないんだよね?そうだよね?
……という質問も出来ない私だった。
「…イリゼさんが持っていたのって、これですよね?」
「あ、うん。それだと思う」
私より一足先に入ったディールちゃんは早速本を見つけ(本以外何も置いてないんだけどね)、それを私へと見せてくれる。本を掲げているディールちゃんの目には興味の感情が灯っていた。
「…あの、これ少し見せてもらっても良いですか?」
「それは勿論構わないよ、そもそも私の私物って訳でも無いし」
私の許可を得たディールちゃんは、ルウィーの書庫で私がこの本を見つけた時と同じ様にまず表紙を見て、続いて裏表紙や背表紙を見て、その後開いてページをペラペラと捲る。そして、それ等の事を一通り終えた所で彼女は「……似てる」と言った。それって……
「ディールちゃんの持っていた…えと、グリモワールだっけ?…と?」
「そうです。真っ白の表紙に何も書いていないページ、金の装飾の有無はありますが…やっぱり似ています」
ディールちゃんの声を聞きながら私は彼女の持ってきたグリモワールを思い浮かべる。私もグリモワールと私の持っていた本が似ている気がして一度読ませてもらった(表紙もページも真っ白だから厳密には見せてもらった?)けど、確かにこの二つの本は似ていた。……何か関係があるんじゃ無いかと思う位には。
しかし、それはディールちゃんの言葉によって否定される。
「……でも、違う…」
「違うの?」
「はい。わたしも詳しくは言えない…というか分からないんですけど、この本は特殊…というよりももっと…そう、異質って感じです」
手探りな感じの言い方から、私はその本が如何に普通の本や普通の魔導書(ゲイムギョウ界全体ならともかく、ルウィーではそこまで特別なものじゃないらしいからね)ではないのかという事を理解する私。やはりこの本を回収しに来て正解だった。具体的にどう役に立つかは分からないけれど…この本がキーとなる事は明らかな様に思えた。
「…さて、どうしますかイリゼさん」
「どうって…次何するかって事?」
「えぇ、回収してはいお終い、とはいかないでしょう?」
「それはそうだね。とはいえどうしたものか…」
「この本が特別だって事は分かりましたが、手がかりにはなりませんでしたしね…あ、どうぞ」
二人頭を悩ませる私達。そしてディールちゃんが何の気なしに、一先ずは本の持ち主である私へと本を渡してくる。勿論それを受け取る私。
--------その時だった。ディールちゃんが本を差し出し、私が本を手にしたその時……
本が、光を帯び始めたのは--------。
*
「これって…あの時と同じ……!?」
突然光を帯び、輝きを放ち始めた本に驚愕を隠せないわたし。それはイリゼさんも同じ様で、目を見開きながらそう言っていた。
それなりに魔法の知識があるわたしは…否、魔法は専門外らしいイリゼさんですら、この現象が尋常ならざるもの且つ今のわたし達にとって重要である事は理解していた。…と、いうよりも感じていた。
そして、本は誰も捲っていないにも関わらず開き、風に吹かれているかの様に捲れていく。
「本が、勝手に…!」
「そ、それだけじゃないです…段々、文字が…!」
「勝手に開いて勝手に文字が現れる…まさかこれがほんとの
「何くだらない事言ってるんですか…!」
テンパってるのかふざけてるのかよく分からない事を言い出すイリゼさんを一言であしらうわたし。そんな中本は段々と光が弱くなっていく。
「…これイリゼさんがボケたせいだったら殴りますからね」
「えぇ!?いや偶然だと思うよ!?本がへそ曲げるとは思えないもん!」
「だと良いですが…あ、光消えちゃった…」
「で、でもほら、浮かび上がった文字は消えてないよ?」
イリゼさんの言う通り、光は消えたものの文字はそのままだった。
浮かび上がっていたのは古代文字というか何というか…とにかく普段わたしが使っているのとは全く違う文字。だからまず解読が必要だ……と思ったけど、どういう訳かその必要は無かった。だって…分かったから。文字は分からないけれど、内容は何故か頭にすっと入ってきたから。
そしてそれはイリゼさんも同じだった様で、少し不思議そうな顔をしている。
「読める、いや…伝わる…?」
「…多分そこは重要じゃないと思います。それより重要なのは……」
「書いてある内容、でしょ?」
イリゼさんの言葉にわたしは頷く。この人はちょくちょく頼りないけど…察しの良さも真面目さも人並みかそれ以上には持ち合わせてる点は素直に助かるかな。
改めて文字を読むわたし達。文章は然程長くなかった事もあって、どちらからともなくわたし達は読み上げ始める。
「元の場所へと戻るは二つに一つ…」
「加えられし者、排除されし者…」
「求めし先に、戦場はあれり…」
「……ここは、創滅の迷宮…」
最後の一節まで読み上げ終わるわたし達。わたし達はその文章を心の中で何度も復唱し、咀嚼し……数泊の後、二人同時に口を開く。
『……暗号…?』
いや、もう全然意味が分からなかった。虫食い文章かな、と思う位意味不明だった。正直ロムちゃんとラムちゃんがたまにわたしに出してくるなぞなぞ位難解かも……。
「…ほ、他のページは…何も書いてない……」
「書かれているのはこのページだけですね…何か意味分かりました…?」
「いや、さっぱり…部分的には分かるんだけど、ね」
イリゼさんの言う部分的には分かる、というのは一部理解が出来たという意味ではなく、分解してそれぞれが別の意味を指していると考えた場合は少し分かる、という意味だと思う。少なくとも、彼女のニュアンスにはそんな含みがある様に思えた。
…でも、それじゃ意味が無い。それ位ならわたしもそうだし、そこからもう一つか二つ進まないとただの文字の羅列と変わらない。……まぁ、そんな事言ったって分からないものは分からないんだけど。
「…他の場所も探索してみようか」
「…読み解きは一度諦めるんですか?」
「うーん…まあそうだね。考えるだけなら移動しながらでも出来るし、分からないのは私達が馬鹿なんじゃなくて、恐らく読み解けるだけの知識や情報が不足してるからだと思うんだ。さっきも言ったでしょ、捜査の基本は足らしいって」
そう言ってわたしに提案するイリゼさん。イリゼさんの言う事は非常に尤もだった。勿論、探索したところで骨折り損のくたびれもうけになる可能性もあるけど…世の中やる前から何でも決めつければいいってもんじゃないもんね。
と、言う訳でわたしは首を縦に振って同意を示す。
「よし、じゃあまずはこの大広間出ようか。で、その後は…勘かな?」
「どうせもう道導ありませんし勘なのは良いですけど…何もせずに行ったら拠点に戻れなくなるのでは?」
「それは大丈夫、ちょくちょくこうやって…ッ!…目印付けていくから」
そう言いながらイリゼさんは手元に剣(バスタードソードと言うらしい)を顕現させ、近くの壁を斬りつける。すると壁は鋼鉄とかレベルの強度ではなかったらしく、斬った後がそこへ残る。
成る程、確かにそれなら任意の場所に目印を付けられるし、ペンキや糸と違って途中で足りなくなってしまう事もない。……けど…
「…あの、それ何度もしたらイリゼさんのバスタードソード、刃こぼれしてしまうのでは…?」
「しちゃうだろうね…でも迷子になるよりはマシだし、背に腹はかえられないよ」
「…その位の事なら、わたしに頼めば良いじゃないですか」
嘆息をしながらわたしは杖を掲げ、イリゼさんのバスタードソードと同じ位のサイズの鋼の剣を作り出す。
「重量や斬れ味までは再現出来てないと思いますが…壁斬りつけるだけならこれで十分ですよね?」
「ディールちゃん…助かるよ、ありがとね」
「いえ、もし戦闘になった時イリゼさんの武器がボロボロになってたら困るってだけですから」
「そ、そっか…って、それはつまり戦闘になったら少なからず私を頼りにしてくれるって事?」
「……は、早く行きますよイリゼさん」
イリゼさんを半ば放置する形で大広間を出るわたし。…
あぁそうか、イリゼさんは何か既視感あると思ったら…少しネプギアに似てるんだ。……嫌いじゃないしむしろ好感は抱けるけど、そういう事は思っても訊かないでほしい…。
--------そして、わたしは後悔する事になる。もっと用心していれば良かったと。『あれ』の存在を失念すべきではなかったと。
「ちょっ、あんま先に行かれるとはぐれちゃうって…」
「はぐれたら迷子センター行けば良いじゃないですか」
「デパートか!そして私は子供か!」
「イリゼさんの突っ込みセンスはよく分かりましたのでさっさと着いてきて--------」
カチリ。ずんずんと歩いていた最中、まるで何かのスイッチが入ったかの様な音が聞こえた。この音は聞き覚えがある。罠のスイッチが入った時の音だ。不味い、イリゼさんに伝えなきゃ…!
そう思ってわたしは振り返ったけど…もう遅かった。わたしの方へと歩いてきているイリゼさん。そのイリゼさんの真上の天井が開き、落っこちてくる……タライ。
そして……タライのぶつかる音と、イリゼさんの呻き声が響く。
「あぐっ……!?」
「あ、す、すいませんイリゼさんわたし今罠を……」
これは完全に油断していたわたしのせいだと思って慌てて駆け寄るわたし。まずは謝罪と必要なら治癒しなきゃ…。
……と、ここでもまた罠の事を忘れてしまっていたわたし。だからかな…またわたしの耳にカチリ、という音が聞こえてきた。
「……え?」
「わっ……うぐぅっ…!?」
よろけていたイリゼさんの足元に落ちてくる……バナナの皮。イリゼさんはそれに気付かず踏んでしまい…思い切りコケて後頭部を強打。ゴンッ、という音は数m離れたわたしにも聞こえた。
「の、脳天と後頭部が…脳天と後頭部がぁぁ……」
「いや、その、これはわざとじゃ……」
頭のてっぺんと後頭部を押さえて転がり回るイリゼさん。わたしはあまりにも申し訳なくて、それに二度連続じゃ怒られてしまうんじゃないかと思って、おまけに近付いたらまた罠を踏むんじゃないかと心配で、無意識に後ずさってしまう。そして、後ずさった瞬間にまたもやカチリという音が聞こえたその時、わたしの後悔はここに極まっていた。
「……へ…?」
ふらつきながらも何とか上体を起こしたイリゼさんの顔を襲う球体。一体どこから飛んできたのか分からないそれは正確にイリゼさんの顔を捉え、ビターンとぶち当たっていた。……よく見たらそれはバスケットボールだった。
「……うきゅぅ…」
イリゼさんは何やら少々可愛い声を漏らして倒れ込む。
--------その日わたしは、未だかつて無い程の自責の念に駆られるのだった。
*
鈍痛、とでも言うべき頭の痛みに目を覚ました時、私は拠点のベットに寝ていた。……いつの間に私はここへ戻ったのだろうか。
「脳天後頭部顔面の頭部限定ジェットストリームアタックを喰らった事は覚えてるけど…実はベットがセーブポイントになってて、原作ゲーム宜しく私は三連撃でゲームオーバーになったのかな…」
頭に刺激がいかない様に気にしつつベットから降りる私。コッテコテな位メタい…言うなればメッタメタな発言をしちゃったけど、多分これは頭打って思考がちょっと鈍ってるせいな様に思える。……普段からこんな感じだろって思った人は心の中だけに留めておこっか、お互いの為に。
「…ディールちゃんはどこだろう……」
真面目に考えれば、ディールちゃんが気絶した私をここまで運んでくれたのだろうとすぐに推測が付く。というか、それ以外でまともな可能性が特に思い当たらない。
「まさか一人で探索に行っちゃったとか…?それは困るなぁ……あ」
軽く跳ねたり屈伸したりして身体がふらつかない事を確認してから部屋を出る私。最悪また迷宮内を走り回らなきゃいけないかなぁ…と思っていたものの、実際にはディールちゃんは普通に最初の部屋に居た。……何故か、正座をしながら。
「…お、おはようございますイリゼさん」
「う、うんおはよう…」
「ご飯、どうぞ」
「……ええと、ディールちゃん?」
ご丁寧に包装を開けてある食事と蓋を緩めてあるペットボトル。これは普通にありがたいけど…違和感大有りだった。しかもどう見ても私一人分しか出ていないのがその違和感に拍車をかけている。
「…何でしょう?」
「いや、えっと…何してるの?」
「悪い事をしたら反省としておやつやご飯を抜きにするのが居候先のしきたりでして…」
「それはしきたりじゃなくて教育じゃないかな!?そして自分から正座&ご飯抜きにしたの!?」
多少推測はしていたとはいえ、解答があまりにも斜め上過ぎて目を白黒させる私。自分から自分の行動を恥じて反省出来るのは人として凄い事だけど…反省方法が叱られて罰喰らった子と同じなのは一体どういう事なんだろう…。
「……こ、これでは足りなかったでしょうか…?」
「い、いやそういう意味じゃなくてね…ディールちゃんも食べてよ。ご飯抜きの人尻目に食べるのは気が引けるし、何よりいざという時動けなかったら困るでしょ?」
「…じゃあ、頂きます…」
段ボールから新たに幾つか取り出し、軽くわたしに頭を下げて食べ始めるディールちゃん。ディールちゃんは確かに反省している様だけど、それと同じかそれ以上に負い目を感じている様だった。
……んー…。
「…まさか、わざと?」
「え……?」
「わざとやったの?…わざと、私を罠に嵌めたの?」
「……っ!?そ、そんな訳ないです!」
少しだけ視線を鋭くさせた私と私の発言にビクッとし、慌ててそれを否定するディールちゃん。その反応が見れた私は、ほっとする。
「じゃあ、偶然何でしょ?三度も偶然が起きるなんてそうそうないけど…偶々三度も罠を起動させてしまった、違う?」
「そ、そうです…そうですけど…」
「ならもうこんな事にならない様に気を付けてくれれば良いよ。…まぁ、どこにあるのか分からない罠の起動スイッチをどう気を付けろ、って話な気もするけどさ」
「…良いんですか、それで」
少しでも雰囲気を良くしようと苦笑いをしていた私に対し、ディールちゃんは済まなそうな…そして少し不思議そうな表情でそう言った。
「別にわたしをもっと疑ってほしい訳じゃないです。でも、三度もわたしのミスのとばっちりを受けて気絶までしたのに、わざとじゃなきゃ良いって……イリゼさんは、わたしに甘過ぎです…わたしがもっと、悪意的な人間だったらどうするんですか…」
「……そっか、ごめんそうだよね…」
「…何を謝ってるんですか」
「変に優しくされると余計引け目を感じてしまう、って事に気付かず簡単に許しちゃった事。……でもね、私が簡単に許したのは甘いからじゃなくて…いや甘いのかもしれないけど…ちゃんと理由があるんだよ?」
改めて私は思う。ディールちゃんは優しくて真面目な子なんだと。優しいからこそ相手の事を気にせずにはいられなくて、真面目だからこそ責任と負い目を強く感じてしまう。時にそういう人間は接し辛い…悪く言えば面倒な人間になってしまう事もあるけど……優しくて真面目な人間程、信用に足る人物はいないと私は思う。
「私はね、ディールちゃんを信用してるんだよ。ディールちゃんだって、信用してる人とそうじゃない人とだと、同じ事をされても感じ方が違うでしょ?ディールちゃんは信用するのが早過ぎるって思うかもしれないけど…私は、否定から入るよりは肯定から入りたいんだ。これって、良くないのかな?
「……良いと思います。危なっかしいですけど…わたしは、そう考えられるイリゼさんを素直に凄いと思います」
「そっか、ありがと。…でも、ディールちゃんの言う通り私は危なっかしい人間だよ。だからさ…ここにいる間だけでも、危なっかしい私を手助けしてくれると嬉しいな」
これは、私の心からの言葉。…だからかな、ディールちゃんは少しだけ笑みを浮かべて…こう言ってくれた。
「……分かりました。やっぱり、わたしはイリゼさんを甘過ぎだと思いますが…そんなに信用されているなら、わたしを信頼してくれているなら、その思いに応える位の事は、してあげたいです。だから…手助け、しようと思います」
私は、その時初めてディールちゃんの心からの笑みを見たと思う。それは小さい笑みで、まだまだディールちゃんの言う『大事な人』や『一緒に居たい人達』に比べると私とディールちゃんの間に壁があると思うけど…まだ知り合って短いんだからそれは当然の事。それでも、ちょっとは私を信用してくれているって事が私は本当に嬉しかったし、ディールちゃんを信用して良かったと思った。
だから、私は本に浮かび上がった文章の中の一節を見て頭に浮かんだ事を心の奥底に沈めて蓋をする。
--------元の場所へと戻る二つに一つとは、私とディールちゃんの事じゃないのかという事を。私とディールちゃんは、互いに相手を犠牲にしなければ自分の居場所へと帰る事は出来ないんじゃないか、という事を。
今回のパロディ解説
・ブラッド隊
GOD EATER2に登場する、主人公達の所属する部隊の事。血は血でもブラッド隊の使う血は当然ただの血ではありませんし、血痕を多用する組織だったりもしません。
・
とある魔術の
・ジェットストリームアタック
機動戦士ガンダムに登場する、黒い三連星の得意とするフォーメーションアタックの事。脳天と後頭部と顔面への三連撃…よく考えたら中々怖いですね、それ。
・原作ゲーム
超次元ゲイムネプテューヌシリーズの事。原作シリーズは全滅=ゲームオーバー=セーブした所からやり直し…って説明しなくても大半の閲覧者さんは知ってますよね。