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壁にぶち当たったことがこれまで何度あっただろうか。我々、比企谷隊にとってこの出来事はボーダーに入って隊を結成してからの最初の壁であり、乗り越えることが出来なかった唯一の壁であろう。
チームランク戦がボーダーで導入され、各隊が互いの力量を競い合いボーダーの戦闘訓練の一環として作られた。それにより隊の序列が決まる。
比企谷隊はボーダーが公に活動を始めてから1年後に結成したわりと古株のチームだ。隊長の比企谷を始め、同期入隊した本牧、1年後に揃って入隊した折本、仲町の同学年の四人で構成された部隊だ。ちなみに何故比企谷が隊の隊長を勤めたかと言うと、単に誕生日が一番早いからと言う至ってシンプルな理由だった。
「仕方ねーな」
決まり事が中々決まらないとき、決まってこの台詞を吐いてから自分が動くのが大体のお決まりだった。他の二人はどちらかと言えば感覚で動くタイプで戦闘員でまともに指揮を執れるのが比企谷だけと言うのも理由の一つでもある。
まだチームが出来立てでしかも中学生だけの若い少年少女達にとって防衛任務のシフトや報告書の作成は年長者組の手を借りて四苦八苦やっていた。
そんなひよっ子だった比企谷隊も長きにわたるランク戦を勝ち抜きB級上位2位と今期最高の成績を修め、ついにA級昇格をかけた試合の日程が先日発表された。
その発表された内容を聞いた比企谷隊の面々は自分達の作戦室にいた。
「終わった」
「あぁ、終わったな」
部屋の空気が一気に冷めた。先程まで行われてB級上位を祝ったパーティーしていて盛り上がっていたはずのムードがお通夜のように寂れた風景と化した。
何度見ても結果は変わらない。だけどもし万が一と言うものが存在するならそれにすがりたい。だけど、現実とはこうまで儚いものなのかと。
「なぁ、俺ら頑張ってきたよな」
比企谷八幡は隊室の仮眠室のベッドでうつ伏せになり呟く。
「そうだな。ここまで来るのにどれだけ苦労しただろう」
本牧牧人はソファーの上で天井を見上げながら物思いにふける。
「だけど、今回のこれは流石にウケないよ」
折本かおりは先程まで飲んでいたジュースの缶を握りしめる。
「そうね、誰よ。こんな組み合わせ考えた鬼畜野郎は」
仲町千佳はやり場のない思いをテーブルの上のマスコットへ向ける。
はぁ~と全員が深いため息をついてテーブルの上に置かれた端末を覗く。そこにはA級昇格をかけた一戦の日取りと、その日対戦する組み合わせが記されていた。
A級昇格戦、昼の部
比企谷隊vs東隊vs太刀川隊
お分かりいただけただろうか。よりによって大事な昇格試合の組み合わせが、A級1位の東隊と2位の太刀川隊なのである。方やボーダー最初のスナイパー東春秋率いる精鋭部隊と個人ランク戦1位の太刀川慶と天才シューター出水公平の最強コンビがB級2位の新人相手にどう立ち向かえと?
教えてくれ、我々はどうすればいいのだ。
斯くして、比企谷隊の波乱のA級昇格戦は幕を開けたのだった。
東隊は所謂旧東隊です。BBFにて当初のA級昇格は結構大変だったらしいので難易度ハードモードにしてみたら絶望しか残らない組み合わせ。ちなみになんでこの組み合わせになったかと言うと単に都合かつかなかったからです(笑)。