比企谷隊の非日常   作:アラベスク

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さぁA級昇格をかけた戦いが幕を開ける!!その前に各隊の試合前の様子からスタート!!


ちなみに太刀川隊は例によっておまけ程度の出番


4

『トリオン体活動限界、ベイルアウト!』

 

 

 

戦いの舞台から一筋の閃光が飛翔していく。一人、また一人戦場から仲間たちが消えていく。一人取り残された俺に出来ることは……

 

 

 

比企谷隊のA級昇格戦の日程が通達されてから一週間後の今日、ついにその日がやってきた。

 

 

昼間から試合が行われるので比企谷隊の面々は早朝より隊室に集合してミーティングを行っていた。

 

「ダーメだ、何度見ても負けるイメージしかない」

 

過去の試合のログを見終わってすぐに隊長である比企谷が弱音を吐いた。

 

「シャキッとしろ!!ほらMAXコーヒー!」

 

情けない隊長に折本から強く比企谷がこよなく愛する飲み物MAXコーヒーを差し出されるが、どういう訳か受け取りを拒否された。

 

「どうしたのさ、いつもなら進んで飲むのに」

 

「いや、なんかこの試合決まってから飲む度に苦く感じるんだよ。だから今はMAXコーヒーいらない」

 

「「「なんだってぇぇ!?」」」

 

「あの比企谷が!?」

 

「三度の飯よMAXコーヒーの比企谷が!?」

 

「どうりで冷蔵庫の減りが少ないと思ったら」

 

「「「お前本当に比企谷かぁ!?」」」

 

三者三用に驚き疑いの眼差しが比企谷に刺さる。確かに何よりも愛するマイソウルドリンクたるMAXコーヒーを前に及び腰ではあるがそこまで言う必要があるか?あるな。

 

「お前ら俺の事なんだと思ってるんだよ」

 

「ボッチ」

 

「引きこもり」

 

「ひねくれ者」

 

うん、こいつらに期待した俺がバカでした。

 

「たく、飲めばいんだろ仕方ねぇな」

 

「別に無理して飲まなくていいわよ」

 

「いえ、ありがたく頂かせて頂きます」

 

「なんか日本語変じゃない?ウケる!」

 

折本は何がツボだったのか腹を抱えて笑ってる。お前の笑いどころがいまいち理解できない。

 

「やっぱりそうしてる姿を見るといつもの比企谷らしくていいよ」

 

「あん?どういう意味だ?」

 

「いつもやる気なくて、気だるげにしていてもやるべき事はちゃんとやるって言うのがウチの隊長のあるべき姿だからさ」

 

「そうそう、いつもらしくさ。いくら弱音吐いても、どんなに辛くっても比企谷は何だかんだ文句言いながらこなしてきたじゃん。悪態ついても、愚痴を溢しても、比企谷は比企谷なりに私たちを動かしてきたんだよ」

 

「なんか誉められた気がしねー」

 

 

 

けどよ、その……ありがとな。

 

 

 

「さて、落ち着いたところで作戦会議でもしようか」

 

仲町が手を叩いて皆に呼び掛ける。

 

「さて、今回の試合は下位である俺らにマップの選択権がある。そこでだ、どのマップが今回の戦いでより有利に試合を進められるかだが」

 

「市街地はどうなの?」

 

「ぶっちゃけ遮蔽物利用としては一番期待できるが、東さん相手だとちょっと心もとないよな。あの人あんまり好まないけど」

 

「東さん射程長いし、射線通すの上手いからねぇ。ましてやシューターの二宮さんと加古さんが弾幕はって東さんに近づけさせないかも」

 

「厄介だよな。近、中、遠全職揃ってるから突破は難しい」

 

 

「何時ものように合流優先、各個撃破で行くしかないのかな」

 

「合流が肝だな。まぁ転送位置は運頼みだからな、とりあえず全員転送されたら即バッグワーム起動して最短ルートで合流か」

 

 

 

 

一方、比企谷隊の今回の対戦相手、東隊の作戦室では二宮匡貴が誰かと電話をしていた。

 

「はい、そうですか。わかりました、お大事に」

 

通話を終えると二宮はため息をついた。電話の相手は東隊の隊員の三輪秀次の家族だ。三輪は一昨日から体調不良で熱を出し、現在療養中だった。

 

 

 

「秀次は間に合わなかったか」

 

「はい、今回は仕方がないですね」

 

「まぁあいつにはいい機会だったのかもしれないな。たまには休むことも大切だ。ランク戦が終わったら皆で見舞いにでも行こう」

 

「ところで東さん、三輪くんの空いた穴はどうするんです?ウチの前衛は基本三輪くん頼りな所が多いからいくらスコーピオンが使える私でも折本ちゃんと比企谷君を相手にするのは荷が重すぎるわ」

 

東隊の紅一点である加古望は基本はシューターであるが、スコーピオンを用いて接近戦に対応できる。しかし、本職でない分アタッカーとのサシの勝負には分が悪い。

 

隊長の東はボーダー最初の狙撃手であり、指揮をしながら周りに気を配らなければならない分、遠距離支援が望ましい。

 

唯一対抗できそうなのはボーダー内でもトップクラスのトリオン量を誇る二宮のごり押しが有効打と言えよう。

 

「確かにな。しかも、比企谷隊だけでなく太刀川隊まで相手にしなければならないからな。今回は近接戦闘は避け、なるべく中距離で戦おう。開始後は加古と二宮は合流を優先、俺は策敵に徹して援護に回る。一人づつ着実に仕留めていこう」

 

「問題は比企谷がどのマップを選ぶかだな」

 

今回のマップ選択権は下位である比企谷隊にある。比企谷は地形や天候を利用して確実に東の狙撃を封じてくるだろうと東は予想している。他の二人も同様に。

 

「比企谷君のことだわ。確実にイヤらしい設定でくるはずよ」

 

「全くだ。面倒にならなければいいが」

 

「まぁお手柔らかに願おうかな」

 

 

 

そして、A級ランク昇格戦が幕を開けようとしていた。

 

 




~おまけ~



太刀川「おっしゃー!!お前ら東さん達も含めてぶっ倒すはぜ!!」

出水「太刀川さんちゃんと主旨わかってます?」

国近「とりあえずいつも通りね」

太刀川隊は今日も平和です。
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