絶剣の技を持ちし者   作:魔神オルタちゃん

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ううぇーーーーーーーーーーーーい


第一層攻略開始と異変

 ボス攻略会議から三日が過ぎ、予定では会議の翌日にボス戦をする気だったディアベルだったが、カイトの提案から死者を無くし確実に攻略出来るようにする為、摸擬戦・武器の調達、パーティの訓練に時間を費やした。

 そして、二〇二二年の十二月六日の朝十時にカイトを含めた、AからEの六人一一組の隊と三人一組のF隊の総勢三十四人が、ボス部屋を目指し迷宮区へ出発。

 ……数時間後、三十四人の内誰も欠ける事なくボスの部屋の門の前までたどり着いた。

 

 デ「聞いてくれ皆、俺から言う事はたった一つだ――勝とうぜ」

 

 おう‼そのつもりだぜ‼

 負けるつもりはねぇからなぁ!!!!

 

 剣を地面に突きたて鉄扉の正面に立つディアベルは、最後に三十三人の士気を鼓舞し再び身を引き締める。

 次の戦いに勝てば第一層攻略は完了、次の第二層へと進め《はじまりの街》にいるプレイヤー達に「終わりは必ず来る」と小さいながらも希望を与える事が出来、攻略が進めばそれは徐々に大きくなり、太陽のような大きな希望に変わると信じていた。

 だがカイトは 胸の中で何かがざわついていた

 

「行くぞ――」

 

 ディアベルが先頭を切り、鉄扉は重々しい音を鳴らしながらゆっくりと開き続々とプレイヤー達が続いた。カイトちも続いて中に入ってきた。

 部屋は薄暗く、扉から差し込むわずかな光だけが部屋を照らすだけだったが縦長に広く床に紋様、部屋の両端に等間隔で支柱が並んでいる事は分かった。

 

 カ「薄暗いな……」

 ア「埃っぽい」

 キ「二人とも……部屋の奥にボスがいる」

 

 この奥に何かがいるっっ‼

 

 

 最後尾のカイトとアスナが部屋の感想を漏らしていると、キリトが剣で静かに部屋の奥を指した。

 目を凝らして部屋の奥を見たカイトとアスナの眼に、薄気味悪い赤い点が並んで浮いている事に気づいた。それがすぐにボスの眼だと分かった。

 先頭のディアベルが部屋の中心近くまで進んだ所で、天井と壁にまるで水に浮いた油のように色彩ある光が部屋全体を照らし、合わせるように部屋の奥から赤い巨体が飛び出し咆哮を挙げた。

 全長は三メートルを優に越え、豚のように肥えた腹と丸太のように太い筋肉の手足、人を容易に吹き飛ばすであろう尻尾に全身を覆う警戒色の赤い肌。

 頭に艶のない古代ギリシャの兜コリュスを被り、両肘・両膝に鉄のサポーターを付け、右手に石で出来たような無骨な斧、左手に人間の上半身を隠せるほどの鉄の円盾を付けた第一層フロアボス《イルファング・ザ・コボルドロード》が姿を見せた。

 呼応するように人と同程度の大きさの取り巻き《ルインコボルド・センチネル》が三体、コボルドロードの前に出現した。

 ティアベル以下全員が戦闘体勢に入る。ボスとの距離は五十mほど、敏捷値の高いプレイヤーなら十秒とすらかからない距離だ。

 

 大丈夫だ‼ イレギュラーがない限り大丈夫なはずだ‼ みんな訓練をしてきた!!

 

 ────グルオオオオオオウウウウウウアアアアアアアアアアアアアア‼

 

 《イルファング・ザ・コボルドロード》が声を あげたと同時に ディアベル が戦闘開始の合図を告げた

 

 デ「攻撃開始ー!!」

『うおおおぉぉ――』

 

 戦闘開始から 数十分 ほどが過ぎ、F隊のカイト・キリト・アスナの担当するのは取り巻きであるセンチネルの討伐。

 ボスであるコボルドロードが撃破されるまで、何度倒しても出現するセンチネルだが、決して苦戦するような強い敵とは言えないが、無限に出現するので厄介な敵ではあった。

 しかし、考えを変えれば無限に出現する上に強くも無く経験値も普通、経験値稼ぎの相手にはもってこいの敵とも言える。

 

 うまい、経験値うまい。

 

 この攻略での経験値の分配は、Mobを倒したパーティの総取りである事が決められている。ボスを倒すよりも一度に貰える経験値は少ないにしても、確実に経験値は稼げる。しかし、最大五体までしか出ないようになっているのが惜しい。

 

 カ「ふふ·····まずお前から血祭りにあげてやるウウウ‼」

 Mob「!?!?」

 

 センチネルが自分の命の危機を感じとりカイトに襲い掛かった。センチネルは思った。こいつはやばいっと

 

 カ「 集団·····リンチ·····だと?そんなことなど、無駄無駄無駄無駄無駄ァッ‼」

 カ「絶剣技三ノ型〈影月円舞(えんげつえんぶ)〉!!!!!」

 

 カイトは 自分を囲っていたセンチネル達を 一気に倒しさたしかし倒したと同時に上から襲って来た

 

 センチネル「ギギッ‼」

 カ「上からか·····だが甘い‼絶剣技七ノ型〈咬竜(こうりゅう)〉!!!!」

 

 カイトは即座に対空技の七ノ型〈咬竜(こうりゅう)〉を放った。

 

 キ「相変わらず凄いぁ····」

 カ「どうよう─!凄いだろう!!」

 

 とするとガキッン‼と音が聞こえた方を即座に振り向きカイトは《 アニールブレード》を構えながら走った。

 

 ア「スイッチ‼」

 

 その声を発したのはアスナだった。

 この 2週間で見事と言えるほどの剣筋とコンビネーションを持つことができた

 

 カ「絶剣技初(はつ)ノ型〈紫電(しでん)〉!!!!」

 

 さらに十分という時間が過ぎて――断末魔の咆哮を上げながらコボルドロードはポリゴン片となって散り、残っていたセンチネルもその一分後に全て散った。 この瞬間、空中に《Congratu Lations!!》と表示がされ、フロアボス《イルファング・ザ・コボルドロード》が倒され、第一層攻略完了を示した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 プレイヤー達 ボスを倒すしたことに喜んでいた。

 

 初めてのパーティそれもボス戦なのだから、アスナの疲れを吐き出す安堵のため息は当然の事だった。

 さすがのカイトとキリトも疲れてはいるが、SAO初日にセンチネルの五倍以上の敵を数時間に渡って倒し続けた経験からアスナよりは動きに無駄がない事に加え、女子の前でへばる姿を見せたくない男子としてのプライドも支えになった。

 ボスにラスト・アタックを与えたプレイヤーに与えられる、レアアイテムはディアベルが手に入れたらしく、それは真っ暗なロングコート、子供のように周囲に見せびらかしながらボス戦に勝った事を喜んでいた。

 

 カ「キリト、譲るのを頼んだら? 好きだろ黒?」

 キ「……カラーリングは変えられるから、いらん」

 ア「他の色と合わせないと地味よね……黒って」

 キ「――黒は男の色だ!!!」

 カ「はいはい……で、キリト。この後は何をすればいいんだ?」

 キ「あれを見ろ」

 

 高さ五メートルほどの石の扉があった。「あれが、転移門への扉か……」と、思っていたカイトの視界にある物が目に付いた。

 

 カ「なぁ…キリト?」

 キ「何だよ?」

 カ「大概RPGの武器類って、捨てれば消えるよな?」

 キ「は? 当然だろ」

 カ「じゃあ……あれ、何で消えてない?」

 キ「えっ?」

 

 今度はキリトがカイトの指さした場所に視線を向けると、そこの床には先程コボルドロードが使っていたなぜか黒い野太刀が主を失いながらも、確かに無造作に転がっていた。

 それを見てキリトは明らかに不審な表情を浮かべ、アスナはキリトの不審な表情を見て少し不安になった。

 

 キ「おかしい……β版では、確かに消えていたはずだ」

 ア「キリトくん。あれは武器や素材になるから残ったのかな……?」

 キ「だったら、取得できるように武器の上にカーソルアイコンが出るはずだ。オブジェクトは……考え難い」

 カ「つまり……それは……」

 キ「終わってない……ッ。まだ、ボス戦後のイベントがある!」

 ア「――あっ!」

 

 アスナは野太刀がさらに黒く変色し、まるで熱で溶解したように床に溶けて消えてゆくのが見えた。

 この時、カイト・キリト・アスナ以外のプレイヤー達は、皆レアアイテムに喜ぶ ディアベルを囲い、勝利の余韻に浸り進行中の異常事態に気づいてはいなかった。

 そして、カイト・キリト・アスナが全員に注意を呼びかけるよりも早く、《あれ》が行動に出た。

 

 デ「─────かふぇ?」

 

 黒く変色し刃の波紋も見えない野太刀が音も無く、まるでそこに初めからあったかのように出現し、 ディアベル とロングコートを紙のように貫き《あれ》は現れた。

 

 黒い鎧を 纏黒い剣を持った騎士がそこにいた 。そこにいたやつにはこう名前があった

 

 

 

 《魔王の落とし子《Satanic consequence》と

 

 

 

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