沖田さんに来てほしくて書いた!以上!

上手くいちゃつかせられたかは正直不安でしかないけど何時もの事だし是非も無いよネ!


3/21 一部誤字・脱字修正
6/21 一部表現(?)変更、内容に変化なし

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クオリティが低いのは(ry


桜と黒猫

「マスターマスター!」

 

 マイルームから出た所で、尻尾を千切れんばかりに振っている犬を思わせるような弾む声で呼び止められて足を止める。声の主が居るであろう方向を向くと、思っていた通りの人物が居た。

 第一印象は桜。身に着けている着物といい、髪の色といい――明るい表情を見せる現在に反して実の所病弱という、そういう意味でも桜のような儚げな一面を持つ少女。

 史実では男性、と伝えられている幕末の天才剣士、沖田総司だ。

 

「急にどうしたの沖田さん」

「お花見に行きましょう!」

 

 改めて今の彼女の姿を見直すと、何やら風呂敷で大きな箱を包んだような包みを持っている。花見、と言っていたところから察するに、お弁当が入った重箱なのだろう。暦の上でももうじき春だし、以前にレイシフトをして向かった京都で花見と洒落込むのも悪くは無い。

 

「うん、いいね。皆も――」

「あの・・・・・・」

「うん?」

 

 マシュ達も誘おうか、と言おうとし、それを遮るように発された声を聞いて、口を噤んで彼女の顔を見る。彼女はほんのりと顔を赤らめ、気恥ずかしそうに眼を逸らして頬を軽く掻きながら、小さく口を開いてぽそりとこぼした。

 

「えっと、ですね?出来れば、二人でがいいなぁ・・・・・・なんて言ってみたりして」

「二人?」

「あぁぁぁ何でもないです!何でも!みんなで行った方が楽しいですしね!みんなで――」

 

 思わず聞き返してしまい、それを聞いて先程の発言を取り消すように慌てて空いている手を振りながら言う彼女に、俺は、

 

「いいよ?」

「行きましょ・・・・・・へ?」

「いや、だから。二人で行こうか、お花見。あの時行った平安京の近くでいいかな?綺麗な桜も咲いてたし」

「え、あ、はい、そうですね、大丈夫です・・・・・・じゃなくて!良いんですか!? 本当に!?」

「うん。まぁ、偶には二人でのんびりって言うのも悪くないしね」

 

 それに、普段が彼女の優秀さに甘えて頼ってばかりという事もある。絆を深める、とまでは行かないにしても、普段の働きをねぎらう意味も込めてそのくらいはあっても罰は当たらないだろう。

 

 二人・・・・・・二人きり・・・・・・と呟きながら笑みを浮かべ、顔を先程よりも更に赤らめて空いている手を頬に当てもじもじしている沖田さんの肩をポンと軽く叩き、じゃぁ行こうか、と促してレイシフトルームに歩き出すと、我に返ったらしい沖田さんが慌てて追いかけて来る。

 

 平安京。

 茨木童子の騒動の時はゆっくり出来なかったが、今回は特に何も無いただのレイシフトだ。桜もあの時のように綺麗に咲いている事だろうし、のんびりとした時間を過ごせる事だろう。

 

 

 他の祭り好きな皆が付いて来なければ、だが。

 

 

 

 

 

「綺麗に晴れて桜も満開、ええ感じやなぁ」

「うむ、実にいい天気だな。うむ、うむうむ・・・・・・しかし、エミヤが作る甘味は実に見事な出来であるな。おぉ、こんな所に金平糖があるではないか」

「それは私の物です!絶対にあげません!!」

 

 結果的に言うと、誰も付いて来てはいなかった。いなかったが。

 

「先客のパターンかぁ・・・・・・」

 

 この平安京での騒動で出会った二人の鬼、酒呑童子と茨木童子。ここに来る可能性が高い面子の二人だとは思っていたものの、レイシフトの時に居なかったから来ないものだと思っていた。まさか先に来ていたとは・・・・・・

 

「旦那はんも花見かえ?」

「うん、沖田さんと一緒にね。酒呑達も?」

「せやねぇ、そろそろ春やし、花見がてら久しぶりに京にいこおもて茨木連れてきたんよ」

「吾は酒呑が行くと言っていたのでな!・・・・・・ところで、他に甘味は無いのかの?」

「ありません!」

 

 その後数分ほど茨木童子と沖田さんがおやつの取り合いをし、沖田さんの様子を見て空気を読んだのか、はたまた元々そういう予定だったのかは分からないが、酒呑童子は片手で酒の入った杯、もう片手で金平糖を欲しがる茨木童子を引きずるようにして都へと向かって行ったのを見て、沖田さんが深い溜め息をつくのが眼に留まり、思わず軽く笑ってしまう。

 

「じゃ、シート広げてお弁当開けようか」

 

 レイシフトルームに向かう途中、エミヤが渡してくれた地面に敷くためのビニールシート――丁度二人分の大きさで、小さな魚と何だか分からない顔面が崩れたような二足歩行の猫が描かれている。こういうのをブサ可愛いと言うのだろうか――を広げ、風呂敷に包まれた弁当を中央に、そして弁当を挟むようにしてお互い対面になるように座る。

 

「では、頂きましょう!・・・・・・まぁ、私では無くエミヤさんに作って頂いたので、少々格好は付かないんですけどね」

 

 たはは、といった風に軽く苦笑し、風呂敷の結び目を解いて三段になっているらしい重箱の上に乗っていた水筒をまず脇に置く。

 

「実の所、中身はどんな物が入っているのか知らないんです。お花見に行きたい、と少し漏らしたら、『では私が花見用の弁当を用意しよう。何、この程度普段の食事と大差ない。任せたまえ』って言われちゃいまして。なんやかんやと言う内に、こんな立派な物が」

 

 蓋を開くと、一番上には俵のような形に握ったおにぎりとおいなりさんがずらりと並んでいるのが眼に入った。あのエミヤが作っている事を考えるに、具やおいなりさんの中の酢飯に何かしらのアクセントが加えられている可能性があり、期待が持てる。一段目がおにぎりであったという事は、二段目にはおかずが入っているのだろうか、と沖田さんが一段目を動かすのを見ていると、そこにあったのは、

 

「「・・・・・・可愛い」」

 

 おかずが入った段である事は間違いなかった。多すぎず、少なすぎず、彩も良い。栄養のバランスも考えられているように見える。完璧と言って差し支えない弁当だ。ただ、一つ気になったと言うか、インパクトが強かった点が一つ。

 

「・・・・・・何このやたら気合の入ったデコ弁。いや、美味しそうだけど。何時も通りすごく美味しそうなんだけどさ」

「何というか、本当可愛らしいですねー・・・・・・飾り切りのような物は知っていますが、食べ物を組み合わせて動物のようにするなんて初めて見ましたよ私。あ、これは犬ですかね?」

「みたいだね。こっちは猫かな」

 

 リンゴの皮をむく時に少し手を加えて兎、というレベルでは無かった。一番シンプルなものではタコさんウィンナー、それ以外には薄いハムやらチーズやらその他諸々を見事なまでに上手く組み合わせた、それはもう見事なまでのデフォルメされた可愛らしい動物達の姿のおかずが並んでいた。

 

――――てかこれ、下手したら俺が絵で描いた動物より上手・・・・・・

 

 ンン”ッ、と一人思ってしまった事に対して咳払いをしてしまいそうになり、軽く首を横に振る。その様子が眼に留まったのか、箸を差し出しながら不思議そうに首を傾げる沖田さんに何でもない、と返して箸を受け取り、気付く。

 

「あれ、一番下は?」

「甘味らしいので、どんなものが入っているのか楽しみにしておこうかと。それじゃ頂きましょう、マスター」

 

「「いただきます」」

 

 満開の桜の下での、食事が始まった。

 

 

 

 

 

 

 おにぎりの具が梅干しやおかか、沖田さんは食べた事が無いであろうツナマヨなど本当に様々なものであったり、おいなりさんの酢飯もシンプルにゴマ入りやワサビ漬け入りなど本当に色々な種類あったり。おかずも見た目が良ければ味も良く、流石オカ・・・・・・もといエミヤ、と二人で言いながら、凡そ八割ほど食べ進めた頃だろうか。

 

 沖田さんの食事の手が止まってお茶を少しずつ飲むだけになり、顔色も微妙に悪くなっているように見えて、カルデアに帰ろうか、と声を掛けたものの、本人に大丈夫、と言い切られてしまって強く言い切れずに話題が流れて数分。俺が桜を見上げていたタイミングで、それは起こった。

 

 コフ、という咳のような声とうっすらと感じる鉄臭さを感じて沖田さんに視線を向けると、そこには片手で口、もう片手でシートに手を突いて苦しそうにしている沖田さんの姿。

 

沖田さんの持病――肺結核による、喀血だった。

 

「・・・・・・ぁ」

「沖田さんっ!?」

 

 息も荒く、力が入らないのか、シートに突いた手では上手く体を支えられず、そのまま倒れ込みそうになる沖田さんを支える為に、半ば飛び込むようにして沖田さんに駆け寄る。

 何とか正面にあった弁当の上に倒れ込む前に上手く支える事に成功し、場所を少しずらしながらゆっくりと沖田さんを横向きに寝かせ、自分の上着を掛けてあげながら軽く背をさする。

 

「・・・・・・大丈夫?沖田さん。薄い塩水は持って来てあるから、落ち着いたらこれでゆすごう」

「ぁ・・・・・・りがと、ございま・・・・・・ごめ、なさ、マスタ・・・・・・」

「しゃべらなくていいから、先ずはゆっくり体を落ち着けて」

 

 流石に花見に行く、という事で毛布等のような大げさな物はもって来なかったが、こういう時の応急処置用に塩水を持ってきておいて正解だった。英霊の身であり、もはや人間の肉体では無いとは言え、病人である事には変わりない。いい加減そこそこ長い付き合いになって来たのもあり、焦って何も出来ず、エミヤやドクターに頼っていた最初の頃とは違い、俺でもこの程度の簡単な応急処置くらいは落ち着いて出来るようになっていた。

 

 沖田さんの背をさすりながら風に吹かれて舞う桜の花びらをしばらく眺めているうち、呼吸が先程よりも落ち着いてきたのを感じて彼女に視線を向けると、顔はあまり動かさずにこちらを見ようとしているのが分かり、声を掛ける。

 

「大丈夫?ゆすげそうかな?」

 

 力なく頷くのを感じ、ストロー付きのキャップを着けたペットボトルをキャップを開けて沖田さんの口元に寄せながらペットボトルと一緒に持ってきたタオルを彼女の口の下に敷くと、彼女はちゅぅ、と少し吸い上げて口の中をゆっくりとゆすぎ、タオルに吐き出した。白いタオルが血液の混ざった水で薄く染まり、それを二度、三度と繰り返すごとにタオルがちゃんと水を吸うよう、上の面が変わるように畳み直しながら様子を見る。

 

 こういう時、毒やこういった病気――単純に沖田さんの病気はスキルになってしまっていてうつらないのかもしれないが――等の身体異常に対して耐性があるのは有り難いと思う。お互いに感染に対して必要以上に気にする必要が無い、というのは多少なりとも気が楽になると言うものだ。

 

「うがい、一回だけでも出来そう?」

 

 タオルを染める紅が無くなったのを見計らって声を掛けてみると、彼女はもう一度ゆっくりと頷いたので、一度軽く体を起こしてあげながらペットボトルとタオルを持って口に寄せる。水を吸い、軽くうがいをしてタオルに吐き出したのを確認して、もう一度シートの上に横にすると、だいぶ普段通りに近い呼吸をしながら彼女は軽く目を閉じた。

 

――――もう、大丈夫そうかな

 

 うがいも出来たし、息も整ってきた。後は自力で起き上がれる程度まで回復するのを待つだけだ。ずれてしまった上着をもう一度かけ直し、自分も座ろうか、と腰を下ろそうとした時にマスター、と呼ぶ沖田さんの小さな声が聞こえて、沖田さんの正面になるように移動してから座り直す。

 

「どうかした?」

「ごめん、なさい・・・・・・何時ものお礼に、と思って、私からお誘いしたのに、こんな事になって、またお世話までしてもらって・・・・・・」

 

 沖田さんが申し訳なさそうに静かにそう漏らすのを聞いて、思わず苦笑してしまう。

 

「俺は十分に楽しんだし、迷惑に感じてもいないよ。俺だって何時も助けて貰ってるし、こういう事くらいしか碌に手伝ってあげられないんだから、このくらいはね。それに、」

 

 沖田さんの頭に手を伸ばし、軽く撫でながら、

 

「こんな事でも、女の子に頼られるのは男として悪い気分じゃないし・・・・・・なんて、流石に格好つけ過ぎかな」

「ふふ・・・・・・そう、ですね」

 

 安心させるようにそう言いながら笑みを浮かべると、沖田さんも薄くだが笑みを浮かべていた。

 

 気持ちとしては、彼女の病気を治してあげたいのだ。だが、スキルにまでなってしまった病弱な状態は、聖杯でも治せないという。勿論のことながら、人間用の薬も効果は見込めない。彼女の病は、史実で肺結核にかかっていた、という以上に、ヴラド三世やエリザベートの無辜の怪物というスキルに近い状態なのだろう。そういうイメージを多くの人間が抱く事で、英霊となってもスキルとして残ってしまっている。

 

「ダヴィンチさんが・・・・・・聖杯でも、この体を治せない、と言っていたのを覚えていますか?」

「・・・・・・っ、うん、覚えてる」

 

 丁度思い出していた事を言われてしまい、少し驚いておかしな反応になってしまう。

 

「それを聞いて、がっかりした以上に・・・・・・私、不安になってしまったんです」

「不安?」

「はい・・・・・・また、最後まで一緒に戦えないんじゃないか、と、思ったんです」

 

 沖田総司、という人物は、体調の悪化で仕事を行えなくなってからは隊の任務から離れて病床につき、鳥羽・伏見の戦いにも仲間達と共に参加する事が出来ず、慕っていた近藤勇の死も知らされぬままに亡くなった、と言われている。

 その時の事を思い出してしまったのだろう。俺たちが特異点の修正に向かっている時、生前と同じように共に戦えない状態になったまま、俺が死んで別れてしまうような事になってしまうのでは、と。

 

「・・・・・・」

「・・・・・・マスターに、失礼っていうのは分かっています。でも、あの時は少し不安になってしまって・・・・・・」

「仕方ないよ。俺は結核にはなった事無いから苦しさは分からないけど、病気になると気分が落ち込むくらいは分かるし、沖田さんは生前それが原因で大事な仲間と離れ離れになっちゃったんだしね」

「・・・・・・有難う、ございます。でも、今は・・・・・・少し違うんです」

「違う?」

 

 沖田さんは、下ろしていた俺の手に自分の手を重ねるように軽く触りながら続ける。

 

「今の私にとって、マスターは・・・・・・黒猫、みたいな感じなんです」

 

 黒猫、と聞いて一瞬首を傾げそうになり、直後に彼女の生前の頃に広まっていた迷信を思い出す。それは、

 

「確か、黒猫を飼うと結核が治る、って言われてたんだよね」

「はい・・・・・・マスターと一緒にいると、何というか、この体も何時か治ってしまいそうな・・・・・・そんな気持ちになるんです」

 

何というか、こう言うのは少し変かも知れないけれど。

 

「それは光栄だなぁ」

 

 仲間と共に居られなくなり、死因にすらなった病気が、一緒に居ると治りそうに思えて来ると、そう言ってくれることが、嬉しかった。

 

「沖田さんの体調が悪い時は、これからも出来る限りの看護はするからさ」

 

 俺の手に重ねている沖田さんの手を握り返し、

 

「これからも無理のない程度に手伝ってくれるかニャ、飼い主さん?」

 

 笑顔を浮かべながら軽くおどけてそう言うと、沖田さんは未だに力ない表情ながらも楽しそうに笑みを浮かべる。

 

「ふふ、大好きな黒猫さんが言うなら、仕方ありませんね・・・・・・貴方が望む限り、何時までもお手伝いしますね、黒猫さん」

「無理のない程度に、ね。これからも頼りにしてるよ、沖田さん」

「任せてください、マスター。冥府の果てまで、どこまでもお供します」

 

 

 

 

 

 その後しばらくして、起き上がれるまで持ち直した沖田さんと共にカルデアに帰り、私はしばらく食べられそうにないので、という事で三段目の重箱に入っていた甘味――三色団子だった――を、その場に他の入れ物が無いので弁当の残りも含めて重箱ごと譲り受けた俺は、一度部屋に戻り、沖田さんの前では言えないがなんだかんだでまだもう少し食べたくもあったので弁当の残りと団子を一人で平らげ、エミヤが居るであろう食堂へと重箱を返すために足を向けた。

 

「エミヤ、居る?」

「む、どうした・・・・・・あぁ、重箱の返却か。手間をかけたな、マスター。後で受け取りに行く積りだったのだが」

 

 食堂に到着して声を掛けると、厨房の方からエプロンをかけ、タオルで手をぬぐいながらエミヤが顔を出す。

 

――――本当、いいガタイしてるのになんでこんなにエプロンが似合うんだろうこの人。

 

 オカンだからだな、と何時もの結論に至りながらも口には出さず、エミヤに向かって歩み寄る。

 

「いや、まぁ作ってもらった側だから、箱を返すくらいはね。何時も通り美味しかったよ」

「今回の弁当は自分でも中々の出来だと自負している。・・・・・・実は、ナーサリーライムに弁当を作って欲しい、と以前せがまれてしまってね。おかずはその試作も兼ねていたのだが、どうだっただろうか」

 

 デフォルメされたやたらと可愛い動物の顔をしていたりと気合の入ったデコ弁だと思ったらそういう事か、と納得する。彼女向けの、と考えるならあのおかずはぴったりだろう。

 

「凄く可愛いかったし、美味しかったよ。おにぎりとかおいなりさんも美味しかったし、デザートの三食団子も好みの甘さで美味しかった」

「ふむ・・・・・・それは何よりだ」

 

 どこか満足げに笑みを浮かべるエミヤに重箱を渡し、

 

「今度も機会があったらよろしく、エミヤ」

「あぁ、任せたまえ」

 

 じゃ、と軽く手を振って俺は食堂を後にした。

 

 

 

 

 

「美味しかった、だそうだぞ?」

「・・・・・・何というか、思っていたよりも気恥ずかしいですねコレ。直接言われた訳でもないのに・・・・・・」

 

 エミヤが厨房に声を掛けると、マスターと共に花見に出かけ、先程マスターよりも一足先に此処にやって来た桜色の少女・・・・・・沖田総司が顔を赤らめながら顔を出す。

 

「団子も好みの甘さだったらしいじゃないか。マスターの事を良く分かっているのだな」

「からかわないで下さいよぉ・・・・・・」

 

 エミヤがマスターに先程言った、試作を兼ねている、という言葉に嘘は無い。事実、おかずに関してはエミヤ自身が作った事には間違いない。

 だがそれ以外――1段目と3段目に関しては、エミヤは作り方を教えただけで、実際に作ったのは彼女だ。

 

「お弁当の作り方を教えてくださってありがとうございました」

「何、この程度は手間でも何でも無いとも。また聞きたいことがあれば来ると良い」

「その際はまたお世話になります。本当にありがとうございました、エミヤさん」

「あぁ、また来たまえ」

 

 未だ恥ずかしそうに顔を赤らめながら入口で振り返ってお辞儀をして立ち去る彼女を見送り、再び厨房へと戻る。

 

「さて、次は茨木童子が帰って来た時の為のおやつを用意して、アルトリアの食事の用意でもするとしよう」

 

 よく似た顔だと言うのにこの差は何なのだろうな、と独り言ちながら、エミヤは材料の残りを確認しながら頭の中でメニューを組み立てていく。

 

 

カルデアのオカンは、今日もオカンなのであった。

 




という訳で、触媒になるかは分からないけど書けば出る気がするの精神で書いた。

なお弊カルデアには沖田さん、酒呑童子、エミヤ、全アルトリアは存在しません。沖田さん来て。酒呑童子復刻はよ。AUOの星4配布ももう一回来い。

おいなりさんのわさび漬けは3月のライオンで見て美味しそうやなぁと思いながら採用。

お弁当はおかーさんが作ったと思わせて、実はおかーさんに教えて貰って彼女が自分で作った、って感じになりました。
最初は、喀血して倒れた沖田さんが落ち着いてから、花見再開してっても考えたんですが血吐いた後に色々な意味で落ち着いて食事なんて出来る?って思ってこの形に。

沖田さんの喀血に関しては、ギャグシーンの反応でで扱われる事が多いので、試しに真面目そうに扱ってみました。
喀血以降の応急処置に関しては、調べた情報をもとにこんな感じかしらん、って感じで。間違ってたらすまんの。

これを見た皆が、沖田を引けることを願って。
俺も早くお迎えしたい。

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