ドルオタだけどトップアイドルになれますか?   作:凪紗わお

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今回から正式に出てくる焼津翔平。彼と玲奈は、アイカツスターズにおける虹野ゆめと結城すばるのようになればと思ってます。増田店長は背筋をピン!との土井垣部長をイメージして頂ければと。あるいは恋姫無双の貂蝉



lesson.7 誰のために歌うのか考えよう

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

トレーニングやレッスンの間にバイトなう

 

始めた頃はアイテム3つ買いのためにやってたけど、今となっては万が一部費で落ちない活動費用があった時のためにやってる

 

「ふむ、ここが執事喫茶か」

 

え?

 

「中世ヨーロッパみたいな内装ね」

 

「沙織先輩、涙先輩!?」

 

「やぁ玲奈。最高のもてなしを頼むよ」

 

「あの、一応源氏名で『レオン』ってあるんで、それで呼んでください」

 

「くく、すまないね、レオン」

 

やれやれ。先輩だからって特別なことはしないぜ。いつも通り普通の接客をこなすだけだ

 

からかいに来た先輩方を見送って少しして休憩時間。

 

「よう。お疲れさん」

 

「あ、焼津くん。お疲れ様です」

 

覚えてるかな?

以前話したデビューして間もないアイドルの男性。話しかけてきたのはまさに彼。焼津翔平ってお名前です。最近ソロCDを出すとかで人気急上昇中

 

「アイキン見たぜ。アマとはいえデビューおめでとう」

 

「見てくれたんですか!?ありがとうございます!」

 

「あ、ソレアタシも見たわよォ!レオンきゅん……いいえ玲奈ちゃん!とっても輝いてたわッ!」

 

「店長も!?」

 

ゴリマッチョなオネエの店長、増田謙太郎。皿洗いを希望してたのに、男装させたのは彼だ

 

「そうだ翔平ちゃん、何かアドバイスしてあげなさいよ」

 

「なんで俺が」

 

「いいじゃないのよ。アナタはアイドルの先輩なんだから」

 

小さくため息をついてしゃーねーなと頭を掻く焼津くん。もう、素直じゃないな

 

「なぁ泉野。お前らの目標はなんだ?」

 

「アイキンの両部門でスタブルに勝つことですけど?」

 

「大きく出すぎだろ…まぁそういうことなら分かりやすい。1つクイズを出そう」

 

「クイズ?」

 

「三日前に子供と約束した小さなステージと、当日急に言われた、成功すれば必ずスタブルに勝てる大きなステージオファー。どっちを選ぶのが正しいと思う?」

 

「え、そりゃ子供のほうでしょう」

 

「なぜ?スタブルに勝てるんだぜ?」

 

「仮にそうでも約束は守るべき。だから私なら子供との約束のステージを優先します」

 

「……100点だ。ンだよ、教えることねーじゃん」

 

「優秀な『卵』ネ♡」

 

「あー…じゃあこれだけ。6ix waterの歌、誰に届けたいのか。それを常に考えるんだ」

 

そういえば、私は、6ix waterはライブをしたことがない。だからそういう事は『目の前のお客さんに届ける』って知識はあっても、なんかこう……実感がないというか、パッとしないというか。

 

「やっぱりライブをやってみないと……その辺の事は分かりませんよね」

 

「ん?泉野、お前らライブしたことないのかよ」

 

「はい、部活紹介のためにミュージックビデオ作って、私達のゴールを決めるためにアイキンに投稿したばかりなんです」

 

情けないことに、本当にそれ止まりなんだよね

 

「それなら俺らのライブ出るか?『今俺達が注目してる新人アイドルを紹介するぜ!』的なノリでゲスト出演って形になるけど」

 

「……それはいつ、どこでですか?」

 

「姫野里学園だな。明後日の水曜日、5,6限目のロングホームルームでサプライズライブの予定だ」

 

え?

 

「姫野里って確か玲奈ちゃんの学校よね?」

 

「マジかよ」

 

「マジです。しかも6ix waterのメンバーに生徒会長います」

 

「あっら〜!凄い偶然じゃな〜い!ねね、どんな子なの?」

 

「今日私が接客した2人組のお嬢様いましたよね?」

 

「金髪のお姉さんとおちびちゃんね」

 

「その『おちびちゃん』です。金髪の方もメンバーです」

 

「ああ、どこかで見覚えがあると思ったらメンバーだったのか」

 

スマートフォンに入っていたミュージックビデオを見せつつ先輩方を指し示す。2人とも興味津々といった様子だ

 

「とりあえず会長に許可取りますね」

 

「俺も連絡入れとくか」

 

「店長!調理スタッフのアシストお願いします」

 

「はァ〜い、すぐ行くわ!……あとで結果教えてネ♡」

 

そんな感じでゆるく始まった協議の結果、MCと1曲やる代わりに衣装や機材の運搬の手伝いをするってことで合意した

 

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「くく、やはり凄いね」

 

「これがトップアイドル……」

 

「プロの世界ッスか!」

 

焼津くんが所属するグループ『BURN-AGE』は、世界一厳しいアイドル評論家に「STAR☆BLUEが出現しなかったらBURN-AGEが音楽シーンを乗っ取っていただろう」とまで言わせたことがある実力派

 

男女の違いとか細かいことは置いといて、同じアイドルという立場になってわかったことがある

 

観客の心を掴み取るのがうまいんだ。ステップ一つとってもそれを感じた

 

「玲奈先輩、ボンちゃんの用意は大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫」

 

「よかったらこれ使ってください」

 

「これは?」

 

「樹脂で色々作る特別授業があったんです。それで玲奈先輩にフィットするボンちゃんのマスクを作ってみたんです」

 

「……器用なんだね」

 

付けてみると確かにフィットする。吸引もしやすそうだ

 

そんなことを話していると一旦幕が降りた。ここからは私たちの出番だ

 

 

――――――

 

 

「皆さんこんにちは!」

 

『6ix waterです!』

 

凄い歓声が響く。やっぱり会長とセイラは人気者だな

 

「泉野さーん!」

 

「玲奈ちゃーん」

 

私のファン?酔狂な人もいるんだね……緊張してきた

 

そうか、これがセンターか。センターの重圧か。

 

「1曲しか用意してないけど、楽しんでいってね!」

 

「てか二曲目早く作ったほうがいい気がするッス」

 

「わ、わかってるよ!!」

 

ナイス美玖ちゃん!緊張と重圧で押しつぶされそうだった

 

焼津くんが言っていた、誰のために歌うのか。それに対する目の前のお客さんのためって私の知識がようやく実感となった

 

簡単にメンバー紹介をして、雑談を少しした。それだけで盛り上がってくれる観客がなんだか嬉しかった

 

「それじゃあそろそろ歌うよ!?」

 

『イエーイ!!』

 

インディーズデビュー曲。きっと私達はこの歌をずっと歌い続けることだろう

 

「聴いてください!」

 

宝物になる、この歌の名は

 

『6ix treasure!!』

 

目の前の観客と一緒に盛り上がろう

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