第94話 仲間外れ
「どうしてこうなった」
やァ、みんなのアイドルリィンちゃんだよ☆
………。
くっ、ツッコミ役が居ないと辛い…ッ!
実はつい1時間ほど前にやっと
……途中で
とにかく、山登りした後は下らないといけないんですが。目の前に現れたのはでっかい、そりゃもうクソでっかい鯨。
何で!?って思ったけどとりあえず避ける事にしたんだが、聞いて、私ローグタウンで色々やらかしてすっごい疲れてんの。精神的に。
海流なんて操る精神力なんて無いわな!
ハーッハッハッハー!…はァ。
ルフィが大砲打つわなんとか回避したけど船首折れかけるわ…しかし私とルフィ以外船ごと鯨に飲み込まれるってどうよ。
でもまぁそれは仕方ないとしよう。
だがな、鯨。お前の背中にあった金属製の扉はなんだ。お前は機械だとでも言うのか畜生。
ルフィは入るって言うし鯨は海に潜ろうとするし私は言いました。
『外で周囲を警戒すてるぞ!』
現在、ここまで連続で災厄が起こると怖くなってくるので藁にもすがる思いで外用の机と椅子を勝手に拝借し無心にミサンガ編んでます。
・海賊に絡まれませんように
・上司に怒られませんように
・災厄よ消えてなくなれ
まだまだあるけどもうそろそろ7本目に突入する。
「どうしてこうなった…」
私はそっとため息を吐いた。
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「───と、言うわけです」
今が好奇。
バラティエから現在に至るまでの経緯をセンゴクさんに
『全く意味がわからん』
「ですよね、自分でも不明です」
『今から追っても革命軍は間に合わんだろうな…』
「流石に数時間所有するなれば逃げますな」
『ひとまずバラティエの件では感謝するしかないな………』
請求書に
「ミホさんなにすてるんですかねー、こんな海にぞ来るとは」
『知らんな』
「……誠に海賊嫌いですな」
ミホさんは基本善良なタイプだと思うよ?あの人元々海賊とかじゃないんでしょ?直接聞いたことは無いが記録も無いし。
『鯨に食べられた?今、奴らは居ないという事でいいんだよな』
「はい…情報をお願いするです」
するとセンゴクさんは少しづつ情報を渡してくれた。目立った海兵の功績や私の部下(コビーさんやヘルメットさん)、海賊の損害やジジの損害。 国の動きやら物流やら。
うん、特に注目すべき点は無いかな。スモさんが立場放棄しかけてる事以外は。
『と、いう訳だ分かったか元凶一味』
「………っわかります、た」
ちょっと動揺したけど現れるのは分かっていた事に近いんだ。私は無理やり落ち着かせた。
「ところでセンゴクさん」
『なんだ』
「普通鯨に食うされたなれば死ぬますよね?」
『だろうか』
「そこは人間として〝か〟でなくて〝な〟って言うして下さい」
忘れかけていたがセンゴクさんもこの海を渡る非常識な人間相手に非常識な人間引き連れて戦う非常識な組織のトップだったな。センゴクさんも化物だ。
『………───ガープが来た』
「切るます」
『邪魔するぞセンゴ──』
──ガチャ…
多分この後2人は喧嘩するんだろうなって思います。
とりあえず今はルフィ達の事を考えよう。鯨に食べられた後に見つけたあの扉は一体何だったのか。あんな風に入れるのなら出口はあるんじゃないかって思ってるけど……。
人の手が加えられている(改造でも人造でも)鯨は果たして安全なんだろうか。敵はいないのだろうか。
……まァ経験則からして?これから安全な可能性は限りなーーーーーく!低いと思う。例え無事であっても何か厄介事引き連れてきそうな気がしてならん。それだけはやめて欲しい。
「はぁ……お腹空きた」
「だよな」
「ローグタウンでは寛ぐ不可能。その後嵐。結局お昼食べ逃すてる故に流石に空腹ぞー…」
「ならすぐ作ってくるから待っててくれよ」
…………ん?
独り言に何か返事が返ってきたみたいで振り返ると麦わら帽子の男とその他大勢。
「何故…貴様ら生きるして…!」
「お前それ仲間に言うセリフじゃねェからな」
ウソップさんが戯言を抜かしているが気にしない。
「リィン!」
「回避!」
椅子からすぐさま飛び降りると何故かそこにはナミさんが居た。
…この人瞬間移動でも使えるんですか?今さっきまで料理作りに行くって言ってたサンジ様より遠くに居ましたよね?
「流石の反射神経ね…」
「私はナミさんが人間を辞めぬか心配です」
「私の心配をしてくれるだなんて…、優しい子!」
「医者を、医者を呼ぶして!」
早急にまともな船医を探さなければ…!(使命感)
「医者なら花のおっさんがそうだぞ?」
ルフィがにーっと笑って言う。
私は周囲を確認してひとり多いことに気付いた。ほほう、なんだその頭は。
「……私はクロッカスだ。キミが残りの1人だな?」
「何となく察すました。そうです私が最後の1人、リィンです」
多分どっかで自己紹介して1人足りない事を言ったんだろう。
うーん、なんかモヤモヤ。クロッカスさん堅気じゃないな。
「ウソップさん、説明願うです」
「は?なんで俺だ?」
「あのですね」
私はゆっくり周囲を確認する。
脳天気なルフィ。どこかズレたゾロさん。最近暴走気味のナミさん。料理作りに行ってしまったサンジ様。そして部外者のクロッカスさん。
「───いますか?」
「俺が悪かった」
説明出来る人がいますか?と伝えればきちんと意味と言葉と理由が伝わったよう。やったねウソップさん、キミは私と同じ側の人間だ。……苦労する側のな!
「お前今呪いかけたか?」
「失敬ぞ」
ウソップさんもしかしたら相手の頭の中まで見える見聞色の覇気(そんなものは無い)が使えるのかもしれない。
ウソップさんに説明されて状況を把握する。状況は至ってシンプルなお話。
鯨─名前はラブーン─は暴走するから医者のクロッカスさんが改造して治そうとしてるらしい。そこにウソップさん達やルフィ、それと謎の2人組が来たと。
「………
ということはそれなりの腕の医者という事が判明した。
「ゾロさんの怪我治せませぬか?」
「ん?あァ、あの剣士君か。すまない、縫いは出来るんだが外科に関する知識は浅いんだ」
「あらー…つまり痛み止めや治りやすい薬をご存知無きと」
「基本内科しかしなかったからな。昔乗っていた船でも外科と内科で協力して船医をしていた」
まァほっときゃ治るとは思うけどいつまでも私の
私は幼少期毒付きでバッサリいったときは完治に何ヶ月もかかったけど(これは絶対普通と信じてる)
怪我に耐性のある男性なら2週間くらいで変わるだろう。
「ならゾロさん2週間は安静で」
「………素振り」
「なし」
「……腕立て」
「なし」
「ヘボコックを茶化す」
「もっとなし」
立て続けに却下すればムスッと口を尖らせた。
「キミは船医か?」
「いいえー、否定ですー。……ちょーっと経験則から判断すたのみです」
ルフィに聞こえない様に後半は呟くように口にする。
昔は死ぬかと思ったね。あれくらいの怪我はしてないけどあれくらいの恐怖なら何回でも経験したから今は笑い話で済ませれる。お陰で毒にも耐性ついたし。
とりあえず見つけてくれたフェヒ爺に感謝はしておく。ありがとよー!
「………あ。」
そこで私は重大な事を思い出した。
「み」
フェヒ爺…剣帝カトラス・フェヒター。海賊王の船員。
ロジャー海賊団で判断できるのはあの写真と
「みみみみみみ───っっ!」
「お前は蝉か」
未だ不機嫌なゾロさんの大剣豪もビックリな切れ味抜群のツッコミをスルーしてクロッカスさんの顔を見る。
なんで、なんですぐに思い出さなかった!こんなに特徴的な人なのに!
「岬───っ!」
「うん?ここは双子岬だが?」
クロッカスさんは精神異常患者を見るように目を合わせた。失礼な。
「み、な、え、ま、きいいい!?」
「落ち着いて喋ってくれ」
私が時たまに暴走するのは仲間達はご存知の様で耳を傾けるだけ、心配はしてくれないらしい。
「
「……ッ!」
口走ればギョッと目を見開くクロッカスさん。
この人は海賊王の船に乗っていた岬野郎─命名フェヒ爺─だ!
なんでこんな所に!?
「何故その呼び方を知っている!?」
「あ、すみませんぞ。二つ名は〝奇跡の手〟ですたか。ごめんなさいです」
スーハースーハーと息を吸ったり吐いたりしていて落ち着いたから訂正を告げる。
クロッカスさんは肩を落とすだけで何も言わなかった。
「……何者だ…」
「コレの娘です…一応」
黒いコートの中で隠れているムチを取り出してクロッカスさんに渡すと更にギョッとして数歩距離を取られた。
「あー……その、なんと言えばいいか…。苦労してるな」
「ありがとう!!!」
思わず感動して近付くと更に数歩距離を取られた。泣ける。
「そう言えばどうしてあの鯨は頭ぶつける事になったんだ?」
空気を払拭するようにウソップさんが首を傾げる。
「…! あまりの衝撃に忘れかけていたが」
忘れないで。
ツテを使う張本人このムチ使う事に精神面ゴリゴリ削られていくんだからな。
「もう50年前も前になるか…」
クロッカスさんはそう言うと過去を語り始めた。
私は彼が思い出しながら語る内容に少し違和感を覚える。
……どっかで聞いたことがあるんだよな、うーん…どこだったかなー。
多分絵本か何かになってたのかな?まァ嫌な予感はしないから無視してても良いけど、
「ラブーン…キミ…」
私はゴクリと息を呑む。
「アホですか!?」
「何を抜かしておるんだ馬鹿者!」
素直な感想を述べればクロッカスさんに叩かれた。
「男の覚悟が分からないお子ちゃまは黙ってろ!」
「そーだそーだ!リー黙ってろ!」
「ルフィとウソップさんまで!?」
私の中の良心が3分の2裏切った!ちなみに残りの3分の1はサンジ様です!ジェルマンの癖に常識人とかありがたすぎ!
って言うか50年もずっと自傷行為を続けてる自殺願望者(鯨?)に向かっていう言葉はこれしかないだろ!?
「うし、喧嘩してくるか」
ボソッとルフィが不吉な事を言った。今絶対言った。
「待つして、停止!停止ルフィ!」
「……男の覚悟を馬鹿にする様な子に止められません」
「拗ねるしてるの!?可愛いなちくしょう!そうでなくて!何するつもりぞ!?」
「喧嘩」
「方法は!?」
肩を掴んで揺するとルフィは恐ろしい事を言う。
「マストを怪我のところにぶっ刺す」
「船壊す気か!?」
なんつー思考回路してんだこのバカ。
「だって、あんなデカイのに攻撃加えれなかったの知ってるだろ!?」
「肯定!しかし、弱点をその方法で突くはダメです!」
「じゃあどうやったら喧嘩出来ると思うんだよ!」
「知るか!縮むさせよ!もしくは肥大化せよ!」
「ウソップ、あれ止めてきて」
「ナミが止めてこいよ」
「リィンは可愛いけどとばっちり食うと心が折れるから嫌よ」
何度かルフィと言い争いをしてたらルフィが真顔に変わった。
「んじゃでかくする」
「は?」
でかく、って。どう?
「〝ゴムゴムの風船〟!───じゃだめだ」
1度空気を吸い込んで体を大きくしたけどすぐに吐き出した。
「ルフィ?」
ナミさん達も何をするのか分からなくて首を傾げる。
「〝ギア
ギア、って、あのギア?
アーロンと戦う時に蒸気上げてスピード強化したあのチート?
ん?でもあれはセカンドだった気が…。
「ふぅぅ───っっっ!」
ルフィが親指を噛んで息を吹き込んだら腕が膨らんだ。なるほど、確かに大きいが……。
「でかいでかいでかいでかい」
巨人かよ、ってくらい膨らますか普通。
「ラブーン!俺と勝負しろ!」
キミが相手するのは歴戦の戦士じゃなくて50年壁に頭ぶつけ続けたただの鯨なんだけど。
……なんか叫びながら飛んでいったし。
「………。私…どうして(弱いと思ってた)ルフィの為などで海賊になるしたのでしょう…」
「───リィン、それはきっと私と出会う運命の為に入ったのよ……」
とりあえずキメ顔のナミさん黙って下さい。
段々雑になってくるナミさんの扱いとポジション。ナミさんファンの皆様ごめんなさーーーいっっっ!