2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第104話 医者は強い(確信)

 

 

 ドルトンさんの家に戻るとゾロさんを引きずってでも山に登ろうとする我らが愛すべきアホ船長がいましたので力技で解決しました。

 

 

 

 

「で、何故こうなるしたのですか?」

 

 とりあえずルフィを正座させて他の面子に聞くと酷く疲れた顔をしていた。

 

「あー、のね、タイショー」

「なんです?」

「タイショーがいなくなったから『じゃあ自力で登る』って言い出して……止めたのよ?止めたんだけど聞かなくて」

「……………心から馬鹿…!」

 

「ところで大将、後ろの人と膝の上のはなんだい?」

 

 思わずため息を吐くとオカンことミス・マンデーが私の後ろに待機してたDr.くれはと膝の上に乗せてるぬいぐるみ状態のチョッパー君に目をつけた。

 ぬいぐるみ状態、とはいっても動物系(ゾオン)独特の人獣型だけど。

 

「Dr.くれは。あ、さっき話すしてた魔女ですぞ。いやー、私の邂逅タイミングバッチリぞね」

「…!」

()()()! 今回の治療を担当してくれるチョッパー先生」

 

 ぬいぐるみの様に持ち上げて見せると全員首をかしげた。うん、だって蹄だもん。

 

「このたぬきのぬいぐるみが?」

「俺はたぬきじゃねぇ!トナカイだ!」

「喋ったぁぁ!?」

 

 サンジ様が青っ鼻を突っつくと条件反射でチョッパー君が反論する。

 ウソップさんが驚いて椅子から転がり落ちたのを除けばだいたい目を見開く人達ばかりだ。

 

「チョッパー君は悪魔の実の能力者なのです」

 

 混乱はその一言で解決した。

 うんうん、慣れるよね。だけどチョッパー君はその解決が理解出来なかった様でごねた。

 

「お、お前らおかしいぞ!悪魔の実の能力者は化け物って呼ばれるんだ!だ、だから…」

「あー…チョッパー君チョッパー君。一応言うですが」

「……?」

 

「こちら海賊の船長、ルフィ。ゴムゴムの実の能力者」

「おう、俺はゴム人間だ!」

 

 まずルフィを指差して言う。

 

「それで、この髪の毛ワカメがボムボムの実の爆弾人間」

「おいこら待て大将ワカメってなんだ」

「ならチリ毛」

 

 Mr.5を指差し。

 

「んで、レモンの人がキロキロの実、能力者」

「紹介が雑いわタイショー」

 

 ミス・バレンタインを指差し、そして最後に私を指差す。

 

「んで、私。実、不明の能力者、ちなみに能力者の知り合いぞ20人超えた時より数えるは禁止するしたです」

「お前…そん、そんなに居るのか」

「ハッ、白ひげの船に乗り込むした私が?キチガイ共に世の中の理不尽さを叩き込むされた私が?今更チョッパー君などで恐れる可能性皆無!──あ、ちなみにこれから七武海の能力者に喧嘩を売るするです」

「あの…分かってはいると思うんですが一応聞かせてください…………──リィンテメェ何者だ」

 

 ウソップさんにキレられた。解せぬ。

 

「つーかお前さっきなんてった!?白ひげ!?」

「yes白ひげnot黒ひげ」

「どっちみちろくなもんじゃねぇわ!」

「まぁ嘘ですけどと思うしておけぞこの野郎」

「結局どっちなんだよ!」

 

 めちゃくちゃ絡まれます。

 

「とりあえず気にすることなかれですぞチョッパー先生」

 

 ニッ、と笑えばチョッパー君は腕まくりをして(実際は捲れて無いのだが)ゾロさんの怪我を見始めた。

 

 

「バカ!こんな怪我なんで放置してたんだ!」

「筋トレ禁止だぞ!」

「いい加減にしろよこのやろう!」

 

 

 そんな罵倒を口に出しながら。

 

 医者って強ぉぃ……。

 

 

 

 ==========

 

 

 

「お前俺の船の船医になれよ!」

 

 ルフィのお眼鏡にかなった様で猛アタックされてるチョッパー(in私の膝の上)

 

「お、俺は化物だからいかねぇ!」

「いいじゃんかよぉ〜、仲間になろうよ〜、海賊ってたのしいぞ?」

 

 ふむ、軽さも丁度いいし温かい。イザ身の危険が迫った時にチョッパー君をぶん投げて盾にする事も可能、と。

 

「うちにぞ来るして下さい切実に」

「お前もかよ!」

 

 ハッハッハ!残念だったな!逃げ出そうとしても私は捕らえる!逃がさん!

 

「はぁぁ…リィンとチョッパーの組み合わせって癒しね。本当に可愛い………食べちゃいたいくらい」

「お願いするですチョッパー君助けて!」

「絶対に嫌だ!おれ寒気する!」

「後生ぞぉぉお!」

 

 こうなったら必殺土下座か。

 

「あ、ついでにナミさん(残念)ゾロさん(迷子)ルフィ(馬鹿)を治すして欲しいです」

「現代の医療技術では無理だ!」

「……そう、か……くっ…残念ぞ」

 

 思わずガクリと項垂れた時。

 ドタバタとした気配と共に一人の男が家の中に入り込んできた。寒い、扉は閉めなさい。

 

「ドル、トンさん!はぁっ…はぁっ!」

「どうした…一体何が」

「帰ってきたんだ…!あいつが、ワポルが!」

 

 その言葉を聞いた途端チョッパー君が走り出した。何も言わずにただ真っ直ぐ船が合った場所へ。

 

「チョッパー君??」

 

 あぁ、胃が痛い。

 ワポル様なんつー馬鹿なことを…。

 

「チョッパーが慌てるのも無理は無いさ」

 

 今まで傍観の姿勢を保っていたDr.くれはが口を開いた。

 

「あいつの親代わりの人間はワポルに殺されたと言っても過言じゃないしね」

「…………」

 

 ルフィはチョッパーを追いかける様に外へ飛び出した。あーあ、スイッチ入った。

 

「……。チョッパーはね、昔群れから嫌われてたんだ。あいつの青い鼻が気味悪くて、ね」

 

 Dr.くれはが瓶をあおりながら話してくれた。

 チョッパー君には恩人のヤブ医者がいて、彼が桜を咲かせるすべを研究し。病気に侵されてもなお誰かのために頑張っていた、と。

 そしてチョッパー君は誤って猛毒を薬だと勘違いして寿命を縮めてしまった。

 

 ヤブ医者の人はこの国をどうにかしようと城まで行き、自爆テロを起こした事まで。

 

 

「……この国は…なんて酷いの」

「ッ、ビビ」

 

 正直、興味は無い。

 だけど誰かの胸につきささる話だったら私には関係のあることになる。まぁ、巻き込まれるってだけだが。

 

「俺、チョッパー追いかけてくる」

「俺も行くぜ」

 

 ウソップさんとサンジ様がルフィのあとを追うように駆け出して、いても経ってもいられなくなったのかナミさんまで外へ向かった。サンジ様は行かせたくなかったんだけど……。

 私はその代わり外に行こうとするゾロさんやビビ様を止めつつ暖炉であったまる事に。

 

「………キミは」

「行きませぬよ、王の身を堕とすした男に微塵の興味も手助けも要りませぬ。彼はただの海賊、止める理由も守る理由も存在せぬです」

「そうか………ならば私は行ってこよう。奴の罪は私の罪でもある」

 

 私はDr.くれはからチョッパー君勧誘の許可を取りつつBW組とまったり待つことにした。

 

 

 

 ==========

 

 

 

 雪国での戦いは予想以上に体力を取られるものである。ワポルは喧嘩を売ってきた海賊などに負けるはずが無いと高を括っていた。

 

「〝ゴムゴムのロケット〟!」

 

 民家を食べ進めるワポルにルフィの拳が打ち込まれる。衝撃を受け止めきれずに地面をゴロゴロと転がるがさほどダメージは無いように見えた。だが体を覆う鉄板が剥がれかけている事に驚き思わず注意がそれる。

 

「(なんだこいつは…!)」

「ワポル!お前は、お前はなんでこの国の人に酷いことを出来るんだ!王様はもっとみんなの事を考える奴がなるべきなんだ!」

「うるせぇな動物が……!」

 

 お前も似たようなゲテモノだろう、とウソップはツッコミたかったが身の保身を考えて黙った。うん、恐らく正解の行動だっただろう。

 

「死刑だ死刑!王様に手を挙げた奴は死刑だ!」

「うるせぇ!邪魔口!なんかよくわかんねぇけど気に食わん!」

「テメェこそうるせぇ!」

 

 ギャーギャー口喧嘩をしながら殴り合う(ワポルは防戦1方)2人。緊張感は四散したかの様に思えた。

 

「ルフィ!」

 

 お供の2人がルフィの背後から攻撃しようとしているのに気付きナミが悲鳴にも似た声を上げる。

 

「にゃろ……!」

 

 一瞬ルフィの意識がお供であり配下のチェスとマーリモに向いた。即座にサンジが足技で割り込み攻撃の邪魔をする。

 憎たらしい、と睨みつけるマーリモを鼻で笑いながら攻撃を加えるサンジはルフィを見た。

 

「ルフィはアイツ止めとけ!何ならトドメは俺がやってもいいぜ…船長」

「俺がやる!」

 

「ぅっ……」

 

 その隙にだ。

 ほんの数秒のやり取りが致命的なミスを誘った。

 

 小さく耳に入った一瞬息を呑む音。

 

「マーッハッハッハ!お前ら、この女の命を消してやってもいいんだぞ?」

「「「ナミ!」」」

 

 ルフィやサンジは戦闘の手を止めて、ウソップは青ざめた顔で叫んだ。チョッパーは自分が一番近くに居たのにここまで接近を許してしまい、そして巻き込んだ事にギリッと歯ぎしりをした。自分の不甲斐なさが悔しかったのだろう。

 

「チェス、マーリモ…………殺れ」

「「はっ!」」

 

 麦わらの一味はなぶり殺しの過程を耐える他無い様だった。




約1ヶ月ぶりの投稿…遅くてすみませぬぅぅ…。
連載停止するつもりは無いのでご安心を??

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