2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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アラバスタ編
第108話 心友(仮)のオカマ


 

『最終目標は何か決定すてるですか?』

 

 私の問いにビビ様が苦笑いを浮かべた。

 

『BWを追い出せれば国は救われる。私はそれだけで充分、かな………』

『なら、事件解決の方法ぞ私が考えるしても宜しいです?』

『え、えぇ…』

『フッ…目に物見るさすぞクロコダイル…っ』

 

 

 ==========

 

 

 

 

 どうもこんにちは私海軍で天使又は堕天使と有名なリィンちゃん!ちなみに賞金首!どこかのつまみ食いが癖の大馬鹿船長とそして国に喧嘩を売りかけてるていうかもはや売ってる大馬鹿七武海の性で最近胃痛薬をチョッパー君に処方されたの!あはは、ヤになっちゃう!死ね!おーっと、女の子がこんな言葉使っちゃダメだった。てへっ、失敗失敗☆

 明日はアラバスタに着く予定、そして解決した際に胃痛で倒れる予定のリィンちゃんは食材が切れてひそかに激おこプンプンムカ着火爆発状態なの!困っちゃう!全くもうっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───…これ以上食糧難が続く様であればいくら兄だろうと武装色を身につけて骨格整形レベルでその顔面ぶち殴る。絶対に、だ。

 

 

 

 振り切れたテンションをブンブンとどこかに飛ばす。

 私は味気の無い保存食をモグモグしながらキッチンで本を読んでいた。題名は『砂漠越えのマル秘テクニック』

 一応一味全体で動くからそれなりに準備は必要だ。

 

「ナミさん来て!正面に何かあるみたい!」

 

 キッチンでそれぞれの時間を楽しんでいた時、ビビ様が慌てて航海士のナミさんを呼んだ。

 

「あぁ大丈夫よ」

 

 この辺りには海底火山が群集してるから蒸気が出てるのだという。ついでに航路の確認、とナミさん。そしてチョッパー君も甲板に出る事になった。

 私はガン無視で読書に走る。今更珍しくも無いしあれ凄いクサイから外に出たくない引きこもる。

 

 砂漠越え、思ったより大変になりそうだ。

 一番の問題はやっぱり水。でも空気中の水蒸気を集めれば水は私が生み出せるし、なによりアイテムボックスに水は積める。予め多めに買い貯めするべきか。

 あと直射日光は避けるべきだな。

 砂漠のイチゴって言う毒グモには気をつけないといけないから拾い食いアウトだな。

 うーん…夜通しは危険だからなるべく早めに休める所を見つけるのと、少し高めの位置から周囲を確認するべきか。

 

 

 

「「オカマが釣れたァァァァア!!??」」

 

 ………一体どういう事だってばよ。

 

 

 

 

 時間が暫く経ち、ぎゃあ!溺れた!釣れた!スワンスワン!などの楽しそうな声が甲板から聞こえてくるのでこっそり覗く。

 甲板にはピンクのコートに白鳥を二匹背負って次々顔を変えてる人間が座ってお礼を言っていた。

 

 これ、噂のMr.2では?

 

 暫く観察する事にして様子を伺う。

 ルフィが吹き飛ばされたり顔が変わったりかと思えばナミさんの体格(チッ)が真似されたり。

 

「さて、残念だけどあちしの能力はこれ以上見せるわけには──」

「お前すげー!」

「もっとやれー!」

「──さ〜〜〜ら〜〜〜に〜〜〜!」

 

 随分ノリノリのオカマの様で子供3人(ルフィ ウソップ チョッパー)にモテモテだ。

 

「メモリー機能付きぃっ!」

「「「うおおおお!」」」

 

 コピコピの実……の、劣化版。マネマネの実か。

 これは厄介だ。真似をされたら色々面倒になる……。捏造、冤罪、色々と。

 

「どうする、か……」

 

 この場で始末、するには仲良くなってしまったルフィに止められる可能性がある。

 

 よし。作戦は君に決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「親友!」

 

 バンッ!と私は扉を開けて感動の再会っぽく呼んだ。

 

「リ、リー?」

「あぁ友…。私の、私の心の友よ!」

「な、何事?」

 

 私の発言にザワザワする周囲。

 Mr.2自身も何が何だか分からなくて混乱している。

 

 いいぞその調子だ。もっと混乱してくれ。

 混乱すればするだけ判断能力が落ちる。

 

 トントンと階段を降りていきMr.2の前に立ち微笑む。涙を目に溜めて。

 

「久しぶりぞね…友よ……覚える、してる?」

「だ、誰よぅあんた。あちし知らな──」

「──うっ…、やっぱり、そうぞね。私はまだ幼き頃ですたし、貴方も子供……。覚えてる事なぞ、無きか」

 

 悲しそうに目を伏せると目に見えてわかる動揺を見せてくれた。

 

「私はずっと覚えるしてた…夕日が輝くするあの丘で共に目標を誓い親友と言うしたあの時を!一秒足りとも忘れる事ぞ無き!」

「いや全く記憶が無」

「──もう1度考えるして!きっと心のどちらかにて私の事ぞ覚えてる」

「そ、そんな……」

 

「心の友よ、貴方はオカマの道を真っ直ぐに進むと。私はその道を応援すると、約束を交わすした」

「なんですって…!あちし、そんな大事な記憶を無くして…!?」

「友、大丈夫。貴方が忘れるしても私は覚えてる」

 

 そっと手を取って笑顔を見せる。

 

「私達、心友、でしょ?」

 

 そう言うとMr.2はブワッと涙を流した。

 

「ごめんなさい!あちし、あちしったらこんなに大事な心友を忘れるだなんて…っ!謝っても謝りきれないわよぅっ!」

「いいの、いいのよ心友!泣いたりなんかするなぞ…」

 

 崩れ落ちるMr.2の背に手を回して抱きしめる。

 私の顔はこれでMr.2に見えない。

 

「嗚呼友よ。愛おしき友よ。大丈夫、私は友の心友…。安心するが良きぞ」

「あああぁぁ…っ!あちし、あちしは…!」

「相変わらず、泣き虫ぞ…」

 

 ポンポンと背を叩く。

 

「ごめんなさい、あちしは思い出せない!思い出したいのに思い出せない!」

 

 うん、知ってる。

 思い出せないんじゃなくてそもそもそんな記憶ないから。

 

「なれば、新たに交わそうぞ。友の誓を」

「……あちしでいいの?」

「友しか居らぬぞ」

 

 再び視線が交わる。

 

「私は、リィン。心の友ぞ」

「あちしは、ベンサム。リィン…あちしの心友」

「うん、友。ベンサムは私の心友」

「あちしは心友……」

 

 改めて自己紹介、という形にする。

 だって……私この人の名前知らないもん。

 

「うおおおッッッ、よか、良かったな!」

「泣けるぜ…ッ!」

 

 ウソップさんやチョッパー君が涙を流す。

 

 私は照れくさそうに笑ってMr.2を立たせる。

 

「友、私の願いを聞くしてくれますか」

「あちしの心友の為ならできうる限りするわ!」

「今、アラバスタが危機に陥るしてる」

「……っ!」

 

 笑顔に変わった表情が一気に暗くなる。

 さぁ、罪悪感を感じろ。

 

 しばらく葛藤のための時間を設ける。私は辛そうな顔をしながら話を切り出すんだ。

 

「私は、ベンサムがそんな所に居るして、捕まるなど嫌ぞ!」

「リィン……っ、そんな、に、あちしのことを心配して…!なんて優しい心友なの!あちしのばか!なんでこんないい子を忘れてしまうの!?あちしはマヌケ!?Mr.マヌケ!?それともミス・マヌケ!?」

「どっちかと言うとMr.マヌ──」

「ベンサムはマヌケで無き!」

「リィン…!」

 

 ゾロさんのツッコミを遮る様に大声を出すとMr.2は目を見開いて私を凝視した。

 

「約束するぞ、ベンサム。生きるして」

「リィン」

「そしてここで海賊は見なかったと約束して。そして作戦を私に流すして」

「どうしてリィンがそんなに」

「BWを潰して、助けたいからぞ。ベンサム、君を」

「リィィィンッ!」

 

 ひしっ、と抱きつかれる。

 

「勿論、約束するわよーうっ!」

 

 言質は取った。

 

「あちしたちの友情は永遠よーーーうっ!」

「ハハッ、友情サイコー…」

 

 多分私は死んだ目をしてる。

 

 

 

 ==========

 

 

 

「どういう事……?」

 

 Mr.2が去った後、ナミさんが私に違和感を感じて疑問を投げかけた。

 

「リィンちゃん…」

 

 Mr.2が去る時にメチャメチャMr.2・ボン・クレーって言ってたモンね。

 

「え……Mr.2だと気付き、一番の敵と判断した故こちらに引き込むしますたが」

「知り合いで良かったわね」

「まさか!」

 

 私が反論を口にすると全員が仰天した声を上げる。

 

「ベンサムとは、初対面です」

「「はぁ!?」」

 

「まてまてまてぇい!え、じゃあなんだ?お前は初対面であんなに友よ友よ言ってたわけか!?」

「ウソップさん正解!」

「正解!…─じゃねぇわ!Mr.2が可哀想だわ!」

「あんな嘘を堂々とつく、と思うです?思い込み大事。動揺混乱させるして判断能力を削るし、そして罪悪感を作るが完了すれば協力体制完璧です」

「失敗すると思わなかったのかよ!あんな方法!」

「何のために私が登場を遅くするしたと……性格に合うした方法くらい思い付くです。こういうの、絶対ゾロさんには向かぬです」

「そ、りゃそうなの、か?」

「猿も煽てりゃ木に登る、ですよ。そういう性格と見抜くますた」

 

 かるーく言うけど結構経験が大事だったりする。

 性格に合わせた口車って案外大変で観察眼が必要になってくるから。

 

 ドンキホーテファミリーのイブは失敗したけどね!

 

「あいつの見せた過去のメモリーの中に父の顔があった……リィンちゃんはそれに気付いて…」

 

 え!?そうだったの!?うそっ、まじで、やだー……。超困る。やっぱりもう入手済みだったってわけか。ひぃ、危機一髪。

 

「さて、革命軍に連絡入れるして来るです」

「お、おう……」

「クエ……」

 

 トントンッと軽い足取りで見張り台に向かう。

 本当に、運が良かった。

 

 

 

 

「もしもーーし革命軍さーん?Mr.2攻略!」

『はぁ!?ちょっと待てテメェ一体どういう──』

 

 

 

 

 

 

「俺はリィンちゃんが全くわからねぇ」

「同感」

「リィンって凄いのね!と考えておけばいいのよ。流石にそこは割り切りなさい」

「そ、それもそうね」

「でもよぉ、ビビの為に頑張って嘘ついて守ろうとしてるんだ!それくらい分かるぞ!」

「ルフィって時々意味がわからない位核心をつくよな。ほんと、馬鹿のくせに」

「失敬だな!」

 

 

 

 

 

『………………聞こえてる、よな』

「うん」

『………お前の本音は?』

「能力使うされて不利にならぬ様嘘をつきた」

『王女の為か?』

「ノウ。全ては私の自己保身と立場厳守」

『……お前の下心ハッキリする所、嫌いじゃねぇよ』

「……………………ありがとう」

 

 前からこの程度の誤解なら放っておけばいいかな、と考えてた。誤解くらい解いとけば良かった。期待が辛い。

 私の性格をよく分かっているサボ(記憶喪失)は流石私のお兄様です。心の支えかもしれない。




Mr.2が敵サイドだと誰が言いました?

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