2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第15話 突撃!隣─じゃないけどフーシャ村!

 

 

 コソコソと隠れる様に村を見る。

 こんにちは。何故こんな盗人みたいなことをしているのか理由があります。

 

 

 誰に向かって話してんだろうね私というやつは。

 

 

 

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 時を遡ること数日前

 

 

「リィン!元気か!」

「うぉわぁ!ど、どこから出現したぞジジ!」

「ん?顔を見に来たじいちゃんに叫び声をあげるとは何事じゃ!」

「よりにもよって二人が存在しないこのビックリ驚きミラクルタイミングで出現……私、神様に嫌われてるのかな…」

 

 リィンが運悪く一人でいる時に義理──リィンが勝手にそう思ってる──の祖父であるガープが久しぶりに顔を覗かせにやってきた。海軍の仕事はどうした中将と叫びたい所だが、下手に絡むと厄介なのを知っている為触れないようにした。

 人は誰しも成長するものだ。

 

「一つ伝えておこうと思っての。お前さんには兄が居るんじゃ」

「エースとサボ?うん、ご存知ぞ」

 

「それとは違う。今確か6程のルフィと言う奴じゃ。じいちゃんいつ来れるか分からんからお互い力を付けておくんじゃぞ、と伝えたかったんでの」

「るふぃー?何処に?」

 

 

 

「フーシャ村、じゃ」

 

 

 

 

 

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 あれ。短いね。

 

 そりゃそうだ、だって簡単に説明すると時間だとかですぐ帰っちゃうもん。………いや、有難いですけどね。

 

 手に持つ箒を握りしめるとそれらしい男の子を探す為目を凝らす。

 

 ちなみに鬼徹くんはアイテムボックスでおねんね中だ。なんか泣いてる気がするけど信じません。刀が泣いてることなんかあってたまるか。

 

 

「とりあえず情報を集めない事にはどうにもならないか!よし!」

 

「何がだ?」

 

「それぞルフィなる人物を探す為に──え?」

 

 振り返ると私より少し背の高い男の子がニカッとした顔で笑っている。あぁ間違いない。

 この男の子が〝ルフィ〟だ。

 

「俺になにか用か?」

 

 まるで遊び道具を見つけた様に白い歯をみせて笑ってきます。

 可愛いけど、可愛いんだけど。ガープのジジを思い出す。面影とかあんまり分からないけど雰囲気が思いっきり似てる。

 

 良くいえば純粋 悪くいえば無知

 

 悪いこと、って言うか人の感情に鈍感で迷惑。当然それは避けられる。

 見方とり方によって愛させるっていう強みになるけれども騙されるって弱みにもなりうる。

 

 話がズレたな。うん。とりあえず私は何がしたかったのかっていうと

 

 ジジイの血縁者は面倒だと思うからなるべく関わらずに過ごしたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルフィ……?」

「おう!お前誰だ?」

「私なる呼び名はリィンと申すぞ!ガープのジジが言うにはルフィの妹ぞ言ってたの!」

「???」

 

「ぐっ…言語苦手理解してるけど慣れが直らない故に訂正不可じょ…………」

 

 エースやサボ以外の人と話してこの言葉の伝わらなさを痛感してしまった。やばい泣きそう。エース!サボ!良く私の言葉を理解してくれた!ありがとう大好き!でもフェヒ爺の所連れていくから嫌い!

 

「よく分かんねぇけど…。あ、なぁなぁ!今から海賊見に行かねぇか!?」

「海賊!?危険な仕事ぞ!近寄ると危険ぞ!」

「大丈夫だって!危なくなったら俺がギッタンギッタンに倒してやるからさ!」

 

 ヤベェ不安でしかない。箒で逃げれる準備はいつでもしなければ……。家飛び越えて反対の道からダッシュすれば逃げれるかな。ルフィくんを置いて行けば。

 あ、兄…だっけ?精神的に何だか子供っぽいって言うか子供らしいからどうしても年上目線で見てしまう。

 

 うん。兄ってより弟だな。

 

 

 ガープの実の孫と義理の孫…って事かぁ。めんどくさい関係だな。

 義理の兄妹ってことでしょう?エースとサボじゃダメですか?ダメ?ちょっとこの子苦手です。自分の力を過大評価し過ぎて危険度がハンパないんですけど。や、ごめんね、なんかごめんね。嫌いじゃないけど苦手です。もっとしっかりしてください。

 

 だからとりあえず私の腕を引っ張らないで欲しいんですけど。

 

「ルフィ!止まる!止まれ!コケ、コケる!こけこけこけぇえええ!!!」

「ほら!あれだよアレ!」

 

 ルフィの指差す先には黒字の旗にガイコツマーク。あぁ…海賊船だ。ジョリー・ロジャーのマークが目にしみる。目が痛い。胃が痛い。

 残忍な海賊だったらどうするつもりなんだよ、むしろ私の知識では危険な人しかいない気がするんだけど!!

 

「とまれぇえええ!!」

 

 

 

 ==========

 

 

 

「なぁ!海賊ってホントか!?」

 

 ルフィが元気に挨拶をします。挨拶する事はとてもいい事ですけど時と場合を考えませんか?

 

「なんだ何だガキ共。俺たちに何か用か?悪いことしてると食っちまうぞ?」

「ルウ、子供相手に脅すな。拠点にしにくくなるだろ」

 

「悪いことって…海賊のあなた達に発言許可する気皆無ぞ」

 

 あ、しまった。思わず口を滑らした。

 元海賊のフェヒ爺じゃないんだ…現役の海賊。どれほど怖いものなのか…。

 

「ギャハハハハッ!ルウ!お前言われてやがんの!」

「こりゃ1本取られたな!」

 

「ひょ?」

 

 あれ?あんまり怖くない。

 

「お嬢さんに坊ちゃん。勇敢なのはいい事だがあまり危険を省みずに飛び込む癖は直した方がいいな。俺たちが誰彼構わ切り倒すような残忍な奴だったらどうするつもりだったんだ?」

 

 麦わら帽子を被った赤髪の男が頭に手を置きながら目線を合わせて微笑んで来る。

 

「麦わら帽子…──」

 

 なんでこの季節に麦わら帽子なんだろう。日差しはそんなに強くない。ちょっと肌寒く感じてきたこの季節に。

 

「いーんだ!だって俺強いもんね!」

「ほう、言うなガキンチョ」

「ガ、ガキンチョじゃねぇ!ルフィだ!」

 

「えーと、私祖父なる人が海軍中将なりて、並大抵の海賊は驚きビビるとぞ思ったじょ…です」

「──中将?」

 

 ピリッと空気が変わった。いま確実に変わった。ちょっと怖い。

 

「ガ、ガープなる名ぞ……」

 

「うわぁ………」

 

 すると麦わら帽子の男は心底嫌そうな顔をした。どうやら知っている模様だ。

 あ、今更考えたがジジ様を恨んでる海賊だったら殺される可能性あったな。反省反省。それを発言して次どうなるかの予測をしなければ。学ぼう。

 

「ガープって砲弾投げる爺さんだろ?」

「ひょ!?」

 

 怪物!?怪物なの!?

 砲弾ってそんなに軽かったっけ?

 

「質疑応答許可求む、砲弾たるものはいくらの重量を持ちうるか?」

「さっきっから思ってたけどなんだ?その喋り方?…───あぁ、えーっと、大の男がギリギリ一つ持てるくらいか」

 

「ジジは化け物!確定!」

「何でじいちゃんの事知ってんだ?リーは」

 

「先ほど申したぞよ!私ルフィの妹!」

「ええええええええ!?!?」

「やだ!何この子!聞くてなき!?泣きそう!」

 

 

「あ〜、えっと。よく分かんねぇけど暫くここに厄介になる赤髪の海賊団船長、シャンクスだ。危害は加えない事を約束しよう。よろしくな」

「おう!よろしくなシャンクス!」

「よ、よろしくおねぎゃいしますぞ!」

 

 ルフィの柔軟性というか無神経な精神がちょっと羨ましいです。

 

 

 

 

 

 

 

「あ!そうぞ!質疑ぞ!シャンクスさん!」

「ん?どうした?えっと……──」

「リィン!我が名はリィンとぞ言うのぞ!」

「そっか、リィンか。で、なんの質問があるんだ?」

 

「世界はどれほど広いか!」

「ん〜、そうだな。世界は東の海(イーストブルー)北の海(ノースブルー)南の海(サウスブルー)西の海(ウエストブルー)…そして偉大なる航路(グランドライン)の五つに別れていて。偉大なる航路を真横に切って遮るように赤い大地(レッドライン)が連なっているんだ」

「ぐらんどらいん?」

「磁場が狂う普通の海じゃない所だな。その海を制したのは海賊王ゴールド・ロジャーただ1人と言われている」

 

 悲哀に満ちた顔で説明をしてくれるシャンクスさん。なんで悲しそうなんだ?

 

「そーだ!海賊王となる者は何者!!」

 

 ずっと疑問に思ってた。ずっと答えたい質問があった。情報が欲しかった。

 

「さっき言った通り偉大なる航路(グランドライン)を制覇し、世界の秘宝を手に入れた海賊。ゴールド・ロジャー。約12年程前、彼の生まれた地である東の海、ローグタウンで死刑が行われたんだ。彼の死に際に放った言葉は世界中を震え上がらせた…『俺の財宝か?欲しけりゃくれてやる。探せ!この世の全てをそこに置いてきた』そして今の時代、大海賊時代が生まれた………ってとこだな」

 

 はい、説明ありがとうございます。つまり海賊が増加した原因を作った張本人という事でもあるんですね。

 でもなんでシャンクスさんの説明の口調がナレーション口調なんだろう………。

 

「ロジャー海賊団は解散して今やその一味はバラバラだけどな」

「誰ぞ一味に所属してあった?」

 

 ありがたい事に私の疑問に気分を悪くする事無くシャンクスさんは答えてくれる。

 

「んー…そうだなぁ。冥王 シルバーズ・レイリーは知らない人は居ないほど有名だ。ロジャーの相棒であり海賊団の副船長でもあった」

「他はご存知皆無?」

「ま、まぁ、二つ名だけだが……〝剣帝〟や〝戦神〟に〝奇跡の───」

「─せん…じん。戦神!」

 

 

 耳の奥にずっと残る単語。知りたかった事がここで聞けれる。

 

 来てよかった…心残りを残すのは好きじゃないから。

 

 

 

 

「──戦神を教えて……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────それはきっと母のことだから。 

 

 




遅くなった様な気がしますがルフィが出てきたところでリィンの外見をある程度……

髪色:金色
目の色:黒色

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