2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第150話 最強の魔法

 

 第1回戦は麦わらの一味の勝利。

 私はノロノロビームとやらの影響で気分を崩したが、吐いてスッキリしたので取り敢えず勝利の言葉を述べる為にナミさん達の元へ行く。

 

「リィン!なんでフォクシーなんかに踏みつけるだなんてご褒美を…!」

 

 

 

 

 

「あ、ウソップさんロビンさんお疲れ様です」

「何事も無かったかの様に存在を無視するな」

「堕天使ちゃん、私凄く海賊辞めたくなって来るからどうにかして」

 

 嫌です。関わりたくありません。

 

「どこかの業界では絶対ご褒美になる仕打ちまで…!」

 

 さぁて第2回戦はまだかな!!!!私の出番が楽しみだなー!!!大声で叫んじゃうぞ!!

 

「リ、リィンちゃん…」

 

 サンジ様とゾロさんが私を呼ぶ。

 1回戦組から離れたかったので心底良かった。

 

「あのビームに当たって平気かい?」

「まぁ…反動で気持ち悪いだけです、でもなるべく食らうしたく無きですね…」

 

 私は酔いやすいし集中力が常人より高いから脳みそと体が一致しない状態は正直かなりキツイ。

 心配して眉を下げるサンジ様に心の中で拝みながら笑って返事をしておく。

 

「あのノロノロってやつなんだったんだ?」

「粒子を浴びるした物質が一定時間…──恐らく30秒程物理速度を殆ど失うもの、だと思います」

「正解だよド畜生!」

 

 フォクシーが落ち込んだ状態から復活してズカズカ大股で歩きながら近付いて来た。さり気なくゾロさんが私の前に出るから心配しているの分かります。

 

「あんまり近付かない方が身の為だぜ?メンタル的にも、コイツ色んな奴のメンタルぐちゃぐちゃにするから…」

 

 敵のな。

 

「私の味方は一味に居ない?」

「ルフィがいるだろ」

「本当だ」

 

 首を傾げると秒で答えられた。秒で納得した。

 

「さっきのコイツが食らったのなんだ?」

「この世に存在する未だ未知の物質、この光子に触れると他の全てのエネルギーを保ったまま一定の速度を失うものだ!それがノロノロの実」

「あ、ご存知ですたよ。悪魔の実は詳しい故」

「調子が狂う…ッ!」

 

 この世に存在するのは初めて知ったけど。

 

「第1回戦は私達の勝ち、ですね!」

 

 背の高い2人に挟まれながらドヤ顔をするとフォクシーは膝から崩れ落ちた。求めるものは金。とにかく金。食費が想像以上に酷いのと、個人資産の分け前が欲しい。情報屋として初期投資の費用が必要だから…ちょっと領収書が……。必要経費って便利な言葉を使い過ぎ。いや、うん、彼には情報を一旦集めてもらう仮オーナーとして居てもらっているけどォ!

 

 お前バッコンガッコン金稼いでいるじゃん!現役大将より!

 情報屋は実質仮オーナーがまとめてくれているからこうして自由に出来るんだけどね、稼ぎが無いのよ…。請求する額からして嫌がらせ以外何物でもない。なんで私の下につく人間って生意気というか上を馬鹿にするの???

 

「ぐ…ぅ……」

「差し出すして貰いますぞ〜? い、ち、お、く」

「ゔ……まさか負けるだなんて…!」

「男に二言は?」

「ねェよ馬鹿野郎!」

 

 人の悔しがる顔を見るのは大好きです。

 

 

 

 ==========

 

 

 

『さーさー!俄然盛り上がるデービーバックファイト!第2回戦は「グロッキーリング」!』

「でも困ったわ。リィンちゃんならまだしも他の人がノロノロビームに当たったら…」

 

 自分の海賊団が負けてもテンションの高い実況者をBGMに歩く。グロッキーリングとやらの会場に行く最中ビビ様が不安げに声を漏らした。

 

「カルーのお陰で攻略法は出てきますたよ」

「カルーの?」

 

 本当に役に立ってくれるよ。誰にでも出来る対処法を見つけちゃったしねェ。

 安心させる様にニッと笑ってコートの中に入っていた。

 

「リィンちゃん…、ゾロサンもサンゾロもどっちも素敵よね」

 

 私は何も聞こえない。

 

「リィンちゃん以外は男の人なんだけど」

 

 何のアピールだ。

 聞こえないったら聞こえない。

 

『ここで1発「グロッキーリング」のルールを説明するよっ!』

 

 実況者の高い声が響く。

 中身は至ってシンプルなルール。友達はボールよろしく、頭にボールを付けた人間を浮き輪みたいなゴールにぶち込むだけ。わぁ、暴力的!

 

「お前らボールは誰がやるんだ?」

「くそコックだろ」

「んだと!?」

「えっ、サンジさんに? ここはゾロさんでは?」

 

 遠くから「リィンちゃんはゾロサン派なの!?」って声が聞こえる違います。良いから黙っていてください。

 

「はぁ!?俺か!?」

「そーだそーだ、リィンちゃんの言う通りここはテメェだろマリモ」

「ならリィンがやれッ!」

 

 ズボッ、と頭に玉印が乗る。

 

「お前なら空に逃げれるだろ」

「まぁ…そうですが…」

 

 玉印を頭に固定しながら頬を膨らませる。これは私じゃなくてもいいんじゃないだろうか。

 

 するとコンダバダバダバとおかしな音楽と共に敵チームの3人が出てきた。

 

『そうだ!こいつらに敗北などありえない!心の無い雑用になんか負けるものか!』

「撃ち落とすぞ」

『その名も〝グロッキーモンスターズ〟!4足ダッシュの奇人ハンバーグ!続いて人呼んで〝タックルマシーン〟ピクルス!最後は魚人と巨人のハーフ、〝魚巨人(ウォータン)〟ビッグバン!』

 

 かなり体格のいい3人だ。

 私は真剣な声でサンジ様にお願いをする。

 

「ハンバーガー食べたいです」

「任せろ」

「デカイのな」

「マリモは黙ってろ」

 

 よっしゃやる気出てきた。

 

「ところでだな、リィンちゃん」

「はい?」

「巨人ってあんなに大きいのか?」

 

 視線の先にはハーフの魚人が居た。

 周囲を見回して色々な物と比べてみる。

 

「目測ですけど、もう少し大きいですかね…」

「巨人ってそんなにデカイのか…」

「私は小指位の大きさと推定、標準サイズで」

 

 巨人は海兵としか関わりが無いけど実際もう少し大きかった様な…。まぁ、目の前のは小さいサイズって事でいいか。

 

「お2人共、不足は?」

「「役不足」」

「強気ですね…」

 

 一番大きいのが玉だって言うのに、その余裕分けて欲しい。

 

『我らの最強軍団に対するのは1回戦で邪魔軍団を蹴散らした〝暴力コック〟サンジ!』

 

 とんでもない紹介の仕方だな。

 お前、私がジェルマにチクったら殺されるぞ?あっ、戦闘系王族だと暴力は褒め言葉か〜〜…。

 

『そして6000万の賞金首!〝海賊狩り〟ロロノア・ゾロ!麦わらチームのボールは外道雑用のリィンだ!堕天使って名前がお似合いだ!』

「撃ち落とす!!!!」

 

 武器ぶん投げるぞお前!そういう所だぞお前!

 タンスの角に小指ぶつけまくる呪いかけるわ。全力で。人間やれば出来る気がする、私なら出来る気がする。

 

「フィールドorボール?」

「ボール」

 

 敵(小)が審判の問いに答える。正直細かいルールは知らないからどっちでもいいけど太陽側のフィールドを取ることにする。逆光で目が眩んでくれないかなって思っているけど……。

 

「あーーーー…魚人めんどくせぇ」

「うおっ!?……お前、時々クッソ低い声出すのやめろよ。流石にギャップでビビる」

「気の所為では?」

「数秒前の自分を消し去るな」

 

 ガラの悪い側面を見られたので慌てて気を引き締める。

 七武海対決した身としては巨人は今更感が凄くてだな…。いや、もちろん脅威ではあるんだけど、私の戦闘スタイルってスピード重視だから動きの遅い巨人相手なら心境的に余裕があるんだ。

 

「ま、敵陣行ってくるです」

「気をつけてな」

「獲物は残してろよ」

 

 精神的余裕はあれど物理的余裕はありません。

 

「あ、剣士の武器は回収しますよ」

 

 審判にゾロさんの武器が回収されてしまった。

 ついでに、と箒まで。

 

「大丈夫か? お前何かしらする時あれ持ってただろ。空とか」

「ゾロさんこそ剣士が武器を手放してもよろしきですか?」

「余裕」

 

 箒で空を飛びやすいことは確かだし、不思議色(ファンタジー)を想像しやすいし雰囲気出るから持っているけど。より一層イメージしやすい方法(別名:パクリ)を手に入れたから特に問題は無い。

 

「よしっ」

 

 敵陣の真ん中のサークルに入る。私が敵サークルに行くと敵(小)でも大きく見えるな…。チョッパー君達動物組を除くと一味で一番小さいから。例え敵3人が勝手に楽しそうに笑いあっていても、上からの威圧感は怖い。

 

 わざと舌舐めずりをして睨みつける。

 恐怖を手に取らせるな、ビビってくれれば勝利の可能性が高くなる。

 

──ピ〜〜〜〜〜〜ッッ!

 

『試合開始!』

 

 甲高い笛の音とアナウンス。それと同時に敵(中)が私にタックルを仕掛けた。

 

「っぎゃ!」

 

 いくらスピード重視と言えども、怖い。

 ギリギリで避けるがその先に敵(小)が掴みかかろうとしていた。しかし炎を纏った白黒カラーのコックの足がスピード重視の私より素早く蹴りつけて阻止してくれたみたいだ。どういう事だ。

 

「リィンちゃんに何しとんじゃゴラァ!」

 

 あ…顔面でえげつない音鳴りましたね。

 どうしよう、ご愁傷さまとしか言えない。

 

「よいっ、しょお!」

 

 体を包んだマントを空へ飛ばす。感覚は箒と同じ。ただイメージはドフィさんだったりする。彼の使う〝空の道〟は糸を使うから一から十まで真似出来ないけど、生きている人間を動かせないのなら布を動かせばいい。

 あっ、高い。思ったより飛びすぎた。

 

「ごめんぞ、────さっさと沈め」

 

 邪魔されないように空に来て集中。と言っても残りの2人が他の敵を殴る蹴るの暴行加えているから大丈夫っぽいけど。

 

 ずきりと頭が痛んだが無視する。

 敵や外野が余計な真似をしない内にゴールに叩き込む!

 

 とにかく動かす無機物は敵(大)の頭のボール。放物線を描く様に想像するとそのまま倒れこもうとする。足が地面につかず滑る様に。

 そこまで来たら操作はしなくていい。後は自然に終わるはず。

 

『グロッキーモンスターズが封じられる!そして何故か空にいるリィン!そして魚巨人(ウォータン)の巨体が浮いたァ!?頭から倒れる!なんだ、なんなんだこれは!』

 

 そしてズドォンッと大きな音を立てて敵(大)の頭が入った。

 

『ゴ〜〜〜〜ルッ!なんと麦わらチーム、我らの誇るグロッキーモンスターズに一撃も喰らうこと無く最短勝利、成す術が無いとはまさにこの事!』

 

 ……着地を考えてなかった。

 

「ドベフッ!」

 

 身動き取れない空中では成す術が無かったけれど、ゾロさんがわざわざ移動させてくれたのか、敵(中)の仰向けに倒れているお腹に見事落ちていった。いいクッションでしたよ!!良かったね!!

 そんな意味を込めて敵(中)を蹴り飛ばしたらゾロさんに変な顔された。

 

「お前って死体蹴り得意だよな…」

「なんの事を言うしてる??死体蹴りは初ですぞ??」

「お前昨日まで書いてたのなんだった?」

「ビビ様と合作ドフ鰐小説」

 

 黙ってしまった。

 

「ん?おい、試合終了のホイッスルがならねェぞ」

「あ、まことですね」

「審判は何してんだ?」

『お〜〜っと!審判偶然にもブリッジの最中で試合を見ていない!』

 

 ……無理やりすぎる回避方法に目が死ぬ。

 

 早くしないと敵(大)は起きるだろうし、早めに試合終了してもらわないと都合悪いんだよねぇ。

 

「最終手段使うしますか…」

 

 ぼそっと呟けば隣に居たサンジ様が反応する。

 視線が合うのでへらりと笑っておいた。

 

「審判さ〜ん!」 

 

 ジャヤでも使ったハッタリ。

 

 拳を握りしめて、オプションで風も付けて地面を陥没させるタイミングと同時に地面を殴った。

 

 

──ボゴォンッ!!!

 

 傍から見ると殴って地割れ起こしたとしか見えないだろう。

 実際タイミングちょっとズレたけど流石に2回目だと慣れる。手も痛く無いし、土埃がいい感じ。凝るなら最後まで凝らないと。

 

 審判は腰を抜かして顔を青くしていく。固めた拳は相手に見やすいよう親切心で胸の近くに置いて、怯えない様に優しく笑う。口角上げて目尻を下げて。

 

「素直に負けを認めるするのと、男の象徴が潰れる魔法、どちらがよろしきですか?」

 

───ピィイイイイイイイイッッ!!!!

 

 被せ気味に力強いホイッスルが鳴り響いた。

 




2戦目終了。
サブタイトル『最強の魔法』とある様に現在リィンが使える最強の魔法が登場しました。未来は明るい(確信)
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