2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第151話 お膳立て

 

 私が仲間の元に戻って一言目は「高いところ怖い!」だった。

 

「リー、お疲れさん!」

 

 ルフィの労いの言葉に何故かホッとした。何故かは分からない。分からないけど。

 少なくとも──

 

「リィン!最高に素敵だったわ!あの最後の笑みなんて性格の悪さがしみじみ感じられたし!」

「リィンちゃんっ!ゾロさんとサンジさんの戦い方みた!?すっごく興奮したわ!公式結婚してた!」

 

 コイツらよりはまともだからか。

 

「なんで、こうなったんだ…?」

「ウソップさん触れる禁止」

 

 というかこの女性2人と比べると世界中のどんな人間でもまともに見えてしまいそうだからこれ以上考えるのは止めておこう。この人達は、うん、ルフィ含めた人類の例外で。

 一般的に若干とはいえ広がっている趣味だとは思っているんだよ?特にビビ様のとか。日陰に隠れているだけで同類は居るんだよ?本部にも…一応居たし……。だけど王女様はちょっと勘弁して欲しい、私の胃的に。

 

 利用するけど。

 

 あ、オレンジの人は語ること無くアウトで。

 

「オ、オヤビンが落ち込み過ぎて頭が地面にメリ込んでる!」

 

 私の心は新たな収入に舞い上がっているので全くの正反対って所だ。オラ、ワクワクすっぞ。とんでもねぇ稼ぎ時だ!

 

「さぁてフォクシー海賊団。更にいただくましょうか、1億」

 

 ニッコリ美少女フェイスで笑ってあげるとフォクシーは更に項垂れる。おーおー、計画をとことんまで破壊されてショックか。そうかそうかそんなにショックか!

 

 でもギリギリまで私のストレス発散に付き合ってもらうからね?

 

「楽しくて仕方ねェって顔してんな」

「悪人顔だよな、アレ」

 

 ゾロさんが呟くとウソップさんがより酷い解釈で同意する。私は市民の味方で正義のお巡りさんなんだけどな。悪人と真逆の立場なんだけどな。

 

「外道とは褒め言葉ではありませぬよ?」

「でもよぉ、自分で外道って認めてんだろ?」

「……学問に王道なし、です」

「一応確認するがそれは『王様であろうと地道に積み重ねていかなきゃ知識は得られない』って意味だよな?」

「裏口入門がある様に『王道だけでなく様々な道が隠されている』という意味ですぞ」

「……………つまり?」

「世の中王道だけじゃなくて外道非道は存在しても良きかと思います」

 

 質問していたウソップさんは圧倒的解釈の違いにひくりと顔を引き攣らせた。

 

「世に解き放って良かったのか海軍」

「同情しますね!」

「自分で言うな」

 

 いやぁ…血筋のせいですな。仕方ない、これは仕方ない。

 いくら仲間の皆様に責められようが、育った環境と親の影響でこうなりました!だから私には一切責任がございません!

 

 

 私は弱いんだ。いざって時に何も出来ないで弱くてヘタレで。ヘタレだけどさ、ヘタレはヘタレなりに頑張ったんだ。外道や非道の仮面を被ることで敵に弱みを見せない様に、仲間も敵も自分も騙している。いつでも逃げ出したい中、不敵に笑って大切な何かの為にこの地面に踏ん張っているんだ。

 ……って設定でお願いします。

 

 怖いんだよー!怖いから逃げる時は何もかも捨てて逃げる気満々だよ!だけど我慢出来る範囲は我慢して、溜まった苛立ちやストレスを他人で発散しているだけなんだ!非人道的なやり方で!

 

「さて、3回戦はコンバットですたよね」

 

 ナミさんが1億の支払いを確認し終えたので次に進ませようとする。他人を貶める為に時間を掛けるのはいいが、その他は時間を掛けない。動揺、混乱などから立ち直らせない為に。そう、私はとってもスピード重視。

 

 実施出来ているかは置いておく。

 

『波乱のデービーバックファイト!未だ見たことない、というか予想もしなかった展開!しかしお互い仲間を失っていないのが不幸中の幸いだ!最後の鍵を握るのはデービーバックファイトの花形!「コンバット」だ!』

 

 相変わらずテンションの高い実況がマイクを持って叫ぶ。

 フィールドメイク、という戦う場所を決める為にフォクシーとルフィが大砲を回している。そして不自然に止まった方向はフォクシー海賊団の船の方角。

 

──ドウンッ

 

「ほいっ、と」

 

 ヒナさん自慢の黒槍を同時にいくつか止めた事に比べたら、砲弾の一つの軌道を変えることなど容易い。

 不自然に止まった方向に放たれたはずの砲弾は、不自然に逆向きに飛んでいった。その場所はこの島の広い土地。

 

『えっ!? フィ、フィールドポイントが決定!場所は何故かロングリングロングランド!』

 

 激しく動揺している敵を尻目にほくそ笑む。

 計画通り過ぎてほっぺが痛い。

 

「堕天使ちゃんの仕業ね」

「もちろん」

 

 ニコ・ロビンの言葉に頷くとルールが説明された。

 鉄球の落ちた所から半径50mの円内で戦う。空中海中では出た事にならないがそこから出たらアウト、至って簡単なルールだ。

 

「ミスしなければ良いけど」

「計画通りに進むかは皆さんの頑張り次第ですからねェ。私の読みが勝つか負けるするか」

「期待してるわ」

「……どーも」

 

 ここまでお膳立てしたから勝ってほしい。

 

 

 出ている屋台で何かを買う気にはなれないのでアイテムボックスの中にしまっておいたドライフルーツなどの食べ物を出しておく。試合観戦しながらポリポリするよ。甘い物を補給しないと頭痛い。まじで不思議色使い過ぎて頭痛いから少しでも糖分補給して休んでおく。

 

「リィン、あっちの奴らがルフィ探してたんだけど、どこに居ると思う?」

「ゲテモノ売り場」

「分かった、フォクシーバッジか何かの所ね」

 

 ナミさんの質問に答えると入れ替えるようにビビ様がやって来た。何この精神的ダメージが多いトップ2、連続はきつい。

 

「リィンちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「…?」

「よくよく考えて、女狐って私の国を保護してくれている事思い出したんだけど」

 

 あっ、腐ってない話題だ。

 

「それで…?」

「女狐の声結構低かったから、男の娘の可能性がワンチャン」

「無い…」

「えぇ!?無い?」

「あ、実物見たわけではござりませぬ故、不明ですが…。流石に違うのでは?ほら、通り名は〝女狐〟ですし」

 

 流石にキミの妄想に巻き込みたいとは思わない。頼む、私を腐った話(中身)に巻き込まないでくれ。どっちかと言うと作成者側として関わりたいから。

 

「それもそうね…」

 

 そんな心底ガッカリした声出さなくても。

 

「ところでリィンちゃん」

「えっ」

「貴女の推しカップリングは?」

 

 

 

 私今何聞かれた???

 

 

「リィンちゃんの推しは?」

「………………??」

「リィンちゃん、純粋な瞳で何も理解してない風に首傾げても無駄よ。この質問2回目だから」

「流石幼馴染みですね」

「いや、数日一緒に居れば結構分かるけど」

「流石幼馴染みと言う事ですね!!!!」

「仲間大事にするけど敵に容赦無い人だもの」

 

 よっしゃ、仲間()を大事にしない人だとはバレてない!セーフ!

 

「ではウソカヤで!」

「私の知らない人の名前だけど存在は知ってる、でも求めていた物と違うのは分かって──逃げないで!」

「おぐっ!?」

 

 黒いマントを引っ張られて立ち上がったけど体制をすぐ崩してしまった。

 

「で!?」

 

 このキラキラお目目が腐った話題じゃ無ければ!

 

「ビビ様、ハッキリ言います。ビビ様の立場上、腐女子になるのは大変マズイと思うです」

 

 肩を掴んで目を見て、誤解のないように伝えた。個人的にはいいんだ、でも王女としてはかなりアウトだ。その訴えが伝わったのかビビ様は真剣な表情をして「リィンちゃん」と私の名前を呼んだ。

 

「──納豆は大豆に戻れないの」

 

 これはお手上げですアラバスタ。

 

 

 

 ==========

 

 

 

『ライン設置完了お待たせしました!』

 

 凄く待ってた。

 

『本日のメインイベント!コンバット!両者フィールドの中へ足を踏み入れる!』

 

 紹介は懸賞金を言うくらいだった。

 でもとりあえずルフィがアフロなのはどれだけ考えても分からなかった。私の頭脳がいくら唸っても、だ。多分現代の科学では解明出来ない何かだと思う。

 

 まぁどうでもいいか、と傍観の姿勢を保つ。

 

 ノロノロビームにとやらに当たるか当たらないかはルフィ次第だけど……。なんとか勝ってほしいものだ。

 

 

 円形の数メートル離れた所に設置された観客席にはギャラリーが沢山いる。セコンド、らしいウソップさん以外は一味大集合だ。すぐにセコンドアウトで退場したけど。

 

「お金払ってくれるか不安…」

「怪我しないか不安ね」

「この一味が不安だわ」

 

 厄介女衆が口を揃えて言う。不安に思う対象が違うみたいだけど。

 チョッパー君とカルーとサンジ様は目を輝かせていた。

 

「勝てるかな、勝てるよな」

「どうでしょうね」

 

 チョッパー君の少し不安そうな声に生返事をすると、決戦のゴングが鳴り響いた。

 ルフィは殴ろうと手を伸ばす。しかし、フォクシーはフィールドを変えられたと言えど能力の使い方を良く分かっているのでルフィの拳にノロノロビームを当てることを成功してしまった。おかげでルフィはフィールドのギリギリまで反動で吹き飛ばされる。

 

「くっそー!あれ、スッゲェ厄介だ」

 

 悔しそうに呟くルフィの声がここまで聞こえてくる。

 恐らくマイクか何かを使っているんだろうな。

 

「フェーッフェッフェッフェ!フィールドが違おうとお前の負けは決定してるんだ麦わら!」

 

 ルフィの力強くてかっこよくて最高の声と比例して不快感の勝る声が会場に響く。船の上だとフォクシーは武器を変えたり使ったりしたんだろう、だけど場はシンプルな草原だ。武器は打撃武器、ルフィには効かない。

 

「〝ノロノロビーム〟ッ!」

 

 フェイントを入れた光子はルフィの体全体にぶつかった。

 ゆっくりとだが落下していく。

 

「〝九尾ラッシュ〟!」

 

 フォクシーはそう叫びながらルフィを何度も殴った。もう1度言うがルフィには打撃は効かない。効かないけど、30秒のツケは大きな勢いとして──ルフィをフィールド外に弾き出してしまった。

 

 ルールに則るとルフィの負け。

 

「うそ……」

「そんな…っ」

「ルフィが、負けた!?」

 

 戦闘とゲームは違う。

 その違いを感じ取って一味には動揺が走った。

 

 悔しそうに顔を歪めるルフィが視界に入るが、耳に入ってきたのはフォクシーの声。

 

「さァ!寄越して貰うぜ!フォクシー海賊団が求めるものは…───雑用〝堕天使〟リィンだ!」

 

 強く握った拳を開き目の間を揉む。

 なんというか、凄く疲れた。

 

「ルフィ」

「……リー」

 

「──待ってる」

 

 目から一筋の涙が零れた。

 




どっかの誰か達が変態の国を作ってしまい危うくち★こ(※直接的な表現は避けています)を書いてしまう所だった。その時間を仮にパイ★リタイム(※直接的な表現は避けています)だとすると、その時間にこの話を書いてた私はデービーバックファイトが後ろを狙うホモホモしい奴だと考えてしまってもうビビ様ぁってなってました。
賢者タイムです。
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